登場人物(ストーリー進行上であった方が良かった為に勝手に命名)
- 芽池 由利[メイケ ユリ](ガチレズ)
- 平生院 音菜[ヘイショウイン オトナ](女)
ホントの私は臆病で何も出来ない駄目な子……
一歩踏み出すのにも沢山の勇気が必要なんだ……
だけど私はあの人の笑顔が見たいから……
あの人が笑うと私に力が溢れてくるんだ……
この想いが認められないものだとしても……
きっと……
きっと……
【#1 連鎖】
中学生だった時のある日のコト。
私はクラスメイトの女の子達と好きな人について話し合っていた。
「でさぁ!やっぱり佐藤君は良いよね~」
ウンウンと周りに合わせて私も頷く。
「由利ちゃんは好きな人とか気になる人っている?」
予想外のこちらへのにフリに思わずとっさに浮かんだ男の子の名前を言った。
「鈴木君…」
悪い趣味では無いという感じで皆は私の言葉を鵜呑みにした。
「確かにバスケ部ではイケメンの部類だよね!」
「そうそう!この前の練習試合の時も良かったよ」
私の一言から話を勝手に膨らませて変に盛り上がっていた。
実は今まで私は『恋』というモノの経験が無かった。
ただ今は周りに取り残されるのが嫌で嘘を付いた。
皆が話すコイバナを聞いたり漫画やドラマで感じた事を私の『恋愛』の情報とした。
「(恋って何?ドキドキな感情って何なの?私には分からないよ…)」
そして他愛も無く、その場の時間は過ぎていった。
だがそう思っていたのは自分だけの様だ。
次の日、普段通り教室へ入ると直ぐに異常に気が付いた。
「私の机……」
そこにあるはずの机が無かったのだ。
視線を感じてバッと周囲を見渡すと明らかに目線をクラスメイトの女の子立ちはパッと外す。
「クスクス……良い気味……」
「何か臭くない……?」
本人にギリギリ聞こえるくらいの声量で笑いを含んだ悪態が教室の空気へ溶けこむ。
あまりに唐突だったので場の状況判断が遅れたがやっと理解した。
「(私の『番』なんだ……)」
原因はどこにあったんだろうか?
ゆっくりと現在から過去を洗う。
《「由利ちゃんは好きな人とか気になる人っている?」
「鈴木君…」》
あぁ……これだ。
きっと昨日のメンバーの中に鈴木君を好きな子がいたんだ。
ライバルを蹴落とす為に強制的に地位を下げるのは女の子の中ではよくある事。
分かっていたのに取り返しのつかない失敗をしてしまった。
この日から私への迫害が始まる。
机やノートへの落書きは当たり前に行われ、時には上履きの中に牛乳が流し込んであった時もあった。
トイレに連れこまれてはクラスメイトの男の子には分からないように罵倒された。
事実では無い嘘を流されてはその事に対して関係の無かった女の子からも色々と言われるようになった。
そしていつしか私はクラスで一番下の地位へと下がる。
その雰囲気を感じ取って男の子達も次第に離れていった。
私は最近こう思う。
きっと男の子は虚像に関してのイジメは行わず現実に対してのみイジメの材料とする。
だけど女の子は現実に虚像を折り混ぜてイジメを行うのだ。
毎日学校へ行くのが怖かった。
次は何をされるのか?何が私を責めるのか?
ただ……ただ毎日をやり過ごす事に集中した。
両親に話そうと思ったが話す勇気が湧かない。
学校の先生もきっと両親に繋がるから言えなかった。
無論、私を迫害する者達へ反抗するには無理があった。
解決方法は分かっている。
次の『番』まで耐えるのだ。
その子がきっと私の負荷を全て持って行ってくれるから……。
最終更新:2007年02月19日 21:08