夕暮れ時、カナカナカナとヒグラシの声。
レ「女さん、もう夏も終わりですね」
女「え?」
レ「ほら、もう、ヒグラシが鳴いてる」
遠く聞こえる蝉の声と、やけに赤い夕暮れが
去りゆく夏と報われない恋に呼応して、濃くなった気がした。
レ「私、本当に女さんのことが好きなんです。冗談だとか、
半端な気持ちではないんです、好きなんです、本当に」
平素とは違う真剣さに、沈黙が流れる。蝉の鳴き声がやけに大きい。
女「…その気持ちは、嬉しいよ凄く」
沈黙を破ってそう言った彼女の頬が、夕焼けに照らされている以上に赤い気がした。
思わず私は、前方の建物を指差し、彼女の手を掴んだ。
レ「では、あそこへ参りましょう!!」
女「って、ラブホか!!純情返せ!!!」
彼女の拳が顎に触れた
レ「ブーーーッ」
最終更新:2007年03月28日 14:47