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女「そういやここ最近友帰るの早いわね」
レ「なんでも町内芸術祭に出展するんだとか。テーマは『葵』だとか」
女「源氏物語の葵の上?」
レ「そうですね。まぁ他にも徳川家の紋だったり。元々は植物です」
女「あいつがそういった文化的なモノを作り出すとは思えないんだけど・・・・・・」
レ「何言ってるんですか!友さんのフルスクラッチ美少女フィギュア見たことないんですか?」
女「見たことないし見たくもないわ・・・・・・てかあんたが無理矢理作らせたんでしょ」
レ「はい、女さんの風呂上がりの写真渡してそれを元に」
女「そうかぁ。一時期友がやたら胸やら腰やらに抱きついてきたけど
  寸法測ってたのかぁ。あはははは」
レ「今度一緒に見に行きましょうね」
女「何で自分の全裸フィギュア見なきゃないのよ!
  そう言うことを考える頭をちょっと直してあげましょうか?(ぐりぐり)」
レ「いたたたたた、でもそれが快感に・・・・・・」
女「(ぴろりろ)ん?友からメールだ」
レ「あっやめないでぇ・・・・・・(ちゅどどどど)って私にも友さんから」
女「(着メロが爆撃音かよ)CCに入ってるから同じメールみたいね」
女「(『敵艦隊見ゆとの警報に接し連合艦隊は直ちに出動、これを撃滅せんとす。
   本日天気晴朗なれども波高し』・・・・・・なによこれ?)」
レ「ちょっと予定外があったみたいですけど、無事出展には間に合ったようですね」
女「え~と、同じ文面のはずよね?」
レ「そうですよ?分かりませんでした?」
女「……もうあんた等に疑問を持つことはやめにするわ」
レ「ちなみに本来は日本海海戦の時の連合艦隊から大本営に向けての打電です。
  海が荒れて計画していた連繋機雷作戦が行えないので、砲戦主体による
  戦闘を行うの意ともいわれることから、ここでは予定外があったと判断しました」
女「彼女は恥辱に堪え、自らスカートをたくし上げた、まで読んだ」
レ「誰もそんなこと言ってません!」

夕方
レ「(お父~さんお父さん、魔王が~今~)あ、友さん?」
女「(今度は魔王かよ。てかどこでDLしたのよそんなの)」
レ「え?……あの~……」
女「どうしたの?え?出てみろって?
友『堪え難きを~堪え、忍び難きを~忍び、』
女「え~と、つまり?」
レ「だめだったみたいですね……」 

女「そろそろ帰ってくるはずなんだけどなぁ」
レ「あ、あれですよ!」
女「あ~…あぁ?」
レ「巨大な駆逐艦が…歩いてくる…」
女「……凄い形相でこっち見てる……」
友「はぁ、はぁ、持つの、手伝って」
レ「うわ、重い!これ一人で持ってきたんですか?」
女「とりあえずあんたのアパートに行きましょう。
  ……入るんでしょうね?これ……」

友のアパート
女「で、なんでテーマが『葵』で作品が戦艦なの?」
友「駆逐艦よ。く ち く か ん!」
レ「葵……駆逐艦……もしかして二等駆逐艦の葵ですか?」
友「見れば分かるでしょ!」
レ「いや、さすがにすぐにその発想は出てこないです……」
友「うぅ、そうよ。みんなよく分からない平安貴族だの植物だのばっかりで……」
女「(そういえばこいつ古典は全然ダメだったわね)」
レ「(葵の上くらいは知ってて欲しかったんですけど)」
友「そんな煌びやかな展示物に混ざって私の1/30駆逐艦葵が部屋のど真ん中に鎮座したわけよ」
女「(何そのカオスな空間は……)」
友「各出展者は展示物の説明をすることになってたから、私は小一時間二等駆逐艦の説明をしてたわけよ」
レ「そんなことしなければ努力賞とかユーモア賞くらいはもらえたかもしれないのに……」
友「だってみんな酷いのよ!二等駆逐艦だからって馬鹿にして笑うの!
  あんな大和しか知らないような奴らに笑われたなんて葵が可哀想じゃないの!」
女「いや、多分空気読めなかったあんたを笑ったんじゃないかと」
友「せっかく…頑張ったのに…3人で温泉…行きたかったのに…」
レ「友さん…もしかしてその為に…」
友「二人とも…ごめんね…温泉行けなくて…ごめんね」
女「あんたのその気持ちだけで十分よ。温泉なんか行かなくても
  こうやって3人でいればそれで十分幸せよ」
レ「そうですよ。温泉なんていつでも行けますよ」
友「うわぁぁぁぁん!凄い惨めだったぁ!切なかったぁ!」
女「よしよし、落ち着くまで抱いててあげるから
  ガチはお茶でもいれてくれなさい」
レ「(ちょっと嫉妬しちゃうけど…こういうのも、なんかいいな)
  はいはい。友さん、台所かりますね」

この日、友のアパートの部屋の電気はいつもより早く消えた。
そして、このアルミ製二等駆逐艦が別のコンテストで大賞に輝くのは、
また別のお話。

友のアパートからの帰り道
女「『本日天気晴朗なれども波高し』ってのは、
   駆逐艦の出来は最高だったけど、周りから浮いてるってことだったのね」
レ「そう言うことになりますね。すごい切ない電文ですけど……
  でも友さんうらやましいなぁ。女さんと1時間も抱き合って。なんか胸とか揉んじゃってるし」
女「あの子、泣くと子供みたいになるからねぇ。あんたみたいに
  欲深くないから、つい許しちゃうのよねぇ。母性本能ってやつ?」
レ「(やはり天然にはかないませんね。でも負けませんよ……)」

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最終更新:2007年03月28日 16:21