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 いつも無意識に目が行く席、今日は朝から空いたまま。
ポカリと空いた空間に、彼女が居るとき以上に意識が削がれる。
 授業を終えた担任を捕まえて、彼女の休みの理由を聞き出す。
 風邪、風邪を引いたらしい。

 放課後、何度か行った事のある彼女の家に向かった。
 いきなり押しかけて迷惑かもしれない、風邪で弱っている所を見られたく
ないかもしれない。それでも、どうしても、心配だった。
 ピンポーンと間抜けな音が、来訪を告げる。
女「…はい」
 チャイムを押してから随分とたった頃、漸く聞こえた彼女の声はかすれていた。
ガ「あ、ガチです。風邪引いたって、聞いて、それで」
女「…ちょっと待ってて、開けるから」
 カチッと解錠する音の後出てきた彼女は、目は虚ろで頬は紅く、苦しそうに呼吸をしていた。
ガ「女さん!大丈夫ですか?!病院には行きましたか?薬は飲みましたか?
熱は?何度あるんです?ご飯は食べられてますか?」
女「…そんなに、一遍に聞かれても、…応えられないよ。…お見舞いに来てくれたの?ありがとう」
 彼女は笑いながらそう言ったけど、その笑顔が何だか随分弱々しかった。
 彼女の部屋に入って、ベッドの中苦しそうにしている彼女を、ただ見る。
 私には何も出来ない。
女「…ガチ…来てくれて、ありがと」
 ぜぇぜぇとした呼吸の合間に彼女は言った。
 私は愛しい彼女の手をギュッと握って、信じたこともない神様に願った。
どうか、どうか彼女の苦しみを和らげて下さい。
 どうぞ彼女の痛みを、何も出来ない私に。

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最終更新:2007年03月28日 16:27