レ「えぐっ…ひっく…」
先輩「(あれはガチさん…?)どうしたんだい?」
レ「あ…女さんの…」
先輩「バイトの先輩だ。何かあったの?」
レ「ふぇっ…女さんが…どうしても恋人としてはみれないって…」
先輩「ガチさん…つらかったよね、でも…私はこれでやっと一歩踏み出せる」
レ「うぅ…」
先輩「ガチさん、好きです」
レ「………え!?いきなりそんな!」
先輩「女さんを見るうち、一緒にいる君を見るようになった」
レ「…」
先輩「君は一途で純粋で、私はどんどん惹かれていった」
レ「先輩さん…」
先輩「今伝えるのは卑怯だと思う。けど、伝えずにはいられないんだ」
レ「…」
先輩「元々叶わない思いだと知ってる。
それに今までもそうだったから、ふられるのには慣れてる。
君は気にせず、今までの通り暮らしてくれればいい。
ただ、もし私を見てくれるのなら、ここに連絡して欲しい(スッ」
レ「…」
先輩「ふぅ…家まで送るよ。部屋で思い切り泣くといい」
ガチの部屋
レ「先輩さんが私をそんな風に…でも私はっ…!」
女「あの子、傷ついてるかな…。けど私は応えられないよ…」
先輩「まったく、つまらない意地を張らなくていいものを…
自分がそう強くもないことくらい、知っているだろうに…」
夜は更け、また明けてゆく。人の心を、変えながら。
一人、夜の空を見上げる
高慢な月が私を見下している
お前なんか、一ヶ月で消えてしまうくせに
どうして愛されるの?
何故私は愛せないの?
お前が人の心を変えてくれるなら、私も、愛することができるのに
もしも望みが叶ったなら、世界を丸ごとだって愛せるのに
駄目だ、やはりセンチメンタルになる。
もう寝よう。
どうせ幾晩寝ても連絡は来ないだろうけど。
遅い朝の訪れを感じて、ベッドの上で飛び起きる。
幸い学校もバイトも休みなので、ほっと胸をなで下ろす。
昨日の約束を思い出し、携帯に手をのばす。
期待するから、辛くなるのに。
着信はない。予想通り、でも何故か辛い。
そのとき、不意に携帯が震える。
知らない番号。誰だろう。
レ『もしもし』
先輩「ガチ…さん?」
レ『はい』
先輩「どうして…」
レ『あなたが言ったんでしょう?連絡しておいで、って』
レ『私、決めましたよ』
先輩「ガチさん…」
レ『先輩さんの声、温かいです。これから宜しく、お願いします!』
先輩「…」
レ『一晩で変わってしまうのは悪いことなのかも知れません。
でも、私は好きになったんです。恋を感じたんです』
先輩「…ありがとう。ごめん今…グスッ…あんまり話せる状態じゃない…」
レ『…はい。大丈夫になったら、連絡くださいね。
あ、それと!』
先輩「何?」
レ『女さんと自分を較べたりしないでくださいね!ではっ』
先輩「…」
何ともいえない状態。
放心しているというなら、それも外れていない。
心の中はまるで空っぽのようなのに、喜びの涙だけが溢れる。
私はきっと、月が好きになれるだろう。
最終更新:2007年02月19日 19:11