女「どうしたの? 寒いのに海なんか見に来て」
レ「いいんですよ、ここで。えっと、そろそろですね…
ほらっ、女さん! 見てください!」
そう言って、彼女は夜空を指差す。
その指す先で、煌々として儚い、一輪の花が咲いた。
女「この冬場に花火…ってあんたまさか!」
レ「そーです、友さんと阿部さんに協力していただきました!」
女「あんた…お金は…?」
レ「私の家、売りました。どうせ一人暮らしでしたし」
女「あんたね…」
レ「だから、これは本当に一世一代の賭けなんです」
咲き乱れる光の花々をバックに、彼女は私の目を見つめる。
黒い長髪が、同じ日本の伝統的な美に映える。
レ「私と一生、一緒に暮らしてくださいっ!」
女「だが断る」
レ「えぇっ!」
彼女はあまりのことに、理解不能といいたげな顔をする。
絶望の表情も可愛いと思ってしまう私で、本当にいいのだろうか。でも、
女「夫婦は死んでも同じ墓に入るものよ?」
レ「…! 女さん!」
女「うわっ、と、急に抱きついて来たら倒れるでしょ!?」
レ「女さん、私、幸せです!
女さんが告白してくれたクリスマスより、夜通し看病してくれたときより、ずっと幸せです!」
女「…もう、また死んでもいいとか言い出さないでよ?」
レ「はい…私、生きたいです! 女さんと一緒に、いつまでも…」
空を打ち、掻き消えてゆく最後の一輪。永遠に、二人の心に留まった。
最終更新:2007年02月19日 19:56