イーガン教授(グレッグ・イーガン)
誰よりも人間を知り、自分に裏切られた。亡き妻の影を追う。
概略
- 元教授、今は身分を隠したじじい、グレッグじいさん。
- 現在は妻を亡くして独り身であり、サンチョパンサ周辺のジャンクショップ「Tube」でパートとして働いている。
詳細というか略歴というか
元は、脳科学者の権威で、教え子にはスパロウやザルツマンがいる。
専門分野はマンマシンインターフェイス(Man-Machine Interface)とヒューマンオペレーションシステム(Human Operation System -
HuOS)。
妻(日本人)を亡くしている。奥さんの名前は未定。
研究者としての現役時代は脳科学者の権威としてトップを走っていた。
情報空間と物理空間の統合理論や脳機能の解明などで輝かしい論文を発表後、最愛の妻を脳腫瘍で亡くす。
その後、業界から一線を画し研究内容をクローズドにしながらHuOSを開発。
ある日、学会から引きこもり状態にあった教授を、助手であったジョアンナが久しぶりに訪ねたところ、研究室はもぬけの殻、かなりの資料が失われ教授の姿はどこにもなかった。
不審に思ったジョアンナによって捜索の手がかけられたところ、旅先の地ですでに教授は亡き人となっていた。
間はまだ考え中。
しかしながら教授は死んではいなかった。
亡き妻への妄執から開発したHuOSが、技術として持っている本質的な意味に完成後に少し冷静になって考える時間がきたときに気付き、自分の好まざる分野での転用を防ぐため、自らの存在もろとも研究成果を葬り去った。
身を隠している現在は、サンチョパンサ周辺のジャンクショップ「Tube」で住み込みの従業員として働いている。古本屋の店番のお爺さんのような感じでいつもいる。
筒井康隆の小説「敵」の主人公、儀助がモデルになってます。死後の奥さんに対する妄執っぷりとかはそこらへんから来てます。
技術的なことに関する解説
抽象的で分かりにくい説明になるが、いかんせん未来の架空技術なのでブラックボックス的な扱いでよろしく。
一旦あげます。
2008/8/19/けん
ヨーコ・イーガン
母性強き良妻。亡き人。
現在に至る変遷
イーガン夫人。穏やかで優しく、美しい妻であった。40代後半のときに脳腫瘍で死去。脳機能の専門家であった教授はこれにひどく心を痛め、悲しみに明け暮れるようになる。
ヨーコとグレッグの間には子どもがいなかったが、グレッグの教え子で懇意にしていた共通の知り合いの生徒がおり、その人夫妻を自分たちの息子娘夫婦のように見守っていた。
ヨーコの死後、HuOSとして復活した後もヨーコはその夫婦のことが気になり探索をする。その中で既に夫婦が某地で死亡していることと、夫婦に子どもがいたことらしきこと、その子どもが行方知れずになっているらしきことに行き当たる。
自らの孫に等しい最後の希望を、実体のない愛が救おうとする。
現在のヨーコが生み出す、作中の役割
ヨーコの作品中の役割を攻殻で例えるならば、人形使いが全世界に巨大な影響力を持ち、性格が人間寄りで優しくなった感じ。
現在のヨーコは唯一の完璧なHuOSであり、研究成果の漏洩を恐れるならばグレッグが失踪の際に消去するべきであった。しかし二度目の彼女の喪失に耐える自信のなかったグレッグにはそれは無理で、現在はグレッグの管理する「Tube」の地下サーバーを拠点として世界中のネットワーク網に知らず自己の残滓を拡散させている。
このことがMMIや、グレッグ失踪後スパロウが完成させた亜種HuOSに一部異常動作を起こさせる遠因となっているが、それに気付いてる人物は今のところ地球上にいない。ノーバディのグレートマザーとも言える。
2008/9/17/けん
最終更新:2008年09月17日 11:59