(仮名) MPK4501より供与された設計図を元に開発されたI=D。 ”顔のない男”の乗る機体の量産タイプであり、超高機動射撃戦を目的として開発された。 人類の肉体限界を超えた高機動を実現するため、通常のパイロットを排除。頭部に搭載BALLSにホープ・舞踏子タイプの記憶チップを直接搭載し、機体そのものを義体として制御する。直接制御方式としたことで、肉体を介することによる反応の遅れなども避けることに成功した。 思考速度・反応速度高速化の恩恵は明らかで、20kmも離れていれば核起爆型機動爆雷の爆散破片を回避・迎撃することすら可能だった。 動力源は機体内にはなく、母艦/母港の相転移ジェネレータからリアルタイムで転送される。このエネルギー転移の原理は人類には知られておらず完全なブラックボックスとなっているが、おおよそ10000kmまでは転送精度が確保されている。 本機の単独行動半径はこの転送限界と等しくなるが、短時間であれば機体内のコンデンサに蓄積された電力によって稼働可能である。 なお相転移ジェネレータそのものは1km×1kmほどの大きさがあるため、およそ機動兵器に搭載できるものではない。 動力源を機体外に求めたことで大幅な軽量化と機体剛性の向上に成功、コクピットをもたないので生命維持系もほぼ不必要であるなど、極めて効率的な機体になっている。 主推進系はMPDアークジェット(推進剤を高電流で電離・プラズマ化させ、ローレンツ力によって強制排気する方式)。 地球その他の大気圏内では外気を取り入れてのラムジェット推進を併用。大気摩擦との兼ね合いで最高速度が制限されるものの、ほぼ無限の航続距離を持つ。 武装はレーザー砲に統一されており、白兵戦は考慮しない。 ○諸元 全高 16.2m 乾燥重量 114.2t 動力源 外部相転移ジェネレータ パイロット ホープ/舞踏子タイプ 1名(直接接続) 装甲 セミモノコック式複合装甲/耐電磁・耐レーザーコーティング 推進剤 水その他(冷却材・耐レーザー材兼用) 冷却系 ペルチェ型放射冷却ラジエーター/ノズル部再生冷却システム 主推進方式 ラムジェット併用型MPDアークジェット 45700t×4 真空最大加速度 1600G 地球型大気圏内巡航速度 マッハ10以上 センサー 重力波センサ、アクティブ型フェイズドアレイレーダー、光学センサ他 ○搭載兵器 1000mmレーザー主砲×2(スポット径6mm、最大射程47000km) 480mmレーザー副砲×4(スポット径5mm、最大射程19000km) 50mmレーザー対空砲×10(スポット径2mm、最大射程800km) ○指揮官型 全高 16.4m 乾燥重量 125.2t 推力 45700t×4+17600t 背部に高機動パックを装着、通信系を強化したタイプ。パック装着位置は既存スラスターと干渉しないように配慮されている。重量増加分の推力アップに加え(最大加速度自体は変化していない)、大容量タンクを備えることで航続距離を1.6倍に向上させた。 武装その他に変更はない。