「ケツイ~絆地獄たち~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ケツイ~絆地獄たち~ - (2010/06/21 (月) 10:41:18) の編集履歴(バックアップ)


ケツイ ~絆地獄たち~

【けつい ~きずなじごくたち~】

ジャンル 弾幕シューティング
対応機種 アーケード
販売元 エイエムアイ
開発元 ケイブ
稼働開始日 2002年
移植版 Xbox360
  • よろしければクソゲーまとめ@wiki内の解説もどうぞ。分類は欝ゲー

特徴

  • ロックオンシステム・2周目では張り付くと撃ち返し弾を封じられる、といった独特の攻撃的なシステムにより、画面全体に動き回りつつ接近戦で戦うという「STGを極め尽くした人間」のような常識外れなプレイが存分に楽しめる。
    • むしろ、消極的なプレイだと敵を処理しきれず、物量に圧倒され追い詰められてしまうことが多いため、半ば強制的に積極的なプレイスタイルが求められることになる。
  • 本作も怒首領蜂大往生と同様に、当時としても性能の低い基板を採用しており、その制約から弾数自体は抑えめで弾速で攻める弾幕がメインである。更に、本作ならではの特徴として、カーブ弾、変速弾を主とした、トリッキーな弾幕が非常に目立つ。道中・ボス戦問わず息もつかせぬ攻撃の激しさであり、アドリブでの回避能力とパターン構築能力の両方が高水準で求められる、極めて難易度の高いゲームとなっている。
    • 特に2週目は敵の攻撃が更に激しくなった上に撃ち返し弾まで加わり、手のつけようがなくなる。
    • 比較的近い時期にリリースされた怒首領蜂大往生と本作によってケイブシューの難易度高騰がピークを迎え、以後は難易度がやや穏やかになると共に初心者救済システムの充実などが図られるようになっていく。
    • 「プロギアの嵐・怒首領蜂大往生・虫姫さまふたり」と合わせてケイブ四天王と恐れられていることも。
    • 裏2週目移行条件は1周目クリア時にノーミスノーボム(+ノーコンティニュー+累計スコア1.2億点。だが事実上はノーミスノーボムを満たせば勝手に達成する)という非常に厳しいものであり、更に裏2週目の最後には凶悪な真のラスボスが控えている。

ストーリー

  • 架空の西暦20XX年。地球温暖化による海面上昇は、国の領土を巡る騒動へと発展。人類に再び「戦争」という愚かな道へと誘った。
    その背景では死の商人と呼ばれる企業「EVAC Industry(以下EI)」が、先進国に武器兵器を大量輸送して戦争を激化させていることが判明。
    国連はEIとの長期の交渉を試みるも事態の悪化により断念。やむなく無国籍ゲリラ部隊と騙った国連主体の殲滅部隊が結成された。
    • 作戦内容:
      ①EIの施設・研究所・そして全世界に散らばった兵器の壊滅。
      「国連が殲滅主導をした」という証拠の破棄。その中には当作戦に参加した者、全ての命も含まれている。
    • 作戦報酬:
      国連が責任を持って、当作戦に参加した者の願いを一つだけ叶える。
  • その「100%生きて帰れない任務」を志願した四人の若者に、世界の命運が握られた。果たしてその先に待つものは…?
    • この悲壮感溢れるストーリーから「STGの中でこれだけ好き」という女性ファン(良くも悪く)も多く存在する。また欝ゲーの一つに数えられることも。

長所

  • ケイブ史上最高と言われる抜群の操作性。これにより、画面を縦横無尽に動き回る、他にはない非常に攻撃的なプレイスタイルが余すことなく楽しめる。
  • 「特徴」でも挙がった通り、本作の敵は非常にトリッキーな弾幕を繰り出してきて、多くのプレイヤーを困惑させ、追い詰めて来る。しかし、そのトリッキーな弾幕こそ本作を特徴づける要素であり、赤と青のカラフルな弾がグネグネと画面を飛び交う様は美しい。鮮やかに回避したときの快感も格別である。パターンとアドリブのバランスも丁度良く、極端な覚えゲー、気合ゲーに走っていない点もポイントが高い。
  • 破壊の爽快感。敵は戦車や戦闘機、ヘリなどを主とした重厚で壊しがいのあるものが揃っている。上述の攻撃的なプレイスタイルと効果音が相まって破壊の爽快感を存分に味わえる。本作特有のシステムである「ロックショット」であるが、敵をロックオンした際のピッピッピッピという効果音がこれまた非常に気持ちいい。
  • ステージ展開とBGMの絶妙なシンクロ。BGMはノリノリのアップテンポな曲から悲壮感溢れる曲まで揃えている。本作のサウンドを担当したのはバトルガレッガや怒首領蜂大往生と同じく並木学(さんたるる)であるが、彼はステージ構成のみならずボス撃破後のリザルト表示のタイミング等まで徹底的にシンクロに拘ったと述べており、本作のサウンドはSTG史上でも特に人気の高いもののひとつとなっている。
  • インパクトのある敵キャラ。上述の凶悪、トリッキーな弾幕の数々もあって、印象的な敵がボス、雑魚問わず多い。特に真ラスボスの「光翼型近接支援残酷戦闘機エヴァッカニア・ドゥーム」は、ケイブ製STGではお馴染みの小型のラスボスであるが、特徴的な弾幕とBGMが相まって非常に人気の高いラスボスとなっている。(ボスの形態変化のタイミングとBGMの転調が大体合うように調整されており、ボスの発狂とともにBGMも盛り上がっていくのは素晴らしい。)

問題点:元々は一周完結のはずだった?

  • しかし、真ボス以外の2周目の作りが非常に雑なのが最大の問題点。撃ち返し弾の追加や敵の攻撃の激化によりゲームバランスにやや無理が生じており、理不尽といってもいい難易度の場面がある一方で、1周目の時点でキャラオーバー寸前まで弾数があったのにさらに敵弾を増やしたせいで「キャラオーバーで自機の方に弾が飛んでこなくなった」ためむしろ1周目より弱体化している敵やボスが多くいるなど。
    • 例1:2周目4面ボス「シンデレラアンバー」第二形態中の「画面端バウンド→Uターン赤弾」が、弾速が速すぎUターンする事なく画面外に旅立ってしまい楽勝に
    • 例2:2周目最終面中ボス「トラファルガ」第一形態中の「全方位赤青ターン弾」がキャラオーバーで画面左下に全く飛んでこない
    • 例3:2周目最終面ボス「エヴァッカニア」第一形態中の全方位バラ撒き系攻撃の一部は画面左下に全く飛んでこない
    • 例4:裏2周目の「エヴァッカニア」にボムでトドメを刺すと、エヴァッカニア・ドゥームが登場する事なくエンディングに突入する致命的バグがある
  • 上記の問題点は 1周エンドで作成したのに、マスターアップ直前で販売元AMIのわがままで2周エンド+真ボス追加させられるという暴挙に振り回された結果作りこめないまま発売したことが原因、とメインプログラマー池田恒基は語っている。最終面で全ての敵が総登場する、というここまでのケイブらしからぬ展開からも1周エンド予定だった事が感じ取れる。
  • また、2周目では地面に敵の影が映らなかったり、敵を破壊しても得点アイテムが出なかったりするのは、1周エンドのつもりで容量ギリギリまでオブジェを配置したが2周エンドということにされてしまい、泣く泣くオブジェ数を削らなければならなくなったから、と公式Q&Aで語られている。
  • 上記の展開から、途中過程ではノーミスノーボムでクリアすると最後に光翼型(中略)通称:ドゥーム様と戦う内容だったのではないかという説もある。

賛否両論面

  • 女性キャラ一人すら出ないほどの「硬派さ」(オペレータは女性だが)。
    • こればかりは感性の問題。しかし「萌え」を期待している方は、今回は縁がなかったということで…。
    • その代わり、「あっち」系の要素の方が一人いる。

総合

  • 確かに難易度の高騰や無茶な設定になった2週目には問題点がある。しかし、それらを補える操作感・システム・BGMの魅力が本作にはある。ミリタリーの重厚な世界観もSTGとの相性もよく根気があれば長く遊べる。
  • 最終的に死んでしまう主人公たち。しかし彼らは何も知らされていないとか、強制的に任務に加入させられた訳ではない。
    死を恐れつつも自ら任務を志願し、願いや世界のために、自分たちの大事な者のために戦って散る…そんな彼らの生き様を是非、哀愁溢れるエンディングと共に感じ取って欲しい。
    • 一部アレなエンディングもあるが、まあ気にするな。
    • メインプログラマー池田恒基氏曰く
      「いくら自分の願いが叶うとはいえ、死を前提とした任務は並々ならぬ決意があってのもの。そんな思いを秘めた奴らの、そんな地獄まで行っても切れることはないだろうと。そんな意味を含んだ上でのタイトル『ケツイ~絆地獄たち~』です。」

その後の動き

  • DS版「ケツイデスレーベル」をアリカ製作で発売。DSという制約上完全再現はムリで、ひたすらボスと戦うという内容だったが、初心者でもボスの攻撃をかわして倒すと言う基本の面白さに集中しているため評価は上々。
    • 完成度は非常に高いものの「ケツイの移植」というわけではない。しかしゲーム内容だけでなく資料や裏話などのファンサービスも非常に充実しているため「ケツイのファングッズ」としては文句なしに最高の評価である。
  • ニコニコ動画ではAC版ケツイは(他は黙認されているにも拘らず)削除対象になっている。削除が始まったのはDS版が発売されてすぐに後のことである。
    • 理由としてはアリカ副社長・三原氏の「(DS版に比べて)ケツイAC版のアップロードはアウトだろう」という発言をケイブ側が忠実に守ったため・若しくは動画のコメントが荒れているとも言われているが、詳細は不明。
  • 実は5pb.製作でXbox360へ移植の話があったのだが、「怒首領蜂大往生EXTRAブラックレーベル」のソースコード盗用のスキャンダルが発覚。5pb.は管理不届きに問われ、交渉が凍結状態に。暫く未定の状況になっていた。
    • 実際に開発を任せられたのはアクアシステムズという会社。しかし盗用されたソースコード元である、アリカ副社長・三原氏いわく「STGを開発した者ならすぐに分かるはずの、丸々盗用に気づかなかった5pb.側にも責任はある」とのこと。実際に当作品をプレイして仕様や細かい挙動までPS2版にまるまるそっくりなことから気づいたとか。
  • 2010年4月22日、ついにXbox360版が発売された。開発は5pb.。問題らしい問題も見当たらなく、追加モードなども備え良好な評価を得ている。ただし、AC版の完全な移植ではなく多少の違いは存在する。
  • 本作以降ケイブの作品は硬派成分が極端に薄くなり、性転換する自機と棒読みライバルな「エスプガルーダ」、自機が鼻声かつぱんつはいてない疑惑の「虫姫さま」、ボスが全員残らず女になった「鋳薔薇」…と女っ気がにわかに増加した。
    • 女っ気の増加については、ケイブのチーフデザイナーである若林明がINHでの鋳薔薇攻略DVD付属冊子のインタビューにて「メカばっかりだと難しいと思われて新規客が入ってこないと思うからキャラを増やす方針にしている」という旨の答えを出していた。怒首領蜂など多くの作品でズンドコなメカを描く一方で、ケイブ社内で商業的な葛藤をしていたようだ。
      • さらに、同時期リリースでキャラクターを前面に押し出した「式神の城II」(アルファ・システム/タイトー)等がケツイ以上にヒットしたこともケイブの商業的な葛藤を強めさせている。
    • これらの後継作をゲーム性の点から見れば、怒首領蜂大往生からの難易度高騰路線を反省し、救済措置や難易度選択の余地を多く残す傾向が強い。