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選評6(選評5改訂)

「主人公」=「あなた(プレイヤー)」。
主人公にデフォルト名はなく記憶喪失状態でスタート。
記憶喪失だとバレないように振る舞いながら攻略対象=彼氏との関係を探っていくことになる。
徐々に蘇る記憶と攻略対象への想い。主人公とプレイヤーはシンクロし、「もう一度あなたに恋をする」。

新感覚の乙女ゲームと期待してこのゲームを手に取ったプレイヤーも多いことだろう。

舞台は「とある架空世界の、とある架空の国の、とある架空の街」とあるが、どう見ても現代の東京である。
だが安心してほしい。
攻略対象の奇抜な服装(アシンメトリーニーハイ編み上げブーツ、スペード型の髪飾り、数十個の意味のない
ベルト、ビリビリに破れた服の裾)、精霊オリオンの存在が非現実を演出してくれる。

記憶を失って目覚めた主人公。
自分の素姓すらわからないまま精霊オリオンに導かれ、日常生活を送りつつ記憶を取り戻そうと奮闘することに
なるのだが、主人公の行動は常にオリオンがナビゲート、主人公にセリフやモノローグはない無個性主人公仕様で、
常にオリオンが語り続ける。
オリオンが合わないプレイヤーには苦行となるゲーム前半を超え、主人公の記憶が徐々に戻ってくる後半になると、
攻略対象との過去のエピソードの回想、主人公のセリフやモノローグが出始める。
だがしかし、苦行の先にはさらに苦行が待っていたのである。
明らかになった主人公の性格や過去、攻略対象と付き合うエピソードは強烈で、好みが分かれることだろう。

某ルートを例に挙げるが
主人公が自分の不注意から飼い犬を死なせる
→泣く主人公に次からは気をつけようと攻略対象が無神経な言葉をかける
→主人公ブチギレ

このエピソードが、攻略対象が「自分は主人公に憎まれているはずだ」と思わせぶりに語っていた原因である。
プレイヤーは無個性主人公と思われていた主人公の個性に(  Д ) ゚ ゚ 
このようにルート中に次々と明かされる主人公の新情報に微妙な気持ちにさせられる。
前半の無個性主人公が合っていたプレイヤーは振り落とされ、それを乗り越えて待っているのは
その個性の強い主人公と攻略対象とのラブラブなEDである。
とてもターゲットを絞りまくったチャレンジャブルな乙女ゲームではないだろうか。

ちなみに、このゲームは攻略対象ごとに初めから個別ルートである。
それぞれパラレルワールドなので、あるルートでは幼なじみだったキャラがあるルートでは義兄だったりする。
一粒で二度おいしいと思ったあなたに言っておこう。味(性格)は同じである。
主人公のことが大切すぎて自ルートではヤンデレ化して監禁してくれるキャラがいるが、他ルートでろくに出番も
なかったのに選択肢ひとつでスイッチオン。唐突に監禁エンドへ連れて行ってくれる。

各キャラにGOOD ED、NORMAL ED、そして多くのBAD ED。
好感度・信頼度・記憶喪失疑惑といったパラメータの数値でEDは決まる。
パラメータは選択肢結果で増減するのだが、増減は微量で判別しにくく、パーセンテージ表記が欲しくなる。
選択後のキャラクターの反応でパラメータ増減を判別しようにも微妙なモノが多く、そもそもパラメータ増減に
関わらない選択肢も多数存在する。
例:「飲み物を買っていました」or「ジュース買っていました」

ルートによっては100を超える選択肢、パラメータの微調整をへて各エンディングを迎えられる。
つまり、1ルート毎に周回プレイ(もしくはかなり序盤に戻ってのパラメータ調整)が必須。
しかし、スキップ機能が大変不親切である。
遅い。最速に設定しても遅い。さらに主人公の携帯の電話・メール着信でスキップが止まる。
ボタン操作するまで鳴り続ける着信音はプレイヤーの神経を逆撫でる。
その苦労を超えて回収するBAD EDは、ある攻略キャラが唐突に主人公を刺殺する、古井戸に落とす、屋上から
投げ捨てる等、大抵が唐突な主人公死亡エンドである。
そして、グロ耐性のないプレイヤーに不親切なことに、それらのBAD ED含めEDリストを埋めないとコンプスチルは
見られない。
ちなみに、セーブシステムはシステムデータに加えて自分がゲーム内でセーブした分だけセーブデータが作成される仕様。
お気に入りイベント前にセーブするなど好きなだけセーブデータが作れて嬉しいという面もあるだろうが、
無数の選択肢毎にセーブしようものならばプレイヤーのメモリースティックはアムネシアのデータで埋め尽くされる
ことになる。

さらに、全キャラ攻略後に見ることができるおまけエピソードも強烈であるので気を抜いてはならない。
攻略対象視点の過去エピソードなのだが、
モブキャラの告白をあざとくかわす主人公に萎え、
主人公大好きヤンデレキャラに過去に彼女がいたことが発覚し萎え、
彼女(not主人公)に優しくしようと決意する攻略対象に萎え。
各キャラを補完しようとして斜め上にいったエピソードが展開されている。

記憶喪失の主人公、最初から「彼氏」である攻略対象という珍しい要素、サスペンスもヤンデレもグロも搭載、
無個性主人公と強烈主人公という相反するものを詰め込んだ「アムネシア」。
やりごたえのある偉大なクソゲーに拍手を贈りたい。