南千秋&ライダー ◆Wott.eaRjU
目が覚めた。
たとえば頭の中の雲が消えて、ぱっと太陽が出るように。
今まで見てきた、感じてきたことは夢のように感じてしまう。
だけど決して怖い夢ではない。
むしろ心地がよかった。
何も怖いものなんてない。
ベッドから起きると二人の姉が居る。
優しくてなんでも出来て、尊敬の念を覚える姉。
元気があって、自分を引っ張ってくれるもう一人の姉。
そんな二人に見送られて向かう学校には友達が居る。
何でもないような毎日だけど、確かに幸せと呼べるものはあった。
それでも――違う。
私の世界はここじゃない。
少女、南千秋は確信する。
◇ ◇ ◇
頭の中がすごく重く感じた。
いわゆる知恵熱というやつだろうか。
あながち間違ってもいないような気もする。
きっと脳がパンクしてしまっているのだろう。
頭に流れ込んだノイズが暴れまわっている。
聖杯戦争、令呪、サーヴァント――とにかく言いたいことは一つだった。
「……バカ野郎」
夕焼けの公園で南千秋が一人つぶやく。
少女の声だけが周囲に響き、そして消える。
か細い声は心の叫びでもあった。
未知の情報をつぎ込まれ、頭の中は一杯になったはずなのに。
今は何もいえない喪失感が少女の肩に降りかかっている。
幸せと信じていた生活が、虚偽なものだとわかったから。
同時に喪ってしまったとわかったのだから。
「ハルカ姉さま……カナ……」
偽りの生活にも二人の姉が居た。
上の姉は本当の姉と同じくらいに優しく、尊敬出来る姉だった。
下の姉は本当の姉と比べ物にならない程に、人間の出来た姉だった。
だけど自分にとっての姉は、あの二人しかいなかった。
優しくて、何でも出来て、世界で一番な女性である南春香。
バカで、一人じゃ出来ない事も多いけど、それでもにくめない南夏奈。
二人との生活が、二人との家が、自分の居場所であった。
それなのに奪われてしまった。
奪われたことにすら気づかず、目の前の幸福にすがっていた。
ただ、それだけがどうしようもなく――悔しかった。
「マスター」
聞こえる。
自分の存在を確かめる声が。目の前に長身の男が居た。
知っている。
聖杯戦争におけるサーヴァント、自らのパートナーだ。
右手に刻まれたセンスのない模様と共に手に入れた。
マスターとして選ばれた自分の、唯一無二の力となり得る存在。
手を握って拳をつくる。横なぎに顔を拭う様に、振った小さな腕をサーヴァントへ突き出す。
一滴の雫が放物線を描く。
「……泣いているのか?」
「泣いてなんか……ない!」
胸の奥から熱いものがこみ上げる。
悲しみは、もういらない。
「私は、南チアキはハルカ姉さまとカナにもう会えないなんて嫌だ。絶対に家族を取り戻す!
だから“ライダー”……悪いがお前にはしっかりやってもらうぞ!」
必要なのは進むこと。
奪われたものを奪い返すために。
恐怖と不安をかなぐり捨てて、希望の先へ向かうために。
南千秋は自身のサーヴァントの存在を確かめる。
「家族……姉か……。女の涙には縁があるな」
「バ、バカ野郎!だから泣いてなんかない!それよりも私のサーヴァントなら、ちゃんと自己紹介しろ!」
サーヴァントは少女の声に答え、小さな彼女の頭にそっと手を置く。
びくっと身体を震わせる少女からは年相応の弱さを感じ取る。
そしてサーヴァントは声に答えただけではない。
ライダーのサーヴァント――彼は少女の想いに応えるつもりだった。
彼もまた、かつて少女と同じように喪った者なのだから。
自分自身を、たった一人の姉を、総てを悪魔に、そして神に奪われた男。
彼の血に塗れた両手にかつて残ったものは怒り、悲しみばかりであった。
だが、それでも、この場ではもう――
「ならば俺は――“仮面ライダー”と呼べ」
村雨良の手はもう、何も取り零すことは許されない。
【クラス】ライダー
【真名】村雨良@仮面ライダーSPRITS
【属性】中立・善
【パラメーター】
筋力:D 耐久:D 敏捷:D 魔力:E 幸運:E 宝具:D
(非変身時)
筋力:B 耐久:A 俊敏:A+ 魔力:C 幸運E 宝具:C
(ZX変身時)
【宝具】
【悲しみの神の器(ゼクロスボディ)】
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大捕捉:1
総ての始まりは秘密結社BADANの首領、JUDOの依代として改造されたことだった。
幾多の実験体の血肉、亡霊から生まれし身体を持つライダーは存在こそが罪とも言える。
同時にその身体は総てを失ったライダーの力となり、生前の彼を支える総てとなった。
困惑を抱きながらかつての記憶を求め、総てを思い出したライダーには深い悲しみが残った。
悲しみを抱き、9人の偉大な先駆者の背中を追いかけて、たった一つの世界のために戦った。
群衆の眼に映る正義の戦士。誰かは彼を仮面ライダーZXと呼んだ。
【赤き閃光より生まれし力(シンクロ)】
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大捕捉:1
ライダーの身体が真紅に染まる時、彼の身体は完全に修復し、強大な力を生む。
世界を創世した神さえにも恐怖を抱かせる力はただ一蹴に込められた。
その強大な力は敵を討ち滅ぼし、同時にライダーの存在をたとえ躯体が微塵に散ろうとも世界へ還す。
【クラススキル】
騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物であれば乗りこなすことが可能。ZX変身時には1ランクアップする
【保有スキル】
ラーニング:B 相手の技を模倣する能力。体技を使用する技に限定される。
人間としての可能性:A 負傷、復元、進化から連なる仮面ライダーとしての本質は人間が誰しも持つ可能性と言える。鋼のように鍛え続けられる力は世界のため、人類のためであれば無限へと続く。
戦闘続行:A 往生際が悪く、瀕死の状態でも戦闘を続行するスキル。四肢を捥がれても戦いを止めなかったライダーの戦い方に由来される。
【人物背景】
BADANによって改造され、かつては悪魔の先兵であった男。
身体の99%が機械で構成され、残り1%には人間の肉体が残っている。
人々は彼を村雨良――10号ライダー――仮面ライダーZXと呼ぶ。
【weapon】
改造人間としての肉体。パーフェクトサイボーグとして内臓された武装。
【サーヴァントとしての願い】
少女にはもう何も喪わせない
【マスター】
南千秋@みなみけ
【マスターとしての願い】
家族を取り戻す
【weapon】
特になし
【能力・技能】
頭は回るが身体を使うのは苦手な小学生
【人物背景】
とあるマンションの一室に三姉妹で住む南家の三女。
長女の南春香には絶大な信頼を寄せており、春香が白を黒といえば千秋も悩んでしまうかもしれない。
次女の南夏奈が同じことを言えばきっと千秋はこう言うのだろう。「バカヤロウ」と。
【方針】
とりあえず脱落しない
最終更新:2015年04月14日 16:47