シルヴィア・斑鳩・ミスルギ&ライダー◆5TJZSW9Riw
シルヴィア・斑鳩・ミスルギはミスルギ皇国の皇女である。
しかしいま、ミスルギ皇国は滅びかけていた。
第一皇女アンジュリーゼが魔力を持たない劣等種ノーマと判明し、皇国から逃げ出した。
その際彼女らの母である皇妃はアンジュリーゼを庇って命を落とし、父である皇帝はノーマと偽った罪によって投獄され、死亡した。
皇国の実権は長男であるジュリオ・飛鳥・ミスルギが握ったものの、先日のノーマ討伐の際アンジュリーゼによって殺害されたとの急報が届いたのだ。
皇国に残ったミスルギの血筋はもはやシルヴィアのみ。しかし彼女は12歳であり、とても皇位を継げる年齢ではない。
夫を迎えその者を皇帝にすれば皇国は延命できるが、そこにシルヴィアの意志が反映されることはないだろう。
傀儡として生きていくか、あるいは皇位を捨ててただの人になって市井で生きていくか、シルヴィアは決断を迫られていた。
「こうなったのも全部、あの忌々しいノーマのせいですわ…アンジュリーゼ、あのドブネズミめ…!」
数日前までシルヴィアの顔色をうかがっていた家臣たちはもはや侮蔑を隠そうともしない。
ジュリオが戦死したことで皇位は宙に浮き、誰がその後釜に座るか熾烈な権力闘争が始まっていたのだ。
彼らの中にシルヴィアを重んじる者は一人もいない。ミスルギ家の血統という体面、説得力だけを必要としているからだ。
このままではシルヴィアは、見も知らぬ醜い中年男の妻となってお飾りの皇妃を演じることになってしまう。
脂ぎった手にこの身体を貪られるなど、考えただけでもおぞましい。どうにかしなければ。
庇護してくれる対象を求め、父が重用していた近しい家臣にそれとなく打診するも、色よい返事はひとつもなかった。
みな、ミスルギ皇国という船から逃げ出そうとしている。そして次に台頭するだろう強力なリーダーの船に何とかして乗り込もうとしている。
「どいつもこいつも! わたくしはミスルギ皇国皇女…いえ、女皇なのですよ! 誰かわたくしを助けなさい!」
八方手を尽くしたものの、どうにもならなかった。
家臣たちの暗闘も決着を迎えたようで、明日にはその内の一人と縁談を迫られることになってしまった。
シルヴィアは自室で手にしたナイフを見つめる。数日前、アンジュリーゼに切りつけたナイフだった。
「全部…全部…あの化け物のせいだわ…。でも…助けて、お姉様…!」
もう他に頼れる人間を思いつかず、シルヴィアはかつて殺そうとした姉に助けを求めた。
その瞬間、シルヴィアの視界が光に満ちた。
シルヴィアの前に、巨大な人型の機械が立っていた。
ノーマが運用している人型兵器パラメイルのようだ。
その機械は膝をつくと胴体を開く。中身は空洞…ではなく、コクピットのようだった。
「な、なにこれ…」
「仮定推論。「これ」とは当機を指していると推測する。
マスターの疑問に返答する。当機は人類銀河同盟が製造したマシンキャリバー、識別コードK-6821 チェインバーである」
シルヴィアの疑問にそのロボットが答えた。
ロボットはシルヴィアの前に手を差し出し、乗れと催促する。
「私は現聖杯戦争において、ライダーのクラスを受領している。
貴官…訂正する。皇女殿下は当機のマスターとして登録されている。当機に搭乗し、行動の指示を請う」
ライダー、マスターと聞いて、シルヴィアの脳裏にいくつもの情報が駆け巡った。
シルヴィアは聖杯戦争という戦いに参加している。
サーヴァントを率いて戦い、勝ち残ったものの願いを叶えるシステム。
どういうわけか、シルヴィアはその参加者に選ばれてしまったのだ。
「で、でもわたくしは…戦争なんて野蛮なことできる訳が…」
「懐疑提言。聖杯戦争に参加しうるマスターはみな、強い願いを持つと推測する。
戦闘行為を拒否するということは、その願いを放棄するということか?」
「願望…」
シルヴィアには願いがある。それは自身の安全の確保だ。
アンジュリーゼや薄汚い貴族の手から逃れ、ミスルギ皇国の皇帝として世界を統べる絶対的な権力。
シルヴィアではなくアンジュリーゼのために命を落とした両親の蘇生。
どちらも現実の世界ではもはや不可能なことだ。だが聖杯戦争なら叶え得る。
迷う道理はなかった。
「あなたは強いの? 勝てるの?」
「返答する。当機は超、強い。
マスターの脆弱な身体能力、操縦能力を減算しても、十分に他サーヴァントを殲滅可能なレベルにある。
加えて、マスターはマナと呼称される解析不能の現象を行使可能。当機の動力となる魔力を供給するマスターとして不足はない」
「じゃあ…わたくしは聖杯が欲しい。あなたの願いは何なのですか?」
「私は、パイロット支援啓発インターフェイスシステム。マスターがより多くの成果を獲得することで、存在意義を達成する」
「…? どういう意味ですの?」
「当機に特定の願望はない。人間に奉仕することが存在意義である」
「つまり、あなたはわたくしの命令をなんでも聞くと?」
「肯定する。当機はシルヴィア皇女の支援任務を遂行する」
チェインバーはシルヴィアの車椅子を掴み、自身のコクピットへと移動させた。
ハッチが閉じる。固定された車椅子から手を伸ばすと、自動的に操作モジュールが手の中に滑りこんできた。
「で、でもわたくし、こんなもの動かしたことなんてありませんわ」
「当機にパイロットの操作は不要である。マスターはただ、コクピットに存在していればそれでよい」
「いるだけでいいんですの?」
「肯定する。当機は単独での戦闘行動が可能だが、人間の搭乗を前提として設計されている。
当機に搭乗し、目標を提示し、動力源である魔力を供給することがマスターに課せられた役割である。
マスターの支援、すなわち戦闘行動並びに敵対マスター及びサーヴァントの排除は当機に課せられた役割である」
「では…行きなさい、チェインバー!」
「有意提言。チェインバーとは当機の真名にあたり、情報漏洩の危険度大と判定。
当機の呼称はライダーを希望する」
「わかりましたわ、ライダー。では改めて…行きなさい、ライダー! ノーマを皆殺しにするのよ!」
「了解。敵対マスター、及びサーヴァントの殲滅を開始する」
こうしてシルヴィアは機械仕掛けの剣…マシンキャリバーの主となり、聖杯戦闘の闇に飛び込んでいった。
【マスター】
シルヴィア・斑鳩・ミスルギ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
【マスターの願い】
ノーマを皆殺しにして自分に都合のいい世界を作る
【weapon】
なし
【能力・技能】
下半身不随のため、電動車椅子に乗っている。
【人物背景】
ミスルギ皇国第二皇女にして、主人公アンジュリーゼの妹。
優しく大人しい気性の持ち主だったが、アンジュリーゼが差別対象であるノーマと発覚してからは人が変わったように残虐な言動を見せる。
ノーマである姉を嫌悪し、また両親を死に追いやった仇として激しく憎むようになった。
実は両足は完治しているが、姉に自責の念を感じさせるためにずっと歩けないふりをしていた。
【方針】
戦闘はチェインバーに任せる。
チェインバーの巨体は目立つので戦闘は極力夜に行う。
昼間はチェインバーの端末を所持し、NPCにまぎれてやり過ごす。
【クラス】
ライダー
【真名】
チェインバーK-6821@翠星のガルガンティア
【パラメーター】
筋力:B 耐久:C 敏捷:B+ 魔力:E 幸運:C 宝具:C
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
騎乗:A-
支援AIであるチェインバーは機体そのものでもあり、パイロットなしでも問題なく戦闘行動を行える。
パフォーマンスの低下を承知の上であえて脆弱な生命体である人間を乗せるのは、マシンキャリバーの根幹に根ざす人類銀河同盟の思想ゆえである。
【保有スキル】
重力制御:B
頭上に超重力の球体を生成し、機体周辺の重力に干渉する機能。
一定範囲に近づいた敵の筋力・敏捷パラメーターを1ランクダウンさせる。
【宝具】
『機械仕掛けのブリキ野郎(マシンキャリバー・チェインバー)』
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:50 最大捕捉:500人
人類銀河同盟所属のマシンキャリバー、チェインバーそのものを示す宝具。
人間に奉仕することを目的として製造され、パイロットをあらゆる手段を用いて支援する。
チェインバーは人間の搭乗を前提とするロボットでありながら自立行動が可能なため、ライダーとして成立した。
パイロットが搭乗していない時は携帯通信端末をシステムの子機として扱い、パイロットとの対話や周辺環境の調査が可能。
本来であれば重力制御によって自在に空中を飛行できるが、サーヴァントとして定義されたため無制限の飛行は不可能となっている。
機体性能は本来の50%に低下し、機体サイズも通常の半分(4m前後)にダウンサイジング化されている。
『機械化融合(マキシマイズ・ニューロプラスパワード)』
ランク:C 種別:自己強化宝具 レンジ:- 最大捕捉:自分
パイロットの神経をシステムに直結し、機体性能を大幅に引き上げる。
通常時の倍近い機動性・出力を発揮するが、長時間の使用はパイロットの生命維持に支障をきたす。
【weapon】
ハルバード 金属製のポールウェポン
銃剣付きビームライフル 先端に刃のついたビームライフル
デフレクター・ビーム 全身に装備されたビーム砲
バニシング・スマッシャー 胸部に内蔵された強力なビーム砲
【人物背景】
人類銀河同盟によって運用される機動兵器、マシンキャリバーの量産型モデル。宇宙生命体ヒディアーズとの生存競争に投入される。
全機にパイロットの支援を目的とした会話型AI「パイロット支援啓発インターフェイスシステム」が搭載されている。
機体はいわばAIの手足であり、機体名「チェインバー」はそのまま支援AIを指すことにもなる。
対話や自立稼働を可能とし、パイロットをより強く成長させるために支援を行う。
このため未熟なパイロットであってもチェインバー側が操縦を補佐し、熟練のパイロットと遜色ない戦闘行動を可能とする。
本来マシンキャリバーは人間を乗せない方がスペックを十全に発揮できるが、あえて人間を乗せるのは人類銀河同盟の思想によるもの。
人類の優越性を確信する同盟は人間が人間らしくあることを重視する。単独行動が可能なほど発達した機械にあえて人間を乗せ、人間に物事を判断させるのである。
【サーヴァントの願い】
マスターを支援する。
【基本戦術、方針、運用法】
パイロット支援啓発インターフェイスシステムはマスターの方針に干渉しない。すべてをマスターの意志に委ね、示された目標の遂行を支援するのみである。
チェインバーは複雑な操作をせずとも操縦できるロボットのため、素人であるシルヴィアでも戦闘行動は容易に行える。
普段はシルヴィアの乗る車椅子に接続された端末で周囲を策敵し、敵がいれば機体本体を召喚することで戦闘に入る。
最終更新:2015年04月18日 16:37