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城ヶ崎莉嘉&アサシン ◆zzpohGTsas


 アサシンのサーヴァントは、率直に言えば相当参っていた。
見るからに物々しい装いをした男である。まず目を引くのが、テントウムシを模したような真紅色の仮面を被っていると言う事だろう。これが、とてもよく目立つ。
次に目を引くのが、このご時世、伊達者かヤクザ者しか身に付けそうにない紅色の陣羽織を羽織っていると言う事実。
羽織の下には、紺の作務衣を身に纏っている。そして最後に、腕に赤の腕甲、脚部に同じく赤の脚甲を装着していると言う事実。

 何ともまぁ、自分は堅気者では断じてありえない、と言う事実を雄弁に語っている服装であろうか。
それはそうだろう。サーヴァント、しかも、暗殺を主たる仕事とするアサシンとして呼び出された以上、この男が一般人が認識するところの普通では到底ありえない。
生前のこの男の主たる仕事は、アサシンのクラス名が仄めかしている通り、暗殺業である。
日本国の影で暗躍する暗殺集団、第八巫蠱衆の時期頭目として血の滲むような厳しい修行を続け、幾多の死線を潜り抜け、
そうして、数々の暗殺を成功させてきた、紛う事なき超一流の暗殺者。名、つまり真名を、『槻賀多弾』と言う。

 アサシンとしての実力も確かで、直接戦闘も滅法強いその弾が、心底困ったような顔を仮面の裏で浮かべながら、自分のマスターを見下ろしていた。
ガシガシと後頭部を掻きむしる弾。何と前途多難なマスターに当たってしまったんだ、と言う言外の意がありありとその動作から見て取れる。

 生前弾をアバドン王にならないかと唆したあの男のような金髪をした少女だった。
とても小柄である。弾との身長差は凡そ、頭1つと半程もあろう。少女の側からだと弾は、見上げなければ顔が見えない程の偉丈夫であった。
大正時代の言葉を借りれば、モガっぽい服装をした――弾は今の時代で言うところのJCの制服を知らない――、洒落た恰好の少女。
顔付きは、悪くない。きっと笑えば、ひまわりの花でも咲いたような眩しく素敵な笑顔が花開く事だろう。

 そんな少女が――泣いていた。
目からは当然涙を流し、いい歳をした女の子がみっともなく洟(はな)すら流して、本気で泣いていた。
今にも金切声にも似た泣き声すら飛び出しかねない気配すらあったが、それだけは、目の前の少女は必死に抑えているらしい。
低く、殺したような嗚咽だけが、桜色の壁紙が特徴的な部屋に跳ね返るだけ。少女の名前は、『城ヶ崎莉嘉』。
右手に刻まれた令呪を見れば解る通り、アサシン・槻賀多弾のマスターであり、そして、今回の聖杯戦争の正式な参加者の1人でもある。

「ちょいぃ……オレすげぇ居辛ぇよぉ、マスターよぉ……」

 こう言った状況に不慣れな弾は、慰めるでも叱りつけるでもなく、自分の思った事を率直に口にする、と言う悪手に出てしまう。
独特の訛りと方言が目立つ口調だった。元々弾が所属していた暗殺集団、第八巫蠱衆は日本の山陰地方に居を構えていた者達。
言葉の端々からそう言った訛りが出てしまうのは、当然の事であった。

「うぅ……えぐ……」

 弾の言葉を聞いても、莉嘉は嗚咽を喉から絞り出すだけ。勘弁してくれと、心中で愚痴る弾。

 一目見ても解る通りであるが、弾はこう言った状況には慣れていなかった。どうしたら良いのか、解らないのである。
これが弾と同い年か少し下程度の女性、或いは男性であったら激を飛ばして喝を入れると言う手段も出来なくはなかったが、
如何せんマスターが、見るからに歳幼そうな子供なのだ。そう言った手段に出るのも、なんとも憚られる。泣く子と地頭には敵わぬとは、さても良く言ったもの。

「ひっぐ……Pくぅん……お姉ちゃぁん……たす、けてぇ……」

「ぴ、ぴぃくん……? 悪魔かぁ? それ」

 悪魔召喚士と何戦も殺し合った経験があると言う都合上、弾は一般人よりは悪魔について造詣がある。
だがそれでも、本職の学者や召喚士には到底劣る程度の、にわか仕込みの知識だ。それに弾は勘違いしているが、そもそもPくんは悪魔ではない。
弾に説明したとて到底理解出来ない事であるが、莉嘉のアイドル活動を支援、補佐し、莉嘉にアイドル活動をマネージメントするプロデューサーの事である。


「(女って奴ぁいつの時代になっても泣き虫だねぇ……)」

 今も泣きじゃくる莉嘉を見下ろしながら、弾はこの状況を切り抜ける方策を考えていた。
莉嘉を見ていると、弾は自分の妹である茜の事を思い出す。茜と莉嘉とでは容姿は似ても似つかないが、莉嘉は如何やら姉妹の妹の方であるらしい。
何処となく莉嘉を見ていると放っておけなくなるのは、彼女が子供であると言う事と、聖杯戦争における自分のマスターであると言う事もそうであるが、
それと同じ位、妹、つまり、先に生まれた血縁者がいる人物、と言う事実も大きかった。
弾は生前、あまりにも悲惨な運命を甘受せねばならなかった槻賀多茜の為に、第八巫蠱衆の時期頭目と言う座を蹴り、村の禁忌を犯し破門されても尚、
彼女を救う為に奔走していた程に妹思いの人物であった。だから、見過ごせなかった。頼るべき人間が世界にいない、まだまだ未熟な城ヶ崎莉嘉を、だ。

 聖杯によって記憶に封をされ、その封を解き、元居た世界の記憶を取り戻した人物が、聖杯戦争への参加権を得る。
そして記憶を取り戻した参加者の前に初めて、サーヴァントがあてがわれる。弾の頭の中に刻み込まれた聖杯戦争にまつわる知識には、そうあった。
これで行くと、当然ながら莉嘉が記憶を取り戻した時には、弾は既に舞台へと招かれていた事になるのだが、その時には莉嘉は泣きそうな顔をしていたのである。
凄まじく嫌な予感を感じ取った弾が、何か言葉を投げ掛けようとした次の瞬間には、理科の瞳から、涙が決壊。そうして、現在に至るのだった。

 泣いた理由は、凡そ察しがつく。
この幼さだ、人を殺さなければならないと言う聖杯戦争の現実が到底受け入れられないのだろう。
加えて、その現実に対して尋常ではない恐れを抱いている。人を殺さなければならないだけでなく、自分も殺される危険性があるのだから、それは無理もない。
そして泣いている理由の中で一番大きい事柄は、恐らく、誰にも相談出来る相手がいないと言う残酷な現実であろう。
不安と、心細さと、押し潰されてしまいそうな程の緊張の中で、誰も頼るべき相手がいない。誰とも悩みを共有出来ない。
果たしてその絶望感は、いかほどの物なのだろうか。その程度の差は人それぞれだろうが、莉嘉が味わっている絶望の深さは、相当のものに相違あるまい。

 莉嘉の境遇については同情の余地はあるが、そうも言ってられない状況に莉嘉も弾もいるのは事実である。
莉嘉がどれだけ泣き喚こうが、彼女は聖杯戦争への切符を切ってしまったのである。サイは投げられてしまった、賭け逃げは、絶対に許されない。
こうなってしまった以上、この世界から生きて帰りたいのなら、聖杯戦争を勝ち残るしかない。
そしてそれは、向かって来る相手を殺し、最後の1人になるまで生き残る事とほぼ同義。実質、莉嘉と弾に許された選択肢は、戦う以外にないのであった。

 今はまだ、その現実を受け入れなくても良い。
受け入れなくていいから――弾は目の前の少女に泣き止んで欲しかった。切実に。
干支が一回りする程の歳の差の女子に泣かれた状態で、部屋に2人きり、と言うのは想像以上に気まずい空間であった。

 何かしら、莉嘉を泣き止ませる方法はないかと模索する弾。たっぷり20秒程、莉嘉のグズる声をBGMにして、彼は考えついた。
――そうだ、泣き止ませて落着かせるんじゃなくて、驚かせて呆けさせる方法でもええじゃないか!! と。
無論、大声を張り上げるなどと言った、示威的な驚かせ方じゃ駄目だ。もっと落着いていて、それでいて、神秘さを感じられるような方法で。
この無骨の塊とも言えるアサシンのサーヴァントは、その方法を持っていた。
正直本人としては、嫌な思い出しかない宝具であったが、こんな場面で役に立つのなら、使うしかない。
弾は思い立ったら吉日が服を着ているような男。彼は即座に、行動を実行に移した。

 懐から、朱塗りの木板を長方形の形にした様な物を取り出して見せた。
それは、弾が所属する第八巫蠱衆が、今から莉嘉に見せるものを閉じ込めて置く為の『虫かご』だった。
虫かごのフタを弾が開帳する、と、其処から何かがふわふわと外へと出てくる。

「……えっ?」


 泣きじゃくっていた莉嘉が、虫かごから出て来た何かに目を奪われた。
野球ボール大の、強い黄金色のハレーションを放つ球体であった。ホタル、に見えようが、違うだろう。
ホタルにしては、余りにも放つ輝きが強すぎる。これではまるで電球だ。
電気のついた明るい部屋の中でも、その光の色が確認出来る程、強い光を放つ、この謎の浮遊物。
これをマジマジと見つめていた莉嘉であったが、その光を放つ何かの正体に気付いたらしい、「あっ……!?」と、声を上げた。

 光の真ん中に、この光の光源と思しき生き物がいたのだ。
ホタル、ではない。それは、イナゴのような姿をした、バッタに似た生き物だった。その生き物が、羽を出して器用にホバリングしているのである。
しかも見たところ、身体の一部に発光器官を持っているのではなく、『身体全体で発光を起こして見せている』ようなのだ。
もっと見てみよう、と身を乗り出す莉嘉であったが、「そこまで」とでも言わんばかりに、弾が虫かごを器用に動かして、そのイナゴをかごの中に閉じ込めた。

「あっ。も、もっと見せて……!!」

 弾の顔を見上げながら、莉嘉が懇願する。

「ようやく話し掛けてくれたなぁ、泣き虫めぇ」

 初めて自発的に話し掛けられた事に安堵しながら、弾は、自らの顔を覆うテントウムシの仮面を外した。
彫りの深い男性的な顔立ちであった。やや濃い顔つきであるが、しかし、世間的に見れば、男前に属するような、良い男である。
少しだけ堅い、強張った笑みを浮かべて、弾は口を開く。

「あー、まぁ……何て言ったらいいのか、正直俺もよぉ解らんがぁよぉ……」

 ――莉嘉を取り合えず驚かせ、泣き止ませる方法だけは思い浮かんでいた弾だったが、その後続ける言葉を全く考えてない辺りが、実にらしい。
莉嘉に伝える言葉を、完全なるぶっつけ本番で、しかも今更になって考えていた。無計画、此処に極まれり。

「ガキなんだから、泣きたい時ぁ泣いてもいい。頼りたい時ぁ、人に頼ってもいい。だがよぉ、向き合わん時ぁ向き合わなきゃならんのは、ガキも大人も同じよ。
……その、よぉ、マスターにとっちゃ残酷かも知れねぇがよぉ、今が、そん時なんじゃねぇかって、俺ぁ思う訳よ」

「でも、お姉ちゃんも……Pくんも……」

 莉嘉の言葉を其処まで聞いて、弾はある事実に気づいた。
莉嘉が此処まで不安そうにしている訳は、今彼女がいる、聖杯戦争が彼女に演じる事を強いている、偽りのロールにもあるのだと。
結論から言えば、聖杯が彼女に与えた家族と言うものは、本来の世界にいる筈の城ヶ崎家の家族と根本的に異なるのである。
聖杯の設定した父母は、本当の父母とは違い、彼女がこれだけ頼りにしているお姉ちゃんすら違う、いや、最悪姉と言う立場の人間は、聖杯は設定していないのかもしれない。

 そもそも本来の莉嘉の姉ではない人物をNPCにして、それを姉に設定するのではなく、そもそもその姉が設定されていなかったとしたら。
成程、莉嘉が此処まで怯えるのもむべなるかな、と言うものだろう。

「あー、流石に、俺じゃ姉貴……じゃなくて、マスターの姉ちゃんの代わりは務まらんがよぉ、その、何だっけ。ぴ、『ぴぃくん』、だっけか?
一応確認しとくがよ、そいつは男なんだろ? マスターが頼れるぐらいのよぉ?」

「う、うん。……とっても優しくて、アタシの為に一生懸命動いてくれる、大切な人」

「うっしゃ、なら決まりだぜ。マスターは聖杯戦争の間は、俺をそのぴぃくん扱いすりゃぁいい」

「えっ?」

 弾からの、全く予想もつかない角度からの提案に、莉嘉は目を丸くした。

「正直そのぴぃくんって奴が何してるかは、俺ぁ馬鹿だから全く解らんがよぉ、一生懸命動けて優しい位なら、俺でも出来るぜぇ?」

 目をまん丸にした、呆けた様な表情で、莉嘉が弾の事を見上げる。何言ってんだろうこの人、と言う意思が言葉にせずとも伝わってくる。
泣きじゃくられるよりも気まずさを感じた弾が、勢いよく頭をかきむしってから、言葉を紡いだ。

「だ、だからよぉ……。その、何だ。聖杯戦争の間は、俺はお前のぴぃくんじゃ!! んだからよ、俺を……頼れ!!」


 最早ヤケクソの感すらあるような口調で、弾が言い放った。完全に、当たって砕けろの精神であった。
居た堪れない程重苦しい沈黙が数秒流れた後、その空気が壊された。ぷっ、と言う吹き出しの音によって。
その音を上げたのは、誰ならん、城ヶ崎莉嘉その人だった。

「あ、あは、アハハハハ!! ぴ、Pくんはそんなお顔も濃くないし、そんな変な服装してないよー、変なのー☆」

「へ、変な服装とはなんじゃ!! これはなぁ、俺の親父殿が俺に死に装束代わりにくれてやった、第八巫蠱衆の頭目の羽織でなぁ!!」

「? しにしょうぞくって何ー?」

「うっ、それは、その……、兎に角、親父殿の大事な品なんだ、変な服呼ばわりはやめぇや!!」

 死に装束の説明をする事ぐらいは容易いが、それではまた莉嘉の気持ちを沈ませかねない。弾にしては珍しいファインプレーだった。

「パパにお洋服選んで貰ってるの? Pくん2号って、もしかして、ファザコン?☆」

「ちげぇわい!! ったく、最近のガキってのは、こんなナマイキなのか? 躾のなってない犬は叱ってやらんと――うん? ぴぃくん2号……?」

 ここらでガツンと25歳の大人の貫録を見せてやろうかと張り切っていた弾であったが、その計画を中断する。
莉嘉から飛び出た、Pくん2号と言う言葉が、引っかかったからである。

「その、ありがとう。色々気を使わせちゃって。……本当はね、すっごく怖い、逃げたい……泣きたい」

 「だけど……」、と其処で莉嘉が言葉を区切り、一呼吸おいてから、口を開いた。

「アタシ、解っちゃった。どんなに叫んでも、Pくんやお姉ちゃんの所には戻れないんだ、って。
……だけど、アタシ、人を殺す何て事も……戦うなんて事も出来ないから。だから、Pくん2号……じゃなくて、アサシン、だっけ?」

「あぁ」

「……アタシを守ってくれる? ……一緒に、人を殺さないで済む道を、探してくれる」

 ……最早その言葉は、哀願と言ってもおかしくなかった。
縁者全てが死に絶え、縋る者も頼る者もいなくなった人間のような雰囲気すら醸し出しながら、莉嘉は訊ねて来た。
言葉を受けて弾は、「ヘッ」、と軽く笑って見せた。

「たりめぇだろぉマスターよぉ。この俺様がか弱い女を見捨てるわけねぇじゃねぇの。何せ俺はアバド――」

 アバドン王。其処まで言い掛けて、弾は黙ってしまった。語感が良いので、いまだについつい口にしかけてしまうのだ。
一度は身を焦がす程、帝都の人間を全て不幸にしてまで求めた地位。そして、身体が張り裂けんばかりの期待感を一瞬で裏切って見せたあの称号、『アバドン王』。
もうあの名前は死んでも口にしないと誓った筈だ。今の自分には、もっと相応しい名前がある。アバドン王などと言う、けったいな称号よりもだ

「何せ俺は……槻賀多弾なんじゃからな!!」

 結局、自分が親から授かった名前に自信を持つ事が、一番良いのだ。
それが何よりの証となる。第八巫蠱衆の頭目何て肩書きよりも。アバドン王何て言う称号よりも、だ。

「――うん、よろしくね、弾くん!!」

 初めて、城ヶ崎莉嘉が満面の笑みを浮かべてくれた。弾の見立ての通り、顔の周りに光の礫が舞い散りそうな程、明るく素敵な笑みだった。
つられて弾も、自然な笑みを浮かべる。嘗ての昔、自分の最愛の妹に向けていた、柔和な笑みそのものであった。

「(……コレでよかったんだろ? ライドウ……茜ぇ)」

 莉嘉の笑みを見ながら、弾は、この場にいないであろう2人の人物の事を思い描く。
1人は、償っても償いきれない程の大罪を犯した自分を救ってくれた、大恩あるあの書生のデビルサマナーに。
そしてもう1人は、深淵世界の君主であるシナドを倒そうとするライドウの為に、自ら彼の礎となり、消え去った最愛の妹。槻賀多茜に。

 遠い遠い所から、この2人には、見守っていて欲しい。自分がこれから成そうとする、アバドン王になると言う嘗ての大それた野望よりもドデカい事を。
城ヶ崎莉嘉を、綺麗なまま元の世界に帰すと言う決意を。これ以降、涙を流させず、彼女を聖杯まで辿り着かせると言う計画を。
生前は力足りずにできなかった事を、槻賀多弾は、今度こそカタチにするつもりでいた。大切な女性を守ると言う、ありふれた、それでいて何よりも難しい事を……。


 遠い目をして考え事をし、数秒程止まっていた弾。
そんな彼の懐に、白く細い腕が伸びているのに気付いたので、彼は思わず身を引いた。その腕の持ち主は、城ヶ崎莉嘉その人だった。

「ちょいぃ、何すんじゃ!?」

「ねーねー、さっきのあの綺麗なバッタ、見せてよ☆」

「綺麗なバッタ……運喰い虫の事か、ダメダメ。アレは俺の大事な商売道具なの。簡単には見せられんぜ」

「ぶーっ、Pくん2号のケチ!! ……おへそと脚見せるからダメ?♪」

「駄目に決まってんじゃろうが!! ったく、最近の女子ってのは恥じらいがないんか恥じらいが!! 俺じゃから良い物の、そんな事、他の男に言ってみぃ、親が泣くぞ!!」

「……ねぇ、Pくん2号は、アタシが幾つに見えるの?」

「あん? ……8歳とか其処らじゃないんか?」

 露骨に莉嘉が、ムッとした表情を浮かべた。御丁寧に、口に出して「ムカッ!!」とも言いだした。

「8歳!? ひっどーい、Pくん2号見る目なーい!! プロデューサー失格だよ失格!! アタシコレでも今年で12歳だよ!?」

「まだガキじゃろうが!! ライドウよりも年下だぞ!!」

 ギャーギャーと喧しく口喧嘩がヒートアップする2名。
元アバドン王(仮)の槻賀多弾25歳と、新進気鋭のカリスマちびギャルアイドルの城ヶ崎莉嘉12歳。
干支1周分程も歳の離れたこの2名。精神年齢も頭のレベルも、可哀相な事に、全く同じの、お似合いのコンビだと言う事に、2名は気付く事はないのだった。








【クラス】

アサシン

【真名】

槻賀多弾@デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王

【ステータス】

筋力C 耐久C 敏捷B+ 魔力C 幸運A+++++(D) 宝具A+++

【属性】

混沌・善

【クラススキル】

気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】

使い魔使役(蟲):A
暗殺術の一環として、使い魔を操る事が出来る。
アサシンは生前、蟲を暗殺の道具として操る第八巫蠱衆の時期頭目として期待された男であり、高いレベルで蟲を操作する事が出来る。
このランクになると逆に、相手が蟲を使い魔にするサーヴァントであった場合でも、アサシンの使い魔使役のランクより下だった場合、逆に操作権を奪う事も可能。

武術:B+
天津神の系譜に連なり、日本国を霊的に守護する国家機関・ヤタガラス傘下の暗殺集団第八巫蠱衆として、高いレベルの武術を修めている。
アサシンの場合は鎌ヌンチャクと徒手空拳に長けている。また身体の一部に毒を入れ墨する『死に彫り』と言う入れ墨を施した事で、
攻撃の1つ1つに、毒の属性をエンチャントさせる事を可能としている。

結界術:C
第八巫蠱衆の秘術の1つ、『巫蠱るつぼ』と言う、迷路状の異界を形成する術を習得している。
結界とは言うが、進入用の入口と脱出用の出口が備わった結界の為に、足止め以上の役割は期待出来ない。

道具作成:D
魔術的な道具は作成できないが、第八巫蠱衆の腕利きとして、毒薬の調合に長けている。

悪魔狩り:
対人魔拳 最大捕捉・1人
自らの利き拳に、莫大な魔力を集中させて相手を殴りつける。
リーチこそ拳の届く範囲内と言う常識的なそれだが、例え相手が如何なる防御性質を持っていたとしても、ダメージを通す魔拳。
元々の頑丈さでしか、ダメージを低減させる事が出来ない。

【宝具】

『決意の大炎』
ランク:C+ 種別:対軍宝具 レンジ:50 最大補足:100
生前、アサシン本人が切り札としていた必殺技が、宝具となったもの。
体内の生体MAGを燃焼させ、強い火の属性を内包した熱波を全方位に放つ大技。Bランク以下の対魔力であれば、ダメージを通す事が可能。


『共に戦い抜きし我が相棒(戦斗虫・太郎丸)』
ランク:A 種別:対人~軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:100~
第八巫蠱衆に所属する暗殺者達が、暗殺及び戦闘の商売道具/切り札としていたものが宝具となったもの。
宝具を発動させると、鬼の面のような顔をした、バッタに似た巨大な生き物、通称太郎丸がアサシンの近辺に召喚される。
精神防御のスキルが無い場合、確率で相手を混乱させる怪音波を放ったり、大質量に物を言わせて突進をしたり、数十mの高さまで飛び上がり、
その高さから急降下して蹴りを見舞ったりなど、体躯通りの荒々しい攻撃から、繊細な攻撃まで自由に行える。
当然の事、太郎丸が召喚されている間もアサシンは攻撃を仕掛ける事が出来、アサシンと太郎丸の波状攻撃は非常に強力。

『深淵世界を開けし禁忌の蝗(運喰い虫)』
ランク:A+++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
アサシンが生前所属していた、暗殺を生業とする第八巫蠱衆に所属する暗殺者集団達ですら禁断の技とし、使用する事を絶対的に禁じた必殺の宝具。
この道具や宝具・太郎丸はそもそも第八巫蠱衆自らが創造した道具ではなく、彼らが住んでいた村の地下で生活していた異形の一族、
村の住民が言うところの『天斗』と言われる存在達によって作られたものである。
運喰い虫とは、対象の人物が内包している『運勢』を『全て喰らう』事で、運を喰われた以降の人物に、
『ツいている状態』を今後絶対に訪れさせないようにさせる、と言う必殺の宝具であり、直接的に相手を殺す道具ではなく、
相手から希望を奪い、生綿で首を絞めるようにして相手を苦しめて殺すと言うもの。
運を喰らった状態の運喰い虫を捕まえる事で、所持者は神憑り的なまでの運の良さを手に入れる事が出来、その運の強さは、1匹保持するだけで百回以上も連続で丁半博打に負けない程。

 アサシンは聖杯戦争に際しては、運を喰らわせた状態の運喰い虫を、専用の赤い虫かごに入れた状態で5匹持ってきている。
アサシンの破格の幸運ステータスは、常時発動型のこの宝具を保有しているからに他ならない。
だがこの宝具の真価は、運喰い虫を1匹握り潰す事。こうする事で、運喰い虫が喰らった幸運を握り潰した人間が吸収。
ほんの10秒程ではあるが、幸運ランクが規格外のEX相当にまで跳ね上がる。
その幸運の程は、此方の放つ攻撃は全てクリティカルになる、相手がどんなスキルを持っていようが確実に逃走が出来る、
逆に相手の攻撃は、因果に作用する攻撃ですら命中させる事が極めて困難になるなど、ご都合主義的な奇跡が効果間だけ連続する。
この宝具は任意の相手に譲渡する事も可能で、アサシンが消滅しても残る。
最初の1匹までは使用してもステータス低下はないが、以降は1匹使うごとに幸運ステータスが低下、A→B→C→D、の順に低下する。

 実はこの宝具が巫蠱衆の間で禁忌とされたのは、運を喰らうと言う効果からではなく、運を喰らわれた人間達の絶望に呼応して現れる『深淵世界』と呼ばれる、
禁断の異界が招聘されるからであり、過去この深淵世界が現れた事により、アサシンの世界は少なくとも2回は滅びかけていた。
アサシンはその深淵世界の存在を知らず、意図せずして招いてしまった張本人である為、運喰い虫を相手の運を喰らわせると言う本来の用途では絶対に使う事はない。

【weapon】

鎌ヌンチャク:
鎌とヌンチャクが組み合わせた武器。アサシンはこれを、目にも留まらない速度で振るう事が出来る。


【人物背景】

国家を霊的に守護する秘密国家組織・ヤタガラスの傘下にある暗殺集団、第八巫蠱衆の時期頭目として目されていた男。
第八巫蠱衆とは、虫と毒とを操り相手を暗殺する術に長ける集団で、日本の山陰地方の槻賀多村を根城に、江戸時代以前から暗躍していた組織である。
彼らの用いる暗殺道具とは、実は、遥か昔に日本国に海を渡ってやって来た、身体の一部が虫に似たそれになる奇病を患った、
今は槻賀多村の地下にひっそりと住んでいる渡来民族からもたらされていたもので、この暗殺道具と引き換えに、その渡来民族は村の女性を要求する、
と言う習慣が長い間続いて来た。弾は、自分の妹の茜にそのお鉢が回って来た事に大層憤り、何とかこの渡来民族に茜を渡さないように考える。
その時、村にやって来ていた金髪の男性からもたらされた、聖書の黙示録に記されていた蝗の王、アバドンの記述に着目。
弾は、自らがこの蝗の王、アバドン王になる事で、渡来民族の上に立つ存在になろうと決意、村を苦しめて来た因習を断つ為に立ち上がり、
アバドン王になるその一環として、帝都に運喰い虫を大量に放ち、帝都の人々の運勢を全て根こそぎ喰らい尽くす。
結果、深淵世界と呼ばれる世界の一部が現れ、弾はアバドン王になる資質を得る――が、深淵世界は弾の到底手におえる世界では断じてなく、
アバドン王にはなれないどころか、妹も救えず、結局帝都の人々を苦しめただけと言う結果に強いショックを受ける。
ライドウの破竹の活躍によって、深淵世界の門は退けられ、世界は救われたが、その過程で、槻賀多の地下に住んでいた渡来民族も、
身体を蝕んでいた奇病によって苦しみ、精神を病み、救いを心の底で求めていた事を弾は知る。
ライドウが世界を救ってからは、弾は心を入れ替え、世界から消えた茜と、深い傷跡の残った槻賀多村と、奇病を患った渡来民族達の為に尽瘁する事を決意。
以降は村の為に尽くすのであった。

【サーヴァントとしての願い】

生前は茜を結局救えなかった為に、今度こそ城ヶ崎莉嘉を無事に元の世界に送り返す。

【基本戦術、方針、運用法】

極めてハイスペックなアサシンと言えるサーヴァント。アサシンでありながら直接的な戦闘を得意とする事もそうだが、
なんといっても目を引くのが破格の幸運ステータス。宝具に由来する幸運とはいえ、これは驚異的。
最低でも5回は、運喰い虫を破棄する事で窮地を脱する事が出来、仕切り直し能力も恐ろしい程高い。
待つのも良し、攻めるのも良し。対魔力のなさと、運喰い虫を破棄すればする程幸運が下がる事を除けば、強いサーヴァントであろう。





【マスター】

城ヶ崎莉嘉@アイドルマスターシンデレラガールズ

【マスターとしての願い】

元の世界に帰りたい

【weapon】

【能力・技能】

アイドルとして歌唱力やダンスに優れ、また、昆虫に物怖じしない性質がある。
直接的な戦闘能力は、当然期待できない。

【人物背景】

城ヶ崎美嘉を姉に持つ、埼玉県出身のアイドル。年齢は12歳とまだまだ若いが、のびしろも期待値も抜群。
如何にも今時のギャルっぽい風貌をした中学生だが、小学生気分がまだ抜けないらしく、趣味はシール集め、カブトムシを見つけては喜ぶなど、
精神年齢は全くの子供。意外と奥手な姉に比べてプロデューサーへのアタックは積極的。

【方針】

弾を頼る

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最終更新:2015年04月25日 10:55