モモ&セイバー ◆ZjW0Ah9nuU
この街に日が昇り、朝が来る。
太陽はその町の住人に1日の始まりが来たことを告げる。
その中のある家も他と同様に朝を迎えた。
「う、う~ん…」
少年がベッドの上で唸り声を上げながら、起きることを拒否している。
布団がもぞもぞと動いているが、その少年が被っている布団は不自然といえるくらい膨れ上がっていた。
腹にあたる部分のあたりに山ができており、淫夢でも見て立つものが立っているにはあまりにも大きすぎる。
そこでようやく少年は目を覚ました。
「うん?」
体が重い。特に腹のあたりが。
まるで何かにのしかかられているような――。
「リトさん、おはようございます♡もう少し起きるのが遅かったらイタズラしていましたよ?」
「モ、モモ!?」
少年リトの意識が急激に覚醒する。モモが『また』夜這いしていたことに気づいたのだ。
すぐさま、自分の上にのしかかっていたモモと呼ばれた少女を押しのけて少女の股の間から体を引っこ抜いた。
モモの服装は過激の一言で、裸の上に寝着の上着だけを羽織った状態であった。
汗だくなモモの妖艶な雰囲気は少年が寝ている間によからぬことをしていたのを突き付けているようだ。
「お前…いつからオレの布団に!!」
「うふふ…いつからでしょう♡」
モモはベッドの上で笑いながらリトを誘惑する。彼女の悪魔のような尻尾もひょろりんとそれに合わせて動いている。
モモの夜這いは今に始まったことではないが、いつになっても慣れない。
リトが朝からバクバクと脈打つ心臓を抑えながらモモに問いただしていると、不意にリトの部屋のドアが開く。
「あれ?起きてたのか?美柑が兄貴を起こしてこいって――」
ドアの向こうから現れたのはモモの双子の姉、ナナであった。
「!………」
「あらナナ、おはよう♪」
リトのベッドの上で起きている惨状を目にして、ナナは絶句した。
開いた口がふさがらず、わなわなと体を震えさせている。
そして――
「わわっ、ちょっ!?」
「モモ、『また』やったのか!?そんなことやってるとしまいにあたしたちこの家から追い出されるぞ?」
ナナはモモの手を引いて強引にベッドから引きずりおろし、強面になってモモを叱りつけた。
――違う。
いつもなら、ナナはモモを叱るよりもリトに対してケダモノと貶しながらグーパンチで殴りつけていた場面だ。
(まさか美柑さんじゃなくてナナに叱られるなんて…)
やはりこの世界に彩南の日常はないのね、とモモは思った。
◇ ◇ ◇
「はぁ…」
ひとまずモモは部屋へ戻り、今のエッチな服装から無難なものへと着替えた。
モモはため息をついてベッドに仰向けに倒れこんだ。
彼女はモモ・ベリア・デビルーク。デビルーク星の第3王女。
モモこそが聖杯を巡る戦いに身を投じる本物であり、彼女以外は全てNPCだ。
全ての発端はモモが自分の部屋で銀河ネットサーフィンをしている時であった。
モモは当時、何も考えることなく適当に語句を入れて検索していた。
すると出てきた検索結果の中に『他の少女を打ち倒し、アナタの願いを叶えよう!少女性、少女製、少女聖杯戦争』というあからさまに怪しいサイトがあった。
モモには叶えたい願いがあるので、簡単に願いが叶うなどそんな虫のいい話なんてないとわかりつつも、
心に半分の期待と半分の警戒を持ってそのサイトに入った。
…のだが、モモの記憶はそこで途切れている。
(まさかアレがこんなことになるなんてね…)
ということはそのサイトに入ったことで記憶を消された上でこの「会場」に連れてこられたのだろう。
記憶を取り戻してからはなんとも奇妙な生活を送った。
なんといっても元の世界では考えられないことが起こっているのだ。
(リトさんが転ばないなんて天変地異の前触れだわ…)
モモが毎日見ている結城リトは想い人であり、ラッキースケベにまみれた人生を送る人物でもあった。
彼が転ぶと、必ずと言っていいほど女子の恥ずかしい部分に手や顔を押し付けてある意味での惨劇が起こる。
モモからすれば、それはもはや神業の域だ。
だが、この世界のリトは違う。彼は全くと言っていいほど転ばず、ただの人のいい高校生なのだ。
転ばないNPCのリトを見たときは驚愕のあまり大声を出して周囲をビビらせてしまったものだ。
先ほどナナがリトではなくモモを叱りつけたのも、ラッキースケベの被害に遭わずにリトをケダモノ扱いしていないことに起因するだろう。
しかし、モモは別世界に飛ばされたことに驚きはしても恐れはしなかった。
これはチャンスだ。取り戻した記憶の中にある聖杯戦争の
ルールによれば、優勝者には万能の願望機が手に入るという。
モモの恋を叶えるため、皆がリトに愛されて幸せをつかむためにこれを利用しない手はない。
「聖杯を手に入れて『楽園(ハーレム)計画』を実現してみせる…!」
モモはベッドに腰かけ、虚空に向かって言った。
モモの願いはリトを中心としたハーレムを作ること。
地球の常識に囚われず、リトがデビルーク王として側室を持てばリトに思いを寄せる者全員が幸せになることができる。
モモが姉のララの前向きな言葉を受けて計画した『"楽園"計画』の遂行だ。
「ほほっ、君だからこそラルフくんが召喚されたのかもしれないね」
「今までエロサモナーが女の子召喚してばっかりだったけど今度はこっちが召喚されるなんてな。あと俺を真名で呼ぶな」
「真名って言ってるとこ見てるといろいろとこじらせているように見えるのうセイバーくん」
「うるさい」
聖杯の争いに参加する資格を得たモモには当然サーヴァントが存在する。
モモのいるベッドの傍らに実体化して現れたのは、眼鏡をかけた老人とRPGゲームに勇者として出てきそうな風貌の青年。といっても、青年は本物の勇者である。
青年の方がセイバーで、エロサモナーと呼ばれた老人は宝具という扱いで現界している。
「はい。夢で見るセイバーさんのハーレムはとても参考になります♪」
「そう言ってもらえると女の子を召喚したわしの鼻も高くなるね」
「ハーレム作って魔王を倒した勇者というのもどうかと思うけどな…」
セイバーの青年の真名はラルフ。王と兵士によりレベル1から永遠にレベルが上がらない薬を飲まされた悲劇の英雄。
しかし、エロサモナーの助けにより、女の子を仲間に侍らせて魔王を打倒しに行った逸話も持つ、ハーレムの英霊でもある。
モモはラルフを自分を守るサーヴァント以上にハーレムを形成した男の見本として認識していた。
よく夢で見るラルフの仲間の女の子との思い出はモモにとって大変参考になっていた。
「でも、本当にいいのか?ハーレムのために聖杯を取るなんて」
モモの願いを知るラルフは問う。
聖杯を狙うことは即ち、殺し合いに積極的に関わっていくことを意味する。
「私は本気ですよ、セイバーさん。皆で幸せになりたいんです」
誰にも迷惑をかけずにリトへの恋を叶えるには、"楽園"しかない。
2番目でもお3番目でもいいから、リトに愛されたい。
それはモモの、恋する少女としての切なる願いだった。
「…わかった。本当はレベル上げたいんだけど、俺はモモのサーヴァントだからな。世界の破滅とか魔王らしいことは望んでいないみたいだし、手伝うよ」
「それにわしらも生前は女の子召喚して仲間にしたんだから、わしらも召喚した人のために戦うのが道理じゃろうな」
ラルフの言葉にエロサモナーが付け加える。
「けど…セイバーさんは、その…」
一応セイバーの助力は得られたものの、ラルフを見ていると浮き上がってくるパラメータを見ているとモモは不安を拭えなかった。
まず一番上にでかでかと浮き上がってくるのが『Lv 1』の文字列。
前述のような逸話があるからか、パラメータもレベル1のそれであり、ラルフの強さは標準的なサーヴァントと比べるべくもないのだ。
「レベル1だし弱いと思うよね?」
「そ、それを言わないでくれ…!」
ラルフはエロサモナーがさらりと弱いと言ったことにかなり傷ついているようで、レベル1であることにコンプレックスを抱いていることがわかる。
そんなラルフを無視して、エロサモナーは続ける。
「じゃが、わしの力を使えば心配はない」
次の瞬間、前触れもなく1人の少女がモモの部屋に現れた。
ロングヘアーで、へそを出したセーラー服を身に纏っている。
「ふー」
その少女は自分が現界できていることを把握すると、数回瞬きして周囲を見回す。
そして、
「ん!」
ラルフを視界に捉えると、表情が明るくなりラルフの前へ一直線に走り出した。
「ラールーフー!久しぶりー!」
この少女はラルフと面識があるようで、再び会えたことに心底嬉しそうだ。
「…そういえば初めて召喚された娘もお前だったな」
ラルフもこの少女を覚えており、感慨に浸っている。
「この人は…」
ラルフの過去を夢で見ていたモモは、その中でこの少女が何度か登場していたことを思い出す。
「エロサモナーさん、これって――」
「その通り。ラルフはかつての仲間の娘と一緒に戦うことができるんじゃ」
『一夫多娘の冒険譚(ヒーロー・アンド・ドーター)』。『女子攫う召喚士(エロサモナー)』とは別の、もう一つの宝具。
30人を超える娘の内3人までの娘がレベル1のラルフに代わって戦ってくれる。
これこそがラルフの弱さを克服できる切り札であり、レベル1の勇者が勝ち抜いていくことのできた所以だった。
このモモの見た夢に出ていた少女は、かつてラルフと共に戦った仲間その人なのだ。
ちなみに今現界しているのはこの少女一人だけなので、あと二人の娘を呼び出すことができる。
「ねーねーラルフ、この人がラルフのマスター?」
少女はモモを見てラルフに聞く。
その表情はどこか小さな嫉妬心を抱えているようであった。
恐らくラルフがいつもモモと一緒にいられることが少し気に食わないのだろう。
「モモ・ベリア・デビルークです。セイバーさんにお世話になってます♡」
それに気づきつつも、モモはとりあえずその少女に挨拶しておく。
…その少女の名前が「ララ」という姉と同じ名前だと知ってモモが驚愕するのはもう少し後のお話である。
【マスター】
モモ・ベリア・デビルーク@To LOVEる -とらぶる- ダークネス
【マスターとしての願い】
結城リトを中心とした楽園"ハーレム"を作る。
【weapon】
姉のララの発明品。伝送システムで仲のいい宇宙植物を呼び出して加勢させることができる。
姉と同様に生えており、敏感で触られると悶えてしまう。
そこから強力なビームを放つことができる。
【能力・技能】
植物と心を通わせる能力がある。
エンジニアとしての才能もあり、ナナの宇宙動物がいる電脳サファリパークのプログラミングもモモがした。
格闘能力も数人に囲まれている状況でも攻撃を回避できる程度には高い。
【人物背景】
デビルーク星の第3王女でララとナナの妹。ナナとは双子の姉妹。
ナナと比べると大人しく清楚で、可憐な印象を受ける。
一方で、かなりの腹黒でもあり、怒らせると目つきが怖くなりドSっぷりを露わにする。
リトに惚れており、居候となってからは夜中にリトの部屋に忍び込んでは寝込みを襲うと言った行為を何度も繰り返している。
「To LOVEる -とらぶる- ダークネス」では主人公格を務める。
みんなの恋を叶えると同時に自分の恋も叶えるという目的も兼ねて、リトのハーレムを作ろうと暗躍する。
エロ校長の計らいでリトの高校の1年生になることができたのを反映してか、聖杯戦争での立場も高校1年である。
【方針】
聖杯を取る。
【クラス】
セイバー
【真名】
ラルフ@Hero and Daughter
【パラメータ】
筋力E 耐久E++ 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具A++
【属性】
秩序・善
【クラス別スキル】
対魔力:E
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を多少軽減する。
騎乗:E
騎乗の才能。大抵の乗り物なら何とか乗りこなせる。
【保有スキル】
永遠のレベル1:EX
ラルフは本来かなり高位のサーヴァントだが、王と兵士によりレベル1にされたという逸話からこのスキルを持つ。
宝具以外のパラメータと大半のスキルのランクがすべてEになる。
ただし、能力値上昇などの補助効果での強化は有効。
魔術:E
永遠のレベル1の効果により、Eランクに低下している。
治癒に関する魔術は申し分程度に使えるが、その他の魔術は一切扱えない。
レストラン:C
レベル1に戻ってしまった時に、レストランで出される料理を摂取することでレベル1の癖に能力を強化していったという逸話からくるスキル。
特定の料理を摂取する毎に、それに対応したパラメータが若干量増加する。
また、魔力も通常より多く回復できる。
魔法反射:B
1ターンの間、敵の攻撃魔術を跳ね返す。このスキルを発動した場合、他の行動は一切取れなくなる。
敵の攻撃を先読みして使うといい。
勇者の覚悟:A
ラルフが勇者として培ってきた精神。
肉体はレベル1でも、心はレベル99である。
ラルフが勇者としてあるべき行動を取っている間、耐久に大きなプラス補正がかかる。
【宝具】
『女子攫う召喚士(エロサモナー)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:3人
レベル1にされたラルフを支援した召喚士。
あらゆる女の子を別世界からでもお構いなく召喚し、ラルフの仲間にした。
彼の存在無くてはラルフは立ち上がれなかったことから、ラルフの宝具として一緒についてきた。
彼の役割は後述の宝具『一夫多娘の冒険譚』での娘達の入れ替えである。
エロサモナーはラルフの仲間になった30人以上の娘を常にストックしており、
彼の指示で娘をラルフに連れていかせることができる。
エロサモナーは自己申告でレベル20くらいらしいが、率先して戦ったという逸話はないため、身体能力は人間レベルでラルフより弱い。
消滅すると、ストックしている娘もみな消滅し、それ以降パーティの入れ替えができなくなってしまう。
『一夫多娘の冒険譚(ヒーロー・アンド・ドーター)』
ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:3人
レベル1になったラルフが女の子だけのハーレムパーティで魔王に挑んだという逸話の具現。
ラルフの仲間となった娘はいずれもラルフより強い。
ラルフはエロサモナーを経て仲間になった娘の内3人までを連れてパーティを組み、サーヴァントとして一緒に戦わせることができる。
娘は単独行動スキルを持っていないが、ラルフの近くにいればラルフを経由して魔力供給を受けることができる。
また、エロサモナーに頼むことで連れ添っている娘達を自由に入れ替えることができ、パーティの編成ができる。
各自パラメータ・所持スキルに得手不得手があるので戦う相手を考えて編成しよう。
入れ替えられて控えメンバーに回った娘は霊体化し、エロサモナーのストックに戻る。
一度消滅した娘は二度と復活することができない。
【weapon】
勇者の愛用している剣。
名前の割に、とても弱い。
これも『永遠のレベル1』のせいだろうか?
【人物背景】
tachi氏制作のフリーゲーム「Hero and Daughter」の主人公。
幾度となく魔王を倒してきたベテラン勇者。
しかしラルフは何回も魔王を倒してきたことによりレベルが上がり切ってしまい、魔王を倒すことに飽き飽きしていた。
ある日、王は相変わらず魔王退治を依頼してくるが、楽勝な魔王退治に飽き飽きしていたラルフは文句を言う。
しかし兵士により、レベルが1に固定さてしまう薬を飲まされ、圧倒的に弱くなってしまう。
王によると「初心に帰れ」とのこと。
レベル1になったことによりその弱さは尋常でなく、最初のダンジョンにいるスライムにすら満足に勝てない。
そのことにラルフは自信を無くすが、そんな彼にエロサモナーが手を差し伸べる。
エロサモナーは自分の酒場に女の子を召喚し、ラルフの仲間にしてくれたのだ。
こうして、ラルフはその酒場を拠点に、女の子のハーレムパーティを作って魔王を倒しに向かうのであった。
実はラルフはこの事件の黒幕を倒したことで普通にレベルが上がるようになっていたのだが、
本人がそれに気づかずに余生を過ごしたためサーヴァントになってもレベルは上がらず1のまま。
さらにさらに、レベル1から脱却し勇者としての真の力を発揮する『スーパーラルフ』という宝具があったのだが、
「レベル1」「弱い」という逸話があまりにも強すぎたため、具現化されていない。
【サーヴァントとしての願い】
本当はレベルを上げたいが、モモを手伝う。
【基本戦術、方針、運用法】
パラメータは全ランクEだが、ラルフより強い女の子にお供してもらおう。
それぞれが個性を生かせれば強いので、それができたらラルフは立派なオトモセイバーだ。
書き手的な運用法を簡潔に記しておくと、3人しか連れ出せないという制限がラルフにはあるので把握している娘を選りすぐって出せば書きやすくなるかもしれません。
特にララは原作で必ず最初に加入する娘なのでオススメです。
【参考】
蛇足もいいところですが、どんな娘がいるのかを簡潔に記しておきます。
全員少女です(多分)。普通に多いです。知りたくもなかったらごめんなさい。
- ララ:女子高生。へそ出しセーラー服着用。マスターの姉とは関係ない。
- アクアータ:関西弁の水泳オタク。マイクロビキニ着用。
- ユメル:他人の心を読むことができる。そのことをコンプレックスにしていた。
- リヴ:貧しいスラム街の生まれの、盗人の褐色肌の幼女。
- ハイテック:ネット依存症。よく携帯で嘘電話をしている。
- シルト:女剣士。耐久が高く、「かばう」スキルも持っている。
- ルージュ:女格闘家。体を鍛えており、筋肉がものすごい。
- ロボ子:アンドロイド。外見も首から下はロボットのそれ。
- シオン:ボクっ娘スク水マント。自称天才で剣術に長ける。
- 赤の魔女:Hero and Daughterの作者製の他のゲームにも登場する魔女。「ヒッヒッヒッ…」と笑うがキャラ作りらしい。
- エリナ:同作者製のフリーゲーム「囚体」の主人公。死神の眼を持つが、根は優しい。ジョジョの嫁ではない。
- 魔王アルエ:アルバイトで魔王をしていてラルフ達の前に立ちはだかったが解雇された。
- キャンディペロン:同作者製のフリーゲーム「死村」に登場する。キャンディによる補助・妨害スキルが強力。
- アカリ:元地縛霊。エロサモナーに召喚されたことで蘇った。
- 精霊王:宇宙を破壊できる程の力があるが実力を0.00001%くらいにセーブしている。
最終更新:2015年04月25日 16:08