【第一話】 始動そして絶望
ユグラの営みを塵と化し、天羅の生き様を焼き尽くした。
そしてテラに現れた天使…人類、地上全ての生物を敵として。
天使を倒し、人類の脅威に対抗する力を組織作る。
『
レイジングガイア』はこうして設立された。
創始者であり現リーダーでもあるゼンリフュールはメンバー達に
悲劇の過去と、掴むべき未来を説く。
「我々は最後の大地を守らねばならない」と…。
レイジングガイアでチーム『ヴァルキリー』のリーダー役を務める
「朧」にゼンリフュールが新メンバーを紹介に来る。
サンライズ通信社の腕利き情報通「ロザリア」である。
Rガイアと協力関係にある「ルガー探偵事務所」の所長「アラン」
の紹介だという。
お茶目な少女は、見た目以上にタフでメンバーとうまく打ち解けられ
そうだった。その実ロザリアはRガイアの取材という社命も帯びて
いたのだが、元来の好奇心と人の良さですっと人の心へ入ってゆく。
戦乙女の精霊でもある「ヴァルキリー」の名を冠した部隊。
稀代の天才「草壁 空膳」が傑作、符をも操る絶美の傀儡「朧」
4神とも言われるヨロイ「朱雀」を操る心優しき笠原の姫「志乃」
神宮家より笠原に遣わされし鬼人活躍を成した最強の生体兵器「秋」
己の信念により貴族をもその手で滅した妖魔の血を継ぐ「ジェイド」
志乃は天使降臨でかろうじて生き延びた実兄「蒼十郎」を助け今も
治療して貰っているRガイアに力を貸し、天使とも戦っている。
秋は志乃の兄が乗る「朱雀」と共に天使の降臨の元から生還した数
少ないツワモノである。笠原に与する使命は失われているか不明だが
彼女は志乃と共に行く事を決断した。
ジェイドは「貴族殺し」の魔力により父「デュオニス」を倒した後、
死に近づいていた。町医者にかかる平穏な毎日、それを奪ったのは
天使であった。窮地はRガイアのメンバーによって救われ、彼は今
その命の治療を受けながらRガイアのメンバーになったのだった。
無意識の中に漂う意識。胡蝶の夢を操るいつもの感覚だ、夢予知を
行う治療カプセル内の少女の夢へ意識を投影する。
限られた傀儡にしか、朧にしか見えない世界は天使の襲来を告げて
いた。
直ぐに調査・捜索が始まった。
持ち前の情報網と人のツテを使いアランが動けば、ロザリアのライ
ターの勘が閃きをもたらす。少年との出会い…。
志乃・秋・朧をも手伝っての調査により、ひとつの街が浮上した。
割り出した場所は「ロックナッツ」テラの片田舎の街だ。
非戦闘員の避難と天使出現の調査(阻止)の命を受けバルキリーは
出立した。天使遭遇のリスクを考え、アランの天敵「酒水」と、
ユグラの魔法使いの青年「エレアール」が同行する事になる。
アランに取っては天敵以上の存在「酒水」妖の受け皿としてアラン
という男にうつっているのだ。ソレを知り、真名までも握る腐れ
坊主、それが「酒水」だ。過去に神宮家の悪名高い部隊「苦是衆」
に居たとも言う実力は本物だ。
ロックナッツに到着する、そこにはテラの駐留部隊がおり今だ続く
天羅軍の領土侵攻作戦に備えていた。
一同の機転と誠意で天羅の象徴である「ヨロイ」を持つ一同で
あったが中立のRガイアとして街へ入ることが出来た。
テラの兵士の中にも己の生活を持ち、それぞれの想いを持っていた。
あの少年の兄であるヒューイ。そして未来の将校を目指す賢将リック。
彼らも国の為街の為に命を張っているのだ。
天使が現れる兆候が見えぬまま事態は不運の忍び足を許してしまう。
天羅軍の遊撃隊である。
秋とジェイドだけが気づき、追うとその陣幕には「前田」の家紋。
「デビルサムライ」としてテラに最も恐れられるサムライの一人
前田慶二郎利益が輸送の要所であるロックナッツを奇襲に来たのだ。
防衛せしテラ軍は最新鋭の戦車、武器に加え300もの兵士。
遊撃ともとれた天羅軍はたった20余り…、両者の激突に苦悩し
必死に説得する志乃と、ジェイドだったが駐留軍の将の意向は変
わらなかった。
幸いアランの奇策もあり街人は避難を行う事に。
天使が現れぬまま天羅の襲撃がロックナッツを戦場へと変えてゆく。
明らかに人外の動きでテラを圧倒するサムライ。
前田サムライの名は伊達では無いと誇示するが如く…。
虐殺を許せない、戦いを見逃せないジェイドが戦場へ飛び込み
志乃もヨロイで続こうとする。
「兄様の事はどうするおもつりなのですか?」
朧の制止が無ければ戦いは凄惨さを増していたかも知れない…。
天羅・テラどちらにも肩入れ出来ぬ歯痒さは朧が誰よりも知って
いるのだ。
飛び込んだジェイドは酒水の不意打ちで防がれる。
タンクの主砲が慶二郎に直撃し、高鮠のサムライ剣士が飛び込んだ
酒水と対峙する中、光が山間を包み照らし出す。
ロザリアにとっては初めての天使遭遇…。
全てのものから街を死守する決意のテラ軍。
母と弟を残して兵士になったヒューイ。
彼女を街に残し将校へ硬い決意を秘めるリック。
彼らを死なせまいと、街を死なせまいと戦うバドック。
強力な二人のサムライを軸に拠点を制圧する動きの天羅軍。
技術の粋が超人を人外へと変えた、前田慶二郎の実力とは?
高鮠の名を告ぐ達人は、酒水との間合いの先に天使を認める。
天使の脅威を誰よりも熟知し、その廃絶を主とするヴァルキリー達。
それぞれの想いと使命がその体を突き動かす。
天使が現れ暫くにらみ合いを続けていた高鮠と、酒水だったが
高鮠の戦場離脱で緊張は解ける。
高鮠は再び自軍の方へ走り去った。
戦いは無常にも始まり、天使の尖兵がPL達に襲い掛かる。
しかし、そこは歴戦のつわもの達。複数体現れた敵を一人一殺で
倒してゆく。
朱雀の強烈な一撃に始まり、華麗な秋の斬撃、ジェイドの得物敵を屠る。
朧やアランの魔法、ロザリアの的確な支援もあり敵は一掃されたかに見えた。
しかし3度訪れる天使降臨の光。
今までとは比べ物にならない光量の先には美しき2体の天使が居た。
「サリエル・・・」
動揺する酒水・・・そしてヴァルキリーのメンバーに撤退を訴える。
「ヤツらは手に負えない!今は引け・・・ここらへん一体が灰塵と化すぞ!!」
それでも果敢に向かう戦乙女達だったが、
強烈な加護の障壁が朱雀の斬撃を、アランの魔法を・・・酒水の気弾を弾き、
全てを遮る・・・。
ジェイドが女天使に落とされ、アランも沈んでしまう。
いち早く撤退に動いた秋と、エレアールの渾身の魔法により撤退を始めるメンバー。
「今は引いて、テラ軍・天羅軍の被害も抑えるべきです!」
リーダー朧の指示の元撤収する・・・
戦場には『羅刹』となった酒水のみが残り
天使の追撃を振り切るべく分かれる一行。
アランに引き付けられた『ラジエル』は接触を試みるが寸での所で回避される。
ジェイドは酒水とサリエルの戦場に爆炎を認め、高鮠と遭遇する。
彼は何かを探しているようだったが、ジェイドは撤収を優先させ別れた。
残りのメンバーはテラ天羅きり結ぶ戦場へ舞い戻り説得を試み成功させる。
前田軍は疾風の様に部隊を引き、多大な被害を出したテラ軍も撤収を行う。
かなり距離を取った所まで来たところで、ロックナッツは爆風と共に荒野へ
変わり果ててしまう・・・。
避難地へ向かった一行はリックと彼女のリサに感謝され、街の皆にも歓迎された
のだった。
アフレイの姿はソコに無く、落し物を受け取ったロザリアは必死で探したが
とうとう戻ってくることは無かった。
落し物のポーチには弟ヒューイと母へ当てた手紙が入っており、ロザリアは悲痛の
面持ちでそれをロストヘブンで待つ弟へ届けるのだった。
泣き、抱き合う少年とロザリア・・・アフレイはどこかできっと生きているそう信じ・・・。
手紙にはこうあった・・・。
「大切なママへ、突然の手紙だけど元気にしているかな?
勝手に家を飛び出した僕だけど、今は一人前の兵士として
祖国を守る仕事を誇りを持ってやってるよ。
実はあの後、マリアンヌとの間にベビーができたんだ。
パパはまだ怒ってるだろうけど、孫の顔を見せられる日を楽しみにしてるよ
小さな命を授かって、両親のありがたみを知ったよ。ごめんママ。
元気でね。遊びに行くよ3人で。」
親愛なる アフレイ・コールより
酒水もまた戻らなかった・・・報告する朧の表情も、それを聞くゼンリフュールの
表情も硬かった・・・。
「あいつは部下の多くをサリエルにやられたのだ」
「じゃが、あいつなら無事切り抜けるだけの力もあるはずだ・・・」
戦いは始まったばかりであり、後ろを振り向いている余裕は無い・・・。
そう自分たちに言い聞かせ、前へと歩いてゆくしかないのだ・・・。
~『始動そして絶望』完~
最終更新:2007年12月16日 23:32