始まりはパリのアパルトマンの一室だった。
大分県で「いのちの授業」を続けて来た元・養護教諭山田泉は、乳がんの再発を告げられ、大学生の息子、娘との思い出をつくるためにフランスにやってきた。旅の終盤、知人の紹介で訪れたホームパーティで、ベトナム戦争孤児としてフランス人の養父母に育てられ、いまや国際的に活躍するパリのチェリスト、エリック=マリア・クチュリエと出会う。育ての母親を乳がんで亡くしたエリック=マリアは、山田のセラピーのためにバッハを奏でる。「ご縁がありますように」と山田から手渡された五円玉に引き寄せられ、その後エリック=マリアは彼女のいる旅立つ---。江口監督を含め、いくつもの偶然の出逢いが生んだ奇跡のようなドキュメンタリー映画。全編に流れるチェロの調べが観る者を優しく包み込む作品です。
監督・撮影:江口方康/音楽:エリック=マリア・クチュリエ
上映時間:72分/配給:パンドラ
最終更新:2010年12月27日 11:05