第五十一話 道が無いならこの手で創る!! 投稿者:兄貴 投稿日:09/01/06-16:07 No.3794
「結局何? アンタたちキスの一つもしなかったの? あれだけ・・・あれだけイライラさせて・・・」
「な・・・なんだよ、したらしたで怒るだろ?」
「兄貴って妙なとこでマジメなんだね~。軽い気持ちでぶちゅ~といっちゃえば良いのに」
「美空!! 軽々しくそのような発言は控えなさい!!」
教会へ戻ったシモン、扉を開けた瞬間チョークとロザリオが顔の横を掠めた。
恐る恐る中を見ると、満面の笑みで額に筋を浮かべてご立腹中のヨーコとシャークティがいた。
「でもね、何時間もあの光景を見せられたのよ? 一人身の私たちへの当てつけかしら? そもそもアンタが居眠りしてたのが悪いのよ」
「そ・・・それはそうだけど・・・だけど俺は・・・・」
「あ~もう、たかがチュウ一つで兄貴は中学生かっての。まあ木乃香は中学生だけどさ~、ネギ君なんて既にアスナと本屋ともやってるし、今日はゆえ吉とパルとまでしてんだよ?」
「いや・・・まあ・・・そうだけど・・・・・」
図書館島ツアーに行ったとき、中から顔を真っ赤にして逃げ出すネギとすれ違った。何事かと思ったら夕映とハルナと半ばムリヤリ仮契約をさせられたようである。ハルナは純粋にアイテム欲しさにやったようだが、夕映はネギにのどか並みの想いを寄せていることが発覚した。
親友との友情とその想い人へのほのかな想いの板ばさみに合い苦しんでいた夕映。一歩遠慮するようになったのどか、この二人の境遇はまったく今の刹那と木乃香に当てはまり、木乃香も涙ながら夕映にエールを送ったりしていた。
当然後から尾行していた刹那もこの出来事を知っていたため、何か思案しているようだったが、二人には気づかれなかった。
「いいんだ、俺は俺のやり方がある。まあ、・・・・たしかにキスの数でネギに負けてるのは少しショックだけどな・・・・」
「「張り合ってもしょうがないでしょ!!」」
10歳の少年に負けていることに関しては苦笑せざるをえなかった。
「はいはい、今日はこれまだで! とにかく明日に控えて今日は・・・・・・・ん?」
「?」
今日は色々なことがあった。武道大会だけでなく、超との駆け引きや喧嘩、木乃香の前進、アスナの失恋・・・様々な思惑を抱え、あとは明日を迎えるだけだと思っていた。
しかし教会の外に無数の気配を感じた。
「みんな・・・・・」
「ええ・・・・・」
急に真面目な顔つきになるシモンとヨーコ、どうやらシャークティも気づいたようである。外に感じる気配は人ではない・・・しかし敵意は感じる。
すると全員それぞれの武器を手に構えた。
「明日じゃなかったの? あの子とのデートは・・・」
「さあ、でも気持ちは分からなくも無いよ」
シモンたちは集まり、教会の扉に手を掛けた。
するとそこには地下で確認した大量のロボットたちが、教会の扉の前に立っていた。ご丁寧に武器までその手に持っていた。人型のアンドロイド、一見ただのゴツイ男にしか見えないが、同じ顔をした物が大量に要ればいくらなんでも作り物だと分かる。屈強のボディと黒いサングラスを掛けたロボット軍団がゾロゾロと教会を囲んでいた。
麻帆良大学工学部のロボット兵器。T-ANK-α3(ティー エーエヌケイ アルファスリー)通称田中さん。
それを詳しく知るものはこの場にはいない。ただ分かっているのはこのロボットたちは戦闘体制が整っていることである。
そしてその数は軽く100を超えていた。
「うわ~、なんだこりゃ!? 一体なんなんすかコイツら!?」
「落ち着きなさい美空、少なくとも迷える子羊たちではないようですね・・・・」
「地下にいたロボットダ・・・・・」
「ぶ~う」
額に汗掻きながら慌てる美空をシャークティが冷静になだめる、だがその顔つきはいつもとは違った。今の表情は悪魔のヘルマンが訪れたときの厳しく冷たい瞳をしている。どうやらシャークティもすでに臨戦体制のようである。
「きっとアイツは待ちきれなくて来ちまったんだよ。ほら・・・デートでワクワクしすぎて待ち合わせより早く来ちまうあれと同じだ」
「なんだそりゃ!? 全然可愛らしさも欠片もねえっすよ~!」
「あきらめなさい、美空」
「美空、気合イレロ」
「だ~はいはい、やったろうじゃねえの!!」
ドリル、ライフル、ロザリオ、アーティファクト、それぞれの武器を身に纏い新生グレン団は構えた。
すると田中さんが無機質な機械声で口を開いた。
「ターゲット確認、直チニ捕獲シマス」
その言葉と共に他のロボットたちの目が光、向かってきた。
「気合のねえ声出しやがって! やれるもんなら、やってみやがれ!! いくぞ、みんな!!!!」
「「「「応(ぶう)!!!!」」」」
飛び出しロボット軍団に飛び掛るシモンたち。雄雄しく、猛々しく、気合を叫び立ち向かっていく。
明日を待たずして、今ここに前哨戦が開戦した。
だがこの場に超鈴音本人はいなかった。彼女は今、この大喧嘩を左右させるもう一人のキーマンと相対していた。
「超さん・・・・・」
「そんな怖い顔しないで欲しいネ、ネギ坊主。・・・楽しいお祭りが台無しヨ」
「誤魔化さないでください・・・・、全てを話してください」
世界樹広場の前で向き合う超とネギの二人。ネギは超を睨んでいるわけではない、むしろ睨んでいるのは超のほうかもしれない。超は笑顔でそれを悟らせないようにしているが、何も知らずにコアドリルを首から提げているネギを睨んでいるのは超かもしれなかった。
ことの始まりは超が出した退学届けから始まった。
もともとシモンと超との問題が気になっていたネギだったため、この行動には目を疑った。しかし今すぐにでも聞き出そうとしたかったのだが、超の退学の話がクラス中に伝わってしまい、気づいたら超とのお別れパーティにまで発展してしまい、気づいたら夜遅くまでなっていた。
パーティで盛り上がったクラスメート達は今日一日の疲れからか眠りこけていた。だがネギは決して眠ろうとはしなかった。パーティの最後に言った超の言葉がとても気になったのである。
『私は未来から来たネギ坊主の子孫ネ♪』
大爆笑に包まれて終わった話題、だがネギには超の言葉が冗談には聞こえなかった。それは魔法関係者の者もそうだった。
今この場にいるのはネギ、そして刹那、木乃香、夕映、のどか、ハルナ、楓、カモ、そして寝たふりをしながらも耳を傾けている千雨が真実を知るためにこの場にいた。
「超さん・・・さっきの話・・・アレは本当に・・・」
「はっはっは、あまりにも突飛過ぎると信じてくれないものネ」
いつものように冗談交じりで笑う超、だが突然その笑顔が今までと違う笑顔になった。
「私は君たちにとっての未来、私にとっての過去、つまり歴史を変えるために来た、それが私の目的ネ」
「えっ? 未来? 歴史? 超さん、そんないきなり・・・・」
度肝を抜かれたのはネギだけではない、この場にいる全員が同じ顔をしている。千雨などその言葉を聞いた瞬間寝ながら噴出してしまった。だが今の超の表情はいつもの冗談交じりの顔ではなかった。
「世界樹の力を使えば可能ネ。・・・・・そんな力があれば・・・・ネギ坊主の不幸な過去だって変えることが出来るネ」
「!?」
「私の言いたいことが、分かるネ?」
突拍子の無い言葉、だがしかしその一つ一つがネギの言葉に響いた。すると今まで黙っていた千雨が起き上がり口を挟んだ。
「つまり、テメエのやりたいことってのは、魔法を世界にバラすってことか?」
「千雨さん!?」
「落ち着くネ、ネギ坊主。既に千雨さんは武道会の時点で大よそ我々のことを気づいているヨ」
「えっ!? いつの間に・・・・・」
気づいたらクラスのほとんどが魔法を知ってしまったこの状況に顔がひきつってしまったネギだったが、それを無視して千雨がパソコンの画面を皆に見せた。
「武道会の出来事や、ここ数日の話題、ネギ先生の過去、魔法って単語がネット上で大流行してたんだ・・・」
「「「ええ~!?」」」
「そうだったん?」
「き・・・・気づかなかったです・・・・」
「まあ、今は影を潜めちまったがな・・・・でも、これがお前の仕業だとしたら全部に辻褄が合うんだよ・・・・」
自分たちの知らなかった出来事に唖然としてパソコンを覗き込むネギたち、すると超は千雨の言葉に小さく頷いた。
「その通り、私の目的は魔法使いの存在をこの世界にバラすことネ!」
「ああ~? んなもんバラしたら世界が大混乱だろうが! アニキたちまでオコジョにされちまうぞ!」
「そうです、一体何のためにそんなことを・・・・・」
「・・・・不服カ? 魔法使いの力が世に知られれば、君たちももっと大きく行動できる。より多くの人たちを救えるのではないカ?」
「えっ・・・・?」
ネギはその言葉が胸に残った。そして超の言葉をまったく否定できなかった。ただ呆然とその場に立ち尽くした。
すると夕映が何か納得したような口ぶりで、口を挟む。
「なるほど、そういうことでしたか・・・・」
「夕映さん?」
「昨日シモンさんが言っていた超さんの行動は魔法使いたちにとっての利点になるかもしれない、・・・・それはこういうことだったのですね」
「・・・・その通りヨ、私は混乱を収める対策もすでにしてある。絶対にうまくいく。しかしシモンさんはそれを邪魔するネ・・・・」
夕映の言葉にようやく全員が理解した。シモンが魔法使いとしての答えをネギたちに出せとはこういう意味だったのである。そしてたしかにネギは頭から超の言葉を否定できなかった。たとえば木乃香のような巨大な魔力と回復呪文が使えれば、多くの人を文字通り救える。しかし今の魔法使いは存在の秘匿を遵守して、影でわずかながらの助力しか使えない。それはたしかに困難である。
しかし超が言うように魔法がバラされた後の困難を防げるならば、・・・魔法が認められれば、・・・それはすばらし世界になるのではとネギの頭の中に過ぎった。
「しかし、過去を変える行為が許されるとは限りません・・・・・」
「ほう、興味深いネ、教えてくれないか夕映さん?」
「嬉しいことも、悲しいことも全て過ぎ去った過去なら受け入れなければなりません。人はその上に立っているのです・・・仮に超さんが過去を変える原因が世界の滅亡を防ぐためなどなら一考しなければなりませんが、そうでないなら・・・・」
全員黙ってその話を聞いていた。ネギも超の言葉、今の夕映の言葉を頭に浮かべながらもう一度考える。だが、その言葉を全て言い終わる前に
「ぷっ・・・・くくく・・・」
「超さん?」
「あっはっはっはっは」
超は笑った。
その笑いは明らかに嘲笑だった。明らかに夕映を小ばかにしていた。すると超は腹を抱えながらネギたちを見る。
「それを夕映さん達が言う資格は無い、それを言っていいのはシモンさん、・・・グレン団だけネ」
「な・・・なにを「それに!」・・・」
「もう遅いヨ、現にネギ坊主はその存在を知りながら何度もタイムマシンを使ってる。ネギ坊主たちが歴史の改ざんを否定することは不可能ネ」
「「「「!?」」」」
超はネギに向かって指を指し、ネギは慌てて懐にしまってあったカシオペアを取り出した。そしてそれの力を知る皆がそれに注目した。超から手渡されたタイムマシン、その意味がようやく理解できた。
「なるほど、ようやく分かったぜ、シモンの旦那が言っていたテメーの先手、そして何でシモンの旦那が俺っちたちを拒んだのか・・・」
カモの言葉を聞いて超はニヤリと笑った。
「つまりシモンの旦那がテメーと戦うのは魔法使いの存在をバラす行動についてじゃない、過去を変えるという行為だ。だからタイムマシンを既に何度も使った俺っちたちを仲間にすることが出来なかったんだ」
「ウム、正解ネ♪」
カモの言葉を聞いて皆ハッとなった。そしてようやく全ての謎が解けたことに気づいた。目的が違うから仲間になれない、それがシモンの想いだったのである。そして全てはそうなるように仕掛けた超の罠だった。
既にどうしようもない事態に刹那たちは悔しそうに唇を噛み締めながら超を睨んだ。
「そう、シモンさんは絶対に使わない・・・・それでどんなに救われると分かっていても、時計の針を戻そうとはしない・・・・」
今戦いの最中であろう、教会の方角を眺めながら超は呟いた。そしてもう一度ネギたちを見た。
「ところでネギ坊主、それに木乃香さんたちも、シモンさんシモンさん言ってるガ、シモンさんのことを・・・グレン団のことをどこまで知っているネ? 実はあまりよく知らないのではないカ?」
「えっ? シモンさんのこと・・・・それなら知っています!」
「そうです、これまであの人と行動して、そして昨晩あの人の話を全て聞きました!」
超の言葉にカチンと来た刹那も顔色を変えて、超に食いかかる。そしてネギはシモンの話を超に向けてする。
「シモンさんは・・・・こことは違う世界の人間です・・・・」
「ウム・・・それで?」
なぜ超まで知っているのか分からないが、ネギは話を続ける。途中知らなかった千雨とハルナがポカンとするが、ネギは昨晩教えてもらったことを説明していく。
地下の世界、地上への憧れ、カミナのこと、ガンメンのこと、グレン団、獣人、螺旋王、そしてグレンラガン、
「そしてその四天王との戦いでカミナさんは命を落としました・・・・でもその想いを受け継ぎ明日へ向かいました。その後はよく知りませんけど、シモンさんたちはきっと螺旋王を倒して地上を手に入れたんでしょう・・・・・」
「フム、・・・それで?」
「それでって・・・・ですから地上を取り戻してシモンさんたちは・・・・「やはりネ」・・・・超さん・・・?」
「思ったとおりネ、どうやらネギ坊主たちが知っているのはほんの序章ネ」
「えっ!? ど・・・どういうことなん?」
フンッと鼻を鳴らしながら超は告げる。
「螺旋王ロージェノムを倒し、地上を手に入れてから7年後、そのとき人類の・・・大グレン団の本当の戦いが始まった・・・」
「「「「!?」」」」
超の言葉に衝撃を受けるネギたち。すると超はネギの首からぶら下がっているコアドリルを指差した。
「武道会でシモンさんは叫んだはずネ、それに眠っているのはカミナさんだけの魂ではないと」
そう、シモンは自分たちの知らない人たちの名前を大勢叫んでいた。美空の話によればグレン団のメンバーの名前であるというのは分かった、そして何故か螺旋王の名までシモンは叫んでいた。
「本当の戦いで多くのグレン団は散った・・・・そして最後には・・・・シモンさんの最愛の人・・・ニア・テッペリンという女性も・・・・」
「ニアさん!?」
「どういうことだ、超鈴音! 貴様、何を知っている! なぜニアさんのことを・・・・それに本当の戦いとはなんだ!? シモンさんたちの戦いは獣人との戦争ではなかったのか!?」
ニアの名前に木乃香と刹那は激しく動揺した。そしてシモンが語らなかった真実を何故超が知っているのか、疑問が絶えなかった。
それはネギたちもそうだった。
結局試合の後は忘れたが、グレン団のメンバーで死んだのはカミナだけかと思っていた。そしてなぜシモンはカミナを殺した敵の親玉の名まで叫んだのか。そしてよくよく考えれば、何故ニアという女性は死んだのか。
その全ての疑問の答えを超鈴音は知っていた。
訳が分からずネギたちは超の言葉を待つ。すると超はため息をついた。
「と言っても重要なのはそこではないネ。そのことについては改めてシモンさんに聞けばいい」
「えっ? どういうことですか・・・」
「シモンさんたちの本当の戦い、しかしそれはすでに終結した話。別に知ったからと言って所詮は異世界の出来事。ネギ坊主たちが気にすることではない。別にシモンさんも内緒にしてるわけではないと思うヨ。・・・・ただ・・・」
「ただ・・・なんなんです?」
「カミナさんを含めて、明日を手にするためにグレン団たちは命を掛けた。そうやって掴んだ明日だからこそ、シモンさんの今日はいつだって重い」
シモンが言っていた明日へ向かうという言葉、カミナや二アを失ったことを悲しむことはあれど、それでも懸命に明日へ向かう。その本当の意味を超もようやくシモンと直接出会って知ることが出来たのである。
「夕映さんの言葉を借りるなら、シモンさんは過去を受け入れ前へ進んでいる・・・・仮に・・・・タイムマシンを持っていたとしても・・・・死者を生き返らせる力があっても・・・・使わない・・・それがシモンさんネ・・・。私も・・・あの人と話、最近になってそれを知ったヨ・・・・」
シモンの過去で分からないところがあるのは相変わらずだった。しかし今の説明だけでシモンの信念、そして自分のやってしまった行為、それらをネギも理解した。
タイムマシンを手にした時自分が言った言葉、「これで一日を何度もやり直せばいいんだから」それを思い出した。
「だから・・・・今日を軽んじてしまった僕とは一緒には戦えない。 ・・・超さんの計画に賛成するか反対するかでしか・・・僕は動く資格は無い・・・そういうことですか?」
超はコクリと頷いた。
そして誰も反論することが出来なかった。
なぜならシモンの信念はこれまで多くの戦いと出来事を乗り越えて導き出したもの。それを今の駆け出しの自分たちが何かを言えるものでもない。
そして目の前にいる超鈴音もそうである。
自分たちでは想像も出来ないような過去を送ってきたのかもしれない。過去を変えようなどと大それたことはそうでなくては思いつかない。そして何よりシモンという男が敵になると分かっていながら実行しようとしているのである。
シモンと同様に超鈴音も揺るげない信念の元に動いている。そのためどちらが正しいのか正しくないのかなど、分かるはずも無かった。
「そう、過去の改ざんだとか歴史がどうのとかネギ坊主たちに言う資格は無い。ネギ坊主たちが動けるとしたら魔法をバラすことに賛成か反対か、これだけヨ。・・・そしてネギ坊主も分かっているはず。魔法が広まる世界を否定できないことを・・・・」
「ですが・・・・そのために・・・・」
そのためにシモンと戦うのか・・・・あまりにも重過ぎる選択にネギはどうしようもなかった。
答えなど、出るはずが無いのである。シモンは自分たちの信念を押し付けたくないから、ネギに魔法使いとしての答えを出せと言った。だがどうせなら押し付けてほしかった。それは昨晩シモンと話した彼女たちも同じであった。そうすればこんな重い選択などする必要も無かったのである。
答えが出ずに押し黙るネギたち。今答えが出るはずも無いのは超も承知の上である。
「否定も賛成も出来ないなら、黙って結末を見ているネ・・・・」
超はその一言だけを呟きネギたちに背を向ける。
「超さん、・・・・どこに・・・・・」
「ふふふ、私もネギ坊主に構ってばかりいられないネ、敵は少なくとも強敵だからネ・・・・・・それでは、また!」
「まっ・・・待ってくだ・・・・」
ネギたちに教えることは教え、超鈴音は姿を消した。
その姿が消えても、誰一人口を開くことが出来ずに、しばらくネギたちは少しその場に立ち尽くしていた。
(ウム、まあこれで少しは牽制になったようネ。シモンさんが意外にフェアで助かたヨ)
超の懸念はシモンの言葉でネギが簡単にシモンの仲間になることだったが、少なくともそうなりそうにないので少し安心した。
(出来れば仲間になって欲しかったガ・・・この様子だとどう転ぶか分からないネ・・・・ならばネギ坊主たちには悪いが、強制的にこの戦いからは退場してもらおう。そのためにカシオペアに罠をしかけておいたのだから・・・・。)
超は立ち去った場所を振り返りながら思案する。
それは超の仕掛けたもう一つの罠だった。
(カシオペアにあらかじめ時限式の罠を仕掛けて置いた・・・これでネギ坊主たちは強制的に明日を迎えることなく、学園祭の終わった・・・私たちの戦いの終結した後の未来へ行ってくれる・・・少なくともこれで邪魔はなくなるネ)
それがシモンたちも知らない超のもう一つの手だった。ネギが仲間になれば解除する予定だったが、今の様子だとどう転ぶか分からない、そのためネギたちを強制的に戦いの場から外すことにより、自分はグレン団のとの戦いに集中しようとしていた。
「さて、アッチはどうなったかな? そろそろ茶々丸がアレを動かし教会へ到着するころ・・・・シモンさんたちはどんな反応をするか楽しみネ」
だが、超鈴音は知らなかった。
そしてネギも気づいていなかった。
カシオペアに既に異変が起こっていることに、まだ誰も気づいていなかった。
「うおおおおおおおお、スカルブレイクゥゥ!!」
ドリルが田中さんに突き刺さり、激しい回転と共に内部が破壊され空高く舞い上がる。
シモンに続けとばかりグレン団たちはロボット軍団に一歩も引かない。
「私が関節を砕いて動きを止めるわ! みんな、その隙に!!」
「まかせてよ! 私の速さを魅せてやる!!」
「油断しないように!」
「美空、スグニ調子にノル」
ヨーコが後衛でライフルで田中さん一体一体の足関節を砕いていく。その隙に美空が場を高速で駆け巡りロボットたちを行動不能にしていく。シャークティ、そしてココネも十字架を使った魔法で動きの衰えていくロボットたちにトドメを刺していく。
たった五人と一匹のチームだが、100を超える戦力に充分渡り合っていた。
だが火力の差は当然あった。田中さんの放つロケットパンチ、そして口から放たれるビームは脅威だった。
「くっ、数が多すぎます」
「くっそ~、もちっと私の攻撃力があれば・・・・」
ペース配分無く全力を尽くしていくシャークティたち。一体一体の力はそれほど大したことは無かったが、このままでは体力が先に尽きてしまうと感じ、歯軋りするシャークティ。さらに自身の攻撃力の無さ故に一撃で仕留められない自分に歯がゆい思いをする美空。
敵はまだまだ存在している。
そしてとうとう田中さんのロケットパンチがココネの足を掠らせた。
「アッ・・・」
「ココネ!?」
「ッ・・・大丈夫・・・」
幸い掠らせただけで怪我は無かった。しかしその代わりココネは既に息が上がっていた。しかしそれは仕方の無いことだった。さすがに自分たちでも微妙なペースで飛ばしていて、まだ子供のココネの体力が先に尽きてもしょうがなかった。
それでも心配させないようにとココネはすぐに立ち上がるが、このままでは先にやられてしまう。
「仕方ありません・・・・美空! ココネを担いだまま戦えますか?」
「問題ないっす! いっつも肩車してるからお安い御用! ココネ、早く来な!!」
「ワカッタ!」
ココネは頷いてロケットパンチが飛び交う戦場を駆け巡り、美空までたどり着き、いつものように美空の肩によじ登ろうとした・・・・・しかし・・・・
「ココネのおバカーーーー!!」
「!?」
「おいおい、美空!?」
「美空、こんな時に何をしているのですか!?」
なんとよじ登ってきたココネを美空は叩き落とした。
わけも分からず目をパチクリさせるココネ、そして思いもよらぬ展開に呆気にとられるシャークティたち。すると美空は戦場の中心で大声で叫んだ。
「ココネー! 私たちはグレン団だぞー! こんな大ピンチで、いつも通りやってどうすんのさー!」
「・・・・・・・・・・・・・(キラーン)!!」
意味が分からず呆けるシャークティ、しかしその時ココネの目はキラリと光った。ココネは美空の言いたいことを理解できたのだ。
するとココネは一度美空から距離をとり、再び走り出した。そして体操選手顔負けのアクロバットを披露した。ロンダートからバク転で勢いをつけ、抱え込みの月面宙返りをした。
高らかに舞うココネ、その姿に開いた口がふさがらないシモンたち。すると美空は指を鳴らし叫んだ。
「それだァァーーーーッ!! 女の合体、それは気合! そして宙を舞う美しさだッ!!」
「「「なにィィーーーーー!?」」」
さすがのシモンたちも驚愕した。シャークティとヨーコは目が点に、しかしシモンは目頭が熱くなった。
美空の肩に寸分狂わず降りるココネ。それはただの肩車だが、ただの肩車ではない。目の錯覚かもしれないが魔力の光が激しさを増した気がした。
「「乙女の魂燃え上がるぅ~! 姉妹合体!!!!」」
「美空ー! ココネー! いいよ! 本当にスゴイよお前たち!! それでこそグレン団だッ!! 俺たちはいつだって一味違うぜ!!」
「ヨーコさん・・・・これに呆れてしまう私の思考は間違っていますか・・・・?」
「大丈夫・・・・アンタは正常よ・・・・・」
美空とココネ、そしてハシャグシモンを細い目で見つめるシャークティとヨーコだった。
だがしかし、これは見せ掛けだけの合体とは言いがたかった。ココネを肩に乗せた美空は自身の身体の変化に気づいた。
「あれ?・・・ありり?」
「なっ・・・・これは!?」
それは美空を包むココネから供給されていた魔力の形が今までのような乱れが少なく、研ぎ澄まされ美しさすら感じるほどになった。それはまるでネギを見ているようだった。
「そうか!! これまで美空はココネからの魔力の供給を修行不足ゆえに、送られてくる魔力を完全に活用することが出来ていませんでした。しかし今ココネが肩車をされ直接美空に触れ合うことにより、供給のブレを最小限に抑えたのです!!」
二人の距離が離れるほど、供給は難しくなる。それが修行不足の美空の欠点だった。武道会でネギに美空がダメージを与えられなかったのは、それが原因であったと言える。しかしココネが直接美空の身体に魔力を流し込むことによって、美空はほぼ100パーセントココネの魔力を身体に留めることが可能になった。
「理屈は関係ないさ」
「そうっすよ、シスターシャークティ」
「コレハ・・・・」
要するに・・・
「「「気合だ!!!」」」
「このまま一気に行こうぜ、妹分!!」
「おっしゃあ! いくよ~~、私達を、誰だと思ってやがるんだキーック!!」
ココネを肩に乗せたまま駆け出した美空は飛び蹴りを田中さんに向けて放った。するとその威力に押されて田中さんは二転三転しながら他のロボットを巻き込み激しく吹き飛ばされてしまった。
「「「おおおお~~~!!」」」
「・・・・・・うっひょーーー、スゲーーっすよ!!」
「いける・・・・勝てるぞ!!」
「当然よ!!」
新たな力を手に入れた美空。今までよりも更に速い足と、今まで足りなかった攻撃力も手に入れることが出来た。瞬く間に大群のロボットたちを撃破していく美空に大量生産のロボットでは相手にもならない。ロボットたちの身体を高速の蹴り一撃で砕いていく。
(いける・・・今までよりも速く、そして強く・・・これが合体!!)
自分の進化した力にゾクゾクする美空、その神速の動きを、もはやこの学園で捉えることが出来るものなどいなかった。
(ここは本当にいけそうですね、それにしても美空とココネがあんな常識破りをみせてくれるとは・・・・)
益々グレン団に染まっていく教え子の姿にうれしくもあり、魔法使いとしては少し複雑な心境ではあったが、シャークティは微笑んだ。
しかしそれが一瞬の油断だった。
「シャークティ!!」
「!?」
ヨーコの声に反応して慌てて前を振り向くと田中さんの放ったビームが眼前に迫っていた。慌てて反応して交わそうとするが、完璧には不可能だった。僅かだがシャークティのスカートを掠らせてしまった。
「シャークティ!?」
「クッ!? やってくれますね・・・・」
油断した自分を叱咤し、再び十字架を構えて敵と向き合うシャークティだった。しかし仲間たちに変化が起こっていた。仲間たちが口を半開きにしたまま自分を見ているのである。シモンは顔を少し赤らめている。何事かと思いキョロキョロするシャークティ、するとヨーコが自分の足に向けて指差した。
「あの・・・・皆さん?」
「シャークティ・・・・・下・・・・!?」
「えっ・・・・・・・ぶううう~~~!?」
「・・・・・案外大胆っすね・・・・」
「・・・・黒ノレース・・・・・・」
「俺は・・・・見てないから安心してくれ・・・・」
シャークティが自分の足元を見たら、常に冷静な彼女がこれ以上ないほど取り乱し息を噴出してしまった。
なぜなら田中さんのビームでスカートが破け・・・、シャークティの下着が露わになってしまったのである。
「みみみみみ・・・・見ないでくださいぃぃーーー!?」
「ちょ、・・・ちょっと待ってね、今・・・・」
少女のように取り乱し、服の裾を懸命に下に引っ張りうずくまるシャークティ。あまり気にせず冷静に流すタイプかと思ったが極めて純情な反応に全員が少しグッと来てしまった。ヨーコが慌てて自分の上着をシャークティの元へ持っていくが、シャークティは異常なほど沸騰した顔で涙目になっていた。
「お・・・俺たちが食い止めるぞ!!」
「おう、シスターシャークティの死を無駄にするな!!」
美空とココネとシモンでシャークティの盾になってロボットたちと交戦を再開した。一応上着を腰に巻かせたが、シャークティは未だに立ち直れずヨーコが横でなだめていた。
実質二人で戦うことになったシモンたち。負けなくは無いが、無傷の勝利は難しくなった。田中さんのビームは二人に集中砲火されていく。
美空は持ち前のスピードで全て完璧に交わしていくが、シモンは無理だった。とうとうその一つが肩の部分を直撃した。
「ぐっ、しまった!?」
「兄貴!?」
「だ・・・大丈夫、ダメージは・・・・無い? ・・・・・・あれ・・・なんだこれは!?」
ビームが直撃した部分を見てみた。不思議なことにダメージは無い、しかし異変はあった。
それは直撃した部分の衣服の一部がきれいに無くなっているのである。
「一体何なんだよこれ!?」
「まさか、あれっすか? 一生懸命交わしてるけど、このビームってただの脱げビームじゃないの!?」
「脱げビーム!?」
「なんて下らない物なの!? シモン、さっさと全部片付けなさい!?」
ずっと真剣に戦っていた相手の攻撃は何と取るに足らないものであった。ただ衣服が破れるだけの威力、これ相手にシモンたちは命がけのつもりで戦っていた。急にアホらしくなったヨーコはシモンに向けて叫ぶ。
しかし、なぜかシモンは言葉を濁し、素直に頷くことに戸惑っていた。
(ぬ・・・脱げビーム・・・シャークティがああなったのはこれの仕業・・・・)
チラッと後ろを見る。半脱ぎ状態のシャークティと、上着を脱いだビキニスタイルのヨーコがいる。それを見てシモンは徐々に混乱していった。
(もし・・・このビームが全部シャークティとヨーコに当たれば・・・・・)
もう一度後ろを見るとそこには揺れるヨーコの胸がある。シモンは正直な男だった。ゴクリと唾を飲み込み、僅かながらロボットを倒していいのか迷ってしまった。
そしてこんな時再び奴が現れた。
[がっはっはっ、迷ってるみたいじゃねえか、シモン!!]
(また出た!? デビルアニキ!?)
自分の頭の周りでパタパタと舞うデビル。そしてデビルはニヤリと笑って。ヨーコたちを指差した。
[シモン、正直になれ! 見てぇもんは、見てぇ!!]
(だあ~~~、また余計なことを~~)
堂々と高らかに叫ぶ悪魔、
しかしその時だった。一つのチョークがデビルの身体を貫き、そのままチョークがシモンの額に突き刺さった。
「なななっ・・・・ぐううううう!?」
[ぐおおおおお、デカ尻女め~!]
想像を超える痛みにうずくまるシモン、そして断末魔を上げて消滅するデビル。
シモンは頭を擦りながら、視線をチョークが飛んできたほうへやると般若と化したヨーコがいた。そして今度はチョークでなくライフルを構える。
「何迷ってんのよッ!! さっさと・・・・片付けろーーーーー!!」
「は・・・はい~~~っ!」
チョークをシモンに投げたヨーコは、今度は空に向かって威嚇射撃を何度もしてシモンを脅した。その剣幕に押されシモンは慌てて残りの田中さんに向かっていき。心の中でデビルに冥福を祈った。
残りを仕留めていくシモンたち、するとようやく戦線を離脱していた女が立ち上がった。
顔を俯かせながらブツブツ呟いているシャークティ、その背中からはシスターとは思えないほど黒いオーラが出ていた。
「ふっ・・・ふっふっふっ・・・・見られてしまいましたね・・・どうしてくれるんです?・・・別に見せるために履いていたわけではないのですよ? よりにもよって・・・・ふっふっふっ・・・・」
「お・・・おい・・・」
ヨーコの上着を腰に巻いたシャークティがブツブツ何かを言っているが聞き取れない。するとシャークティはフラフラと田中さん達の前に歩み寄っていく。
それに反応して田中さん達がビームをシャークティに向ける。
「し・・・シスターシャークティ!? 避けないと素っ裸に!」
慌てて叫ぶ美空、しかし今のシャークティの耳には入らない。迫りくるビーム、するとシャークティがロザリオを構え、魔力を開放していく。
シャークティに似つかわしくないほど禍々しい気。そして美空とココネがそれを見て思わず慌てた。
「まずい!? 兄貴もヨーコさんも下がって! シスターシャークティがブチ切れてる!?」
咄嗟に走り出す美空。よく分からないが確かに尋常でない空気にシモンも言われたとおりその場から駆け出した。
「美空、・・・シャークティは一体・・・・」
「まあ見てなって、決してパクリでは無いと言い張ってるシャークティの大技・・・・・」
すると何十もの光の束がシャークティのロザリオに集中し、大きな光を出す。
思わず目が眩むシモンたち。するとシャークティは大声で田中さんの大群に叫んだ。
「よくも、散々ビービー垂れ流してくれましたねッ!! アナタのふざけたビームごと消し去って差し上げます!!」
ロザリオに溜められた魔力が限界地点までいき、シャークティは全てを解放する。
「グランドクルス!!!!!!」
魔力が強大な十字架の形に開放され、あたり一面を光で包み込んだ。
そして閃光が止んでシモンたちが見たものは・・・・・
「・・・す・・・・すごい・・・・・」
「・・・・でしょ?」
顔を引きつらせるシモンたち。
なぜならそこには残り数十体ほどいたロボットたちが一つ残らず消滅していたのである。
何も無くなった戦場でシャークティは指で十字の形を切り「アーメン」と小さく呟きこちらをスッキリしたような表情で振り返った。
「シモンさん♪」
「は・・・はいっ!」
「アナタは何も見ていませんね♪」
シモンは勢いよく何度もカクカクと頷いた。
敵が全滅して自分たちの勝利が決まった。しかしその喜びよりも、シャークティを絶対に怒らせてはならないという気持ちのほうがシモンたちには大きかった。
だが、まだ戦いは終わっていなかった。
夜とはいえ外灯の光があってそれほど暗くはない。しかし次の瞬間この場一体に影が落とされて暗くなった。
「ッ!? シモンさん、上!?」
「えっ?」
シモンは慌てて振り向いた。
するとそこにはとてつもなく巨大な拳が自分に向けて振り下ろされてきた。
「っ!?」
シモンは慌ててその場を飛びのき逃れた。そしてさっきまで自分のいたところは大きなクレータのような跡が残っている。
「こ・・・・こいつは・・・・・」
「やっぱり・・・・来たわね・・・・」
「ちょっ・・・・冗談でしょ・・・」
「なんと・・・・巨大な・・・・」
「大キイ・・・・」
「ぶ・・・・ぶう・・・・」
全員が唖然として空を見上げる。
何故見上げるのか、それはそうしなければ確認できないほど大きな物体だったからである。
形は少し違う、しかしそれは見覚えのあるフォルムだった。過去何度も共に戦ってきた仲間の姿と似た形をしている。
そこにいたのは・・・
超鈴音が失望したはずの偽りのグレンラガンがいた。
「ようやく本命のお出ましか、・・・・上等じゃねかモドキ!!」
汗を流しながらも虚勢を張り見上げるシモン。するとグレンラガンモドキから聞きなれた声がした。
「夜分遅くに申し訳ありません、シモンさん、皆さん」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
シモンと美空は心当たりMAXだった。なぜなら何度となく会ってきた人・・・ではないが人物・・・・
「「ちゃ・・・・茶々丸~~~!?」」
「そうです、急にお邪魔して申し訳ありません」
機械なだけあって相変わらず安定したトーンでしゃべる。それに対してシモンたちはあまりにも意外な人物が乗っていることに驚くしかなかった。
「てっきりそれには超の奴が乗ると思ってたんだけどな・・・・・」
「これは他のロボットと違ってオートではなく手動で操作する必要があります。しかも世界樹の魔力が満ちていないと動かない上に、その魔力を動力に変換する高速処理を常に行わなければなりません。それは私にしか出来ないのです」
顔の部分から声が聞こえる。どうやら茶々丸はラガン部分のコクピットに乗っているようである。
茶々丸が超の協力者なのは知っていた。このグレンラガンモドキが動く可能性も視野に入れていた。
だがまさか今ここに現れるのは予想外だった。明日の決戦を前に超は何を考えているのかと思ったら、茶々丸が再び話し出した。
「超さんからの伝言があります・・・」
「・・・・言ってみろよ・・・・」
「・・・いい女とデートするには幾多の試練を乗り越えなければならないヨ、シモンさんたちは出来るカナ?・・・・だそうです・・・・もし出来ないようなら明日の前にシモンさんたちを捕獲させてもらいます・・・・」
「なんだそりあ~~、自分から誘ったくせに何考えてんだっ!?」
「落ち着け、美空・・・・・」
あまりにも身勝手すぎる要求に美空は文句を言うが、シモンはそれを制し、ニヤリと笑って巨大な鉄の塊を見上げた。
「だったら期待に応えてやるよ。 モドキなんかじゃ、俺たちの壁になんかならないってことをな!!」
その言葉に従い再び全員は武器を構える。
するとその瞬間、先程全滅させたはずの田中さんまでゾロゾロ現れた。
「ちょっと、・・・こいつらまだいたって言うの?」
「くっ・・・・囲まれました・・・・」
再び現れた大群のロボット、そして巨大なメカ、逃げ道は無い。
ならばやるべきことは一つ。
「だからどうした! 道が無いならこの手で創る!!」
「それしかないわね!」
「いきますよ、美空、ココネ、ブータ!!」
「「「おう(ぶう)!!」」」
シモンとヨーコは巨大なロボットに、
そして美空たちは自分たちを囲む田中さんに向かって行った。
こうして真夜中の決戦、第二ラウンドが始まった。
後書き
色々やっちゃいました。
とにかく九尾さんの言うとおりデビルアニキには天罰が下りました。
しかし奴は何度でも現れる! なぜならシモンの背中と胸に一つになって生き続けているから(笑)!!
最終更新:2011年05月10日 15:03