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61-邪魔をするんじゃない!!

第六十一話 邪魔をするんじゃない!! 投稿者:兄貴 投稿日:09/02/15-09:54 No.3845
『マ、マズイ! コレは非常にマズイ最悪の状況です!! ここ世界樹広場を除く5つの防衛ポイントが敵に占拠されたとの情報が入って来ました! 残るこの広場を占拠されてしまえば、全て終わり! 我々の負け! ジ・エンドです!! このまま我等が学園防衛魔法騎士団は火星ロボ軍団の軍門に終わってしまうのでしょうか!? やはり突如敵が装備した強制退場のルールは厳しすぎたかビックリ?』


当初はただの脱げビームだった火星軍団のロボットもいつしか特殊弾を装備して生徒達に襲い掛かっていた。

その威力は激しく、生徒達は次々と退場させられて、防衛ポイントで生き残っているのは一つしか残っていなかった。

だが、そこにはまだ諦めずに戦う者たちが居た。


「へっ、何言ってんの、朝倉・・・ココのロボはあらかた制圧したっての♪」


「おうよ!」


「まだまだ余裕だぜ!!」


新生大グレン団の男達、そして意外な活躍を見せる裕奈たちが中心となり、迫り来るロボ軍団を見事撃退していた。


『おっと皆さん! ここで重大なお知らせが入りました!』


突如告げられる司会の言葉に全員が耳を傾ける。

すると学園の様々な場所に設置されているオーロラビジョンに二人の男と女の顔写真が映し出された。


「おいアレ!」


「そうだよ・・・社長じゃねえか!」


「ねえねえ、美砂!」


「うん、シモンさんも!」


「リーダーじゃねえか・・・」


学園中に同時公開されるシモンと超の顔写真、その二人のことをほとんどのものが知っていた。

その映像に皆が首を傾げていると、朝倉がたった今、夕映から来た連絡をそのまま伝える。


『只今入った情報によりますと、黒幕の正体が発覚しました!! それはなんと誰もが知る超包子のオーナーにて、学園最強の頭脳を誇る超鈴音!! そしてもう一人は・・・え~、新生大グレン団リーダー、え~、天を突く男・・・穴掘りシモン! この二人の人物こそがこの戦いの黒幕だそうです!!』 


カンペを読みながらシモンのことまで公表する朝倉。その情報に参加者だけでなく、他の生徒達にも衝撃が走った。


「エ~!? 超とシモンさんが!?」


「意外すぎ!」


「ていうことはアレか? その二人をとっ捕まえればいいのか?」


超だけでなくシモンも絡んでいることに彼を知る生徒達に動揺が走る。すると朝倉は混乱を無視して更に告げる。


『その通りです! 終わりのないマラソンレースかに思えましたが、この二人を捕まえさえすれば、我々の勝利なのです!! 残り一つの防衛ポイントが占領される前に、是非この二人を見つけ出すのです!! この二人の居所を見つけた場合、特別賞金が出されます!! これは戦闘に参加していない生徒も参加可能です!!』


シモンと超、敵同士ではあるが二人を同罪に仕立て上げることにより、学園総動員で二人の行方を探し出すことにした。

さらに二人が戦っているとすれば、派手な二人の事だ、生徒達全員で探せば直ぐに見つかるはずだとネギは確信していた。

そして案の定、特別賞金に目がくらんだ生徒達も動き出す。


「よっし、それじゃあ行くぞ!!」


「部の皆にも連絡しろ! 人海戦術で探すんだ!!」


「ぜってー、見つけてやるぜ」


携帯を手に持ち多くの者がついにシモンと超を探し始めた。

この状況にグレン団は持ち場を離れられないことに歯痒さを感じていた。


「やべえぞ、リーダーまで同罪にされちまってる!」


「落ち着け、薫ちん! 俺らはここを守るって決めただろ!!」


「でもよー、・・・くそっ・・・頼むぜリーダー! 捕まる前に勝ってくれ!!」


ここが占領されてしまえばそれでも負けになってしまう。

任された以上、自分達はここで命を張るしかない。豪徳寺は拳を握り締めながら、学園のどこかにいるであろうシモンに願った。


しかし人の心配ばかりしている暇はない。


「来た来た来たよー!」


「デカいの来たーー!」


「うお!?」


その時、広場の下から叫ぶ声がしたのでそちらを見ると、桜子、円、美砂の3人が走って来た。

その後ろには両腕が捥がれているものの一歩一歩近づいてくる巨大ロボット。

先ほどまでは味方だったはずだが、どういうわけか敵に戻っている。


「あんな大きいのまで来た・・・、裕奈どうする?」


「なんの! ここで退いたら退場した亜子たちに申し訳ないよ!」


近づく巨大ロボに怯んだ生徒達に裕奈が声を出す。すると巨大ロボは少し離れた場所から口を開き巨大なビームを放出してきた。


「やべっ、脱げビームだ!!」


「くっ、一次撤退だ!?」


「みんな怯んじゃダメだって! ここで私達が戦うんだよー!」


だがその声はあまり響かない。相手の巨大さ、そして服を脱がされた生徒達は次々とその場から逃げ出していく。

裕奈はそれでも勇んで攻撃を続けるがそれでも巨大ロボは近づいてくる。


もうダメか? 

諦めかけたその時、同じマークを着けている男達が広場の前に立ちはだかった。


「お兄さん達・・・?」


「ゆーな☆キッド、ここは任せな!」


「そうだね、グレン団の後始末は我々がしなければ」


豪徳寺、山下、達也、ポチ、そして剣道部の辻を先頭に、グレン団の男達はゆっくりと近づいてくる巨人の前に立ちはだかる。

わずかな間だけ仲間だった魔道グレンを彼らは迎え撃とうとする。


「ちょ、お兄さん達! でもあんなんどうやって!?」


「そうそう、あんなの止められっこないよー!?」


次々と現れる男達。奇妙にも彼らは服の一部に同じマークを皆が付けていた。サングラスを掛けた炎のドクロマークだった。

すると裕奈や美砂達の不安の声を聞いて豪徳寺たちはニヤリと笑う。


「山ちゃん、いや・・・野郎共!! こんな時、リーダーなら何て言う?」


「ふっ、そんなもの決まっているじゃないか・・・無理を通して道理を蹴っ飛ばすだ」


彼らは知らない。

超の計画の内容も、魔法も、過去の改変も何も知らない。

シモンたちの正体も知らない。

彼らが分っているのはシモンが戦う超鈴音はグレン団を否定して、喧嘩を売ってきた者ということだけである。

だが、彼らにはそれだけの理由で十分だった。



「おうよ! そして俺達はな、リーダーの魂に! 美空ちゃんの足に! シスターシャークティの母性に! ココネちゃんの可愛さに! ブータの根性に! そしてヨーコさんのおっぱいにベタ惚れなんだよ!!」



「リーダーと美しきレディーのため、そして・・・我々の誇りのため!」


「おうよ! 命ぐらい、無限に賭けてやろうじゃねえか!!」


「そして・・・勝つのだ! 全員生き残って・・・」


「そうだ、ヨーコさんに言われたしな!」


次々と集結する男達、

その後姿に裕奈や美砂たちだけでなく、他の参加者たちも一斉になって注目していた。

すると巨大ロボはこちらを感知してレーザーを再び撃とうとする。


「どうやら俺らを認識したみたいだぜ!」


「へん、上等! だったらタップリ教えてやろうじゃねえか!」


「そう・・・俺達を・・・」



「「「「「「「「「「俺達を、誰だと思っていやがるッ!!!!」」」」」」」」」



同時に叫ぶ数十人の男達の魂の叫び。

その熱き想いを乗せて、一斉に気合を放出させる。


「極・漢魂!!」


「W烈空掌!!」


「怯むな! 撃ちまくれーー!!」


「グレン団の意地、見せてやるぜぇ!!」


咆哮する男達、その姿は紛れもないグレン団らしさを滲み出していた。

しかし今回は全員がヨーコに言われたとおり、勝利と全員の生還のために、強大な敵に立ち向かっていく。

その後姿に一瞬呆けていた裕奈たちだが、直ぐに武器を握り直し、彼らとともに最終防衛ラインへ向かい、巨大ロボに共に立ち向かっていく。







超とシモン、二人の喧嘩だけでなく、今日起こった全ての戦いを上空から眺めているエヴァンジェリンは酒を飲みながら実に上機嫌だった。


「ふっ、一昔前なら、あんなやかましい雑魚どもなど不愉快なだけだったが、こうしてみると中々活きが良いではないか」


「ケケケ、御主人モ茶々丸ミテエニ変ワッタンジャネエカ?」


「ふん、少し見方が変わっただけだ。力なくともその魂を振り絞るんだ、少し見ていて気持ちがいいということだ」


世界樹広場で戦う男達の叫びはここまで聞こえていた。

そして誰もが自分の惚れた男が掲げるシンボルにふさわしい熱さを持っていることに、気分が良かった。


そして次にもう一つの戦いに視線を向ける。

そこには意地を張り続ける少女と、自分の惚れた男が夜空を舞台に戦っている。


「あっちも中々激しいな。それにぼーやは間に合うのかな? くっくっ、私が事態の帰結に興味を持つとはな・・・」


「ヤッパ変ワッタナ・・・御主人・・・」


力なき路傍の小石などは以前のエヴァなら関心を持たなかっただろう。

しかしその一つ一つが精一杯尖がって、大岩を打ち砕こうとする姿に、胸が熱くなっていた。

世界を左右させるかもしれぬ大喧嘩を酒の肴に、エヴァは一人盛り上がっていた。

するとこの酒の場に入りに来た一人の老人が現れた。


「うむ、しかし良いのか? 超君の計画が成功すれば可愛い弟子とは会えなくなるぞ?」


「むっ、・・・じじいか、キサマも高みの見物か?」


「ふおっ、ふぉっ、ふぉっ、流石にこの年で熱血に乱入するには血が既に枯れてるんでのう。ワシに出来ることは全ての責任を取るだけじゃ」


全てを次の世代に託し、学園長も静観を決めることにした。

エヴァの隣に座り、熱気に満ちた学園を見下ろす。

そして・・・


「さて、あちらも随分と熱くなっておるのう。 荒ぶる生徒達だけでなく、孫が惚れた男の情熱を見ながら一杯というのも中々じゃ」


飛行船の上で飛び交う二人の戦いを学園長も見守ることにした。

この戦いの始まりの原因にして全てを決める二人、奇しくも二人共この時代の、そしてこの世界の人間ではない。

その二人がこの世界の行く末を決定させるとは実に奇妙なことだった。

しかしエヴァは酒を飲みながら地上にいる、ある少年に視線を変える。そして隣に座る学園長に向けて、自信満々に告げる。


「だが、このままでは終わらんさ。まだぼーやも残っている。 ぼーやの師匠を誰だと思っているんだ?」


今を駆け抜ける者達が必ず天空で戦う二人の下へ行くはずだと、エヴァは確信していた。学園長もその言葉に頷いて、事態の帰結を見届けることにした。


そして、二人の前に一隻のセスナが横切った。

そして超とシモンの二人の舞台を旋回して、マイクの音量を最大限にして学園全体に報告する。


「こちら麻帆良大航空部部長! 発見しました! ターゲットを目視で確認! シモン、超鈴音、両名世界樹直上、4000メートルの巨大飛行船上に発見!!」


学園全体での大捜査なのだ。いかに地上から4000メートル上空に居ようとも見つからないはずはない。

その報告は瞬く間に地上の戦士達の耳に入った。


「ネギ先生!」


「はいっ!!」


「シモンさんと、超が見つかったって!?」


「リーダー・・・」


「振り向くな山ちゃん! リーダーを信じろ! 俺達は俺達のやるべきことをするんだよ!!」


シモン、超、両名の発見に様々な反応を見せる生徒達。

すると遥か上空の戦いが巨大なスクリーン画面に映し出された。


『さあ、ついにラスボスを発見しました! ・・・えっ・・・こ・・・これは・・・、え~、只今入りました情報によると、事態が変わりました。なんとラスボスの両名が遥か上空で既に戦い合っているとの事です!!』


超とシモンの争いを知っている者はそれほど大した反応は見せないが、事情を詳しく聞かされていない裕奈やアキラたちはその報告に目を丸くした。

そして映し出された生の映像に目を向けると、星型のサングラスをつけ、ドリルを持ったた男と、全身に刺青のような模様を浮かべている少女が激しい争いをしていた。

そしてその映像に映る超の姿にネギたちは驚愕した。


「あ・・・あれは!!」


「ちょっ、何よ!? 超の身体になんか浮かび上がってるわよ!?」


「バ・・・バカな・・・超の全身に・・・呪文処理が施されている・・・」


画面に突如浮かび上がった映像。

それは超鈴音が妙な紋様を体に浮かべて、詠唱している姿だった。







それは、二人の姿が発見される数分前に起こった出来事だった。


「どうやらさっきのネギたちとの戦いが効いたみたいだな。もうそのタイムマシンも使えないみたいだな・・・・」


ドリルを肩に乗せながら、シモンは激しく呼吸する超を見下ろす。


「特殊弾も弾切れみたいだな・・・それでもまだめげないか?」


「くっ、・・・はあ、はあ、・・・まさか・・・これほどとはネ・・・、いや・・・これも予想の範囲内ネ・・・」


膝を突きながら睨み返す超、その周りには背中に装備していたはずのブースターが壊れて転がっている上に、空の薬莢が当たりに散らばっていた。


「だが・・・もうお前には何にも残されていないぜ? タイムマシンも、特殊弾も、科学兵器も、お前の偽りのグレンラガンと共に俺達は全てぶち破った! どうする気だ? 気合でも振り絞るか?」


シモンやネギと違い、道具に頼って戦う超に、戦いの中での進化は起こらなかった。超の手の内は奇しくも昨日の戦いで全てを把握していた。

だからこそ、進化し続けるシモンに、同じ手が通用することはなかった。

それがこの状況を作り出した。


「ふむ、・・・たしかに・・・このままでは・・・・。ふう、しょうがない・・・出し惜しみのつもりは無かったが・・・」


「ん?・・・なんだ?・・・」


空気が少し変わった。

超が何かを覚悟したような目をすると、何かを呟き出した。


「コード∥∥∥∥∥|呪文回路解放、封印解除。ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル」


超を中心として紋章と光が浮かび上がる。

いくらシモンでもこれが一体何なのかは直ぐに分った。だが、予想外のことに驚きを止めることは出来なかった。


「契約に従い我に従え炎の覇王(ト・シュンボライオン・ディアーコネートー・モイ・ホ・テュラネ・フロゴス)、来れ浄化の炎(エピゲネーテートー・フロクス・カタルセオース)、燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)」


「まさか・・・おまえ!!」


「ふっふっふっ、私が魔法を使えるとオカシイカ? 私はネギ坊主とサウザンドマスターの子孫ヨ?」


顔に奇妙な模様を浮かべ、超は不敵に笑った。


「ほとばしれよ(レウサントーン)、ソドムを焼きし火と硫黄(ピュール・カイ・テイオン・ハ・エペフレゴン・ソドマ)、罪ありし者を死の塵に(ハマルトートゥス・エイス・クーン・タナトゥ)」


呪文を唱えるにつれ、激しい光の炎がし収束されていく。


(まずい! このままじゃ、・・・だったら!)


魔法にそれほど詳しくないシモンだが、超から発せられる空気に、尋常でない威力を察し、迷わずに胸元にあるコアドリルを握り締めた。

超の詠唱と同時に、シモンも叫びコアドリルから発せられる光に包まれていく。



「友の力が与えてくれる、天の光の星と共に、無限の闇をも光に変える!!」



コアドリルから発せられる爆発的な光にシモンも包まれ、その目に星型のサングラスが浮かび上がった。

そして超とシモンが同時に叫ぶ。



「燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)!!」



「天上天下一騎当神超銀河!! 俺を誰だと思ってやがる!!」



超の放った巨大な魔法、その威力はかつてシモンが、ネギとエヴァの戦いで見た呪文よりも遥かに上回る力だった。

だが・・・


「超銀河螺旋フィールド!!」


しかしその炎の中、シモンは服を多少焦がしたものの、ほぼ無傷で強力な螺旋フィールドに包まれて姿を現した。


「ハア、ハア、・・・ふっ・・・そうか、アナタにはまだそれがあったカ」


「テメエ、こんなカードを持ってるとはな。やるじゃねえか!」


「お褒め預かり光栄ネ! さあ、こっちも止まらないヨ!!」


本来超が呪文を扱うことは異常事態なのだが、それをシモンが知るはずは無い。むしろ未だに切り札を持った超に感服した。


だからこそ、超の激しい疲労には気付かない。


超も必死にそれを隠そうとする。


「ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル!!」


再び呪文を詠唱する超。その体に疲労が一気に蓄積されていく。

だが、超は弱みを決して見せない。自分の弱い姿などこの男には見せたくないという意地で全身を支えていた。

だからシモンも一歩も引く気はない。

超銀河モードとなったシモンは巨大なドリルを二つ具現化し、二つの螺旋槍を構える。

そして更に全身を包むオーラから無数のドリルが伸びていく、フルドリライズ形態だ。だが今回は少し違う。フルドリライズのドリルがそこから更に枝分かれし、その先端の一つ一つ全てが砲台のような形となった。

無数に光り輝く螺旋力

シモンは全てを放出させる。


「メールシュトローム砲、メガボルテックスキャノン、準備よし!! 過去も未来も魔法も、時空間ごと一気に捻じ切ってやる!!」


超もその光景に苦笑いを浮かべながら全身に駆け巡る痛みに耐えて、呪文を詠唱する。

そして大量の炎の矢を、一気にシモンに放つ。

そして同時にシモンも放つ。


「魔法の射手(サギタ・マギカ)、連弾(セリエス)、火の59矢(イグニス)!!」


「超銀河螺旋砲!!」


天空の戦いの光が、夜の学園に光を照らしていく。

両者の螺旋力と魔法のぶつかり合いが世界を揺るがした。

だが、その競り合いに負けたのは超。

超銀河の圧倒的な力の前には流石に分が悪い。だが、彼女の目に「退く」という単語はまったく浮かび上がらない。

激痛に耐えながら直ぐに体勢を立て直して、再び呪文を唱えていく。


その光景をモニター越しで眺めている者たちは、皆唖然としていた。


「す・・・すげ~~」


「こ・・・これCGだよね?」


「派手すぎだって! シモンさんも超も、スゲー!」


なぜ黒幕同士の二人が争っているのかは分らない。しかし二人の振るう余りにもリアルに見える、リアルな大激戦に、ほとんどの者が当初の目的を忘れて映像に食い入るように見ていた。


「ちょっ、どうゆうことよ!? なんで超の奴も魔法使えんのよ?」


同じく映像に見入っていたアスナもこの事態に動揺する。

それは他の者も同じだった。


だが、ネギは違った。


ネギはとても冷たい声で俯きながら口を開く。


「超さんの全身に呪文処理が施されています。見たこともない魔法様式・・・いや、・・・科学・・・。どちらにせよ・・・無理やり魔法を使っているんです・・・」


「ネギ?」


この事態に淡々と説明するネギの様子にアスナたちは異変を感じ、ネギに視線を送る。

するとネギは拳から血が出るほど強い力で握り締めている。


「ネギ先生!?」


「ネギ君!?」


ネギの異常に刹那たちも慌てて声を掛ける。すると今度はネギが強く噛み締めた口から血が滲み出していた。


「ですが・・・呪文と引き換えに・・・激しい激痛が超さんを襲っているはずです・・・」


血が出てもお構いなしにネギは歯を食いしばり、拳を握る。

それは・・・怒りだった。


「どうして・・・どうしてこんなことをッ!!!」


「「「「!?」」」」


ネギが見せる怒りの表情、それはアスナたちが震えるほどの想いが込められていた。

するとネギは無言で杖を取り出して、上空に視線を送る。


「ネギ君、どうするん?」


「決まってます・・・もう、こんな悲しい戦いは・・・終わらせます!!」
最終更新:2011年05月11日 15:50
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