67-後日談・暴走突破

第六十七話 後日談・暴走突破 投稿者:兄貴 投稿日:09/03/04-15:09 No.3865
(なんでせっちゃんが!? み、美空ちゃん、せっちゃん気付いてへんよ。どうするん?)


(いや・・・ここは・・・とにかくボイスチェンジ♪)


「どうされましかな? 迷える子羊よ」


「(美空ちゃん・・・ノリノリや・・・)」


「(暴走してるダケ・・・)」


狭い懺悔室に今三人の少女がいる。

どうしてこうなったのかは不運の積み重ねなのだが、美空はその状況をむしろ開き直って楽しもうとした。

木乃香は親友の登場に動揺するが、かなり気になっているようである。

すると何も知らない刹那は、美空を神父と思い込み、口を開いていく。


「わ、私は・・・一番大切な方の想い人を・・・実は私も好きで・・・」


(ビンゴーーーッ!)


(アカン、ウチは聞いたらアカン気が・・・)


まさか本人がその場にいるとは知らずに刹那は切ない胸のうちを明かして行く。


「私が勝手に作った心の壁を、その人は簡単に打ち破ってくれました。そして・・・いつも心を熱くする言葉をくれるんです・・・」


「なるほど、とても素敵な方なんですね(ヤベえ、笑いが止まらねえ~~)」


「はい、ですから・・・お嬢・・・私の親友もその人を好きになるのは、ごく自然な流れで・・・そして私はその人に嫌われないために、自分の気持ちを封印していました・・・」


「なるほど、それは人それぞれですが、誰かを好きになるのは悪いことではありません。たまたま同じ人だったからといって、アナタに非があるわけではありません(つうか、アンタ大告白したじゃん、振られたけど)」


すると刹那は首を横に振った。


「違うんです。そのことを知っても私の友は、私が心を偽ることにむしろ怒ってくれました」


「偽ること・・・ですか?」


「はい、私が想いを殺して遠慮するのが嫌だと。その言葉があったからこそ、私は彼に想いを伝えることが出来ました。・・・振られましたけど」


「なるほど、とてもいいご友人ですな」


「はい、私の誇りです」


美空は木乃香をチラッと見ながら言うと、刹那は力強く頷いた。その言葉に木乃香は感激のあまりウルウルとしている。

しかし、



「だからこそ・・・これから先どうすれば良いのか分からないんです」



「・・・・はっ? ・・・それはどういうことです?」



突如強い刹那の顔が頼りなくなった。


そしてそれこそが刹那がこの場に来た理由なのだろう。


美空と木乃香はゴクリと息を呑み、刹那の言葉を待つ。


「お互いキッパリ振られましたけど、私の友人はあきらめていません。そしてこの間の学園祭ではついに一歩前に進みました」


木乃香が一歩前に進んだことは尾行していた刹那も知っている。


「私は・・・スタートラインに立っただけに過ぎません、私達の好きな人は想いを打ち明けて、それでもあきらめないことにより、ようやくスタートできるという、少し複雑な方で・・・」


ニアの存在を知りながらも、それでもめげずにシモンに告白してから、スタートする。たしかに複雑だった。


「友人が一歩前に進んだことは、とてもうれしかったです。・・・ですが・・・同時に寂しくもありました・・・」


「寂しかった・・・ですか?」


「・・・はい、二人が幸せになるのなら、それはとても素晴らしいことです。ですが・・・そうなれば私の一番大切な方と、好きな人が同時に居なくなってしまう・・・それが嫌だと思ってしまう自分が居るんです・・・。割り切ることが出来ない・・・自分が居るんです」


「・・・割り切る必要はないのでは? アナタはアナタの想いをぶつければ良いと思います(ちょっ・・・なんでこうシリアスになる!?)」


(せっちゃん、割り切るなんて言うたらアカン・・・シャークティ先生は割り切ったかもしれんけど、ウチらはウチらや・・・遠慮されるん嫌やって言うたやん)


友情と愛情の板挟みに合い苦しむ刹那。すると刹那は苦笑しながら告げる。


「もし私のこんな話を聞けば・・・あの方は遠慮するのはダメって言ってくれるでしょう・・・しかしそうなった場合・・・私は・・・・・・幸せになって欲しいあの方と・・・争わなければならないのでしょうか・・・・」


「「!?」」


よくよく考えればそれは当然のことだった。

シモンに振られることが前程で告白したものの、その後は違う。あきらめないイコール、シモンを振り向かせるということである。


「その人は生半可な想いでは振り向いてくれません、もし私があきらめきれないのなら、それこそ強い想いをぶつけていかねばなりません・・・あの方のように・・・」


「なるほど、そしてアナタはやはりあきらめられない、しかし友人と争いたくない、ということですね」


「はい、多分私の友人は・・・一生分の恋を抱いていると思います。見ているだけでも伝わるぐらい・・・強い想いです・・・」


その一生分の想いと自分はぶつかり合わなくてはならないのか? それが刹那の心を締め付けた。


そして木乃香もこの矛盾に苦しんでいた。


(せっちゃん・・・)


シモンを振り向かせたい。たしかに一生分の恋をしているかもしれない。だからこそ一歩も退きたくない。


しかしそれは刹那も同じかもしれない。


そして刹那には自分を理由に幸せを放棄するようなことはして欲しくなかった。


しかしそうなれば刹那と争わなければならない。


木乃香はただ好きだという気持ちを伝えていただけで、そこまで深く考えていなかった。


(ウチは・・・シモンさんに出来ることが分からんどころか・・・せっちゃんのことも・・・)


またしても自分の至らなさに唇を噛み締めた。


「どうすればいいのでしょう・・・あの人が一度自分の故郷に帰ってしまい、居なくなってしまって・・・今それを凄く寂しく思ってしまうんです。それはつまり・・・・私もあの人を・・・あきらめきれないということなのでしょうか?」


刹那はすがる様に神父に話しかける。


おそらくシモンが居なくなって落ち着いた途端に木乃香同様に不安が心の中を襲ったのだろう。そうでなければこんな刹那は見たことが無かった。


本当に藁にも縋る気持ちでここまで来たのだろう。


しかし彼女の不運は、神父に話しているのではなく、美空ということだった。


美空の結論、それは・・・



(どうするかって・・・そんなん・・・・そんなん・・・)



美空は刹那の悩みを一通り聞いて、肩をプルプル震わせた。




(そんなん、知るかーーーーーーッ!! なんでアンタら恋愛経験ゼロの私にそんなクソ重い相談するっすかーーー!)




もはや完全にお手上げだった。



(つうか兄貴はなんつうものを残して帰ってんだ~。つうか何で私がその処理をしなきゃいけねえんすか!?)



「(み、美空ちゃん落ち着いて)」



「(美空が壊レタ)」



いつもシリアスな展開などとは無縁の彼女は、つい悪戯気分で使用した懺悔室で、とうとう重い相談に耐え切れずに頭を抱えたまま唸ってしまった。


「し、神父様?」


「いえいえいえいえいえ、お気になさらずに。(つうかアンタはなんて言って欲しいんすか? 大人しくあきらめろか? しかし木乃香はそれでは納得しないし、あ~~もう!)」


頭をボリボリ掻きながら混乱していく美空は、とうとう何かが吹っ切れた。



「ふっ・・・・こうなったらもうヤケだ・・・どうなっても知らねえっすよ・・・」



「えっ? 神父様?」



(美空ちゃん?)



(嫌な予感がスル)



暴走した美空はイキナリ邪悪な笑みを浮かべた。その表情に木乃香とココネはゾクッとした。



「一つ尋ねますがその想い人はアナタ方のどちらかに振り向いてくれる可能性のある人ですか?」



「えっ? あの・・・それはそれで難しい話です。その・・・その人には今でも忘れられない人や・・・とても素敵な初恋の方も居ますし・・・年下で子供の私達は・・・その・・・」



「強力なライバルも居ると? ならば完璧な解決方法があります。これならアナタの悩みは解消です!」



「ほ、本当ですか!?」



「(ホントなん、美空ちゃん!?)」



「(美空・・・)」



ふっふっふっと笑みを浮かべる美空。

そしてその言葉に身を乗り出して待つ木乃香と刹那。すると美空は妙なことを言い出した。



「アナタはデスノー○を知っていますか?」



「えっ? それなら聞いたことは・・・・・まさか名前を書けと!?」



「いえいえ、違いますよ。ただその中の登場人物が素晴らしいことを言っていました」



「す・・・素晴らしいことですか?」



「はい、世界一の名探偵Lの後継者・・・その名もニ○!!」



「○ア!?」



(ニ○って・・・・ニアさんと同じ名前や!)



奇妙な偶然だった。


シモンの愛した女と同じ名前のキャラクターが名言を言ったと言うのである。木乃香と刹那は驚きながら、顔を上げる。



「彼は最終回直前に言いました。自分ではLを超えられない、そのライバルのメ○という方でもLを超えられないと・・・しかし・・・二人なら・・・」



ゴクリと息を飲む一同。


そして美空は手をピースの形にする。




「二人なら並べる、二人なら超せる!!」




「「なっ!?」」




「もうどっちかがなどと謙虚な姿勢は止めましょう! もう二人掛かりで攻めなさい!! 二人で力を合わせて彼を振り向かせれば、三人で幸せになれます!!」




「ぶううううううう!?」




一気に噴出し、顔が火山の噴火したように刹那は真っ赤になってしまった。



「ちょっ、何ていうことを言うんですか!? わ、私たちに・・・さささ、妻妾同衾をしろと!?」



「ほ~、随分エロい言葉を知ってますな~~、しかしそれなら問題は全て解決ですよ♪」



暴走した美空の発言に動揺しまくりズッコけてしまった刹那。


一方で木乃香は逆に何かを真剣に考えているような表情だった。


そしてココネはポカンとしている。



(サイショウドウキンって何?)



ココネにはまだ早かった。


しかしテンパった刹那は口を震わせながら、抗議する。



「そ、そんなこと言っても、に、日本の法律では禁止されています!!」



まあ、もっともな意見である。

しかし暴走したグレン団は止まることを知らない。



「ぎゃっはっはっはっ、法律が何だ! 常識を打ち破るのだ! 法の壁など突破しろ! そう、無理を通して道理を蹴っ飛ばすのだ!! なんとも素晴らしい言葉でしょう!」



「なあああああああああ!? ~~~~って・・・えっ?」



「あっ・・・・・」



またやってしまった。


流石に刹那もグレン団のポリシーを聞かされれば、反応してしまった。



「うわっちゃあ・・・・・」



「美空・・・・・・」



ゴゴゴゴゴゴゴと何やらとんでもない威圧感が場を包み込んだ。



「これは・・・どういうことでしょうか?」



「ひいいいいい!?」



刹那は黒いオーラを背後に出しながら立ち上がり、そして神父が居るはずの部屋の扉を開いた。


するとそこには・・・・



「ふっふっふっ、美空さんでしたか。それにココネさんも・・・それに・・・ってお嬢様ァーーー!?」



こめかみに血管を浮かべながら、怒り全開の笑みで懺悔室の扉を開いた刹那だったが、そこには意外な人物が居た。

なんとこの狭い部屋に三人もいる。

美空、ココネ、それはまだ分かる。だが、木乃香の存在は完全に予想外だった。



「ななな、なぜお嬢様まで!?」



「い、いや~、刹那さんの一個前に来てさ~、あはは」



「あはは、じゃありません!? じゃあ今の話は全て・・・」



「えへっ♪」



「○AB△■D~~~~~!?」



笑って誤魔化す美空。

そして刹那はその瞬間顎が外れそうになるほど口を開けて驚愕していた。

クラスメートに悩みを全てバラしただけでなく、本人まで筒抜けだったのである。



「おおおお、お嬢様!? 申し訳ありません! その・・・これはその・・・」



「ブツブツ・・・せや・・・二人・・・それなら・・・」



「・・・あの~・・・お嬢様?」



今更手遅れだが、慌てて弁解しようとする刹那。


しかし木乃香は先ほどから何かを考え込み、ブツブツと言っている。


美空達がその様子に首を傾げていると、木乃香は答えに辿りついたかのよう立ち上がり、声を上げる。




「それやぁーーーーー!!」




「「「・・・・へっ?」」」




「美空ちゃんの言う通りや! たしかにこのまんまやったらウチもせっちゃんも、ニアさんにもヨーコさんにも勝てへんかもしれん。せやけど・・・二人なら並べる! 二人なら勝てる!!」




「「「・・・・えっ?」」」




木乃香の目はキラキラと輝いている。それは絶望の中で希望を見つけたような輝きだった。



「えっ・・・お嬢様・・・あの・・・」



「は、はは・・・木乃香・・・だ、大丈夫?」



「せや、ウチら一人一人が出来ることは限られとる。せやけど二人なら何だって出来る! シモンさんにしてあげられる事が無限に広がる!」



木乃香の導き出したとんでもない答えに顔を引きつらせる刹那と美空。


すると木乃香は急に刹那の手を握り締めた。



「せっちゃん、二人で力を合わせるんや! そうすれば二人で争うこともあらへん、皆で幸せになれる! 二人でシモンさんを幸せにするんや!」



「で、ですから法律で・・・」



「相手はシモンさんや! 常識なんか通用せん! 無理を通して道理を蹴っ飛ばすんや~!!」



「「えええええええっ!?」」



もはや今の木乃香には何を言っても無駄だった。完全に答えを決めた目である。




(ダ、ダメだコイツ、早く何とかしないと・・・)




自分の暴走が木乃香を暴走させるという、とんでもない形になってしまい慌てる美空だが、木乃香は満面の笑みで美空に礼を言う。



「美空ちゃん、ありがとな! これでウチもせっちゃんも前に進めるわ!」



「いや・・・だから・・・さっきのは私が勝手に暴走して・・・」



「せやからせっちゃん、これから一緒にがんばろな!」



「お、・・・お嬢様・・・しかし・・・」



「む~~、せっちゃん返事!」



「でで、ですから・・・・」



「む~~~~」



頬を膨らまし睨む木乃香、


そして・・・




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・」




その瞬間美空の世界が暗転した。


そこからしばらく記憶に無い。


木乃香が興奮気味で傍らで美空にお礼を何度も言っているようだったが、美空の耳には入ってこなかった。


刹那は刹那で顔を赤くしながらも、木乃香には全く逆らう様子は無い。


答えに至った木乃香は実に機嫌よく、刹那の手を引きながら教会を後にした。


その後姿を見送る美空とココネ。美空は顔を引きつらせながら空を見上げる。



「ふっ、兄想いの妹が居てよかったね、兄貴。兄貴に惚れた女達の問題が解決したよ♪」



すると美空の服の裾をココネが引っ張った。


「サイショウドウキンって何?」


「・・・・・・・・・ふっ・・・・」


無垢な瞳から発せられるその言葉を聞いて、美空は肩をワナワナと震わせてしまった。




「や・・・や・・・やっちまったァァーーーーー!? やべーーー、木乃香の奴本気だよ!? マジやべえ!! どうしよう!?」




「サイショウドウキン・・・・」




「ここ、こんなことシスターシャークティにバレタら・・・・うわあああん、私が懺悔してえよ!!」




頭をガンガンと扉に打ちつけ、取り乱しまくる美空。彼女は自分の仕出かしてしまったことにパニックに陥ってしまった。



「う~~~、神様、私は何もしてません! ちょっと悪戯・・・いえ、相談内容の難しさに頭が混乱してしまい・・・悪気はなかったんです!」



「美空・・・・サイショウドウキンって何?・・・」



「まずいぞ~、兄貴はあれで恋愛には固いからな~、ハーレム作戦なんてむしろ逆効果に決まってんじゃ~ん!? どうしよ・・・二人まとめて振られて・・・しかも提案したの私だとバレたら・・・うおおおおおおおん!?」



礼拝堂で何度も十字架に向けて土下座する美空だった。



「だあ~しかし、あの天然ボケボケめ~、ちったあ社会の常識ってモンを・・・・」



「美空が打ち破れって言ッタ・・・」



「うっ・・・・・ってアレ?」



「また誰かキタ・・・」



すると再び教会の扉が開く音がした。そしてその人物はまたもや、知り合いだった。


(ゆえ吉!?)


(ユエさんだ・・・)


入ってきたのはまたもやクラスメートだった。そしてキョロキョロと辺りを見渡している。


(くっくっく・・・ブルータスじゃないけどお前もか・・・)


(美空・・・・顔が怖イ・・・)


ゆらっと立ち上がった美空は何を思ったのか、懺悔室へと再び向かった。

そして夕映は目的の懺悔室が見つかり、一目散に中に駆け込んだ。


「ど・・・・どうされましたか?」


抑揚の無い声だが、ボイスチェンジを使い神父を装う美空。すると夕映は、とてもタイムリーな悩みを打ち明けた。



「し、親友の想い人を好きになるという愚考を・・・・」


―――ブチッ!



その瞬間美空の中で何かが切れた。


それは堪忍袋ではない。


ギリギリで結びついていた最後の理性という名の糸だった。



「気合でなんとかしろ!!」



「・・・・・・・へっ?」



もう美空は何も怖くなかった。


完全にヤケになっていた。



(あ~、どいつもコイツも色ボケちゃって! もういいっすよ! うっひゃっひゃっひゃっ、こうなったらとことん突き進んでやるっすよ!!)



美空は完全に壊れてしまった。


全ての責任を忘れようと、暴走が止まらなくなってしまった。



注・元々美空の責任。









のどかの場合。



「私が怖いのは自分の心です・・・親友に嫉妬して・・・二人が上手く行くならそれでもいいと思っているのに・・・」



「お前が信じるお前を信じろ!!」




委員長の場合。



「ある方への愛が止まりませんの!!」



「止まらずどこまでも突き進め!!」




裕奈の場合。



「最近胸が大きくなってきて、運動の邪魔に・・・」



「歯ァ食いしばれ!!」




千雨の場合。



「ミ、木乃伊取りが木乃伊に・・・」



「細けえこと気にすんな! 行って来い、ダチ公!!」




刀子の場合。



「脱げたんです・・・・」



「脱ぎなさい! 見てえもんは見てえ!」




茶々丸の場合。



「気合が足りないのです・・・」



「だったら変形だ!!」




そして・・・


ネギの場合。




「僕の進むべき道は、これでいいのでしょうか? 迷わず道を突き進むその傍らで、僕の仲間が傷つくのではと・・・」


――ブチッ!!



シリアスはもう勘弁だった。



「ぶつぶつ・・・・・・・・」



「あの、神父様?」



「何も不安なことはねえ! テメエは自分を誰だと思ってやがる!!」



「!?」







夕焼け空の下、ネギは教会から自身の部屋へと帰宅した。



こうして怒涛の懺悔劇は幕を閉じた。



後に残されたのは、暴走し尽くして真っ白に燃え尽きた美空だけだった。



「ふっ・・・ふはははははは・・・燃え尽きた・・・・・・・・やりすぎた・・・・」



神父の名を語り取り返しのつかないことをしてしまった美空がいつまでも懺悔室で、己の懺悔を誰も聞いていない中で告白していた。







だがしかし次の日の教室では・・・・




「教会の神父様とは思えないぐらいスゴイ人でした!」


「ネギ先生も行ったですか? たしかに言葉は乱暴でしたけど、胸にきました」


「ゆえも? 私もそうだったよ。そんな悩みはふきとばせって感じで・・・」


「ほっーほっほっほ、私の止まらぬ愛も許可してくださいましたわ!」




ウケは良かった。











だがしかし放課後の教会で、



「シスターシャークティ、分からない言葉アルから教エテ」



「ええ、いいですよ。何がわからないのです?」



純粋無垢な目で尋ねるココネに、シャークティは優しく聞き返す。すると・・・





「サイショウドウキンって何?」










「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へっ?」





その後美空に天罰は下った。

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最終更新:2011年05月11日 15:53
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