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100-俺たちは新生大グレン団だァ!!

第百話 俺たちは新生大グレン団だァ!! 投稿者:兄貴 投稿日:09/11/03-07:50 No.4195


「う・・・・うん・・・・ふわあ・・・・・・朝?」


目を覚ませば、天井が目に入った。

寝返りを打って自分が初めてベッドにいることに気づいた。無理もない、ここずっとまともな寝方を彼はしていなかった。


「僕は昨日ラカンさんと戦って・・・・・う~ん・・・・それで・・・・」


眠い目を擦りながら、ネギは上半身を起こし、ボーっとする頭を覚まそうと、現状認識をしようとする。


「そうだ・・・・結局ラカンさんと殴り合いで・・・色々成功したけどあの人は強くって・・・・って!? そうだァ!!」


寝ぼけ面が一気に目を覚ました。

無理に起き上がるが、体は思ったより疲労を感じない。

それもそうだ、試合が終わった後に木乃香や、オスティアの上級治癒魔道士に治療してもらったのだ。一晩もグッスリ寝れば完治する。

問題なのは、あまりにもスッキリ過ぎて、今までのことが全て夢だったのではと疑問に感じた。無理もない、あのラカンとガチンコバトルを繰り広げたのだ。それでいてこれほどスッキリとした体調など、疑わずにはいられない。

ネギは慌てて部屋の外へ飛び出した。

すると・・・・


「おはよう、ネギ!!」


「ネギく~ん!!」


「ネギ先生!」


部屋の前でパァッとうれしそうな笑顔を全快にして、アスナを始めとするクラスメートたちがネギを出迎えた。

ネギは思わず呆けた顔で固まるが、クラスメートたちは問答無用でネギを撫で回した。


「すごかったよ、ネギ君! 昨日はマジで惚れちゃいそうだったよ~♪」


「あの人ってすっごい強い人だったんでしょ? それを引き分けなんてすごいよ~!」


「ほんまや~! ゆーなや、まき絵の言う通りや~、見てみいネギ君。今朝の朝刊は、ネギ君とラカンさんで埋めつくされてるえ~♪」


木乃香がまるで自分の事のように自慢げに、呆けるネギにオスティアの朝刊を見せた。

ネギが慌てて、その新聞に目を凝らすと、そこにはこう書いてあった。



『伝説復活! 拳闘大会史上最強決定戦! ナギVSラカン DRAW!!!!』



二人の男が殴り合いをしているシーンをデカデカと載せた朝刊だった。


「そうですか・・・・夢じゃなかった・・・僕は・・・引き分けたんだ・・・ラカンさんと」


自然と肩の力が一気に抜けてヘナヘナとネギは力なく腰をついた。アスナ達もその気持ちが分かったのか、ハニカミながら一人一人ネギの頭を撫でていく。


「しっかし、小太郎君はネギ先生と違って、あんまり載ってないね~」


「むっ、何言うとるんや夏美姉ちゃん。俺は別にそんなんに興味ないわ。昨日は確かにネギがすごかったからな~。せやけど、ネギ! 俺はお前のライバルなんやからな!」


「ま~、二人ともすごかったよね~」


「はい、ネギせんせ~も小太郎君もすごかったです。私感動して泣いちゃいました」


伝説の一戦の余韻にオスティアは浸っていた。


自分たちは、全世界が注目する中で行われた世紀の一戦の証人なのだと、恐らく未来まで語り継がれる戦いを語り継ぐ存在なのだと、うかれていた。


そしてその伝説の片割れでもあるネギ・スプリングフィールドも同じ心地だった。


―――お前は今日から「一人前だ」誇れ! 胸を張れ!


その言葉を思い出すだけでも、胸が満たされた。


「ネギ先生、本当に強くなられた」


「うむ、もう拙者らは大分離されたかもしれんな~」


「う~む、師匠としての威厳が保てないアル」


そう、誰からの目で見ても昨晩行われた戦いはそれほどの評価だったのだ。だからこそネギも清々しい表情へと変わった。

自分はようやく扉を開けたと、自分で自分を認めることが出来た。


「でもよ~、結局引き分けだよな~? そうなると決勝はどうなるんだ?」


しかし余韻に浸って間もない頃、千雨の一言に皆が固まって千雨に注目した。


「えっ・・いや・・・そんな顔すんなよ・・・素朴な疑問じゃねえか。少なくとも大河内に和泉に村上を奴隷から解放するにはとりあえず優勝だろ?」


「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」


そのあまりにも空気が読めない一言が白き翼の面々を暗くさせた。


「あれ・・・・でも・・・ねえ? 本当にどうなるの?」


「たしかに・・・・ネギ先生は勝ったわけではありませんが・・・・」


「え~、それやったら、アスナ~、せっちゃん、ネギ君はもう一度ラカンさんと戦って白黒付けるゆう展開になるん?」


木乃香ののほほんとした言葉だが、洒落になっていなかった。


もう一度・・・・


ラカンと?


その無きにしも非ずな可能性を予想しただけでも、ネギはダラダラと汗が流れた。昨夜に一人前に認められたというのに、今ではか弱い子供そのものだった。


しかし・・・・



「その必要はねーよ」



朝も早くから豪快なラカンの声が響き渡る。


「ラカンさん!」


「いよォ♪ 怪我も問題なさそうで元気そうじゃねえか。嬢ちゃんたちも、ハラハラだったな!」


予め言っておこう。ネギと違ってラカンはまともな治療を受けていない。

ネギとの何時間もの死闘の末、ネギが最高クラスの治療を受けていたのに対して、彼は自力で闘技場を後にした。

そして現在は腹の部分に包帯を巻いているだけで、ピンピンしている。

何度思ったか分からないが、やはり改めて規格外なのだとアスナ達は笑みを引きつらせていた。


「お早うございますラカンさん。それで・・・さっきのはどういう意味です?」


「あん? どーもこーもねーよ、言っただろ? お前はもう一人前、俺から教えることは何もねえ、所謂弟子卒業だ! 本当はシモンの野郎と戦いたいところだったが、今回は弟子の成長を見抜けなかった俺様の負けってことよ!」


ラカンがケラケラと笑いながら言う言葉に、ネギたちはしばらく呆然としていたが、ようやくその意味が分かりだし、徐々に顔に笑顔が浮かび上がって来る。


「そ・・・それじゃあ・・・ラカンさん・・・・」


ネギが恐る恐る尋ねると、ラカンはニッと笑って頷いた。


「おお! 俺は辞退する! 決勝進出はお前だぜ、ネギ!」


その瞬間、アスナ達も花が咲いたような明るい笑顔を浮かべ、全員ネギに飛びついた。


「「「「「「「やったアアアァ!!!!」」」」」」」


それはまるで優勝をしたかのような喜びだった。

無理もないといえば無理もないが、気づけばアスナ達だけでなく、裕奈や亜子達も全員交えての歓喜が朝っぱらからオスティアに響き渡った。

そう、まだ決勝戦が残っている。

しかし彼女たちもネギ本人も、ラカンという壁がいかに強大だったのかを誰もが理解しているために、この騒ぎようは仕方の無いことでもあった。

しかし・・・・


「まったくも~、ネギがこんなにがんばったんだから、シモンさんだって何か言いに来てくれたっていいのにね~」


ネギの頭をクシャクシャと撫でながらアスナが何気なく言った言葉・・・・

だが・・・・


「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」


その言葉に全員がピタリと止まった。


「あん?」


ラカンが首を傾げる。

そう・・・・彼女たちはスッカリ忘れていた。

ラカンばかりを考えてスッカリ失念していた。


「「「「「「「忘れてたアアァァーーーーッ!!??」」」」」」


シモンと戦うことをすっかり忘れていた。

その瞬間、さっきまでの大騒ぎが一変してネギたちは神妙な顔で顎に手を置いて唸り始めた。


「そうだった・・・シモンさんに待っていてくださいってお願いしたんだった・・・・」


「うわ~、そっか~、そうだよね~、シモンさんがいたわ」


「う~ん・・・・複雑やな~」


「しかし・・・やはりシモンさんとも本気で戦うのでしょうか?」


「刹那よ・・・それは野暮でござるよ」


「楓の言うとおりアル。二人は真剣勝負アル!」



気づいてしまったもう一つの脅威にネギパーティたちは「う~ん」と唸りだした。


「ねえねえ、小太郎君。シモンさんってそんなに強いの? ラカンさんの方がどう考えてもすごいと思うけど・・・・」


「なんや、夏美姉ちゃんたちは知らんのか? まっ・・・・たまによく分からん時もあるけど・・・・やっぱ・・・・強いで」


「ええ~!? そうなん? せっかくラカンさんに勝ったのに・・・・」


「たしかにシモンさんは学園祭ですごかったが・・・・」


ネギたちの様子や小太郎の言葉で亜子やアキラも徐々に顔を暗くする。


「そう言えば、格闘大会でネギ君をボコボコにしたしね~」


「あ~、私も覚えてる!」


言われて裕奈やまき絵もシモンのことを思い出していく。

学園祭での大立ち回り。

あれが全てCGではなく、本物なのだとしたら・・・・・

そう思うと徐々に不安が広がっていた。


「ネギ先生・・・・その・・・シモンさんってどのくらい強いんですか?」


亜子が悩んでいるネギに尋ねると、ネギだけではなくアスナも刹那も木乃香も、シモンを知るものたちは同時に頷いた。


「「「「「「「天を突き破るぐらい」」」」」」」」


「・・・・・・・・・はっ?」


言葉の意味は分からないが、シモンを表現するならこれぐらいしか思いつかなかった。そしてそれこそ正しい答えなのである。

ラカンと違ってシモンの明確な武勇伝を知らない亜子達だが、ネギたちの表現だけで、シモンも別世界のレベルの人物なのだと確信した。


「だがよ~、思ったんだが、昨日の先生の力を見る限りそこまで慌てるものでもないんじゃねえか?」


「えっ? 千雨さん?」


その時、白き翼でもっとも冷静な判断が出来る千雨が少し考えながら呟いた。


「いや・・・私もよくは知らないけど、あの熱血野郎は戦うたびにいつもボロボロじゃねえか。それにあいつが強いってのは知ってるけど・・・・単純なガチンコバトルはラカンのおっさんほどじゃないんじゃないか?」



言われてしまえばそうである。

シモンはいつもボロボロだった。

強敵と戦う時に負けはしないもののいつだってボロボロの勝利を勝ち取ってきた。

そう、やること成すことが規格外な男ではあるが、ラカンのように理論も法則もよくわからない、人間核兵器に比べるとよっぽど現実的に・・・・・


「でも・・・・シモンさんも理論も法則も無視した人間ドリルですから・・・・・・」


現実的でもなかった。

その言葉にアスナ達も「うんうん」としみじみ頷いた。


「「「「「「「「う~~~ん・・・・シモンさんか~~~」」」」」」」


ラカンのように桁外れに強いわけでもない。

しかし何だかんだでいつだって想像を超えたことをやり遂げるシモン。

全員が本日行われる決勝戦の展開を予想できない中、ラカンがニヤニヤと意地悪そうな顔を浮かべて、腹に巻かれた包帯を解いていく。


「そうか・・・それじゃあ俺から有力な情報をくれてやる♪」


全員が首を一斉にラカンへ向けると、解いていく包帯の下からラカンの強靭な腹筋に残っている痛々しい傷跡を見た。

初めて見た亜子たちは少々引き気味で、ラカンの傷跡を見て息を呑む。しかしアスナ達はそれほどの反応ではなかった。


「そこ・・・ネギが昨日やったところでしょ?」


「ああ・・・・元々あった傷跡の上からぼーずに腹をやられてよ~。おかげで傷が開いちまった」


アスナが痛々しい傷跡を指差して尋ね、木乃香も刹那の肩越しから恐る恐る覗いて、少し青ざめた。


「うわ~、・・・痛そ~」


「そうですね・・・しかしネギ先生がつける前からあった傷ということは、それも大戦の時の傷跡ですか?」


刹那もその傷跡を少し興味深そうに眺めるが、そこで少し妙なことに気づいた。


「あれ? ラカンさん・・・・ラカンさんが見せてくれた大戦記の記録映像で・・・・ラカンさん、腹部に傷がありましたっけ?」


そう、そこで皆が気づいた。

魔法世界全土を巻き込んでの命懸けの大決戦。サウザンドマスターと共に、あらゆる死地を乗り越えた英雄たちに傷跡がないはずはない。

しかし、映像で見たラカンの腹部には、このようなデカイ傷跡は無かった。


「そういえば・・・・僕も昔の古傷だと思ったんですけど・・・・・ラカンさん、そのお腹の傷は誰に?」


ラカンに未だにドテッ腹に残る傷跡は、貫通した穴は塞いでいるものの、傷跡は痛々しく残っている。

てっきり大戦期の傷跡だと思っていただけに素朴な疑問が生まれた。

しかし、ネギは聞かなければよかった。

アスナ達も聞かなければよかった。

ラカンを突破したことに大喜びをしていた彼女たちにこの事を教えるのは酷な話だった。


「この傷が付いたのは、約一ヶ月ほど前だ」


「えっ・・・・一ヶ月って!? それじゃあ僕がラカンさんと会ったとき辺り・・・・えっ? それって最近出来た傷なんですか!?」


驚いているのはネギだけではない。

無敵のラカンのドテッ腹にここまでの巨大な傷跡を残せる人物が、この世界に居たのか?

だが・・・・居たのだ。



「ああ・・・・一ヶ月前にシモンと戦ってやられた穴だ♪」



「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・へっ?」」」」」」」」」」」


今度は全員揃って同じアホのような顔で固まった。



「いや~、今思い出しても中々の喧嘩だったぜ~。この俺様がまさかドリルで穴あきにされるとはよ~。ナギ以外の野郎に負けるとは思わなかったぜ♪」


ちょっと意外なエピソード。

よくよく考えればネギたちがシモンと再会した時、既にラカンとシモンは既に顔見知りだった。

そしてよく見てみると、ラカンの傷跡も剣や魔法で傷つけられたというよりも、削りとられたかのような形をしている。


そう、シモンとラカンは戦ったのだ。


そしてシモンはその魂でラカンを突き破ったのだ。


「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」


そっか~、流石シモンさん♪


「「「「「「「「「「「はっ、はああああああああああああああああッッッ!!??」」」」」」」」」」」


                    • というわけにはいかなかった・・・・・・

ようやく死に物狂いで立ちはだかる壁に風穴を開けて通り抜けたと思ったら・・・・・


壁の向こうには更に厚い壁が待っていたとさ♪


あまりにも救いの無い酷な真実に、誰も何の言葉も出なかったのだった。










そんな悲鳴が響き渡る頃・・・・




オスティアから北に遠く離れた場所で、各国の軍隊に悟られぬように準備を進めていた野獣たちが、いよいよ動き出そうとしていた。


「ふん、・・・・随分と大人しくなったな。足掻くのはやめたのか?」


「ザイツェフ・・・隊長さん・・・・」


「ウ・・・・・」


「ふふふ、睨むということは元気があるか。良いことだ。君たちは祭りの神輿をおびき寄せるためのエサなのだからな」


チコ☆タンは機嫌良さそうに笑いながら、牢の奥で繋がれている二人の少女に語りかける。

薄暗い監獄の中で囚われの二人の少女、美空とココネは、ただ静かに目に力を入れてチコ☆タンを睨む。


「前と違って、今は随分と落ち着いているみたいだね・・・・、でも・・・・そこがかえって不気味っすね・・・」


「ふふふ、完全な人型を保っていると、力を大幅に制御され性格も後ろ向きになってしまうからな。だが・・・最近は・・・いい気分だ。まるで、ずっとガマンしてガマンしていたものがあと少しで開放できる。それを心待ちにする気持ちだな」


数日前に対面した時は頭を抑えて、精神不安定状態のままだった。

無論、今でも変わりは無いのだが、以前よりは遥かに落ち着いていた。それが逆に美空とココネには恐ろしく感じてしまった。


「へっ・・・・そう・・・・まっ、がんばればいいじゃん。・・・でもね・・・一つ言っておくよ・・・」


「何だ?」


「私とココネが大人しくしているのは、あきらめたからじゃない。隊長さんと同じで溜め込んでいるんだよ。来るべき時のために、精一杯ガマンして、一気に噴出すんだ・・・・」


ハッタリにしては瞳に力が篭っている。

考えがあるにしては、根拠が無さ過ぎる。

だが、たしかに四肢を繋がれている二人の目に、あきらめを感じなかった。

つい数日前までのチコ☆タンなら、生意気だと二人を殴り飛ばしているだろう。だが、彼もまた不器用なりにも溜め込んでいた。


「そうか・・・楽しみだよ」


半端に散らさず、溜め込んだ全てを爆発させるその日を考えれば、多少のガマンなら堪えることができた。


そう、もう少しだ・・・もう少しガマンしたら好きなだけ発散できる。


ガマンしてガマンしてその時が来たら、熱く溜め込んだ全ての爆弾を平和の象徴にぶちまけるのだ。


だからこそ、今のイラつきも溜め込んだ。


だが・・・・・・・




「ふふふふふふ、意外だ意外だ! ガマンということが出来たんだな!」




突如、狂ったような笑いが響き渡った。



「むっ!!」


「「えっ!?」」



あまりにも突然のことだった。

美空とココネだけでなく、チコ☆タンですらハッとなってふり返るほどだった。

するとそこには一人の男が居た。


「これも時代の移り変わりか? 時の流れが成長させたか? 平和の結果か? ひゃはははは、だとしたらエラくつまらなくなったもんだね~」


ケタケタと笑いながらも堅気には思えぬ不気味さを滲み出しながら、男は現れた。


「だ・・・誰?」



「?」


見覚えの無い男に美空とココネは思わず尋ねてしまった。

しかし、チコ☆タンは目の色を変えて驚いていた。


「き、・・・・貴様は・・・・・」


現れた男は瞳にサングラスを掛け、その瞳をのぞき見ることは出来ない。しかし、歪んだ口元と、醸し出す空気が明らかに異質を感じさせた。



「お~お~、気分は真ん中・・・ってとこか? くっくっく、臆病、普通、不安定、ブチキレ・・・それがお前のバロメーターだからな。それとも間違ってたか? それなら悪いな、元々人の顔色すら伺わねえ俺には魔人の気持ちなんて分からないのさ」



金色の短髪。

肌も日に焼けているように少々濃く、細身に見えてがっちりとし体格。

そして何より印象的なのは・・・・



一本の短い角が男の額から飛び出していた。


「・・・きさま・・・ユウサ・・・・」


呟くチコ☆タンに男は腹を抱えて笑い出した。



「ひゃはははは、久しぶりだな~、紅き翼に負けて時代の影に隠れてコソコソ首輪に繋がれて生きていた、爆裂チコちゃん☆」



「――――ッ!?」


男は明らかに挑発を込めて一つ一つの言葉を発していた。

一体何がそこまで男を笑わせるのかは分からない。いや、この男はこういう男なのかもしれない。


「ゴルアアァァァァァァ!!!!」


チコ☆タンは今溜めたばかりの美空に対して感じた怒りを拳に乗せて、男に向ってぶちかます。

対して男は一歩も動かない。よける気配を感じない。

もしそのまま拳を浴びれば、常人なら顔面が粉砕するほどの勢いだというのに、笑ったままその場に立ち止まっていた。

そして・・・


「むっ!?」


陽気に笑いながら、片手だけを男は前に出した。

角が生えているだけのチンピラ・・・

しかし突如伸ばした腕だけが変化した。


「・・・・・・・・・キ・・・サマァ・・・」


何気なく出された手は異形の形をしており、鋭い爪と燃え滾るような赤い手。

その手が軽々とチコ☆タンの拳を掴み取った。



「ひゃははははははは、スマンスマン。本当は爆乱だったっか? ペコちゃんだったか? しょ○タンだったか? うふふふふふ、十年以上も経てば忘れちまうな! しかし相変わらず短気でしょうがねえ!」



顔を歪ませる魔人に、狂ったように鬼はこれでもかと愉快に笑っていた。



「・・・・・・・・・キ・・・サマァ・・・」


「怖いね~、だが猫被っている、いや人の皮を被っているお前さんの拳じゃあ、俺には届かないがな、ひゃっはっはっは!!」


チコ☆タンの拳圧は男の周囲の床を凹ませるほどの威力を持っていた。にもかかわらず、その拳を男は笑いながら片手で掴み取った。

まるで握手をするかのように。


「貴様・・・・生きていたのか・・・・ユウサめ・・・」


「悲しいね~、生きてることをムカつかれるとは。再会とは涙と抱擁というのが相場じゃないのかな? まあ、お前さんの抱擁なんか願い下げだけどな♪」


「・・・・・・・・ふん・・・・その軽口は相変わらずだな・・・・・。何しに来た?」


顔を歪ませながらチコ☆タンは男の名を告げる。すると笑う男はさらに狂ったように笑い出した。


「ひゃははははははは!! おもしれえ、祭りがあると聞いたんでな! ちょっくら踊りに来たんだよ! 踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損ってな!! いつ何時、いくつになっても大人も子供も愉快に笑える、それが祭りの持つ魔力さ! だから俺は来たんだよ! ひゃははははははははははは!」


歪んだ笑いが響き渡る。

人から見れば、やかましいことこの上ない。

しかし美空もココネもうるさいとは思わない。むしろ・・・


(な、・・・・なんだよ・・・・こいつ・・・・・・鳥肌が・・・・この感じ・・・エヴァンジェリンさんよりも・・・・黒く・・・底知れない・・・・笑い・・・・)


今まで見た誰よりも不気味に笑う男の底知れなさが、何よりも恐怖を感じさせた。

すると僅かに怯える美空とココネに目が合い、男は牢屋越しに近づいてきた。まるで二人を品定めするかのように眺めた。


「ひゃはは、お前の部下に聞いたが、これが千の呪文の息子の生徒とやらか? 果たして神輿はエサにつられてくるのかな?」


「ッ!?」


「初めまして。 いいね~シスター少女。これが今流行っている「萌え」という文化か? 俺が怖いか? 先生に助けてきてくださいってか? そして先生は俺の生徒に手を出すな~、ってか? くっくっく、鷹の息子はどんなありきたりのセリフで助けに来るのかね~」


まるで蛇に睨まれた蛙のごとく、美空は全身の汗が一気に噴出した。

今まで出会った誰よりも禍々しく、恐怖を織り交ぜた下種な笑をする男の一つ一つの動作に、美空とココネは圧迫された。


「貴様・・・・貴様はかつて様々な騎士団や賞金稼ぎ共に追われて死んだなど、魔界へ行ったなど噂を聞いていたが・・・」


「ひゃっひゃっ、何年か前まではちょいと旧世界やらを旅行したりしてたぜ~。首都の騎士団の情報網も大したことないね~」


すると男は満足したのか、クルッと美空とココネに背を向け部屋の外へ出ようとする。


「・・・・貴様も・・・祭りに参加するのか?」


チコ☆タンが珍しく警戒心をむき出しにして男に尋ねる。すると男は軽口のまま肯定した。


「まーな。スクナを倒したという奴の息子にちょいと興味が沸いてな~。それにしても父親が奴だとすると、母親は誰だ? ひょっとするとあのお姫様か? まあそれはどちらでもかまわねえさ、俺はただ新時代がどこへ向うのかを間近で実感したくてな」


男は歩き出す。


「新たな時代が生み出すのは不平等で限界のある平穏か。それとも強さが法律の平等な戦乱か。果たして運命の女神は弱肉強食の時代に微笑むのかな? 魔人に微笑む女神・・・くっくっく、それはそれで傑作だな。だが、それでいい! 魔人にも弱者にも公平に微笑んでこそ、平等な世界だ!」


そして監獄の部屋から外へ向いながら、ただ一人両手を広げて高らかに笑いながら叫ぶ。



「・・くくくく・・・ひゃは・・・・ひゃはははは!! さあ、さあ祭りの準備の始まりだァ! 神輿の重さと、花火の火傷に注意しろ!! 祭りの先には、力のある奴にしたがう! 血筋も財力も常識も関係ねえ! 正に単純明快、誰もが王を目指せる権限を持つ真の平等な世界の始まりだァ!」



魔人の傍で狂った鬼が笑い出す。

まるで祭りも戦争も、全てを余興とするかのようにただ笑った。

そう、この男にとってはどちらでもいいことだった。

その瞳には信念もない。

胸の内に心の熱さもない。

誇りも無ければ夢も無い。

その背には何も背負っていない。

しかしこの時は、まるで子供が親に遊園地にでも連れて行ってもらったかのように盛大に笑っていた。

そう、祭りの持つ魔力に当てられていたのだ。


「・・・ふん・・・よくしゃべる・・・まあいいだろう・・・貴様の言うとおり、そろそろ準備に・・・・開始の合図を出しておくか。君たちも来たまえ、すばらしい光景を見せてやろう」


ユウサの後に続いてチコ☆タンも鎖を外し、手かせを後ろから美空とココネに付け、二人を連れて監獄部屋から外へ出る。

チコ☆タンの後姿を美空とココネは見つめながら、もう取り返しのつかない事態へと発展したこの状況をどうするべきかと苦悩した。


しかし答えは出ない。


一人でもダメ。二人でもダメ。


もう、どうしようもなかったのだった。












「ごらあああ!! もっと端を歩けええ! 邪魔なんだよ、この蜘蛛野郎!!」


「なんだとォ!! お前らが失せろ! 獣臭いぞ、狼男!!」


「おうおう、うるせえぞ亜人どもがァ!!」


古城の前の広場には、広大な面積を埋め尽くすほどの人、獣人、魔族の群れが出来ていた。


「な・・・なんだよ・・・これ・・・・」


建物の屋上に連れてこられた美空とココネは広場に群がる無数の野蛮な連中に目を疑った。

右も左も堅気に見えない連中が、かなり苛立ちを溜め込んで一触即発の空気が漂っていた。


「ふう・・・・随分騒がしいぜ、まあこんだけ血の気の多い連中が集まればトラブルも絶えない・・・どうします、ディーネの姉さん?」


「無視しやす? それとも黙らせてきます?」


「ああん? 放っておきな。あんなクソバカ共が自滅しようが勝手なことだよ。気力も魔力も偉そうな政府の連中にでも取っておくんだね」


参加者の一人でもある一人の女が、周りの喧騒を無視して蠍のような巨大な尾を引きずりながらニヤリと笑う。


「くっくっく、こうも堂々と政府の連中と戦う口実が出来るとはね~。ミルフ・・・・今度こそアンタをブッ倒してやるよ!」


一体これだけの人数と戦力が何故簡単に集まるのだろうか?

ようやく訪れた平和を何故満喫できないのか?

美空とココネの疑問は耐えない。

しかしその答えは簡単だった。目の前の血の気が多く、争いの絶えない連中を見ていれば一目瞭然である。



『諸君・・・・・・・・・・静粛に』



「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」



音声スピーカから一人の男の声が聞こえてきた。

広場に集まり騒ぐ者たちは一斉にピタリと止まり、上を見上げる。

すると城壁に一人の男が立っていた。


「ザイツェフ・・・」


「姉さん・・・あれが・・・」


「ケッ・・・・主催者様か」


「ふん・・・・あのセコイ小物が、よくこんな大それた祭りを思いついたもんだね」


現れた祭りの主催者であるザイツェフに皆が反応して見上げる。するとザイツェフことチコ☆タンは、マイク越しに集まった参加者に一つだけ問いかけた。



『諸君・・・・諸君等に問いたい・・・・この平和な世界で・・・・何故我々は戦わねばならないのだ?』



素朴な疑問。それは正に美空とココネが今思った事だった。

何故彼らは戦うのだ? そんな単純な疑問が解消できなかった。

そして、その問いに誰もが答えずに1000人以上の者たちは静かになり、チコ☆タンの言葉を待つ。

するとチコ☆タンはその答えをたった一言で述べた。



『それは戦うために生まれてきたからだ』



それが答えだった。



『我々は太古の時代から争い、戦ってきた。本能に・・・そう、闘争本能に身を任せて、命を惜しまず争いに飛び込んできた・・・しかし・・・』


そこでチコ☆タンは悔しそうに顔を歪め、拳をギリギリと握り締めた。


『しかし時は流れ、世間で言う平和な時代が訪れ、我々は角を・・・牙を・・・爪を抜かれ、首輪をつけることを余儀なくされた。そんな我々の力のはけ口は、精々せこい賞金稼ぎと飼いならされた場所で行う拳闘大会だ。・・・・だが・・・』


皮肉を込めながらも、しかしチコ☆タンは顔を上げて声を高らかに上げる。


『だが・・・・・冗談じゃない! 何が平和だ! 奴隷、盗賊、乱闘、テロ、・・・我がシルチス亜大陸などは未だに紛争が耐えない! こんな問題ばかりが絶えない世界を戦国と呼ばずに平和と呼べるのか! そんなはずはない! ならば、我等は戦国時代の戦士らしく戦い、抗うべきなのだ!』


その演説に込められた想い、それは聞いている彼等にも心当たりが・・・そして納得する部分があるのか、誰もが一言もしゃべらず、一言一々をかみ締めながら聞き入っていた。



『我等黒い猟犬(カニス・ニゲル)が主催するこの祭りは、諸君等のための祭りだ! かつて魔法学園も中退で学歴もないサウザンドマスターが武力のみで英雄となった時代があった。我々はそのチャンスを提供しよう!! もう一度己の居場所を思い出せ!! 和みも平穏も癒しもいらん! 血で血を洗い、立ち込める爆炎の中、己の本能と魂を賭けて戦ったあの日々の我々を取り戻すのだ!! 立ち止まるな! 突き進め! 己を誰だか思い出せ!!!』



チコ☆タンが地平線の彼方まで響き渡るほどの声量で、集まった参加者たちへと訴えかけた。

するとどうだ?

先ほどまでイラついて小競り合いを繰り広げていた者達が、自然と口元に笑みを浮かべながら拳を強く握り締めていた。

そしてその時だった。


―――!?


広場が・・・いや・・・大地が巨大な揺れを発生させた。


「な・・・なんだ!? 地割れか!?」


「か・・・頭ァ!?」


「はん、こんなもんでうろたえてるんじゃないよ。それよりしっかりと目を見開いておきな・・・・この下から・・・何かが来るよ!」


余りにも突然でデカイ揺れに広場に集まった者達が急にバランスを崩し始める。しかしそれでも大地の揺れは収まらず、ついには大地に広範囲で亀裂を生じさせた。


そして・・・


「し・・・城が・・・上昇してねえか?」


そう・・・大地から城が浮き上がっていく。


「いや・・・城だけじゃねえ・・・俺たちも・・・・」


広場の大地そのものが浮かび上がる。

眼を疑いながらも周りの者たちは上下左右を見ながら、状況を確認する。


「ま、・・・まさかこれは・・・・」


「古城ごと・・・いや・・・この大地の下に・・・こんなものが・・・これは・・・・飛行船か!?」


騒ぎ出すのも無理はない。

そう、飛行船・・・いや・・・自分たちの立っている大地の下から超巨大な戦艦が現れ、空へと高く上昇を始めたのだ。

まずはウソか現実かを確かめるのも無理はない。



『紹介しよう・・・これが大戦期の遺産! 超弩級要塞型戦艦・ケルベロスだ!』



千を超える獣たちでも埋め尽くせぬほどの巨大で空母のように広い滑走路のような甲板。無数の砲台に、高々と聳え立つ艦橋。

彼等は魔法世界の空を、目が点になりながら移動し始めた。


「こ・・・これが噂のケルベロス・・・・大戦期に首都の最強艦・スヴァンフヴィードと並んだというあの・・・・」


「こいつは驚いたねえ・・・・こんな隠し玉を黒い猟犬どもは持っていたとはね・・・・・」


「なるほど・・・これなら各国を敵に回しても恐れるに足らずっすね、ディーネの姐さん!」


「それだけじゃないよ。奴等は本部から鬼神兵を秘密裏に搬入していた・・・・ここにはそんなデカ物も備え付けられてるって事だよ」


ディーネと呼ばれた女は身震いしながら、口元の笑みを更につり上がらせる。それはもはや興奮や武者震いを遥かに超えた感情だった。

それは周りの参加者たちも同じなのだろう。

全員が、もはや抑えきれぬ興奮が目に見て取れた。



『まずはオスティアだッ!! そこが我等の最初の花火を上げ、伝説を塗り替える場所だ!! 歴史に我等を刻み込み、新たな英雄伝を創りあげるのだ!!!』



異議を唱えるものは誰も居なかった。



『行くぞ!! 勇んで!!』



形は違えど、これもまた全ての者達の心が一つになった瞬間だった。

何年も強烈に溜め込み続けた思いのたけを、自然と握り締めた拳を天に突き上げながら、彼等はどこまでも叫んだ。



「「「「「「「「「ウオオオオオォォォォォォーーーーーーーーーッッ!!!!」」」」」」」」



もう、誰に止められない。


「行くぜエーーーッ! 祭りだアア!」


「っしゃああ! やるぞォ!!」


「っか~~、燃えてきたアア!!」


「デケェ花火を打ち上げてやろうぜェ!」


「「「オオオオオオォォッ!!」」」


沸騰した血が燃え上がり、彼等の熱気は魔法世界を徐々に埋め尽くそうとしていく。


「いいね~、輝きを見せるバカってのはこうでなくっちゃな!! うひゃひゃひゃひゃ! そう、歴史が変わる! 新たな時代の幕開けだァ!! ゾクゾクしてきたぜ!!」


艦体の頂点で一人笑いながら、ユウサは一部始終を楽しんだ。

彼もまた、笑いとともに興奮を止めることができず、今か今かと艦の向かう方角を眺めながら、オスティアの大地を心待ちにしていた。


「さあ・・・まずはネギ・スプリングフィールド・・・白き翼・・・早く来い! 早く来なければ、オスティアに辿り着く前に貴様の大事な生徒が死ぬことになるぞ?」


間もなく朝日が昇り始める。


誰かが言った。


夜明けと共に悪魔は滅びると。


だが現実はどうだ? 


冗談ではない。登った朝日を背負いながら、ついに飢えた獣たちが解き放たれる。


何度でも言おう。もう、誰に止められない・・・・・・



「・・・・ん?」



はずだった。



「おい、あれは何だ?」


「・・・前方から何か来るぞ?」


祭りの参加者たちが、艦の前方よりこちらへと向ってくる何かに気づいた。


「ネギ・スプリングフィールドか!?」


チコ☆タンが艦の最上部から身を乗り出して目を凝らす。自然と捕らわれた美空とココネも顔を上げる。

しかし・・・・・

前方から来るのは・・・・・


「なな・・・・なんだ!?」


「あれは・・・・民間船? いや、周りを囲んでいるのは・・・・」


「帝国軍の空軍部隊だ!?」


「な、なんで!? 誰かが密告したのか!?」


魚型の一隻の飛行船。彼らの乗る戦艦に比べれば遥かに小さいが、それでもそれなりの大きさである。そして、その周りに跳ぶ10隻の戦闘機に、多くのものがどよめき始めた。


「クケー!? あれは神速部隊!?」


「おいおい、ゲッコ・・・お前の元上官だぞ!?」


一匹の鳥獣人が驚愕の表情で、向ってくる存在に反応を見せる。

いや、彼だけではない・・・・・


「頭ァ!」


「・・・マンドラ・・・・いや・・・それだけじゃなさそうだよ」


「ちょ、いきなり何が来たネ?」


全てのものが、向ってくる存在に驚きを見せた。


そして彼らの反応に遠慮する事無く、飛行船と戦闘機が構わず前方から突っ込んでくる。


「おい・・・・・止まらねえぞ?」


「・・・・まさか・・・・・」


風を切り裂き轟音を響かせて、奴等に止まる気配は無い。

まさか? という予感が全てのものに行き渡るころ、飛行船の周りを囲んでいた戦闘機だけが更に前へ出た。


『おうおう・・・まさか国が所有していない超弩級の戦艦をこの目で見れるとは・・・・』


『甲板に集まっている面子を見ろ。どう考えても慈善団体には見えないぞ?』


『こいつら・・・・戦争でも始める気か?』


『む・・・・艦橋の最上部を見ろ! 二人の少女・・・・そして黒いコートの男・・・間違いない、アレクサンドル・ザイツェフだ!!』


甲板を埋め尽くす獣や魔族たちから視線を変え、船橋の上層部に居る三人の姿を神速部隊は確認した。

どうやら、目的の人物たちと一致したようだ。


「ん? ネギ・スプリングフィールドでも白き翼でもない。神速部隊だと? それともただの援軍で、奴等はあの飛行船に乗っているのか? まあいい・・・・」


艦の最上部で腕組しながら怪訝な顔をするチコ☆タン。すると腕を前方にバッと伸ばして、艦内へ指示を出す。



「構わん! 今この場より開戦だ! 邪魔なハエ共を撃ち落とせェ!!!」
最終更新:2011年05月12日 14:56
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