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103-3

今は違う。

自分自身を思い出したシモンは、自分が信じていたことも思い出した。

だから人がなんと言おうと、問われた問いにはどんなことだって、自分の意思を述べることが出来るようになった。



―――己とは何か



「俺は俺だ!」



―――命とは何か



「この燃え滾る魂だ!」



―――宇宙とは何か



「俺たちの明日が広がる世界だ!」



―――その答えを知らぬまま人は死ぬ



「そんなことはない! 俺の仲間は皆知っていたさ!」



―――それこそが、人の宿命



「その宿命を俺たちはねじ曲げた! そうだろ?」



答えるシモンに迷いは無い。



―――人は問う



「ああ、何度でも聞けよ!」



―――何故戦う。



「壁がそこに立ち塞がるからだ!」



―――何故殺す



「殺したいわけじゃない! でも・・・みんな、そうやって命と誇りと魂を懸けているんだ!!」



―――何故滅ぶ



「滅びないさ! そのために、みんながんばったんだ!」



―――その答えを知らぬまま人は死ぬ



「何度でも言ってやる! 俺の仲間は、みんな知っていた!」



―――それこそが人の幸せ



「そんなことはねえ! だからみんな笑いながら逝ったんだ!!」



もう、決して迷うことなど無いのだ。

だからシモンは全てを答え、そして胸元のコアドリルを握り締める。

ヴィラルが餞別に渡してくれた、遥か昔の螺旋族たちの魂が眠るコアドリルだ。


「ロージェノム・・・アンチスパイラル・・・そして古の螺旋の友よ・・・お前たちの無念と覚悟も決意も、俺は大グレン団の魂と共に明日へ繋げる! だから・・・お前たちも一緒に来い!」


強く握り締めたコアドリルはやがて、シモンの想いに共鳴するかのように点滅し、



「まだ見ぬ明日に俺が連れて行ってやるッ!!」



返事の変わりに、もう一度アンチスパイラルの声が響いた。



―――ならば、この宇宙・・・・・必ず守れよ・・・



その言葉にシモンは頷いて、ドリルを天に掲げて誓った。



「ああ・・・だからお前も俺を信じてくれ!!」



誓った約束を今度こそ忘れぬようにシモンは己の胸に刻み込む。


「テメエ・・・さっきから俺を無視して何ブツブツ言ってやがる! 俺をナメてんのかァァ!?」


そして今、まずは先にやるべきことがある。

まずは目の前に立ち塞がる敵を倒すのが先決だ。

シモンはもう一度、掲げたドリルをチコ☆タンに向ける。



「さあ、決着をつけようじゃねえか!!」



「上等だァァ!!」



そしてこの戦いは、歴史では語られぬ伝説となるのだった。


銀河に轟く不撓不屈の無法者、願いも希望も想いも気合も織り込んで、ドリル片手に飛び出したその男の進む道、誰にも阻むことなど出来はしない!
最終更新:2011年05月13日 20:43
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