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132-誰なんだよその人物は!?

第百三十二話 誰なんだよその人物は!? 投稿者:兄貴 投稿日:11/12/23-23:46 No.4468



「さてさて、何やらとんでもないことになっている。そう思わんか?」



「確かにそうポヨ。っていうか、私たちの争いなど既に不毛と化しているポイヨ」



夥しい魔力の残痕。


埋めつくされる硝煙の匂い。


激しい争いの痕跡が残る墓守人の宮殿のとある空間にて、異形の姿と化した二人の女は思わず互いに苦笑した。



「さて、どうする? 続きをやるか? それとも引くか・・・」



「そうポヨね・・・なんだか今、世界を駆け抜けたこのエネルギー反応・・・これを前にすると全てがアホらしく感じてしまうポヨネ・・・」



もはや争う気すら萎えさせる。


そう、二人の言うようにこの世界は今、全てを打ち砕くかのような巨大なエネルギーが駆け抜けたのだ。



「預けないか、この戦い」



「・・・ふ~~~、やれやれポヨネ」



互いに肩を竦め合い、先程まで繰り広げていた争いをアッサリと中断した、龍宮とザジ・レイニーデイの姉を名乗る女。


異形の力を振るうこの二人ですら戦いの手を思わず止めてしまうような事態。


それは・・・
















「い、今のは・・・・・・」



墓守人の宮殿の最上階にて、世界崩壊への儀式の準備を着実に進める、フェイトの従者である『調』。


彼女も当然、世界を駆け抜けた力を肌で感づいていた。



「これは一体・・・何が・・・フェイト様は・・・みんなは・・・」



最上階にてただ一人、この場を任された彼女は正体不明の力に動揺を隠せない。


自分の敬愛する主は? 苦楽を共にここまできた戦友は?


儀式を着実に進めるためにこの場を任された彼女だが、高鳴る鼓動と居ても経ってもいられぬ衝動を抑えきれなかった。


すると・・・



「何をしている。ボヤボヤしていると歴史の分岐点を見逃すかもしれぬぞ?」



そこにローブとフードで全身を被った何者かが現れた。



「あなたは!? 墓所の主!?」



調は現れた人物に身構える。


見た目はなんの変哲もない少女のような印象を受ける小柄な人物。


しかしその人物は素顔すら一切見せず、ただ狼狽える調に告げる。



「この祭壇は我が見ておく。お前はアーウェルンクスたちのもとへ行け」



「しかしここは私がフェイト様に託された・・・」



「そのフェイト自身が消えるかもしれん」



「え・・・・・・?」



「今こそ時代は変わるであろう。その眼で見届けてこい」



その時、僅かにその人物は笑みを浮かべていたかもしれない。


ただ、それを確かめることすらせずに調は一目散にその場から離れた。


フェイトの危機? それを聞いて黙っていられるはずのない彼女は、一秒でも早くと、持ち場を離れたのだった。



「さて・・・・・・後は・・・」



調が立ち去ったのを見て、墓所の主は振り返る。


そこには、宙に浮いた状態で目を閉じ、まるで眠っているかのように身動きしないツインテールの少女が居た。



「さあ・・・・・・千年続いた、あの男の底なしの強欲が世界を導くか・・・それとも人類は歴史の道標から外れるか・・・全ての鍵はお前が握っている・・・我が末裔よ」

















魔法世界どころか遠く離れた地球にまで届くほどの超規格外のエネルギー。


閃光が走ったとき、この世界の誰もが手を止めて空を見上げた。


一体どこの誰が何をどうしたのか、大半の者がその力の正体が分からなかった。


だが、どうしてだろう。グレンラガンというものを知る者たちだけは、誰もが同じことを頭に思い浮かべたのだった。



――大グレン団がまた何かをやった!!



重要なのは『何か』ではない。大グレン団が何かをやったということだ。


よって、何が起こったかは不明。しかし世界の果てまで響き渡るエネルギーを放ち、ましてや何が起こったかも分からぬのに、世界の人々に不安の色はない。


むしろ、逆。


目を輝かせて「今度は一体何をやりやがった!」と子供のように興奮していたのだった。














「ヴィラル、感じた? 今のすごい力」



「ふん、気づかぬわけがない。いちいち聞くな!」



墓守人の宮殿における戦場。


暴走した敵幹部が放った召喚魔物の大軍に身を置く少年少女たちの加勢に加わった、大グレン団のヨーコとヴィラル。


この世界で、そしてこのエネルギーの輝きを誰よりも知っているのはこの二人。


笑わずにいられないとはこのことだ。


巨大兵器ガンメンのコクピット内で二人はまったく同じ笑みを浮かべていた。




「色々ゴチャゴチャと複数の力が絡み合っていたが、最後の最後に大きく弾けたこのエネルギー・・・その中心にいる人物・・・この俺が・・・誰よりもこの身で感じた俺が分からずして誰が分かるッ!!」




「ええ。相変わらず元気そうで何よりじゃない! 百の言葉より一つの気合いで、全てを教えてくれるわね!」




シモンだ・・・シモンしかいない。


根拠はないが彼らだけは確信している。彼らだからこそ確信できる。


ここがどこの世界のどこの星でどこの宇宙にあろうとも、この広大な宇宙でこんな気持ちのいいエネルギーをぶっ放す奴なんて、一人しかいないのだから。


気づけばこの場にいる誰もがポカンとしている。戦場の敵が放った心を持たぬ召喚魔物ですら制止している。


世界の時をも止めるシモンの影響力。ならば、次に動き出すのは誰か?



「ふっ、どいつもこいつも。ハダカザルもケダマザルもこぞってマヌケヅラを浮かべているな~」



血が滾る。



「あら、ならばどうする?」



本能が制御できぬほど疼いている。



「決まっている。誰よりも先に上へ上へと突き進む奴の後に続くのは・・・」



「ええ、いつだって・・・」



シモンが誰よりも先に進むのなら、その背中を決っして見失ってたまるかと全力で追いかけるのは・・・




「「俺(私)たちだ!!」」




世界中が時を止める中で一番早くに動き出すのは、大グレン団しかいない。



「シモン一人に驚いてもらっては困るな~、誇りも魂も持たぬ人形どもよ!!」



「こんな呆れるぐらいにどこまでも行くあいつと、いつだって対等でいるために、私たちがボヤボヤしているわけにはいかないっての!!」



ヴィラルとヨーコ。


シモンと超鈴音の二人の魂が天元突破して、魔法世界にも地球にも波紋を起こす中、彼ら二人に負けぬ想いが未だ輝き、戦いを続けていた。




「五月雨・エンキソード!!」




「ギガドリルバースト!!」




止まった戦場が、再び爆炎と爆音につつまれたのであった。



「うああ、って、もう、なにがなんだか!?」



「もー、どうなってんの!? わけわかんない光が走ったと思ったら・・・あのガンメンが更にイキイキとしちゃったよー!?」



シモンや大グレン団と関わりが浅い亜子や裕奈の反応は皆よりも一歩遅れている。


彼女たちももう少し考えれば、先ほどの閃光が何で、そしてどうしてヴィラルとヨーコがイキイキとしだしたのかが分かる。


つまり、それほどまでにヴィラルとヨーコの反応は早かったということだ。


だが、この場に立っている者たちもすぐに気づく。



「あの・・・男かい・・・」



かつて同じ男に痛い目に合わされた千草は舌打ちしながら苦笑した。


みんなも分かっている。口に出さずとも、この光が何で、そして何故ヴィラルとヨーコはあれほどやる気満々なのか。


そう思ったら、喜ぶよりまず体が反応した。



「うお~~~、私たちは何をボーっとしてるっすかーッ!!」



「美空?」



「そうじゃないっすか、シスター・シャークティ!! よくわからんけど、兄貴が何かをした! そしてそれに血が騒いだヨーコさんたちが再び暴れ出した! じゃあ、私たちは!!」



「ココネたちも、ボーっとしてルはダメ」



「そのとーり!! いくっすよ、新生大グレン団! 偉大なる先輩に遅れをとっちゃ~、まずいっしょ!」



「おう、美空ちゃんの言うとおりだ! こんな怪我、唾付けときゃ治る」



「ヨーコさんにカッコワリーとこ見せられるか!!」



ヨーコとヴィラルの暴れっぷりにハッとした美空が仲間たちに檄をかける。


それにつられて傷だらけのグレン団が動き出す。



「僕たちだって負けていられません!」



「せや、グレン団にはグレン団の、俺らには俺らの意地があるんや!」



慌てて遅れを取り戻すべく、負けてたまるかと自分たちも魅せるネギ。



「ヨーコさんに負けてられん! いこ、せっちゃん!」



「そうです! ヨーコさんが居る中でヨーコさんに後れをとっていて、どうやってあの人を振り向かせられましょうか! いきましょう、お嬢様!」



「わ、私だって・・・ネギ先生が好きなヨーコさんに・・・負けていられないもん!」



「よっしゃ、行け本屋! ケツは拭いてやるから!」



恋する乙女たち。


例え立ち位置は違えども彼らの想いは一つ。


世界のため? 人類のため? いや、彼らの想いはただ一つ。


散々人を驚かし、人の人生にまで影響を与えたグレン団は、ヨーコとヴィラルの登場でまた驚かしてくれた。


だが、いつまでも驚き要員でなんかいられない。




「「「「「「「「「「大グレン団に負けてたまるかッ!!!!」」」」」」」」」」




もはや敵にではない。グレン団に負けてたまるかと彼らは闘志を燃やしたのだった。



「バカな・・・いつ・・・どこで手を誤った? どこで私は・・・」



完全なる世界の幹部、デュナミスは呆然とした。


つい先ほどまで、『妖刀ひな』に斬られて深い魔に囚われて暴走したデュナミス。しかしいつの間にか精神が正常に戻っていた。


それは効力が切れたのか、もしくはデュナミスを斬りつけた『狂い笑いのユウサ』に何かあったのか。


だが、今は正直それはどうでも良かった。



「今消滅した力は、間違いなくアーウェルンクス・シリーズの波動・・・恐らくは月詠が起動させたのであろうが・・・その力が・・・完全に飲み込まれて消えた・・・」



アーウェルンクス・シリーズ。


それは造物主が造りし、完全なる世界最強の切り札。


だが、その力は突如猛りだした巨大な力によって消滅した。



「テルティウムがどうなったか分からぬが・・・分からぬが・・・分かっているのはこの戦いは・・・」



最強の切り札が敗れた。


そして現在の敵戦力は?


巨大召喚魔をモノともせずにうち倒していく巨大人型兵器の姿。


既に満身創痍ながらも輝きを見せる新時代の申し子『白き翼』たち。


新興勢力の『新生大グレン団』。


この戦いはもう・・・



「・・・・・・・ぬう・・・」



もはやこの戦いの行く末を見えぬほどデュナミスも愚かではない。



「デュナミス様・・・正気に戻られたようで・・・ですが・・・その・・・私たちはどうすれば・・・」



「フェイト様は・・・フェイト様はどうされて・・・」



フェイトに付き従う少女たちも、もはやどうすればいいのか分からずにただ戸惑うだけであった。



「焔! みんな!」



「えっ・・・調!? お前、持ち場は!」



「墓所の主が行けと・・・しかし・・・これは一体・・・」



その時、一人別の役目を与えられていた調がこの場に合流した。


自分の役目を放棄してここまで来た彼女は本来は罰せられるのだろうが、誰も咎めることはなかった。


そして調もまた、これまで戦の全容を把握していなかったが、ここにきてこの光景を見せられては言葉も無かった。



「こ、こんなの・・・どうすれば・・・・」



そう、彼女たちは既に戦意が折れていたのだった。



(・・・本当は最初から勝敗は決していた・・・外で、獣人四天王やタカミチたちに追いつめられたときに・・・それが・・・これか・・・)



もはやあらゆる手を尽くしてもこの戦況は覆らぬとデュナミスは悟り、全身の力が抜けたのだった。



「どうした? 何をボサッとしている。戦場に立つ戦士であれば、考えるよりも立ち向かったらどうだ」



全てを悟ったデュナミスの前に、幾多の巨大召喚魔の屍を築き上げたエンキドゥドゥ・改に乗ったヴィラルが見下ろしていた。



「にゃ、にゃーーー!? エ、エンキドゥドゥだよ!?」



「くそ、獣人ヴィラル!? サインが欲しい・・・じゃなかった、そもそも何故お前が大グレン団のヨーコと一緒に戦っている!?」



強大で壮観。その堂々とした姿にシモンの記憶映像を見た焔たちは圧倒された。



「ほう、多少なりとも俺のことを知っているようだなメス猫共。しかし、多少しか知らぬのであれば我らの関係性に首を突っ込まぬことだな!!」



映像ですらあれほどの迫力であったのに、実物を目の前で見るとそれ以上だ。


格ではない、ケタが違ったのだ。



「キサマら・・・シモンとやらといい・・・なぜだ・・・なぜ邪魔をする! キサマらにこの世界の崩壊は関係ないであろう!!」



「関係ある? 関係ないだ? 笑わすな異界の戦士よ。もとより常識道理を気にせぬ俺たちに今更何を言う。関係ないだと? それこそ関係ないというものだッ!!」



「おのれえ!!!!」



「それでも関係を示せというならば、キサマらが我らのリーダーの敵だからということにしておこう!!」



なんとも自分勝手に、自信満々に我が道を行く。


これが、大グレン団か。



「く・・・もはや・・・」



もう届かない。もう、望みは叶わない。


何十年と組織に尽くしたデュナミスが、初めて心が折れた瞬間であった。


そして・・・












「この戦い、それまでだ!!!!」




「「「「「「「「「「ッ!!???」」」」」」」」」」




デュナミスが心折れたと同時に響き渡ったその言葉、誰もが振り返ったそこに、フェイトが居た。



「「「「「フェイト様ッ!!??」」」」」



「「「「「「フェイトッ!?」」」」」」



「テルティウム・・・・」



「テンジョウさん!?」



「シモンさんと戦っとった女の人もおるえ!」



「確か名は・・・テンジョウ・クロニア・・・」



傷だらけのフェイト。

誰かに支えてもらわねば立っていられないぐらい疲弊している。

そんな彼に付き添うのは、クロニア。


「フェイト様ッ・・・ご、ご無事で!」


「にゃ、にゃ、で、でも、すごい怪我が!!」


「い、急いで手当を!?」


フェイトの傷ついた姿に大粒の涙を流しながら駆け寄る焔たち。

戦地でありながらも見せる彼女たちのその表情と姿こそ、フェイトがどれだけ思われているかを物語っていた。


「お、おい、あいつ・・・ラスボスだろ? ボロボロじゃねえかよ! おい、先生よ・・・今なら・・・」


「いえ、千雨さん・・・いいんです・・・」


「えっ・・・・でもよ・・・」


「大丈夫です。・・・目を見れば分かります。今のフェイトはもう・・・」


ネギは敵のボスでもあるフェイトが傷だらけで現れたというのに攻撃を仕掛けるそぶりも見せなかった。

そしてフェイトは泣きながら駆け寄る焔たちを手で制しながら、デュナミスに、そして自分をジッと見つめてくるネギに向かって叫ぶ。



「デュナミス・・・召喚魔を消せ・・・君ももう分かっているはずだ」



「テルティウム・・・」



「この戦い・・・・僕たちの負けだ」



そしてその瞬間、この長い戦いを終結させるべくフェイトからの敗北宣言が放たれたのであった。



「フェイト・・・」



「な、なんや、終わったんかい!?」



「勝った・・・私たちが?」



終わった・・・

正直ネギたちにはまだ自分たちの勝利を告げられてもピンときていないようだった。

それはフェイトの仲間にとっても同じ。


「そ、そんな、フェイト様! わ、私はまだ戦えます! フェイト様とデュナミス様が揃ったのであれば・・・それにこいつらはもうボロボロですよ?」


いきなりの敗北宣言に食いかかる暦。だが、フェイトは彼女の頭を優しくなでながら、首を横に振る。


「暦くん・・・この戦いはもう詰んでいる」


「つ、詰んで・・・?」


「もう僕に戦う力もない・・・シモンに完全に打ち抜かれた・・・それに、アーウェルンクス・シリーズに強襲されて死ぬと思っていたはずのシモンが、どういう手品を使ったのか生き残ったみたいだしね」


シモン・・・


「やった、やっぱりシモンさんだ!」


「へっ、さすがやな!」


「アニキ!」


「リーダー!!」


その名を聞いてネギたちはうれしそうに仲間たちを見合う。

やはりシモンが何かをやらかしたのだと手を叩き、抱き合い、健闘と同時に讃え合っていた。


「ミソラ!」


「おう、ココネー、よくがんばったよん!! っと、そうだ・・・おーい、ヨーコさーん! それに何故か居るヴィラルの旦那―!」


その時、喜ぶココネを抱っこしながら美空がヨーコの名を叫んで手を振る。

彼女ともうれしい再会。

かつてはグレン団の敵であったはずのヴィラルがどうしてここに居るか分からないが、彼らなら「細かいことは気にするな」と言って笑いそうだ。

だが・・・


「・・・って、あら?」


「・・・ヨーコさん?」


「ヨーコさん、どうしたえ?」


だが、本来はもっともシモンの名前に反応してもよさそうな、ヴィラルとヨーコが反応しなかった。

それどころか美空やシャークティたちが手を振っているのも目に入っていないようだ。

先ほどまでの暴れっぷりが嘘のようにヨーコとヴィラルは沈黙し、それどころか動揺していた。

そう、彼らは今、まったく違うことに気を取られていた。



「バカな!?」



ヴィラルの全身の毛が逆立った。

思わずコクピット内から身を乗り出し、ガンメンのハッチを開けて己の目で目の前の光景を確認したほどだ。



「ありえん。これはどういうことだ?」



多少のことでは驚かぬ大グレン団のメンバーが驚愕する。つまりこれはそれほどの事態ということだ。



「に、・・・似てる・・・」



ヨーコも思わずそう呟いたほどだ。

ボロボロの白髪の少年を支えている謎の女・・・



「ニア姫様・・・」



「ニア・・・」



思わず大グレン団の仲間でありシモンの最愛の女でもある「ニア」と瓜二つの女に全身の震えが止まらなかった。

その時ようやく、彼女はこの場にいる巨大ガンメンのコクピットから出てきたヴィラルとヨーコと目を合わせた。

明らかに動揺する二人に対して無言の彼女は、ジッとガンメンを見ながら口を開いた。



「マジンガンとは違いますが・・・これも立派な螺旋エネルギーで起動しているようですね・・・・シモンのお仲間ですか?」



ニアと似ている顔で、ニアがしないような虚無の表情でシモンの名を口にする女。



「~~っ、あんた・・・何者よ?」



いてもたっても居られずにヨーコが聞くと、クロニアは淡々と答えた。



「クロニア・テンジョウ・・・それが私の名です」



「クロニア・・・ニアじゃないのね・・・・・・あんた・・・シモンと会ったの?」



「はい、つい先ほどまで戦っていました。私では彼の力には及びませんでしたが」



「た、戦った・・・」



ヨーコは複雑そうに顔を歪めた。

ニアと似ている女とシモンが戦った。

それはどれだけシモンにとって辛かったか。心が痛かっただろうか。

それともシモンはキッチリ割り切って彼女と戦えたのか・・・

それはシモンにしか分からないのであった。




「ネギ君、休戦協定だ! こちらの召喚魔たちも引かせ降伏しよう、神楽坂アスナも解放しよう! ゲートも起動させて君たちの地球への帰還もさせる!」 




「「「「アスナ!?」」」」




降伏宣言と共にフェイトが告げる。

そう、アスナだ。

フェイトたちに攫われ捕らえられていた自分たちのクラスメート。

世界を救い、アスナを救い、そして無事に学園に帰るという皆の目標が今叶おうとしていた。

生徒たちはより一層うれしそうに声を上げる。

そうか、勝ったんだ。

自分たちは本当に勝ったんだとうれしそうにこの危機を乗り越えたことに歓喜していた。


「ただし!」


そこで、「ただし」と喜びに浮かれている麻帆良生徒たちに一つ付け加えるフェイト。



「ただしその後に君の世界の救済案とやらもジックリと聞かせてもらう。もし、それが気に食わぬものであれば僕たちは再び牙を向くと覚えておくんだね!!」



最初は「ただし」と言われた瞬間、ビクリとなった少女たちだが、どうってことないものだった。

だってそうだろう。むしろそれこそがネギが望んでいたことだったのだ。



「フェイト・・・君は・・・」



最後は力ずくでネギもフェイトに話を聞かせる覚悟はあった。

しかし、結局ネギとフェイトは戦わずして、ネギの望む通りになったのだ。



(シモンさん・・・・)



ネギは思い浮かべる。恐らくシモンが何かをして、フェイトに影響を及ぼしたのだろう。

最初はネギの話など聞く気もなかったはずのフェイトが降伏を宣言し、武装解除し、終戦を告げ、そしてネギに歩み寄ったのだ。

これ以上望む結末などネギには無かった。



「僕たちに異論はないよ。でも、急にどういう風の吹き回しだい?」



うれしくて思わず、笑いながら冗談めいた口調でフェイトに言う。

すると、フェイトは少しムッとしながら唇を尖らせる。



「黙れ。僕はシモンに負けただけで君に負けた訳ではない。とりあえずシモンの顔を立ててやる。それだけだ。言っておくが僕たちがこのまま抵抗すれば、勝てないまでも君の生徒を数名ぐらい巻き添えに出来るということを忘れるな? 譲歩してやっているのは僕の方だぞ?」



別にネギに負けたわけではない。あくまでそう主張するフェイトだが、それでもネギはおかしかった。

ただ戦って勝っただの負けただのではこうはならない。負けたからといってこれまで話を聞くのも拒絶していたネギに歩み寄るなど、どのような心境の変化があったのだろうか。



(見てみたかったな・・・シモンさんとフェイトの戦い・・・)



ちょっとだけ二人がうらやましいと思いながら、ネギは手を挙げてフェイトに告げる。



「分かったよ。フェイト、君の協定を僕は受け入れる! この戦いは、これで終結だ!!」



フェイトの条件をネギは飲み込み、今こそこの戦いは幕を閉じた・・・・









・・・はずであった・・・・










「このテロリストの風上にも置けぬ、恥さらしどが」




「!!??」




魔法世界の救済案。魔法世界の真実を知った者たちは一体どれだけこの問題に頭を抱えたのか分からない。


しかし案があってもなくても、全てを退け道を造らせなかった者。


人間社会の頂点に君臨する覇王。



「き、貴様・・・ッ!?」



フェイトの胴体をドリルが貫通した。



「フェ・・・フェイ・・・」



「い、いや・・・・いやあああああああああああああ!?」



「フェイト様!?」



涙と同時に悲鳴を上げる少女たち。


歓喜の渦から一気に落とされる白き翼と新生大グレン団たち。



「な、なに!?」



「だ、誰だあの男は!?」



「ド、ドリルの拳!?」



その男は、腕に紅く輝く光を纏ったドリルを具現化し、それを背後から一気にフェイトに突き立てた。


完全に気を抜いていたフェイトにかわすすべはなく、彼は本日二度目の穴あきになった。



「あ、あなたは・・・」



「大義が折れたのならさっさと失せろ!」



「ッ!?」



フェイトが貫かれたドリルが勢いよく回転し出す。


そしてそのドリルに纏う光が膨張し・・・



「させないッ!!」



「ッ・・・ネギ・・・くん・・・」



だが、その寸前でネギが雷速で駆け抜けてフェイトを救出した。


その直後にドリルが膨張して爆発。



「ほう・・・大した動きだな・・・小僧」



「フェイト、しっかり!?」



「くっ・・・ネ、ネギ君・・・」



後、ネギの反応がコンマ数秒遅ければフェイトはバラバラになっていただろう。



「あ、あなたは・・・一体・・・」



この誰もが勝利と終戦に喜ぶ中で、一体何者だとネギが怒りを滲ませて男を睨む。


するとその男の側まで歩み寄り、クロニアが震えた唇で呟いた・・・



「お、お父様・・・」



「「「「「「「「「「お父様ッ!?」」」」」」」」」」



そこに居た男を、クロニアは父と呼んだ。



「あなたがッ!?」



「きさまか。ネギ・スプリングフィールドよ。確かに両親の面影があるな」



男は厳しく深い瞳でネギを見定めるように見る。


もしフェイトが傷つけられた怒りが無ければ、その気迫に圧倒されていたかも知れない。




「ワシの名はジェノム・テンジョウ。地球の守護者として貴様に会いに来たッ!!」




ネギが「世界」と出会った瞬間であった。



「またよく分からんけど、すごそーな人が!?」



「しかも明らかに戦う気満々じゃん!? なに、ネギ君たちの敵ってこのフェイトって奴らだけじゃないの!?」



確かに裕奈たちからすれば、どうなっているんだと言いたいところだろう。

元々が詳しい事情を知らずに戦っていただけに、詳細な勢力図を分かっているわけではない。

一体この戦いはどこまで続き、誰を倒せば終わるのか。



「ジェノム氏・・・」



「ほう、冒険王か。生きていたか。まあ、貴様が死んだとは思わんかったが、モルモル王国も余計なことをしたな・・・まさか魔法世界に手を出すとは」



「あなたが絡んでいるとは聞いていたが、ここで登場するとはね」



既にユウサにやられて満身創痍の瀬田にはこれ以上戦うことはできない。

しかし彼から大量に吹き出る汗の量から、例え全快の状態でもこの男と戦うのだけは避けたいと物語っているように見えた。



「瀬田さん、この人は・・・」



「ジェノム・テンジョウ。人間界最大の権力者・・・裏世界の黒幕・・・新人類とも呼ばれている・・・その気になれば10カ国以上の軍を動かせるとも噂が・・・」



嘘だろと、誰もがそんな表情で固まった。



「ちょ、世界最大の権力者!? どんだけ偉いんだよ!」



「じゅじゅ,10カ国の軍って!? こんな人全然知らないよ!? 政治家!?」



「お、思い出したえ!? クロニアさんの名前、どこかで聞いたことある思たら、そうや、テンジョウ家や!」



「テンジョウ家の頭首・・・ゼンゴ先輩が仕える主でござるか・・・」



「ユウサ様がゆうとったあの男かい!?」



強い奴。すごい奴。偉い人。



「ほほう、貴様は確かゼンゴと以前に少しやりあった、デュナミスだったか? 貴様も黙ってそこに居ろ」



「貴様・・・なぜここに・・・」



この場にいる者たちは皆、それなりの者たちと出会ってきた。


だが、シモンにしろ魔法世界の戦士や王族たちも、どこか地球や自分たちの住む世界とかけ離れていたためにそれほど大騒ぎしなかった。


しかし、瀬田の口から語られた自分たちの世界に住む真の頂点に君臨する人物には、どう反応して良いか分からなかった。


それは彼らも同じ。



「ちっ、どうなっている! シモンめ、相当やっかいなことに巻き込まれているのではないか!?」



「驚いた、ニアにそっくりな子だけでも驚いたのに・・・」



まさかというところだろう。


ヴィラルもヨーコももはや何が何だか分からなくなっていた。



「今度は螺旋王に似た男だと? どうなっている!」



「まさか私たちのソックリさんたちまで来たりはしないわよね」



ヴィラルとヨーコの瞳には、決してありえないはずの光景が広がっていた。


長髪の頭皮やスーツ姿であることから本人でないことは分かるが、それでも他人のそら似とは思えぬほど、ジェノムという男はあの男に似ていた。


既に死んだはずの自分たちの仲間。ニアとロージェノムに似た人物が目の前にいるのだから、ヴィラルもヨーコももはや何が何だか分からなかった。



「ふん・・・だが、ここは異なる宇宙の地球だ・・・これぐらいの偶然はあるだろうな」



「そうかしら・・・私もそうだと思いたいけどね」



しかし彼らは少し後に知ることになる。


この出会いは偶然とは言い難く、ましてやジェノムとクロニアが自分たちの仲間とよく似ていたことも、ただの偶然なんかではないということを。



「ほほう。これは驚いた、我が一族に伝わるマジンガンとは違うが・・・そこの獣人、そして女よ、シモンとやらの仲間か? キサマら何者だ?」



興味深そうにエンキドゥドゥとヨーコMタンクを見上げるジェノム。こうして声を聞き、話しかけられればロージェノム本人とは非常にかけ離れて感じる。


だが、何かを感じる。



(それに・・・先ほどの白髪の小僧に突き刺したのは紛れもなくドリル・・・)



(螺旋族・・・うそでしょ・・・)



アンチスパイラルとの戦い以来の緊張感をヴィラルとヨーコは感じた。


どうやらただの息抜き気分で来たつもりだが、かなり厄介な事情に自分たちは巻き込まれていると。



「さて、小僧よ。こうして会うのは初めてだな」



「・・・ええ・・・」



「近衛近右衛門や詠春にアルビレオ。名だたる英傑たちは随分と貴様を評価しているようだな」



身長も年齢も経験も遙かに劣るネギを頭の上からつま先まで見下ろしながら、ネギを見定めるジェノム。


その間もネギはジェノムに対する警戒心も怒りも解いていない。



「ふむ・・・・なるほど・・・先ほどのアーウェルンクスを救ったときの動きといい、こうして対峙して感じる雰囲気・・・たしかに戦闘能力においては目を見張るものがありそうだ」



「・・・・・・」



「それゆえか? 先程の話をチラッと聞いたぞ? 魔法世界の救済などという迷惑きわまりない、ふざけたことをしようとしているのは」



ふざけている? そうジェノムが言った瞬間、ネギはすぐに食いついた。



「なっ!? いいえ、そんなことはありません! 既に理論は証明しています! 僕の思いついた―――」



いきなり人を見下して全てを否定するジェノムの尊大な態度。ネギもカチンときてすぐに言い返そうとする。


しかし・・・



「出来る出来ないではない。迷惑だと言っているのだ」



出来る出来ないではなく、迷惑でしかない。


あまりにも身勝手な理由に、ネギは怒鳴るように言い返そうとする。



「なっ!? め・・・迷惑・・・!? この世界に何人の人間が生きていると思っているのですか!?」



「ならばそんなものをダラダラと生きながらえさせて何の得がある?」



「ッ、損得の問題ではありません! 関わるのは人の命です!」



「損得だ。生かしたときのリスクを考えよ!」



いちいち相手をねじ伏せるかのように高圧的に次々と厳しい言葉をぶつけるジェノム。


だが、そのやりとりを聞いていたこの男が、つまらなそうに溜息付いた。



「子供に当たるな、井の中の王よ」



「なんじゃァ? 獣人風情が!!」



口を挟んだのはヴィラル。彼はまるでつまらないものを見るかのように、ガンメンからジェノムを見下した。



「情けない。情けないな~。王としてではない。男として貴様は見るに耐えん」



「リスクを負うのはワシではない! 罪なき弱い者たちじゃ! そもそも地球と――」



「お父様!」



「ぬっ、クロニア・・・・・・貴様・・・」



相手の意見をとことん遮ろうとするジェノムの言葉をクロニアが遮った。



「ふん、勝手に首を突っ込みおって。狂い笑いは始末出来たのか?」



「・・・いえ・・・」



「では話すことなど無い! さっさと地球に戻っておれ!」



「いえ・・・その前に・・・今からお父様がお話しようとする内容は既に私が事前にネギ・スプリングフィールドに告げました」



「なにッ?」



「見返りが不透明なものに国も組織も動かない・・・魔法世界を救うそもそものメリット・・・戦争の危機・・・引き起こされる争いについても・・・」



「・・・ふ・・・なるほどな・・・つまり全てを知ってこの小僧はなお・・・」



「はい、ぶれないようです。ネギ・スプリングフィールド・・・そして彼の慕う、シモンという男。議論を重ねましたが・・・ですので、シモンの仲間と思われるそこの獣人も同じでしょう」



ユウサ、クロニア、ポヨの女。


ネギはここに来るまでに彼らから人間社会と現実の壁を諭された。


ユウサからは底知れぬ人間の悪意やエゴ。


クロニアとポヨ女からは人間社会の成り立ち。


つまり今のネギは、これからジェノムが怒鳴るであろう内容を全て理解しながらも、己の道を行こうとしているのである。



「なるほどな。それはそれで時間も短縮できて何よりだ」



少し意外だったのか、ジェノムは小さく口元に笑を浮かべた。



「では、小僧よ・・・クロニアが貴様との会話でした内容は知らぬが、あやつの言葉や考えはほぼワシと一緒。なれば、クロニアの言葉でぶれない貴様はワシが今から何を言ってもぶれないということになる」



「はい、僕が魔法世界を救うという思いは変わりません」



「では、貴様はこの滅びゆく魔法世界を存続させるということでよろしいな。それを踏まえて一つ確認したい」



確認。その言葉から更にジェノムから感じる重圧が重くなった。



「ワシも魔法世界存続の手段はいくつか思いついておった。しかしそれに伴うリスクが高すぎた。経済の破綻、軍事バランス崩壊による戦争などがな」



「はい、分かっています。政治・軍事・経済のバランスにどれだけの影響を与えるかなどは。しかし火星という広大な新天地や僕の救済案に欠かせない新技術の転用などは世界にとって大きな利益に――――」



「いや、その危機を回避するためにどう動くではなく、その危機に直面してしまった場合、貴様はどうやって責任を取るつもりじゃ?」



「!」



「実際戦争が起こったらどうする? どこかの政治家や社長のように頭を下げるのか? それともそんなちっぽけな命で償うか? リスクの割に合う責任をどうやって取るつもりだ?」 



方法ではない。論理ではない。

重要なのは、誰がその責任をどうやって負うのか。



「絶対に起こらせないなどは愚かな言葉だぞ? 想定外の事態をちゃんと想定して物を言っておるんだろうな」



「なっ!? 絶対に起こらせない、全てを救うこと、それのどこが愚かだと言うのですか!?」



「ふん、なら絶対に起こさないと言うのであれば、地球人類は何を持って貴様の言葉を信用すればよいのだ?」



「では逆に、その責任を負えないからあなたは救える命を見捨てるということですか!?」



「・・・なに?」



ネギの言葉にジェノムの眉が動いた。


それは一見、ネギのただの減らず口のようで、ジェノムの図星を突いていた。



「ふん、・・・痛いところを突くな・・・まあ、見捨てるというよりは魔法世界・・・いや、火星の問題に手を出さぬ最大の理由は別にあるが・・・」



「どういうことですか!?」



「いや、良い。あの男の息子に聞いたのがそもそもの間違いであった」



「良くありません! あなたが地球人類の王であるとあくまで言うのであれば、僕はあなたにまだ話があります!」



その言葉を突きつけられた瞬間、ジェノムは苦笑しながら頭を掻いた。



「狂い笑いが喜びそうな展開じゃ。立ちふさがる世界の壁を前にしてもほざくか・・・まったくもって・・・」



そして次の瞬間、ジェノムが纏っていた光が爆ぜた。





「―――ッ!?」





「小童がッ!! 天上のうねりに飲み込んでくれるわ!!」





渦巻く輝きは螺旋のように威力を増して天まで届く。


「くっ・・・なんという圧力だ!?」


「あかん、ネギ、このおっさんはハンパやない!」


「ネギ君!」


この圧倒的な威圧感は生半可な者からは感じ取れない。



「うん、すごい・・・ラカンさん・・・シモンさん・・・お父さん・・・あなたは明らかにその人たち側の領域にいる人ですね」



いや、それだけではない。



「ただ、シモンさんもラカンさんも僕と戦うときは色々な心遣いがありました・・・完全に敵意を向けられている分、あなたからはまるで心臓を握られているような感覚に陥ります」



明確な敵意と殺意。これまでネギはあまり馴染みの無かったものだ。



「ちょっ、なにやっとんのや、ネギ! もうお前もボロボロやろが!」



「バカ正直に構えるな、ネギ君! この男の強さは――!」



唯一あるとすればユウサぐらいだろう。


ただし、ユウサは殺意の中に相手をいたぶろうという感情や快楽の心で埋め尽くされていた。


一方でジェノムは、とことん相手を叩きつぶそうという完全なる威圧だ。



「分かっているよ、小太郎君・・・フェイト・・・でも、・・・だからこそ、そんなこの人と語り合うには僕も生半可ではダメだ。僕は僕の全身全霊を持ってこの人と語り合ってみせる!!」



圧される。しかし圧しきられてはダメだ。


ネギは、少しぎこちないながらも笑みを浮かべた。



「ワシと語り合うじゃと? キサマ、ワシと対等に語らえるとでも思っておるのか?」



桁外れの憤怒のうねり。気を抜いただけでも心に重圧がのしかかる。


だが、道を通すにはここで引き下がるわけにはいかない。


なによりも・・・



(なによりも・・・逃げるな・・・やってみろよと見られている気がする。お父さんや・・・ラカンさん・・・シモンさんに・・・)



ネギは自分一人だけでなく、お前の道を見せて見ろと背中を押されているような気がした。


だからこそネギは、押しつぶされるどころか、引き下がるどころか、足を一歩前へ踏み出したのだった。



「雷速――」



地面を強く蹴って駆け出そうとするネギ。


雷速瞬動。


雷天状態のネギにのみ扱うことが出来る雷化による、雷の速度。


その速度に反応できるのは・・・




「うぬらあ!!!!」




「ッ!?」




結構いたのだった。



「ネギくん!?」



「ちょっ、なにがどうなった!?」



飛び出そうとしたネギの目の前にはでかくて重いジェノムの拳。


ネギはカウンター気味にジェノムに殴り飛ばされる。


しかし普通の者たちには、ネギが何もしないで吹っ飛ばされたようにしか見えなかった。


それはあまりの高速のやりとり故に常人には目で追うことは不可能だったから。



「さすがはジェノム・・・ネギ君の雷速を初見で見切った!」



「例え何年も王座に居座って実戦に出ていないとはいえ、錆び付いてはいないか」



「ラカンのおっさんでも初見ではくらったが・・・あのおっさん・・・やるやないか」



この中で見切ることが出来たのは、フェイトとデュナミスと小太郎だけだ。



「ちょっと待て・・・何だ今のは」



「なんて早さなの?」



「・・・これほどか・・・」



「ふっ、拙者もももはや・・・」



「桁違いアル・・・」



今のネギの速度はヴィラルにもヨーコにも瀬田にも目に追えないほどであった。


だが、それほどの力でありながらも、まるでつまらないものを見たかのように、ジェノムは失望の声を上げる。



「くだらなすぎるわ。マギアエレベア(闇の魔法)の術式兵装だと? そんなカス吸血鬼が遙か昔に編み出したような古くさい魔法で、進化を続ける螺旋の力に及ぶとでも思っているのか?」



くだらない。


誰もが目を見張るであろうネギの力を、たった一言で片づけた。


すると、壁に激突して瓦礫に埋もれたネギが、瓦礫をかき分けて低い声で呟く。



「ッ・・・・・・・カス吸血鬼? それは・・・誰のことを言ってるんですか」



「キサマに戦い方を教えた闇の福音に決まっておろうが!! 信もなく誇りも野心も無く、怠惰な日常でふんぞりかえっている害虫よ!!」



「・・・・・・ッ・・・・」



「そんなカスが少々の強さを持っていたぐらいで軽々しく師と仰ぐキサマの器もたかが知れるというものだッ!!!!」



「―――ッ!!??」



追い打ちを駆けるように向かってくるジェノム。


だが、そんなものは今のネギにはどうでもいい。


それよりも、この男は今、何を言った。



(マスターのことを・・・)



明るく語れる人生を送った者では無いが、それでも自分が尊敬する師であるエヴァンジェリンを侮辱した。



「訂正してください!」



「する必要など無い!!」



「マスターことを・・・何も知らないくせに、僕の大切な人を侮辱するなッ!!!!」



「ぬッ――――」



ジェノバが拳を振りかぶった瞬間、ネギの姿が思いのほかジェノムの間合いの奥深くまで踏み込んでいた。


それは殴り飛ばされて立ち上がったネギが、なおも足を前へと踏み出したからだ。



「ちいッ!」



踏み込んだネギの拳が、ジェノムが攻撃をしかけると同時に放たれた。


これは相手の攻撃にかぶせる相打ち狙い。



「ああ、ネギ君!!」



「は、速すぎてネギ君が殴られてるしかわかんないよー!!」



「あの、おっさん・・・まじでやばいよ・・・」



だがジェノムは咄嗟にネギの拳を回避して、自身の拳だけをネギに当てた。



「いや、今のは浅いで!」



「ああ。少しジェノムも面食らったような感じだ」



しかし回避しながらの攻撃だったために、ネギに深いダメージは与えられなかった。


だからこそ、殴られたネギはまたすぐに立ち上がり、乱れた息をゆっくりと整えていく。



「・・・おしい・・・もう少しでした・・・」



もう少しで・・・当てられたのか?



「自惚れるな! 微塵も惜しくないわ!! 何度も言うが、その程度でワシにモノを申せると思うな!!」



だが、ジェノムはネギのつぶやきに激高する。

当然だろう。権力であろうと腕力であろうとジェノムは己をこの世で最上のモノであると捉えている。

その力を、たかが10歳の少年が及ぶ程度だと思われたのだ。

だが・・・



「申しますよ。力のあるなしであなたにおける物差しが決まるのなら、僕はいくらでも力で語ってみせますよ」



「なに~?」



ジェノバは言った。「その程度の力で物申せると思うな」と。

ならば力さえあれば物申せるということだ。ならば、望むところだ。

力のあるなしで意見を聞いてもらえるのなら、いくらでも力で語ってみせる。

殴られた頬が痛むが、こんなもので自分がへこたれると思うなと、ネギはぶれない。



「ジェノムさん。クロニアさんもフェイトも・・・みんな同じ思いを持っています。それは・・・世界のためにということです。ならそれを、どうしてこの世界に住む人達のためにと思えないのですか?」



ダメージと今日一日中の疲労で両足がフラつくネギだが、ハッキリとした口調でジェノムに告げる。

するとジェノムが明らかに不快そうに眉をひそめた。



「くだらぬ。くだらぬぞ! これはもはや救いたいとか救いたくないとかそんな感情の問題ではない!! ようやく政治的にもまとまり始めたところに、親子揃って邪魔をしおって!! ワシらにとっての世界はあくまで地球!! こんな偽りの世界などどうなろうと知ったことか!!」



「む・・・親子・・・父さんのことですか!?」



「ああ、その通りだ。そもそもこの問題は20年前に本来解決するものであった。それをキサマの父親が感情的に盤上をかき乱し、問題を先延ばしさせおった!!」



「違う! 乱したんじゃない! 父さんは・・・全てを救おうとしたんだ!」



「それがどうしたァ!!」



ジェノムが繰り出すドリルと化した腕のパンチ。

例えそのパンチを回避したとて、回転したドリルの渦がネギの皮膚を切り刻む。



「戦の勝ち負けも重要だが、最も重要なのは勝利を得た後に何を成すかだ! しかしあやつは何も成し遂げられずに問題だけを未来へ丸投げして勝手に消えた! 立派な大義を掲げようとも、何も成せないのであれば所詮は現実を分からぬ夢想家に過ぎぬ!! その最たるのがサウザンドマスターよ!! 奴は本来の世界の流れを乱すだけ乱して勝手に消え、結局は何も成し遂げられなかった愚か者よ!!!!」



「―――――ッ!!??」



その瞬間、ネギの中で何かが弾けた。



「ふ、ふざけるなァ!!!!!」



「ぬっ!?」



気づいたらネギは自然と叫んでいた。




「人の思いを理解せず! 諦めて、見捨てて、消えていく人たちをどうでもいいと言う! そんなあなたに・・・・・・愛を知るマスターや・・・全てを救おうとした父さんをバカにするなッ!!!!」




「くだらぬ! 世界を背負うなら心や過程で語るな! 何事も結果で語れ!!」




「あなたは全てを失うという結果しか出さないではないですか!! 魔法世界相続が迷惑? そんなふざけた理由で引き下がれるもんか!!」




ここだけは絶対に下がるわけにはいかない。負けるわけにはいかない。



(そんな簡単に世界が滅んで良いというのが世界の流れになるんだったら、何のためにみんな・・・)



ジェノムが述べる理由。


幻である。異星である。社会や政治や損得の感情。



「そんな理由・・・どれもこの世界の人たちが消えていい理由になんかなるもんか!!」



「黙らんか!! 十年しか生きとらん小僧が、千年懸けて世界を導いたテンジョウ家に何を言うかッ!!!!」



突如降り下ろされるジェノムの拳。



「ネ、ネギッ!?」



「先生ッ!?」



「ネギくんッッ!?」



力任せに振り下ろされるその拳骨はまるで隕石の様な密度をまとってネギに下ろされた。


当たれば全身の骨が砕け散るだろう。


下手したら、肉片が飛び散るかもしれない。


だが、だからどうした!



「ハアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」



逃げない。


ネギは避けない。


代わりに、ありったけの思いを乗せた拳を同時に打ち返した。





















「しかし今回ばかりは本当に・・・俺も疲れたよ・・・」



もう十分だ。


久しぶりに出し切った。


それどころか懐かしき戦友とも再会できた。


これ以上求めるものなどありはしない。とてつもない脱力感と達成感を感じながら、シモンはその場で仰向けになって倒れようとする。


だが、少しぐらい休んで良いだろうと思っていたシモンに、それすら許さぬ厳しい女が今そばに居た。



「おっと、隠居したおじいさんではないのだから、だらしなく休むなんて許さないヨ」



シモンの腕をひっぱり、自分の肩に手を回す美しき女。


身長は当然シモンの方が大きいのだが、今の彼女はシモンの隣にいてもまったく違和感もない。


むしろお揃いのコートを着て、とてもお似合いのようにも見えた。



「一段落着いたっていうのに、お前は俺には厳しいんだな、超」



「当たり前ヨ。私を誰だと思っているネ」



誰だと思っている? 知っているさ。


シモンは苦笑する。


お前が穴掘りシモンを誰よりも知るように、俺だってお前を誰よりも知っている。



「そうだったな。俺はお前の前ではそうでなくちゃな」



「ウンウン。まっ、今は木乃香さんたちも居ないことだし、嫉妬光線を受けないと分かっているので肩ぐらいは貸してあげるネ」



「ああ、頼むよ」



「おほ、役得役得ネ♪」



シモンにとっては数カ月ぶりの再会。超鈴音にとっては数年ぶりの再会。


だが、この二人は昨日会っていようと100年後に会っていようと変わらないと思えるほど息が合い、理解し合い、そして繋がっているようにも思えた。


カミナとも違う。ニアとも違う。美空たちとも違う。これがシモンと超鈴音のあり方だった。


どうして超鈴音が再びこの時代に来たかは知らないが、シモンはたまらなくうれしく、また彼女も同じ気持ちであった。



「そういえば、お前はどうしてこの時代に? 小旅行とか言ってたけど、本当にそれだけなのか?」



「ん? まあ、私にもあれから色々とあてネ。やるべきことはあるが大半はみんなに久々会いたくなたという気持ちネ。それに今の私なら・・・」



超は自信満々の笑みで胸を張る。



「今の私なら、あなたに誇れる自分だと胸を張れるネ!」



シモンたちと会いたい。しかしあの学園祭の別れと誓いがある限り、半端な形での再会は彼女自身が許さなかった。


しかし機は熟した。それが今の彼女なのだ。だからこそ彼女は自信満々の姿で胸を張ってこの時代に再び足を踏み入れたのであった。



「そうだな・・・ああ。似合ってるぞ。その背中のコートに記された・・・俺たちグレン団のマークがな」



「むっむむむむ、なんだか照れくさいネ~」



「照れるな。もっと胸を張れよ。それとも大グレン団のリーダー穴掘りシモンの保証じゃ不服か?」



「む、む、もう、シモンさん! 私はもう中学生の子供じゃないネ。そんなこと言われたって・・・むふふ・・・う、うれしいと感じるほどもう子供じゃないヨ」



精一杯顔のニヤケを止めようとしながらも、うれしさを隠しきれない超鈴音であった。


さて、そこで照れ隠しのように超は一呼吸。



「と、とにかく、シモンさん。ネギ坊主たちの戦いはまだ終わってないネ。いつまでもここでイチャついている場合ではないネ」



「確かに・・・と言っても、もうフェイトもネギと戦う気はないだろうし、この戦いは・・・」



確かに主要な敵はもう倒した。・・・あれ? 

ひょっとしてこの戦争はもう終わりなんじゃないか?

シモンがそう思いかけたとき、超は急にまじめな顔つきになった。


「主要な敵は倒しても・・・ラスボスはまだ残っているネ」


「ラスボスだと?」


「うむ・・・今回のこの魔法世界での戦いは、ネギ坊主が思いついた道に世界が納得しなければ意味がない。たとえフェイト・アーウェルンクスや完全なる世界を倒してもそれは変わらない」


フェイトたちの目的は魔法世界を消滅させること。そうすることにより、地球と魔法世界の関係を永久に絶ち、これから起こりうる全ての脅威を予めに除去することだ。

そして重要なのは、その考えや手段に賛同する者が・・・


「完全なる世界のやり方に賛同する者は他にもいるネ。彼らにとってもネギ坊主は邪魔な存在・・・」


「・・・つまり・・・」


「そう、つまり居るヨ。ネギ坊主が倒さねばならぬ世界の頂点が・・・」


超の言葉を聞いて、シモンはクロニアとの会話を思い返す。

彼女こそネギの意見の反対の立場。そして彼女の父親であるという・・・



「ジェノムだったか・・・ユウサやアムグが言ってたのは・・・つまりそいつがラスボスってことか・・・」



まだ見たことないが、あのユウサやアムグですら一目おき、あのクロニアの父親でもある螺旋族。


かつて1000年前に、偶然この宇宙の地球に螺旋界認識転移システムで逃れたと思われる螺旋族。


ジェノムとクロニアはおそらくその子孫。


そしてその螺旋の力を受け継いだテンジョウ家と呼ばれる家が、今の地球の社会を影で支配している。


魔法世界を救う以上、これから世界に打って出るネギには決して避けては通れない・・・




「いいや、ラスボスはジェノム・テンジョウではない」




「ああ。・・・・・・・・・って、えっ!?」




しかしそこで超は否定したのだった。

それは意外な言葉であり、シモンも聞き返してしまった。



「まあ、口喧嘩は分からぬが、ぶっちゃけた話しジェノムではネギ坊主には勝てない。なぜならジェノムの螺旋力は明らかにシモンさんと種類が違うネ」



「えっ? 種類? ちょ、・・・何言ってんだ? 螺旋力に種類とか、何でそんなことが分かるんだ?」



「分かるネ。なら、クロニア・テンジョウとシモンさんは戦ったようだが、実際に戦ってみてどうだたネ? 多少は手こずったけど意外に簡単に勝てたのでは?」



「・・・それは・・・確かに・・・」



クロニアとの戦い。


思い返してみれば、確かに多少は能力の力で圧倒されていた場面もあったが、蓋を開けてみれば自分の圧勝だった。


それはクロニアがワープや螺旋力の扱う技術、さらにはマジンガンというガンメンを駆使しても同じだった。



「螺旋族は闇雲な本能に身を任せるたびに輝きを増す。だが逆に、自分自身を心ごと縛り付けてしまえば、どんなに螺旋力を扱う技術やオーラの量が多くても、そこに篭った密度が薄くなる・・・つまり弱くなるネ」



確かに、心が動揺したり、弱気になったりやさぐれた時の螺旋力は桁違いに弱くなる。

ラガンやグレンラガンを上手く操縦できなくなること、ドリルが砕け散ることもあった。逆に心を強く持ち、絶対に諦めずに足掻きまくっているときの螺旋力は途方もなく強い。



「かつては銀河最強とまで言われた螺旋王ロージェノムに幼いときのシモンさんが勝てたのはそれが原因。まあ、螺旋王は途中で血が騒いで少しシモンさんも危なくなったようだが」



確かにそうかもしれない。



「多分、ジェノムはネギ坊主が嫌いで否定する。現実主義者のジェノムだからこそ、キラキラと綺麗事を言うネギ坊主を否定する。だが、それは未来への希望を否定することと同じ。それを否定すれば否定するほど、怒れば怒るほど、螺旋の力は主に力を貸さないネ」



今にして思えば、アンチスパイラルに負けたとはいえ、カテドラル・テラを筆頭に、銀河系の螺旋族たちを率いたロージェノムに幼かった時の自分が勝った。

いくら気合だとか信じる力がどうとかでは片付けられない。きっとロージェノムも1000年前は途方も無く強かったのだろう。

しかし千年の倦怠の海に沈んで己の本能も心も封じたからこそ、過去よりも弱くなってしまった。

だからこそシモンも勝てたのかもしれない。


「なるほど。だからか」


「そう、つまり螺旋族はネガティブになると弱くなり、熱血バカな敵に弱い!!」


つまり・・・


「ジェノムも本来の心を開放すればきっと無敵ネ。しかし彼の立場と背負いすぎた重荷がそれを出来なくした。それでも狂い笑いや不動のアムグやエヴァンジェリンさんのようにヒネくれた心の持ち主よりは強い。しかし、ネギ坊主相手には弱い」


「ジェノムとクロニアは、俺やネギとは相性が悪いってことか・・・性格的に・・・」


「うむ。ネギ坊主はこれまで何度もシモンさんの戦いを見て、時にはシモンさんと戦うこと、共に戦うことによる合体などで螺旋力を肌で感じている。ネギ坊主は多分、ジェノムを凄いと感じても、意外とそれほどでもないと感じているかもしれないヨ」


それは考えもしなかった。

未だに螺旋力に関してはシモンもぶっちゃけて知らない部分が多い。

だが、心が弱くなれば螺旋力も弱くなり、相手の心がどこまでも真っ直ぐだと貫かれるなど、根拠もないのに何故か納得できた。


(よくアニキが気合気合って言ってたけど・・・本当に気合が全ての源だったんだな・・・)


確かに一度決めたらネギはぶれないかもしれない。時にはその思いを通すために自分にすら立ち向かってきた。

ならば、超の言うとおり、ネギはジェノムにきっと勝つだろう。



「・・・って、あれ? それじゃあ、ネギのラスボスって誰なんだ?」



そこでハッとした。ジェノムがラスボスではない。ならばネギが戦うラスボスとは誰だ?



「シモンさんはゲームをやらないか? 物語のボスを倒した後には真の裏ボスがいることを。隠しボスとも言うが・・・」



「お、おい、何を・・・」



すると超が妙なことを聞いてきた。

ゲーム? 裏ボス? その例え話はシモンには分かりづらかった。



「今回のラスボスはフェイト・アーウェルンクスとジェノム・テンジョウ・・・しかし真の裏ボスは、別に『3人』いる」



「さ、3人だと!?」



「そのうちの一人が『始まりの魔法使い』そしてもう一人がシモンさんといずれ相見える『堀田』という男。そしてもう一人が、今回ネギ坊主と戦うことになる・・・」



まだ終わっていないのか?

フェイトをシモンが倒し、ジェノムをネギが倒せばこの戦いは終結するのではないのか?

今の超の言葉は、まるで今から本当の戦いが始まるような口ぶりだった。



「だ、誰なんだよ、誰なんだよその人物は!?」



「これはネギ坊主には必要な戦い。シモンさん・・・話はするが条件として・・・シモンさんは今から始まる戦いには一切の手出しは無用で頼むネ」



そして語られる・・・



そして知る・・・



全ての真実を・・・





後書き。


お・・・・・・・お久しぶりです・・・実はコッソリ生きていました。

いやーーーーーー、自分で書いていた内容を忘れた。どこにどのキャラが居るとか、多すぎて分かんねえ。
間が空きすぎると本当に困ります。

とにかく、もはやどうなるかなど私にも分かりません。

もはやグダグダとなってしまい、申し訳ありません。
最終更新:2012年01月10日 13:52
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