かつてこの国には神が存在していたと言われている。
しかし、その神もとうとう寿命を迎え、遺言を残した。
「わしが死んだら親族のどこかに子供が生まれる。
その子が次の神になる子供じゃ。大切に育てるんじゃ」
平和だった世界で神の最後の日はやってきた。
そして予言の通り一人の子が生まれた。
元気な男の子。
「わしゃー、わしゃー」
と泣く姿は誰の目にも鮮明に焼きつき後世に語り継がれていった。
その男の子はそれはもうかわいがられ、甘やかされて、すごく甘やかされて、とっても甘やかされて、
自由気ままに成長した。
男の子はいつも自分が中心だった。
それがままならない時は機嫌が悪くなりその場からいなくなった。
でもみんな男の子をかわいがり、そして甘やかした。
そして男の子が19歳になる日、神になる時がやって来たのだった。
最終更新:2010年02月01日 20:16