あらすじ
単行本第1巻
家の借金返済のために親から斡旋された家庭教師の仕事を引き受けた風太郎だったがその生徒は一卵性の五つ子で全員が赤点候補の問題児だった。
風太郎は戦国武将が好きな三女の三玖の信頼を勝ち取るべく武将の話題を糸口に関係を構築しようとするが知識の浅さが露呈し逆に見下されてしまう。風太郎は戦国武将に関する本を読み漁り戦国クイズで三玖にリベンジする。三玖は五人の中で一番優秀な成績だったが自分が一番の落ちこぼれだと感じており、自分に自信がなかった。自分ができることは他の姉妹にもできると言う三玖だったが他の四人に出来ることは三玖にもできる、五つ子全員が100点を取れる潜在力があることを風太郎に示された。そして自分と向き合うために努力したことを知ると三玖は風太郎を家庭教師として認めたのであった。
次女の二乃は中野家に入ってきた風太郎に対して特に嫌悪感を露わにし家庭教師の仕事の邪魔をしようとする。今日は家庭教師としての仕事はできないと考えた風太郎は中野家のマンションを後にするが財布を忘れたことに気付き中野家に再度入るがそこにいたのは…
単行本第2巻
風太郎は落ちてくる本からかばうために二乃に覆いかぶさるが、風呂上がりでタオル一枚姿の二乃を押し倒す形になり襲おうとしたと誤解され、さらにその瞬間を五月に写真に撮られてしまう。三玖の弁明と五月の指摘で辛くも誤解は解けるが他の姉妹との溝を感じた二乃は部屋着のまま外へかけだしてしまう。今度こそ中野家のマンションを去ろうとする風太郎だったがマンション入口には入れずに座りこんだ二乃がいた。姉妹が好きだからこそ異分子の自分が中野家にいることが許せないのだろうと風太郎に指摘された二乃は姉妹に嫌われてでも風太郎のことを認めないと決意を新たにするのだった。
久しぶりの休日で勉強に精を出そうとする風太郎の下に給料を預かった五月が訪れる。法外な金額に驚き借金もすぐに返済出来ると考える風太郎だったが自分は何もしていないと言い突き返そうとする。五月は風太郎が姉妹達に変化を与えていると応え返金を認めなかった。給料の使い道に困った風太郎はらいはと五月を連れてゲームセンターを満喫するがその帰りに浴衣姿の五つ子に遭遇する。
花火は五つ子にとって母親との想い出を象徴するものだった。ところが人ごみに流され五つ子はバラバラになってしまう。姉妹そろって打ち上げ花火を見て欲しいと奔走する風太郎だが、長女の一花は仕事があり自分はみんなと花火を見れないと言う。一花に詰め寄るが逆になぜそこまでするのかと質問され風太郎は答えに窮する。そこに一花の職場の中年男性が近づいてきたため二人はカップルの振りをしてやり過ごそうとするが一花と見間違えた三玖を男性は強引に連れて行こうとする。それを見た風太郎は三玖の腕を取り自分は五つ子のパートナーだと宣言する。
誤解は解け一花は映画のオーディション会場に向かおうとする。作り笑いを風太郎に指摘され、お互いの本心を知った一花はオーディションで最高の笑顔で演技を行うことが出来たのだった。結局花火大会に一花は間に合わなかったが、四葉が買っていた市販の花火で五人はお互いの絆を確認しあう。
一花がメールアドレスの交換を持ちかけ、半ば強引に他の姉妹ともアドレス交換を強要される風太郎。協力的な三玖と四葉は快諾し、五月はらいはとの連絡先を交換条件に、二乃には他の姉妹からの仲間外れになることを指摘しアドレス交換を了承させる風太郎。四葉はスケットとして大会に参加していたバスケ部に呼び出され部室で勧誘を受けるが才能がない自分を応援してくれる風太郎の期待に応えるために辞退したのだった。
風太郎はアドレスを交換する際に生徒手帳を二乃に渡したままだったことに気付く。自室で寝ている二乃の部屋に入る風太郎だったが二乃は手帳を返す代わりにピアス穴を開けることを要求する。ピアス穴を開けようとする際に生徒手帳に隠していた5年前の自分が写った写真を二乃に見られてしまう。実はこの写真は半分に折られており、もう半分を見られなかったことに安堵する風太郎。その半分に写っているのは昔の五つ子の誰かだったが誰もまだそのことには気付いていない。
単行本第3巻
風太郎が家庭教師の仕事を引き受けてから初めての中間試験を迎えようとしていた。意固地になっている五月、姉妹のために振り払おうとする二乃の二人とは未だ距離を埋められずにいた。一花、三玖、四葉とは良好な関係を築けたもののこの三人も成績は伸びていなかった。悩む風太郎は五月のスマホ経由で中野父から中間試験で全員赤点回避を出来なければ解雇することを告げられてしまう。
風太郎は五月に中間試験の対策について尋ねるが、五月は転入初日に教師として頼り無下に断られたことを根に持っており、風太郎の指導を固辞しようとする。風太郎も家庭教師を解雇されるかもしれない焦りから苛立ちを隠せず、売り言葉に買い言葉で二人の仲は完全に決裂してしまう。
風太郎は中野家のリビングで五月とのやり取りを後悔していた。風太郎は家庭教師の仕事はもはや自分のためだけではなく、5人とらいはの人生を背負う行為に等しいと考え始めていたのだった。五月に先日のやり取りを謝ろうとする風太郎だったが取りつくしまもなかった。一花の機転で急遽泊まり込みで勉強を教えることになり勉強時間の確保と五月との仲直りをする機会が出来たと喜ぶ風太郎。中野家の浴室の湯船に浸かる風太郎に扉越しに五月が風太郎に呼び出されたと話しかける。身に覚えのなかった風太郎だがこれ幸いにと先日のやり取りを謝罪し、五人の試験の結果次第で家庭教師を解雇されることを伝え協力を仰ごうとするが、実は話していた相手は五月のふりをした二乃だった。
家庭教師として認めていない二乃に赤点で解雇されることを知られてしまい焦る風太郎。自室で自習をしていた五月はリビングにいる三玖にヘッドホンを借りまた自室へと引き籠ってしまう。五月との不仲を感じ取っていた一花は風太郎をリビングへと連れ出し、二人は似た者同士であると話し、不器用で素直になれない五月と仲直りして欲しいと頼むのだった。長女として振る舞いに感心した風太郎は一花の頭を撫でるリビングに戻ろうとするが、その時一花は風太郎のことを異性として意識し始めたのだった。客人ということで三玖の部屋を借りた風太郎だったが寝ぼけた三玖は自室に入り風太郎と同衾し朝を迎えてしまうのだった。
翌朝リビングで一花と二乃はイタズラで五月を三玖に変装させ風太郎の下に行かせるのだった。三玖に扮した五月が風太郎の下に訪れるが、風太郎は変装した五月だということに気が付くものの部屋に三玖が寝ていることを気付かれまいと慌てて追い出してしまう。五月との関係をこのままにしていいのかと悩む風太郎だったが、もし姉妹の誰かが留年することになれば自身も留年すること、そして風太郎を信頼していることを四葉に告げられ五月と仲直りすることを決意する。素直になれない二人だったが三玖に扮した五月に対して三玖に話しかけるという体裁で風太郎は五月に謝り、五月も三玖であるふりをして先日の非礼を風太郎に詫びたのだった。
6人の努力は力及ばず中間試験で五つ子は全員赤点を取ってしまう。中野父に対して成績を正直に伝えようとする風太郎だが二乃は五つ子それぞれが1科目で赤点を回避したことを利用して、5人全員で赤点を回避したと伝え風太郎の家庭教師解雇を回避したのだった。
三玖はコロッケを作るが料理下手なため黒こげにしてしまう。完璧に作れるまで作り続ける三玖だが、味見役の風太郎と四葉は大量にコロッケを食べさせられてしまう。リビングでダウンしている風太郎は出かけようとしている二乃と五月に勉強をさせるため四葉に引き止めさせようとするが、嘘が下手な四葉は風太郎が「動くと死ぬ病気」だと言い引き止めることに成功する。五つ子が寝込んだ時に中野母がやっていたように、手を握るおまじないを五月にして欲しいと四葉は言うが、五月と風太郎との溝はあり手を握ることは出来なかった。結局風太郎が病気であるという嘘が露呈し二乃と五月は怒って出て行ってしまう。試験前と人間関係が変わらないとぼやく風太郎だが、4人が変わっていくことを四葉は感じ取っていた。そして、四葉が最初に変わってくれたことに感謝を述べる風太郎だが、四葉は風太郎に味方をする理由は『好きだから』と唐突に告白する。すぐに嘘だという四葉だが風太郎は動揺を隠せなかった。
林間学校ではキャンプファイヤーのダンスのフィナーレで踊っていたペアは生涯を添い遂げる言い伝えがあった。一花はクラスメイト達に林間学校の打ち合わせがあると呼び出されていたが仕事の都合で三玖に影武者を依頼した。呼び出された場所に向かう一花に扮した三玖だったがそこにいたのは一花のクラスメイトの前田一人であり、キャンプファイヤーで共に踊って欲しいと言われてしまう。答えに窮する三玖に風太郎が助け船を出そうとするが自分は風太郎と踊る約束があると言ってしまう。一方らいはは体調を崩し学校で倒れてしまう。
林間学校に向けてショッピングモールで姉妹達と買い物をしていた風太郎だがらいはが倒れたと聞き急いで自宅に向かう。看病のため風太郎は林間学校を欠席しようとするが帰宅した勇也に今からでも林間学校に行くように勧められる。快復したらいはにも林間学校に行くことを勧められたものの既にバスは出立していた。しかし、五つ子達は江端に車を出させ風太郎を迎えに来ていた。6人たちがさまざまな思いを胸に抱き林間学校が始まった。
最終更新:2018年11月15日 08:48