12日間戦争

ミスト:
   [
   私は、幼き頃に魔導師としての素質を見出され
   神官を養成する学校への入学を許されました。
   その時 皇女イルミナ様 と
   お会いする事ができたのです。
   魔導師になるには、強い信念が必要です。
   手に入れた力で、何を成し遂げたいのか?
   ハッキリ思い描いて、それに向かって努力するのです。
   人は私を天才と言いますが、それは違います。
   あえて言うならば 努力の天才 なのでしょう。
   魔法に関する詳しい話は、そこに立っている
   ダニエル に聞いてください。

   [
   ドラキア帝国 で古くから信仰されている宗教です。
   開祖の名を取って、こう呼ばれています。
   ドラキア皇帝も、熱心な崇拝者でいらっしゃいます。
   12日間戦争 で、栄誉の死を遂げられた
   カミナ様 は私の師匠でした。
   なにより神を愛し ダイアロス島民の魂を救済する
   事を、強く望んでおられたのに…
   亡くなった カミナ様 に代わって
   私がラル・ファクの精神を引き継ぎ
   この島の恵まれない民を救おうと、決意しています。
  
   [
   イルミナ様 と私は、幼なじみです。
   私は女王様を、実の姉のように慕っております。
   イルミナ様には、果たしたい使命がおありです。
   エルガディン人との戦も、この島の統一も…
   全ては、その使命のため。
   退く訳には、いかなかったのです。
   今は アクセル様 に誤解されていますが
   いつも民の事を考え、愛していらっしゃる方なのです。
   私は、そんなイルミナ様のお力になれたらと
   いつも願い、そして祈り続けています。

   [
   いつからか、どこからか…この島の事が
   帝国でも、噂されるようになりました。
   いわく、言語を操る動物のような種族がいる、とか。
   瞬間移動できる不思議な建物がある、とか。
   数多くの噂の中で、皇帝の気を引いたのが
   強大な力が秘められている 秘石 の話でした。
   彼は、この秘石のパワーを使って
   帝国の周辺諸国を、平和裏に統合しようとしています。
   世界平和のため ノア・ストーン を手に入れる。
   素晴らしき神の愛 ラル・ファク教 を広める。
   この島を ドラキア帝国の統治下 におく。
   これが、私たちの宿命なのです。

   [
   私は、忌まわしき神に惑わされている
   未開の民を、救わねばならぬのです。
   彼らの魂を、開放しなくてはなりません。
   イルミナ様は ノア・ストーン を制御して
   この地に平和をもたらすのが御使命……
   誰に何と言われましょうとも、私たちは進みます。
   ラル・ファク、イル・ファッシーナ。


シルケ:
   あぁ…コレですか? 神学校の課外授業なんです。
   12日間戦争を勝利へと導いた3人の英雄
   【トライデント】 を学びに来ました。
   しかし…、ビスク軍が有利だったのに
   なぜ、3人もの英雄が死んだのでしょう?
   僕には、その謎が解けないのですけれど…。


デービッド:
   この像の前で待ち合わせしてんだけどよ
   彼女がこねーの!
   信じられる? 信じられねーよッ!
   ……オレ、フラれたんかな?

   [この像について]
   イルミナ様がぁ、軍隊を率いて
   この大陸を開放しに来た時の戦いを
   12日間戦争 って言うんだよね。
   ここまで、オー・ケー?
   その時に戦死した3人の英雄は
   トライデント と呼ばれてんだ。
   横にある像は、アルケミストの カミナ様 だ。
   アクセル 様の恋人だったらしく
   最期まで、奴を守って戦っていたそうだ…
   泣かせるよな…男を守る健気な女ってよぉ…

   [ビスクについて]
   この公園もそうだけどよ、ビスクの街あんじゃん?
   エルガディンの首都をぜーんぶ壊して
   その上に建てたらしーぜ?
   オレたちビスク人ってさ
   ダイアロス島の主人みたいな顔してっけどよ
   8年前にゃ、居なかったんだぜ?
   今となっちゃ、考えられねーよな…

   [女王イルミナについて]
   イルミナ様って、何やってんだろーね?
   姿とか、ぜーんぜん見ねーんだよな。
   オレたち市民をほったらかして
   何やってんだろーね?
   俺さ、政治とか難しい事は
   よく分かんねーけどよ、
   アクセル様が指導者でもいーんじゃね?
   ラル・ファク、イル・ファッシーナ。


ジョディ:
   風に乗って広がる、海の香り…
   遠くから聞こえてくる、海鳥の鳴き声…
   これらは ビスク に来て発見した喜びです。

   [この像について]
   イルミナ様 が軍隊を率いて
   この島を解放しに来た時の戦争を
   12日間戦争 と言います。
   その時に戦死してしまった3人の英雄は
   トライデント と呼ばれています。
   イルミナ様の像を守るように立っている3体の像は
   トライデントを称えて、建てられました。
   私の横の像は、勇猛なフォレスターであった
   ジュネ様 の銅像になります。
   エルガディン人に敗れはしましたが…
   最期まで戦いぬいた、男らしい方なのです。

   [ビスクについて]
   この街は、エルガディン人の都を壊して
   その上に建てられました。
   彼らの魂を解放するためには、仕方のない事です…
   だって、そうでしょう?私たちが来なかったら
   彼らを救う神なんて、現れませんよ…?
   空飛ぶニワトリみたいな、あの 愚鈍な竜 には
   とうてい無理な話ですもの。
   私は、彼らを憎んでいませんし、蔑んでいません。
   ラル・ファク教 の素晴らしさを知らないだけ…
   だからこそ、魂を救わねばならないのです。
   そのために、私たちは来たのです。

   [女王イルミナについて]
   私が知っている事は…そうね。
   ノア・ストーン を使えば
   世界中が平和になるって事かしら…?
   イルミナ様は、エルガディン人が持っていた
   秘石ノア・ストーン を制御すべく
   未だに、苦労なさっているとか…
   私も手助けしたいけど…、それは無理よね。
   イルミナ様の手助けができるのは
   ミスト様 ぐらいじゃないかしら?
   一刻も早くノア・ストーンを制御して
   世界平和のために、役立てて欲しいわ。

   かの12日間戦争で、夫を亡くしてしまった私には
   たった1人の家族が、大切な娘がいるのですが…
   ささいなケンカから、家出してしまいました。
   名前は リン って言うの。
   見つけたら教えてくれませんか…?


フィレーニ:
   私の顔を覚えているのか…?
   フッ…そんな訳はないよな…
   名も地位も勲章も捨てた、ただの男だ。

   [この像について]
   女王イルミナ率いる、ドラキア帝国の軍隊が
   この島に到着した時の戦争を 12日間戦争 と言う…
   その時に戦死した3人の英雄は トライデント と
   呼ばれていた…
   横に建っている像は ホルテ様 の像だ。
   私は彼の右腕として、戦場を駆け回ったものさ。
   あの3人は先陣を切って、エルガディン軍を崩し
   ノア・ストーンを奪うために、犠牲となった…
   アクセル様 も活躍されていたが…
   ホルテ様 ほどじゃなかろう…
   軍隊を辞めた私は、今でもこうして
   彼の面影を懐かしく思い出しているのだ…

   [ビスクについて]
   この街は、ホルテ様が自ら犠牲となって
   勝ち取った土地の上に建っている……
   何としても、私たちの手で発展させなければ
   と思っている所だ…
   この街の至る所で、ギルドが発達しつつある。
   8年前からは、考えられんスピードだ。
   街の発展のためにも、ぜひ入会してくれ。
   ウォーリアーギルド[武閃(ぶせん)]へ入りたいなら
   この像の後ろに続く道を、進め。
   ジオベイ闘技場 の前にあるぞ。

   [女王イルミナについて]
   彼女は、不安なのだと思う。
   ノア・ストーン を制御すべく、焦っているのだろう。
   12日間戦争で3英雄トライデントを失い
   ミスト様とアクセル様しか頼るべき武人はおらぬ…
   ウォルフガング様は
   アルビーズの森 へ去ってしまわれたし…
   我らに都を追われたエルガディン人は
   首都奪還を企んでいる と聞く。
   イルミナ様は、ドラキア帝国とエルガディンの
   板挟みになっているのではないか?
   私なぞが心配するのは、変だろうか…?

   ホルテ様が安らかに眠らんことを…
   ラル・ファク、イル・ファッシーナ。


グリーン:
   むかし…ここにはフォレスター達が住んでおった。
   今では、だぁーれも…おらん…
   なぜ、彼らが出て行かねば、ならんかったのか…。
   少し長い昔話になるが、話してあげよう…
   歴史の小さな一片を…

   [【1】旅立ちの日は]
   ある所に、ウォルフという少年がいました。
   彼は、フォレスターの父親が大好きでした。
   「いつか、父さんのような戦士になる!」
   それが、少年の夢でした。
   ある日、父親が遠い島へ旅立つ事になりました。
   その島では、悪い王様が戦争ばかりやっていて
   たくさんの人を殺して、苦しめているそうです。
   神の愛を知らないまま、死んでいくだけの民人…
   そんな国王は、とても許せません!
   島の民を解放して、平和にしなくちゃいけない。
   そして、ラル・ファク神の愛あふれる国にしなくては。
   少年は、父親と旅立つ決意をしました。
   旅立ちの日は……
   希望だけを、手にしてたのです。

   [【2】幼い剣士の涙に]
   無事に辿り着いた島で、戦争になってしまいました。
   その島の人たちは、青く光り輝く魔法の石を使って
   風をおこし、雷を落として、必死に抵抗してきます。
   (もう死ぬんじゃないか…)と、みんなが思った時です。
   父親が飛び出して、青い石を操っている魔法使いを
   弓矢で殺しました! とても素晴らしい攻撃でした!
   みんなが大喜びしている時に、1人の幼い剣士が
   父親を目がけて、真っ直ぐに走ってきたのです!
   父親は、自分の息子と同じ歳くらいの剣士を見て
   弓を…引く手を…止めてしまいました…。
   幼い剣士は、自分の体より大きな剣をふりかざして
   初めて人を殺す恐怖に、泣いていました…
   幼い剣士の涙に……
   父親の時が、止まっていました。

   [【3】父の背中は紅]
   幼い剣士は、父親の左胸にグググッ! と
   大きな剣を突き刺しました。
   胸を押さえた父親は、静かに倒れていきます。
   ゆっくりと……そこだけ、時が止まったのです。
   少年には分かりません。 悪い王様に苦しんでいる
   人達が、どうしてここまで激しく抵抗するの?
   大きくて…あったかい…父さんの背中が…
   真っ赤に染まっていきます…
   「父さん! 父さん! 父さん!」
   と、少年は大きな声で叫びました。
   父親は…、軽く手を…、挙げたのでしょうか。
   少年に答えるように手を振ると…そのまま…地面に…。
   父の背中は紅……
   少年の心も紅に染まって…
   何も感じなくなりました。

   [【4】花と眠る少女]
   少年は父の胸に突き刺さった剣を引き抜くと剣士の後ろ
   を追いかけて背中を思いっきり強く強く斬りました血を
   浴びる快感に酔いしれ力の限り斬り続けて続けて続け!
   かばうように剣士の母親が出てきて…息絶えました…
   ふと気がつけば、少年たちの軍が勝っていました。
   勝利に喜ぶ大人たちと一緒に街へ入っていくと…
   空から、色とりどりの花びらが降ってきました。
   街を満たすように降り続ける、色の海。
   街では、祭りの準備が進められていたようです。
   晴れ着を着た少女がウォルフを見て…死んでいました。
   その右手には、紅い花。
   この時、少年は気づいたのです。
   誰も苦しんでいなかったのだ、と。
   (ねぇ…父さんは、知っていたの…?)
   花と眠る少女……
   その手に握られた未来に
   少年は自分の罪を、見たのです。

   [【5】生きる意味は]
   幼い剣士が、守ろうとしていた街を…
   紅の少女が、愛していた街を…
   大人たちが、壊していきます。
   ガラガラガラ…ガラ…ガラガララ…
   少年は、この島へ来た目的が分からなくなりました。
   どうして戦わなければ、ならなかったの?
   大人たちは平気な顔して、生活を始めていきます。
   分からない! と叫ぶ少年の声は…誰にも届きません。
   なぜ、この街に来たのか? なぜ、人を殺すのか?
   少年は、街を出ることにしました。
   自分の罪を背負って…。生きる意味を探して…。
   この時代で何ができるのか、考えるために。
   新しく生きる意味は……
   遠く、遠く、離れた未来に
   あるような気がしました。

   この少年は アルビーズの森 に住んでおる…
   アルター を使って、ヌブール村まで行きなさい。
   その隣が、アルビーズの森だ。
   …年寄りの話は、これで終わりだ。


シルビアーナ
   [ドラキア帝国について]
   もうご存知かとは思いますが・・・
   私たちビスク人はキ・カ大陸にある
   ドラキア帝国からの使者です。
   世界最大の版図を誇る我がドラキア帝国では
   ラル・ファク教の素晴らしい教えを広めています。
   未開の恵まれない土地へ、文明を伝えると共に
   わが国との併合を、勧めているのです。
   今より豊かな生活が保障されるための
   ステップ・アップと、お考えください。
   帝国の豊かさを手にする、チャンスなのです。

   [女王イルミナについて]
   女王様は、ドラキア帝国の皇族ご出身であられます。
   抜きん出た精神力を持っておられたため
   幼き頃より、魔導師として育てられました。
   今回の遠征にあたりましても
   ドラキア皇帝が、その力を見込んで
   イルミナ様に、この島を託されたのです。
   いつも民の事を考えていらっしゃる、立派な方です。
   異国の地で苦労されながらも
   良くやっておいでだと思います。

   [トライデントと12日間戦争について]
   私たちの大陸で20日戦争と言えば
   かの有名なホイ族討伐を指します。
   そして12日間戦争と言えば
   ダイアロス島での戦いを指します。
   ・・・神学校で習いませんでしたか?
   この戦争では3人の英雄・トライデントが
   力強く戦い、そして・・・死の花を咲かせました。
   彼らの働きと勇気を称えて
   ビスク中央広場に銅像が建てられたのです。
   ・・・今でもイルミナ様を守るように建っています。

   私たちを侵略者と呼ぶ者もいますが
   それは、大きな間違いです。
   島を統一して平和をもたらし
   繁栄へ導くのが、私たちの使命。
   今抵抗しているエルガディン人も
   その愚かさに気づき、帝国にひざまずくでしょう。
   ラル・ファク、イル・ファッシーナ。




   記憶の欠片集め

   「この子の名前はどうしましょうか?」
   「いつでも笑っていられるような名前にしよう」
   「それならば古い言葉で笑うを意味する……」
   お母さんとけんかをした。
   だって嫌いなにんじんも食べさせようとするんだもん。
   立派な大人にならなきゃ。
   そのためににんじんを……うー、やっぱり
   にんじんは食べたくない……。
   海岸で小さな水クモが見つかったみたい。
   クモはなんとなく嫌い。
   「これが、ノア・ストーン?」
   「そうだ。これが私たちの平和を守ってくれる」
   お父さんとの会話。
   雨の日はお勉強。
   早くお父さんを助けられるようにならなくちゃ。
   お母さん大好き!
   ビフロンさんとメアリーさんはとても仲良しで
   いつも一緒に話をしていました。
   ……私も大きくなったら、あんな風になりたいな。
   竜神様への祈祷、それが私の役目だった。
   綺麗なステンドグラスの聖堂で
   私は祈る。
   「どうかこの日々がいつまでも続きますように」
   怒号。悲鳴。
   経験のしたことのない恐怖。
   侵略者の到来……
   「おのれ侵略者め!」
   戦いが始まった。どうして?
   ノア・ストーンがあれば平和じゃなかったの……?
   逃げている最中も敵は襲ってきた。
   たくさんの人が私を守るために死んでいった。
   お母さんは私を守るために敵に向かっていった。
   「お母さん!」
   お母さんの胸を冷たい剣が貫いていた。
   「そんな子供まで殺すのか!」
   青年は叫んだ。
   痛みはなかった。
   ただ、これでもう誰にも会えなくなると思うと
   悲しかった……

   少女の霊のクエスト
   イプス渓谷の、5/4まで少女の霊が立っていた辺りに小さな花が咲いている。
   見た目は、ラー・ファン等と同じ。
   一連の事件が終わり、桜と共にリールは去っていった。
   彼女は幸せに逝くことができたのだろうか?
   ふと気が付くと、小さな花が落ちていた。
   それはリールが持っていた花だった。
   少女の眠る地に祈りを捧げる。
   今度こそ安らかに眠れますように、と。

Under The Blossomの公式ページより
         多くの者達がなす術なく殺された戦い

         散っていった彼らの無念
         叶えられなかった彼らの思い
         そして現れる少女の魂
         失われた彼女の記憶を巡る物語が幕を開ける

         URL:http://moepic.com/sp/under_the_blossom/index.html




12日間戦争
   トラキア帝国軍は海蛇の隠れ家に上陸。ここから侵攻が始まる。



トライデントの像
   12日間戦争でビスク側を勝利に導いた3英雄の像

   ホルテ
       戦士。先陣を切ってエルガディン軍を崩したものの戦死。

   カミナ
       ミストの師匠。
       アクセルの恋人。
       最後までアクセルを守って戦死?

   ジュネ
       フォレスター。ウォルフガングの親。
最終更新:2013年07月04日 01:45