紺野「お弁当でも持ってくれば良かったかな」
紺野「まあ、そうなんだけどさ。それじゃ味気ないというか……」 〇〇「うーん、たしかに。できれば手作りの方がいいのかも?」 紺野「うん、できればそっちの方がいいな」 〇〇「……もしかして、期待されてますか?」 紺野「ごめん、催促してるわけじゃないんだけど」 〇〇「ふふっ! いいですよ、考えときます」 紺野「はは、そっか。ありがとう」 〇〇(紺野先輩、結構可愛いとこもある?)
紺野「夜の桜は、また違うんだろうな」
紺野「可愛く言っても、ダメ」 〇〇「えー、いいじゃないですか」 紺野「まだ早い。もっと大人になったら、見られるって」 〇〇「はーい」 紺野「そのときは……一緒に見ようか」 〇〇「いいんですか?」 紺野「ああ、もちろん」 〇〇「ふふっ、約束ですよ?」 紺野「わかったわかった。指切りしようか?」
紺野「ここで昼寝したらよく眠れそうだな……」
紺野「そうか、見れちゃうか」 〇〇「あ、笑いましたね」 紺野「ごめんごめん。なんか、可愛くて」 〇〇「えっ!? 可愛いですか?」 紺野「ああ、子供みたいだ」 〇〇「もう!」 紺野「はは!」 紺野「もちろん、それだけじゃないけど」 〇〇「?」
紺野「あ、髪に葉っぱがついてるよ」
紺野「はいはい。そんなに慌てなくても大丈夫だから」 〇〇「……取れました?」 紺野「……」 〇〇「紺野先輩?」 紺野「あっ、うん。取れたよ、ごめん」 〇〇「どうかしましたか?」 紺野「えっと、シャンプーのいい匂いが……」 〇〇「えっ!?」 紺野「いや、その、いい匂いが……なんだろう、花の匂いかな? はは。じゃあ行こうか」 〇〇(紺野先輩……)
紺野「あ、渡り鳥だ。あれは雁かな……」
紺野「言うことを聞かない後輩を思い出すな……でも自由で楽しそうだ」 〇〇「ふふっ、仲が良さそうですね」 紺野「鳥から見たら、僕らも仲が良さそうに見えるのかな」 〇〇「んー、どうでしょう。もっとくっついたら、見えるかも?」 紺野「……じゃあ、そうしてみる?」 〇〇「あっ、もう見えなくなっちゃった。結構速いんですね」 紺野「……ああ、そうだな」
紺野「へぇ、息継ぎが上手いんだな」
紺野「ご、ごめん! そういうつもりじゃ!」 〇〇「……そういうつもり?」 紺野「え?」 〇〇「だって泳いでる最中って変な顔してるかもしれないし。見られたら恥ずかしいですよ」 紺野「……ああ、そうか! そうだな、別にぜんぜん変な顔なんてしてなかったぞ」 〇〇「?」
紺野「いたた……転ばずに滑るのは難しいな」
紺野「それは逆に危ない気もするし……それに……」 〇〇「それに?」 紺野「恥ずかしいだろ?」 〇〇「でもそういう人、結構いますよ?」 紺野「それはカップルじゃないか……」 〇〇「はい?」 紺野「ううん、なんでもない。とにかく、僕は一人でがんばるよ」 〇〇(ちょっとやってみたかったかも?)
紺野「この土偶……レプリカのわりに良くできてるな」
紺野「そうなの? 僕には違いはわからないけど……“かないませんよ”って君、いつから鑑定家になったの?」 〇〇「ふふっ、それっぽかったですか?」 紺野「うんうん、ぽかった。君といるとたくさん笑えるな」 〇〇「えー、それ喜んでいいんですか?」 紺野「もちろん。これからもさ、一緒にいて笑わせてよ」 〇〇「はい!」
紺野「バラの特別展示をやってるみたいだよ」
紺野「僕には縁がない話だけど、やっぱり女の子はそういうのが好きなのか」 〇〇「周りには多いかも……わたしは、そこまででもないですよ」 紺野「そうだな。そんなに気にする必要はないよ」 〇〇「……そうなんですか?」 紺野「うん。君はそのままが一番いいと思う……はは、ちょっと照れくさいな」 〇〇(紺野先輩……)
紺野「さて、今日はどうしようか」
紺野「やっぱり女の子って、そういうのが欲しい?」 〇〇「気になりますけど。フリマでも高いから、見るだけです」 紺野「じゃあ、プレゼントされたら、嬉しい?」 〇〇「嬉しいですけど、ちょっと気が引けちゃいます。自分に釣り合わないものを身に付けるのも、ちょっと」 紺野「そうか……」 〇〇「どうしました?」 紺野「ううん、なんにも。……やっぱり、あんまり見え透いたのはよくないか」 〇〇(紺野先輩?)
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