【餡寄生虫】
ユクリヤドリムシ。ゆっくりに寄生する新種の寄生虫は、そう名付けられた。 体長は様々で、宿主の体格によって左右される。外観は白っぽい紐だ。体表にはざらざらとした吸着器があり、ここからゆっくりの餡子を吸って糧とする。
侵入経路は多い。水中や果実の中でも生存するため、知らぬうちに摂取している場合がほとんどだ。
このユクリヤドリムシ、たいていの場合は宿主を死に致らしめることはない。宿主を殺してしまえば、自分も生きてはいけなくなるからだ。しかし、このような事例もあった。
―――――
「おにいさん……さむいよ……たすけて……。れいむ、いいこにするから……たすけてね……」
このれいむには意図的にユクリヤドリムシを寄生させてある。
本来なら、ユクリヤドリムシは宿主のゆっくりに対して積極的に健康を害したり気分を悪くさせることはない。むしろ体内の異物や不純物を取り除くのだが、このユクリヤドリムシは違うらしかった。
黒い体のそれを、私は
「キョウアクユクリヤドリムシ」
と名付けた。
「おに……さ……たす……け……」
れいむは肌がぼろぼろになって、ひどく痩せていた。
そして。
「ゆぎっ!?」
一際高く鳴いて、れいむは死んだ。
キョウアクユクリヤドリムシはやがて体外へ脱出し、他のゆっくりに寄生する。
―――――
ここは平和なゆっくりの群れ。みんな仲良く楽しく過ごしている。
「ねえしってる? ありすのきいたはなしだと、さいきんへんなしにかたをするゆっくりがいるんだって」
「ぱちゅりーはもりのけんじゃよ。しんそうをかいめいす……むきゅ?」
「どうしたの?」
「なんだか、おなかがむずむずするわ……」
「あれ? そういえば、ありすもなんだか……」
―――――
増えすぎたゆっくりの駆除対策として、ユクリヤドリムシ(総称)は一役買った。あちこちにばらまかれた寄生虫は、ゆっくりたちの夢も幸せも吸い尽くした。
―――――
「みゃみゃぁぁぁ! しにゃにゃいでにぇ! れいみゅをおいていきゃにゃいで!」
「ごめ……おちび……ちゃ……」
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「まりさはつよいんだぜ! むしさんはたべられるのぜ!」
「ぱちゅ……は……もり……けんじゃ……」
―――――
「ワレハユクリヤドリムシ……アマアマヲスイツクスモノナリ……」
完
最終更新:2010年10月27日 23:28