【ゆっくり処理場】
いつ、どこでどのように発生したのかもわからないゆっくり。彼らは繁殖を繰り返し、瞬く間に世界を覆っていった。ゆっくりは生態系に影響を与え、作物を荒らし、人々に危害を加えていた。
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最初期においては、ゆっくりの発生は喜ばれた。なにしろ、甘味が手軽に入手できるのだ。システム化された繁殖に伴い、ゆっくりは数を増やしていった。そしてゆっくりは人々の生活を侵食していく。
食用になり、ペットになった。ゆっくりはブームになり、いつしか生活の一部にさえなっていた。
だが、彼らは増え過ぎた。需要に対する供給は少し不足するくらいがちょうど良いのに、過度な生産はそれを超えた。ゆっくりは、今こそ我が世の春とばかりに繁殖を繰り返した。
野に、山に、街に、国に、世界に、ゆっくりは溢れ出した。
愛すべきものであったゆっくりだったが、各地に被害をもたらしたゆっくりは、害獣と呼ばれることになった。
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各国はそれぞれに対ゆっくり兵器や施設を開発・配置した。そのなかの一つが、今回紹介する
「ゆっくり処理場」である。
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「ゆんやぁぁぁ! どすどすさんこないでぇぇぇ! ゆびゅっ!」
「まりさのぷくーはこわいんだぜ! わかったらざばざばさんはやめるのぜ! ゆ……やっ、やべるの……ぜ……」
「むきゅ、これはおいしそうなきのこさんね! からふるできれいだわ! むーしゃむー……しゃぎゅぴぺペペ! がらいぃぃぃぃぃぃ!?」
ゆっくり処理場は、その名のとおり、ゆっくりをひたすら処理するためにある。廃棄と言っても差し支えないが、食料である観点から処理、とされた。
処理場は加工所とは違い、餡子の安定した供給などは一切行わない。過剰に生産されたゆっくり、野生化して増えたゆっくり、愛玩動物としての役目を終えたゆっくりが殺されるだけの施設である。
死体は粉砕され、他のゆっくりの食料になったり、貧困にあえぐ地域に輸出されたり、土を肥やすための肥料にされたりする。
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人は増え続け、ゆっくりも増え続ける。全体の調和としてのバランスはどこかで不安定になり、狂い、傾く。その安定を支えるためのものとして、今日もゆっくり処理場はゆっくりを処理するために動く。
「ゆっくりさせてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
完
最終更新:2010年11月25日 13:45