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【主従】

【主従】

「おきてください。ちょうしょくができました」

 囁く声。ぼくは、差し込む朝の光に照らされた従者の顔を見て、微笑んだ。

「おはよう、さくや」

―――――

 並んだ料理から立ち上る香りが食欲をそそる。朝食の献立は「れいむの煮付け」、「まりさのおひたし」、「ちぇんの味噌汁」だった。
 さくやは、がっつくぼくを見て口元を綻ばせていた。

「おいしい」

「ありがとうございます」

―――――

 朝食を終え、ぼくは家を出た。さくやは玄関で見送ってくれる。
 ハンカチは持ったか、大切な書類は忘れていないか、何時頃に帰るのか、いつまでも聞いていたら遅刻しそうだったから、キスをして唇を塞いだ。
 行ってきます、と言って家を出た。さくやは顔を赤らめていた。

―――――

 夕食はさくやだった。さくやは、自らを油で揚げていた。ぼくはさくやを食べて、少しだけ泣いた。


     完

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最終更新:2010年12月13日 20:11
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