【灰皿】
「あじゅいいい! じりじりさんやめてぇぇぇ!」
悲鳴が響き渡る。灰皿が泣く。鳴く。きいきいとよく鳴くそれは、灰皿。生きている灰皿。
「みゃみゃをいじめにゃいでぇぇぇぇぇ!」
「れいむぅぅぅ! いまたすけるのぜぇぇぇぇぇ!」
灰皿の家族も泣いている。しかし助けることはかなわない。家族を隔てるのは、透明のプラスチック板。灰皿も身動きを取れないように、運動部分を傷つけてある。
「ああああああ! もくもくさんくさいいい! あああ! あじゅいぃぃ!」
煙を吹き掛けられ、火を押し当てられる。広げられた口に灰が落ちる。
この灰皿が死んだら、次はどちらの灰皿にしようか。小さい奴はすぐに死んでしまうから、やはり大きい奴にしようかな。そんなことを考えながら、短くなったそれを灰皿の眼球に押し込んだ。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ! れいむのつぶらなひとみさんがぁぁぁぁぁぁぁ!」
完
最終更新:2012年04月01日 13:17