457 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/12(月) 03:03:33 ID:???
姉さんの日(1)
アル・シュウト「ただいまー」
セレーネ「ただいま……」
アル、シュウトとセレーネの3人が帰ってきた。学校の少等部では母の日の日曜日に参観日があったのだ。
ロラン「3人ともお帰りなさい。セレーネ姉さん、母の日参観はどうでしたか」
セレーネ「どうもこうも疲れたー。兄さんにだまされたわ。
アルとシュウトの2学年なんて聞いてなかったわよ。
俺もすぐに行くとか言っておいて、それでドタキャン。もう行かないからね」
アムロ「仕方ないだろ、緊急だったんだ。キャプテンに不正な外部アクセスがあってクラッキングされかけたんだ」
セレーネ「本当に?どうせデートでしょ。ベルトーチカ?チェーン?
その他の誰か?」
アムロ「デートの相手はクラッカー2人だよ」
キラ(そしてそのクラッカー役はキャプテンのAIの安全テストということで頼まれた僕とヒイロなんだよね)
シーブック「姉さんまるで痴話げんかだよ」
ロラン「ハハハハ…。でもいい経験になったんじゃないですか」
セレーネ「でも本当に疲れたわー。もう動きたくない」
アムロ「あてつけのように俺の前で寝そべるな。足元がお留守だからうっかり踏んでも知らないぞ。
しゃべってる気力があるうちに着替えて来るんだ。スーツがしわだらけになるぞ。
…そうだ、夕飯終わったらアイロンがけ教えるから、楽しみにしてろ。今日はロランの代わりに働いてもらうぞ」
セレーネ「ウェーやぶへびだったわー」
その夜の食卓にて。セレーネは参観での出来事を披露している。
セレーネ「…それで小太りの子が当てられたら、その子は後ろ振り向いてばかりだし、
後ろのお母さんは答え教えようとするし、もう笑いを抑えるのに必死」
アル「テルコットのお母さん出しゃばりだからね。テルコットは何かにつけて『ママが言ってた』だし」
アムロ「親としちゃ子供の晴れ舞台だからな。必死にもなるさ…はたから見てると笑えるけどな」
ロラン「でも笑っちゃだめですよ」
ドモン「そうだ、一世一代の勝負を笑うのか」
アムロ「親にはそう見えるだけだよ、なあ」
アル「学校に行ってると毎日これの繰り返しだよ。失敗を繰り返して成長するんだ」
セレーネ「どこで覚えたのか、言うようになったわね~。数学の問題次は間違えない?w」
アル「ぐ…シーブック兄ちゃんに教えてもらうから大丈夫」
アルもシュウトも頭の回転は速いが、学校での成績はそう良くはないので、アルの数学の勉強はシーブックが教えることが多い。
小型グライダーの設計をするため数学には強いのだ。
シーブック「プ、プレッシャー…」
キラ「シーブック兄さんは教えるのは上手じゃない。大丈夫だと思うよ」
セレーネ「それはともかく、母親たちの格好もすごかったわ。年齢隠したい人でも多いのか、厚化粧で教室に化粧品の臭いが充満するし、
ブランド物の在庫放出キャンペーン中かと思うくらいブランド物尽くしの人もいるし、子供が主役のはずなのに勘違いしてるわね」
アムロ「親としちゃ自分の晴れ舞台だからな。必死にもなるさ…はたから見てると笑えるけどな」
ロラン「でも笑っちゃだめですよ」
ドモン「そうだ、保護者会での立場が悪くなるからな」
シュウト「ドモン兄ちゃん、さっきまで言ってたことと逆だよ」
458 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/12(月) 03:05:16 ID:???
姉さんの日(2)
セレーネ「それからねえ、ちょっと聞いてよ、クラスの保護者会で私なんて聞かれたと思う?アムロ兄さんの何なのかって。
アルの先生にも聞かれて、妹って説明してるのになかなか信用してもらえないし…」
ドモン(…確かに年子の兄と妹ですと説明するには外見的にちょっと苦しいよな。頑固で自分の信念を譲らない性格は似てるんだがな)
セレーネ「あなた達なんでそこで目を伏せるのよ。それであの人、ブライトさんの奥さんの」
シュウト「ライミさん?」
セレーネ「違う違うそうよ、ミライさんだわ、あの人が妹だってフォローしてくれて助かったけど。ミライさんの下の子もアルのクラスと一緒だったのね」
アル「言わなかったかなあ、チェーミンがいるとか」
セレーネ「少なくとも私は聞いてないわ」
シュウト「…なんかセレーネお姉ちゃん、他のお母さんたちのしゃべり方移ってきてる。『ちょっと聞いてよ』とか、手の動かし方おばちゃんみたい」
セレーネ「お、おばちゃん…」
場の空気が凍った。異性の微妙な感情を察するにはまだ早い年齢のシュウトは悪気があって言ったわけではないが、
気づいた・思ったからといって素直に言って良いわけではない。
アムロ「…まあ、セレーネは性格はともかく行動は環境に染まりやすいところあるからな。DSSDは年配が多いからうつってきたんじゃないか?」
セレーネ「そ、そうね。私のいる研究部門とか平均年齢高いし。他の博士とかおじいちゃん揃いだからうつってきたのかなーなんて」
アムロ「もりもり博士とせわし博士とのっそり博士っていったよな」
セレーネ「それは違う研究所よ。私の職場にいるのはモリセイワ博士と人工筋肉の研究してる瀬川博士と数学者のノストラビッチ博士」
アムロがフォローらしきものを入れたがそれ以降のセレーネは口数が減ってしまった。
アムロ「…それでどうでした?」
アムロの質問に電話の向こうはこう答えた。
ミライ『大丈夫よ、保護者会ではアル君のこととかいろいろ聞いてメモ取ってたりしたし、ちゃんと保護者役はやろうとしていたわ。
いいお母さんにもなれるでしょ』
アムロ「恋愛に興味があるんだかないんだか、その手の話さっぱり聞かないんですけどね」
ミライ『あせらなくても、彼女自身で心の整理をつけたらあとは時間が解決してくれるものよ。そんなことよりあなたの方はどうなの?』
アムロ「ぼ、僕の方はちゃんとやってますから大丈夫ですよ?!」
ミライ『そうかしら。でもこの際だからちゃんと言っておいた方が良さそうだけど』
やばい、説教母さんモードだ。アムロは長期戦を覚悟したが、
ハサウェイ『かあさん、父さんがまだ餃子作ってるんだ!かあさんも言って止めてよ!』
ミライ『ええ?!アムロ、さっきの話はまた今度しましょう。それじゃあね』
アムロ「……うーん。餃子を作るブライトの方がノア家にとって脅威なのか?」
(完) …なんでこんなオチにorz
最終更新:2013年09月15日 14:08