479 名前:アルとシュウト 1 :2008/12/12(金) 20:33:07 ID:???
「兄さん、これ見てよ!僕の作ったキック力増強シューズ!」
「ん?どれどれ。これはすごいな、こんなにコンパクトでこの出力とは。
しかも蹴ったボールを破裂させないで威力と飛距離を出すパワーバランスは他にも流用できそうだな」
シュウトの造ったただのスニーカーにしか見えないものを囲んで二人は楽しそうにしている。
シュウトはよくいろんな道具を作っている。
アムロ兄さんに見せては褒められたり改良点を指摘してもらったり…。
ガンダム家ではよくある光景だ。
僕はちょっと離れたソファからそれを見ていた。
なんか、面白くない。
別に『僕にも見せて』って言って話に入っていってもいいんだけどさ。
だんだん話が専門的になって、ここの回路がどうとかエネルギー効率がどうとかになると僕にはぜんぜんわかんないし。
第一あれ、デザインがガンダムモチーフだし。
面白くない。
すたっと立ち上がり上着(ザクカラーだ)を着て、わざと大きな声で言った。
「バーニィのとこに遊びに行って来るっ!」
でも返事してくれたのはロラン兄ちゃんだけだった。
「今日は寒いからマフラーもしていきなさい。あんまり遅くなるんじゃないよ」
にこにこしながら巻いてくれたマフラーは暖かかったけど、ロラン兄ちゃんは誰にでも優しいんだ。
僕が特別、じゃない。
むしゃくしゃする気持ちのまま扉を乱暴に閉めた。
「いってきます!」
「アムロ兄ちゃんはきっと僕よりシュウトが好きなんだ。だって発明好きだしガンダム好きだし強いしぷにぷにだし(?)・・・」
バーニィの所に行くって出てきたけど、やめた。だってたぶん顔に出てるから心配させちゃうし。
だから今僕は公園のザク型ドームの中にいる。ここなら風が遮られてちょっとはあったかい。
アムロ兄ちゃんへの不満をぶつぶつ言ってて僕はある考えを思いついた。
(兄弟の他のみんなも僕よりシュウトが好きなんじゃないかな?)
だってそうだ。
シュウトの発明好きはアムロ兄ちゃん、セレーネ姉さん、マイ兄ちゃん、ウッソ兄ちゃんと同じ。
ガンダム好きなところはコウ兄ちゃん、刹那兄ちゃんと同じ。マイ兄ちゃん以外の兄弟もガンダム派だし。
超人的肉体なのはドモン兄ちゃん、ヒイロ兄ちゃんと同じ。
女の子にもてるのはアムロ兄ちゃん、カミーユ兄ちゃんと同じ。
一人の女の子に一途なのはシロー兄ちゃん、シーブック兄ちゃん、ガロード兄ちゃんと同じ。
「僕いらない子だ……」
なんだかものすごく悲しくなってしまった。自分で考えた事なのに馬鹿みたいだ。
「僕にはバーニィやクリスやジオンのおじさんたちがいるからいいんだ」
そう強がって言ってみたもののやっぱり悲しい気持ちのまんまで僕は体育座りのひざを抱えた。
なんだかとても寒かった。
480 名前:アルとシュウト 2 :2008/12/12(金) 20:35:33 ID:???
ふっと気が付くと辺りが真っ暗になっていた。
寝ちゃってたみたいだ。
こんな寒くても寝られるんだ、いや寒いから寝れるのかな、ドモン兄ちゃんも雪山での修行は睡魔との闘いだといってたもんなぁなんてボーっと考えながら
ザクドームの入り口の方を見てたら遠くの空がなんだか明るいのに気づいた。
アレは……スラスター噴射光にGN粒子に…月光蝶!?
な、何が起こってるんだ!またアムロ兄ちゃんとシャアおじさんがなんかしたの!?
あわてて立ち上がろうとしたら膝に力が入らない。
同時に入り口から眩しい光が差し込んだ。
「ずっと座ってたからだよ」
「誰?」
だんだんと光に目が慣れる。懐中電灯を握っていたのは、シュウトだった。
「アルみーつけた」
トサカを揺らしてニカっと笑うシュウトが差し出した手を反射的に取ろうとして伸ばした手を引っ込めた。
さっきまで考えていた事がまた頭によぎったから。
代わりにシュウトの顔を見ないで言った。
「何でここに来たの?」
シュウトは僕の態度に首をかしげながらでもぜんぜん気にしてない風に答えた。
「あんまり帰りが遅いからみんな心配してたよ。バーニィ兄ちゃんの所に行くって言ってたのに連絡してみたら来てないっていうしさ。
それでアムロ兄ちゃんは誘拐だ、ロラン兄ちゃんは迷子だ、って大騒ぎ。シロー兄ちゃんは警察各署に連絡して捜索隊を組織するし、
ドモン兄ちゃんは地の果てまでも探し出すって旅支度を始めて、マイ兄ちゃんの会社の人が『ジオニック社の陰謀だ!』って言い出して…
あと他の兄ちゃんたちもいろいろやってるみたい。ハッキングしてウィルスばら撒くとか、混乱に乗じてジャンク集めとか、シーマさんに攫われるとか」
よ、予想以上の大事だ。どうしよう帰りづらくなっちゃったよ。
でも、とシュウトのなぜか自慢げな声で顔を上げた。
シュウトは声の調子の通り得意げな笑顔で言った。
「でも僕はアルがどこに居るのかちゃんと分かってたよ。だって家族の中でアルと一番仲良しなのは僕だからね!」
そういってもう一回僕に手を差し出してきた。
シュウトの言葉を聞いて僕はさっきまでの考えが本当に馬鹿みたいだと、兄弟の中に誰が嫌いで誰が好きなんてないんだって思えたんだ。
だから今度はシュウトの手をぎゅっと握った。
「帰ろ、シュウト!」
「うん!……ただしアムロ兄ちゃんの雷は覚悟しときなよ~」
「うわっ、やっぱり?」
「小一時間で済むとは思えないね」
「帰るのやめよっかな」
「なに言ってんだよ!」
笑いながら歩く冬の道。でも繋いだ手と、ロラン兄ちゃんの巻いてくれたマフラーと、前にアムロ兄ちゃんが買ってくれた上着のおかげでちっとも寒くなかった。
家に帰ってからのお小言は怖いけどでもきっと心配してくれていた証拠だから黙って聞こう。
そしてちゃんとみんなに『心配掛けてごめんなさい』と言おう。
もうすぐ家の明かりが見える。
ガンダム家のちょっとした日常の話。
483 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/12(金) 21:39:02 ID:???
>ハッキングしてウィルスばら撒くとか、混乱に乗じてジャンク集めとか、シーマさんに攫われるとか
おめーら何してんだwwwww
484 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/12(金) 21:43:04 ID:???
483
「いつものこと」ですよw
485 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/12(金) 21:45:15 ID:???
483
モニク「しまった!私もマイを掠っておけば……」
エルヴィン「姉さんはシーマさんみたいな迫力がないからやめた方がいいよ」
モニク「?どういう意味?」
エルヴィン「シーマさんはあんな豪快な人だから、掠っても大事に思われないんだよ」
モニク「……充分大事のような気もするけどね…」
エルヴィン「だけど姉さんが掠ったらきっと……」
カミーユ『大変です!マイ兄さんがモニクさんに掠われました!』
シロー『しまったぁ!ついにヤンデレ性が爆発してしまったのか!!』
アムロ『急げ!NiceBoatにならないうちに!!』
エルヴィン「……ってなるよ」
モニク「そう……よね…ハァ」
エルヴィン「姉さん、元気出して。きっといつか良い事あるよ」
486 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/12(金) 22:05:04 ID:???
485
ストレートに
カミーユ『大変だ!マイ兄さんがモニクさんにさらわれた!』
シロー『警察だ!違った赤飯だ!』
ロラン『赤飯は違うと思いますよ!ケーキですか?!』
アムロ『しまった!マイには用がないと思ってゴム渡してなかった!』
コウ『「女体の神秘」に「女性のからだABC」もまだ貸してなかったよ!』
シーブック『なんとぉ!仲間がまた一人減ってしまったー』
とか思ってたがw
最終更新:2013年09月27日 21:16