50 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/22(木) 22:43:02 ID:???
前スレ909の続きw
ガンダム家の居間でグダグダと。パラレルパラレルルルルルルー
ロラン「おつまみ足ります?」
アムロ「ああ、充分だ。後は俺がやっとくから、ロランも休んでいいぞ」
ロラン「はい。じゃあ、チェーンさんもごゆっくり」
チェーン「ありがとう、ロラン」
チェーン「…あれ?」
クリス「ん?」
チェーン「じゃあ、セレーネさん、ピアノ弾けるんですか?」
クリス「(気づくの遅っ。さすがチェーン先輩w)」
セレーネ「なんでそこで疑問形なのよ」ギロリ
チェーン「あ、いや、えっと、その、なんと申しますか………」
アムロ「お前の普段の言動のせいだろう。チェーンに絡むのは止せ」
セレーネ「ひどいわお兄様っ!妹である私よりその女を取るのねっ!」
アムロ「あたりまえだ」どキッパリ!
セレーネ「ああっ!全角文字ではっきりとっ!」
クリス「(相変わらず面白い兄妹ね~)」
セレーネ「くぅっ!こうなったら私の華麗なる指捌きを見せ付けて、見返してやるわっ!」
クリス「おー♪」パチパチ
アムロ「言っておくが、我が家のピアノは、現在、地下倉庫の奥だぞ」
セレーネ「う………(汗」
アムロ「しかも、ジュドーとガロードが集めてきたジャンクの山がその前に立ち塞がっている」
セレーネ「ううう…」
アムロ「さあ、華麗な指捌きとやら、見せてもらおうか」ニヤニヤ
セレーネ「うわあああーーーん!お兄ちゃんのばかー!う○こたれー!」ドタタタタ
チェーン「セレーネさん!ちょっと、アムロ、言いすぎなんじゃ…」
アムロ「あ~、“まだ”大丈夫だろう」
クリス「ひのふの…そうですね、もう一幕くらいでしょうか」
かなり長くなってしまいました。平にご容赦!
51 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/22(木) 22:44:15 ID:???
アムロ「つまり、前腕部にガトリングガンを搭載したことによる、末端重量の増大がそもそもの…」
コウ『ちょ、ちょっと、姉さん、いきなり…うわっ!タンマッ、姉さん?』
どすんばたん。
クリス「いまの、コウの声でしたね?」
アムロ「なるほど、今回はそう来たか」
どたどたどた……… ←荒々しく階段&廊下を踏み歩く音
スパァン! ←襖を勢い良く開く音
チェーン「セレーネ…さん?」
クリス「きゃー、セレーネさん、せくしー!」ヤンヤヤンヤ
そこには、胸元の大きく開いた、黒のロングドレスを纏ったセレーネの姿があった。
そして、ギターケースを抱えたまま、セレーネに襟首を掴まれてひっくり返る、コウの姿も…
セレーネ「さあ!ちょっぴし予定が変わっちゃったけど、今こそ私の腕前、見せてさしあげてよお兄様!」
のっしのっしと縁側に向かったセレーネは、そこでポーズを決めて立つ。
セレーネ「コウ!ミュージックっ!」
アムロ「………」
チェーン「………」
コウ「………」
クリス「わくわく♪わくわく♪」
そして流れる、気まずい沈黙。
セレーネ「コウッ!!」シギャーー!!
コウ「いっ、いきなり引っ張ってこられても無理だよっ!ギターのチューニングだってしてないのに!」
セレーネ「じゃあさっさとやりなさいっ!」
コウ「はいっ!」
大慌てでチューニングを始めるコウ。
肩を震わせて笑いをこらえているアムロ。
チェーン「コウさん、ギターが弾けるんですか…」
クリス「女の子にもてるにはギターだ!ってジュニアハイの頃から始めたんです。レパートリーが微妙で、あんまり役には立たなかったみたいですけど」
コウ「中○みゆきのどこが悪いってんだ!」
セレーネ「コウ?」ゴゴゴゴゴゴ
コウ「はいっ!」
必死に音を合わせるコウ。
カミーユ「なんなんですか…」
アル「うわー、セレーネ姉さんかっこいー」
シュウト「すげー、悪の大幹部みたい!」
何事かと集まりだす兄弟たち。
ジュドー「お、いいもんあるじゃん」コッソリ
シロー「………」ゴン!
なんだかんだと兄弟がみな揃い、ガロードは何処から持ってきたのか、さまざまなライトを庭からセレーネに向ける。
セレーネ「コウ、まだ?」
コウ「………できた、おまたせ!」
セレーネ「おそいっ!」
コウ「ごめんなさいぃぃぃぃぃ」
ロラン「まあまあ」
セレーネ「まあ、いいわ。確かに急だったからね、今日のところは許してあげるわ……こほん」
カスタネットを両手に、ぴたりとポーズを決めるセレーネ。
コウが静かに、しかし激しくギターをかき鳴らす。
チェーン「まぁ………」
クリス「意外と上手でしょ?こっち(フラメンコ)の方に進んでたら、もーちょっとモテてたかもしれませんねー」
小気味良いカスタネットの音が響き、セレーネは板間を蹴って踊りだした。
ロラン「オーレ!」
掛け声が、手拍子が兄弟たちから上がる。
シーブック「オーレ!」
くるくると、そして激しく踊るセレーネ。
情熱的で、官能的で、そして何より、美しかった。
チェーン「オーレっ!」
52 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/22(木) 22:45:36 ID:???
アムロ「そろそろ、かな?」
立ち上がったアムロは、静かに箪笥の上から救急箱を取る。
コウのギターは最高潮に達し、セレーネの舞はいよいよ激しくなる。
この時、確かにセレーネは輝いていた。
そして、フィニッシュ!
兄弟たち「「「「オーレ!」」」」
喝采が上がり、兄弟たちはすばらしき姉の下へとかけよる。
ウッソ「すごいですよ姉さん!とてもセレーネ姉さんとは……姉さん?」
カミーユ「なんか、顔色が…青いって言うか、白いですよ?」
ふらぁ……
アムロ「おっと」
はっし。
兄弟たち「「姉さん!」」
チェーン「セレーネさん!」
クリス「はいはい~、ただの貧血だから落ち着きましょうね~」
アムロ「普段からかけらも運動しないヤツが、いきなりフラメンコなんて踊ったら、そりゃあ、倒れるな」
セレーネ「うう…ぎぼぢわるい………」
アムロが酸素吸入器を当て、クリスがクッションをセレーネの足元に入れる。
アムロ「少しは自分の年を考えろ」
セレーネ「あによ~、わらしは兄さんとちがって二十代よ~」
アムロ「俺だってまだ二十代だっ!」ペシッ! ←ひえ○た
ロラン「姉さん………」ホッ
シロー「びっくりさせないでくれよ…」
アムロ「ほら、もう解散だ解散。ガロード、ちゃんとライトは片付けとけよ」
ガロード「へーい」ジュドー「あ、手伝う」
クリス「チェーン先輩、お時間大丈夫ですか?」
チェーン「ん、そうね、そろそろお暇します」
アムロ「ああ。送るよ。ロラン、後をたのむ」
ロラン「はい」
セレーネ「ローラーンー、ひざまくらー」
変態壱号「
ロラン君の膝枕だとっ!」
変態弐号「セレーネ女史には私の膝を進呈しよう。変わりにローラの膝は私が…」
アムロ「キャプテン」
キャプテン「侵入者確認。排除します」
ホント、長くてごめん。
最後にエピローグっぽいもの入れて、終わりです。
53 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/05/22(木) 22:47:00 ID:???
チェーン「セレーネさん、すごかったですね」
アムロ「あいつは昔から落ち着きがなくてね。『弾くほうも聞くほうもじっとしてなきゃいけないなんて!』って言って、ピアノもすぐ止めちゃったんだ。才能はあったんだけどな」
チェーン「そうなんですか?」
アムロ「ああ。それじゃあって、バレエ教室に通わされたんだが、学生の頃はなんだか色々やってたなぁ」
チェーン「フラメンコもその時に?」
アムロ「だろうな。それ以来、時々ああやって踊るんだが…社会人になってからは練習もやらない、体力も落ちてる、で、一曲終わるとばったり」
チェーン「どうりでアムロも、クリスも後始末が手馴れてると思いました」
アムロ「クリスはそうとう振り回されたはずだからね。と、俺はここまでかな」
チェーン「はい、ありがとうございました。また、会社で」
アムロ「ああ。おやすみ、いい夢を。………」
チェーン「………♪」
セレーネ編これにて終わり。アレ?
最終更新:2013年09月16日 22:01