プロペラ機乗り同士ってことで、あるZキャラと∀キャラの接点を無理矢理作ってみることにしました。
あるヒコーキ屋の話
私はラダラム・クン。一介のヒコーキ屋だ。爺さんの代からレシプロ機一筋でやっている。
時代遅れ?そうかも知れん。しかし世の中レトロ趣味とかいろいろいて、ごひいきにしてくれるので何とかやっているよ。
近所のラインフォード家には代々世話になっているし、ハイム家のソシエお嬢さんもよく遊びに来ていて…、
え?表にカプルが何台も置いてあった?MSもやっているじゃないかって?あー、あれは娘とソシエお嬢さんのなんだ。
まあレシプロ機一筋なのは私一人のことだし、娘がいいと考えるなら娘の代で事業の多角化を選んでもいいだろうさ…。
で…?限界速度に達しても
空中分解しない方法?いや、だって君の専門はMSだろう、マイ君。私とは分野が違うじゃないか。
お役に立てるかどうかはわからんよ。私に出来るのは古い技術屋の経験談だけだ。
…で、6・7年ぐらい前だろうか、私が改造したのはこの「コメット」という名前のビーチクラフト17型なんだが。
ああ、本物なら博物館ものの貴重な複葉機だよ。これはもともと私の工場で作ったレプリカだがね。
クライアントがうちのごひいきのお嬢さんで、まだハタチ前だったんだが結構なおてんばだったねえ。
うちの娘も結構なおてんばでこんな調子で彼氏が出来るのかと思ってたら、いきなり月から男を連れてきて…。
済まん、聞き流してくれ。それでそのお嬢さんが、カラバの巨大輸送機アウドムラに追いつく速さにしてくれと言うんだ。
カラバが何かって?君が話の腰を追ってどうするんだ。カラバは地球のネコ派の組織だよ。
長靴をはいた猫に出てくる猫の飼い主のカラバ伯爵にちなんでつけられたらしいが。
話を戻すが、注文を受けてお嬢さんの正気を疑ったよ。アウドムラは熱核ジェットエンジンで飛ぶんだぞ。
補給やらなんやらで高度を下げて速度を落として飛ぶといっても、レシプロ機で追いつく速度じゃないわけだし、
追いつく必要があるならジェット機を使う方がいいと最初は反対したんだが、まあ…成功報酬の額に負けたわけだ。
それでレシプロエンジンを最大限にチューンアップして、機体がバラバラにならないようリベットを打ち直して…(中略)、
それでもアウドムラの気流に巻き込まれて操縦不能になるとかいろいろ不安はあったんだが…、
結局追いついた後、アウドムラからワイヤーを出して引っ掛けてもらって何とかなったそうだ。
そういえば、その後そのアウドムラに乗っていたという青年が何度も、どうやってそんな無茶なエンジンを作ったのか教えて欲しい、
調べさせてくれ、と何度も訪ねてきていたなあ。え…マイ君のお兄さんなのかね。血は争えないものだなあ。
(了)
最終更新:2013年09月17日 21:00