「朝パン主義」の普及を目指して日夜研究を続ける鉄仮面。ある日、彼の店に一人の男が訪れた。
「ふはははは、いらっしゃい」
「我輩の名は
ギム・ギンガナム!ここの主人の言う『朝パン主義』に興味を持って論戦を挑みに来させてもらった。貴殿がここの主人か?」
「ふはははは、そうだよ。論戦ということは君は御飯派と考えていいのかね?」
「誤解してもらっては困るが、小生別にパンが嫌いだという訳ではないのだよ、ただ貴殿の言うような御飯よりもパンがいいという考えには同調できかねるのでねぇ」
「ふはははは、よかろう。この勝負、受けて立とう」
「では貴殿に問う!確かに貴殿の『朝パン主義』は時間がかからない、腹ももたれないと良い事尽くめだ。だがこれには一つ欠点がある」
「ほう、それは何かね?」
「パンというものは御飯に比べると摂取カロリーが少ない。世の人間の殆どが肉体を使う労働者であり、カロリーを必要とする上において、充分な力を発揮できない事につながる朝食でのカロリー不足は重大な欠陥と成り得るのではないだろうか!?」
「ふはははは、何かと思えばそんなことか。私がそんな事も考えないで『朝パン主義』を唱えるとでも思っていたのかね?」
「ほう!何か解決策があるのかね!」
「そうだ。そのためにあるのが惣菜パンだよ。パンを食べると同時に
その他の食品も摂る事が出来る。あれこそパン食ゆえのカロリーの不足を解決する事の出来る者だ。」
「それは結構!しかし忘れてはいけないなぁ、惣菜パンは御飯のおかず程には味も種類の広がりも少ない…結果変わり映えの無い単調なものになりがちだという事を!」
「むう…」
「そして、一日二日ならいざ知らず、そんな単調なものを食べ続けては飽きが来て当然!!」
「!」
「第一…毎日毎日朝メシでぇ!味のクドい惣菜パンばっかりなんぞ、喰えるわきゃねえだろぉぉぉっ!!」
「そ、そうか…一般労働階級の人間には時間にも増して摂取カロリーが必要…その欠点を惣菜パンという小手先の技術をもって補おうとし、食べる者の気持ちも考えず満足していた私はまだ未熟という事か…」
「我輩とて伊達に週に何度もロランの家で飯を食ってる訳ではないのだよ…では小生はこれにて御免!うむ、今日もロランの家での朝食のお陰で小生は――絶好調である!!」
ギンガナムによって思わぬ欠点を指摘されたが、万民に受け入れられる楽しい朝食を目指して鉄仮面の研究は続く!頑張れ鉄化面!負けるな鉄仮面!
link_anchor plugin error : 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ
カロッゾ・ロナ ギム・ギンガナム
最終更新:2017年05月24日 21:50