169 名前:収穫の秋 :2008/09/22(月) 17:30:07 ID:???
アル「うわぁ……」
シュウト「すっごぉい…」
ウッソが――正確には、連邦学園の園芸部が借り受けた土地を又貸ししてもらった場所は、
縦横共に40m前後の、趣味で行う園芸には少々広い土地だった。
リィズ「これ、全部お芋なんですか?」
シャクティ「こっち側の2/3はサツマイモ。 向うの、まっすぐ縦に伸びてるのが、ジャガイモよ」
キラ「…これ、全部ウッソが?」
ウッソ「僕一人じゃ、いくらなんでも無理ですよw」
オデロ「おーっす、早いじゃんウッソ、シャクティ」
エリシャ「お、おはようございます…」
マルチナ「おはようございまーす!」
荷台に農具とクランスキー姉妹を乗せた軽トラエレカで、オデロとウォレンが乗りつける。
ウッソ「おはようございます、皆さん」
マイ「おはよう。 今日は大勢で押しかけさせてもらいましたよ」
シーブック「トマーシュたちは
来ないのか?」
ウォレン「部長たちは別の畑がありますから…」
カミーユ「ここの他にもあるのか!」
シン「ずいぶん本格的なんだな」
マルチナ「ふっふっふー、
学園祭の即売会で、次年度の活動資金をたたき出しますからね!」
ウッソ「生徒会からほとんど予算を回してもらってないんで、
自分たちで稼がないといけないんですよ」
コウ「逞しいなぁ…」
オデロ「その分、学園側から五月蝿く言われないで済むんスけどね!
んじゃ、ウッソ始めるぞ」
ウッソ「はい」
ウッソとオデロたち園芸部員が手分けして、繁茂しているサツマイモの葉を鎌で刈り取る。
セレーネ「まだ? 掘っちゃダメ?」キラキラ
マイ「どうどう」
スージィ「もうちょっと待ってね。 鎌を振ってる所に近づくと危ないから(苦笑」
ドズル「ワシらも手伝わんで良いのかのう」ウズウズ
ミネバ「ここは専門家にお任せしましょう、お父様」
ドズル「いやしかしだな…」
アル「あ! 何か跳ねた!」
シュウト「え? どこどこ?」
マユ「あ、いた!」
プル「そこだっ!」パシッ!
リィナ「プルすごーい!」
プル「…なんかモゾモゾしてる~~(涙」
プルツー「姉さん、脊髄反射で行動するのは止めよう…」タメイキ
170 名前:収穫の秋 :2008/09/22(月) 17:31:23 ID:???
エリシャ「おちびさんたち、待ちかねてるみたいね」
オデロ「そうだな。 そろそろいいかな?」
1/3ほどを刈り終えたことを確認すると、オデロは腰を伸ばす。
オデロ「スージィ! そろそろいいぞー!」
スージィ「はーい!」
今か今かと待ちかねていた一行の前で、スージィが手を叩く。
スージィ「それでは皆さん、お待たせいたしましたー!
えっと、始める前にちょっとだけ注意事項です。
ウッソやオデロがまだ鎌を使ってますから、近くに寄っちゃダメです。危ないです。
それから、畑の中にカンとかガラスとか、ネジクギなんかを投げ込む
ド外道なバカどもも居たりしますので、土を触る時は十分注意してください。
軍手は必ず着用のこと! 出来れば二枚がさねが良いです」
アル「はーい!」
シュウト「ばっちりでーす!」
真新しい軍手をした両手を挙げる二人。
スージィ「それでは、掘って掘って掘りまくってください! 紳士諸君! 全軍、突撃ー!!」
一同「「「Ураーー!!」」」
ドズル「ふんっ!」
その、シャベルのような手で、葉の落とされたサツマイモの蔓をまとめて鷲掴みにするドズル。
ドズル「戦いは数よぉおおお!」
ぶちぶちぶちぶちぃ!!
ミネバ「………」
ドズル「ありゃ?」
ガロード「組長先生、力、入れすぎ…」
ミネバ「一つも、お芋が付いてませんね…」
ドズル「…不覚」orz
トレーズ「ふむ…」キラーン!
トレーズ「そこだっ!」
スポーーーン!
レディ「おお…」
セレーネ「美しい…」
マイ「しかも、あのサツマイモを御覧なさい!
形、色、艶…そして大きすぎず小さすぎない…完璧だ…」
マリーメイア「ふふん、当然です」チラリ
ドズル「結局、手で掘り起こすしか無いのか…」
ミネバ「デギンお爺さまもよく仰っておられるではないですか。 焦って得られるものはないと。
それに…こうやって土に触れるのも、悪くはありません」
ドズル「……そうだな」
二人仲良くプラスチックのスコップと熊手で土に挑むザビ親子。
マリーメイア「…なんだか、釈然としませんわ」
トレーズ「あれもまた、美しい。 それは認めるべきだよ、私のマリー?」
171 名前:収穫の秋 :2008/09/22(月) 17:32:38 ID:???
ドモン「そりゃそりゃそりゃそりゃ!」
どどどどどどど…
素手で土を掘り返してゆくその姿はまさに――
ジュドー「うわー、人間耕運機…」
しかも力任せに掘り返すのではなく、
カゴに投げ入れられるサツマイモには僅かな傷も付いていない。
ギンガナム「さすがはキング・オブ・ハート…」
だが。
レイン「ドモン! ちょっと待ちなさい!」
ルー「へ?」
ドモン「なんだ?」
思わず手を止めたドモンに、ツカツカと歩み寄るレイン。
レイン「やっぱり!」
ドモンの右手を掴んで持ち上げると、その指先から赤い雫が滴る。
ドモン「あれ?」
レイン「あれ?じゃないでしょ! スージィちゃんの話は聞いてたの?」
そのまま、水撒き用の水道まで連行。
ドモン「お、おい…これくらい大したことはないって」
レイン「破傷風菌が入ったらどうするの! ほら、じっとして!」
ジュドー「さすが、医者」
ルー「ていうか、ドモンさんが怪我したの、よく気づいたよね…」
マイ「L、M、L、M、M、S…」
モニク「…貴様はなにをやっているんだ?」
マイ「もちろん、収穫されたサツマイモとジャガイモの大きさを記録しているんです。
しまったな、立体スキャナーを持ってくれば良かった…」
妙に慣れた手つきで、芋の大きさと重さを測ってゆくマイ。
ついでにスーパーにも並べられそうな形のいいものと、売り物になりそうにない歪なものに
選別してダンボール箱に詰めてゆく。
エリシャ「うわぁ…すごいですね…」
マルチナ「選別っていつも大変なんですよね~。 とっても助かります!」
エルヴィン「マイさん、こっちの箱はなんですか?」
マイ「そっちは傷があったり、痛んだりしてるものです。
早めに処分してしまうのがいいですね」
モニク「一目見るだけで、よく判るな…」
マイ「う~ん、皮の色も記録しておくべきでしょうか…どう思われます?」
モニク「好きにしろ…」
うむ、二人減らしても兄弟揃うと長くなるな!
続きマス… orz
最終更新:2013年09月21日 21:53