423 名前:海猛魂戦隊ヒタイダー1/3 :2008/11/25(火) 21:37:44 ID:???
月。ディアナの宮殿にて。

ディアナ「フンフンフ~ン♪ あ、お湯沸いた♪」
ロラン 「き、恐縮ですディアナ様。白の宮殿にお招きいただき、手作りグラタンまでご馳走してくださるなんて」
ディアナ「遠慮などしなくてよいのです。わたくしとロランの仲ではありませんか(ニッコリ)」
ロラン 「軌道エレベーターのお蔭もあって、意外と早く月と地球の行き来が可能になったのは、僕としても有難いです。こうして、ディ、ディディディアナ様とお逢いさせていただける機会が増やせ──。アワワ、僕はなんて畏れ多いことを……」
ディアナ「もう、何を緊張しているのですか。おかしな子、ウフフ」
ロラン 「あ、ああああのっ。僕もお手伝いさせていただきますっ」
ディアナ「お客様をもてなそうとしているのに、そのロランが手伝ってしまっては意味がないでしょう? あちらで座って、待っていてくださいな。すぐにできますから」

だだっ広いリビング。

ギンガナム「ローラ・ローラ。遅かったなあ!」
ロラン  「ギンガナムさんも、ディアナ様にお呼ばれしたんですか?」
ギンガナム「呆けるな。仕事である」
ロラン  「あ、そうか」
ギンガナム「が、ディアナ自らグラタンを作るとあっては、和食派の小生といえども馳走にならねばなるまい」
ハリー  「ディアナ様はロラン君に美味しいものを食べてもらおうと、一所懸命になっていらっしゃるのだ。感謝の気持ちを忘れずにな」
ロラン  「あ、ハリーさんお久しぶりです。そうだったんですか。僕はなんて幸せ者なんだろう」

ディアナ 「無礼者っ! 名を名乗りなさいっ!!」

ハリー  「ディアナ様っ(ヅダダダダダッ)」
ロラン  「? なんだろう」
ギンガナム「只事ではなさそうだ。行くぞローラ・ローラ」

厨房。

フッサー 「ヒィー!」
ディアナ 「ああっ! おやめなさいっ。それはこれからオーブンで焼き入れするグラタンなのです!」
ハリー  「ディアナ様! この不届き者めがっ!!」
フッサー 「アッー!(蹴り飛ばされた)」
フッサー 「ヒィー、ヒィー!」
ハリー  「なんという数だ。ディアナ様、危険です。こちらへ!」
ディアナ 「そうはまいりません。グラタンを守らなければ。このっ、このっ(手近にあったホウキでフッサーを叩いている)」
ギンガナム「月の女王ともあろう人物が腕白なことだなあ。が、小生、ご馳走を無駄にされては困るので助太刀するっ」
フッサー 「アッー!」
ロラン  「ディアナ様あああ。どうかこちらへ!」
ディアナ 「ロランに食べてもらおうと作っているグラタンを取られるわけにはまいりません。ここは離れられませんっ!」
ロラン  「ああディアナ様……。お助けしたくても近寄れない。どうすればいいんだ」

424 名前:猛魂戦隊ヒタイダー2/3 :2008/11/25(火) 21:38:38 ID:???
生え上がぁれぇ~ 生え上がぁれぇ~ 生え上がぁれぇ~ ヒタイダー
髪よぉ~ フサれぇ~♪
まだ育毛がでぇきるぅ~ 頭皮がぁ~あるぅならぁ~
 広大なぁ~皮膚をぉ~ 揉めよー揉めよー揉めよぉ~♪
正義のぉ~怒りをぉ~ ぶつけろぉ~ ヒタイダー
猛魂~戦隊ぃ~ ヒタイダー ヒタイダー♪
よみがえっるぅ~ よみがえっるぅ~ よみがえっるぅ~ ヒタイダー
髪よぉ~ フサれぇ~♪
銀河へ~向かぁてぇ~ 揉めよー ヒタイダー
猛魂~戦隊ぃ~ ヒタイダー ヒタイダー♪

ロラン  「こ、この歌は何っ!?」

アスラン 「みんなのリーダー、ヒタイレッド(相変わらずセリフ棒読み)」
カクリコン「アメリア大好き、ヒタイブラックっ(両腕で身体を抱き締める)」
ガトー  「多くの英霊が無駄死にでなかったことの、証のために。ヒタイグレーっ(腕組み)」
ルース  「フォルドにゃ負けねえっ、ヒタイブルー!(力強く拳を突き上げる)」
 五飛   「正しいのだ、俺たちはっ! ヒタイグリーン!!(拳法の構え)」
セレーネ 「月に代わってお仕置きよ。セーラーセレーネ(目を挟むように横にVサイン)」
 五人   「平等世界を築くため、今日も戦い悪を討つ! 猛魂戦隊、ヒタイダー!!(ピキーン!)」

ロラン  「セレーネ姉……さん? セーラー服なんか着て、何をやってるんですか!」
セレーネ 「私はセーラーセレーネよ」
ロラン  「意味が分かりませんよ……って、そんな場合じゃなかったんだっ。ディアナ様!」

トロワ  「そのグラタンには、マロニーが必要だ」
ディアナ 「何をする! 具材はもう必要ないのですっ。 あ、勝手に入れようとするでない!」

五飛   「トロワっ! ヘアーズに加担する貴様のおこないは悪だっ!」
トロワ  「加担、か。俺はただ雇われただけだ。ギルバート・デュランダルの思想に賛同したわけではない。
       が、今は敵と味方に変わりはないな」
五飛   「その腐った性根を叩き直してやる! でやああああっ」
トロワ  「見事な太刀筋だ。やはりこちらも本気でいかねばやられるな。
       いいだろう、来い」

アスラン 「月のグラタンにマロニー落としを敢行されるからって来させられたけど……。
       まさか女王陛下の宮殿にフッサーがいるなんて」
カクリコン「月のグラタンだの、マロニー落としだのと、意味が分からなかったがな。こういうことなら話は早い。フッサーをやっちまえばいいんだろ?」
ガトー  「急いては事を仕損じる。グラタン防衛に全力を傾けるのがよかろう」
ルース  「よし、マロニーを落とさせてたまるか。行くぞ!」
セレーネ 「愛する弟のためだもんね」

ロラン  「やはりセレーネ姉さんじゃないですか……。
       姉さんっ、そんなに激しく動いたらスカートが──って、え?
       凄い。あんな戦いをしてるのに、スカートがめくれ上がらないなんてっ!」
トレーズ 「キミのお姉さ……セーラーセレーネは、見事なものだろう? 実にエレガントに戦う。
       倫理規定を見事に使いこなしているな」
ロラン  「トレーズさん?」
トレーズ 「私はヒタイホワイト。ヒタイダーの総司令として、今回の作戦で彼らを引率してきた者だ」

425 名前:猛魂戦隊ヒタイダー3/3 :2008/11/25(火) 21:39:15 ID:???
ディアナ 「ああっ。おやめなさい! マロニーはレシピに必要ないのです!」
フッサー 「ヒィー。ヒィー!」

ハリー  「いかんっ。ヒタイダー、フッサーの囲みを突破してくれ!」
ギンガナム「戦いは、こうでなくっちゃなあああっ!!」

アスラン 「くそっ。おまえたちは、なんでこんなことができるんだ!」
カクリコン「マズいぞ。数が多すぎて近寄れんっ」

刹那   「ガンダムに乗るんだ、ヒタイレッド! エクシアを持ってきた。これを使ってくれ!」
ロラン  「こら刹那っ。白の宮殿にMSを持ち込んだらダメでしょう!
       だいたい、なんで刹那がここにいるのっ!」

五飛   「ちっ、さすがにトロワだけある。手ごわいっ」
トロワ  「フッ。おまえもな」

ガトー  「突撃する。皆のもの、我に続けえええっ!!」
ルース  「よっしゃあああ!」

ディアナ 「ああっ。グラタンが!」
ロラン  「ちょっと黒タイツの人っ! マロニーは茹でてからじゃないと食べられませんよ!」
フッサー 「ヒッヒヒヒィ~♪」
ロラン  「そうですか。聞く耳なし、ですか。
       ディアナ様の手料理を台無しにした挙句、大切な食材も無駄にして、何も思うところは、なし、ですか」

セレーネ 「あ……。これはマズいわよ」
刹那   「ヴェーダ、ロラン兄さんが切れる確率を算出してくれ。……100%だと!」
ギンガナム「ローラ・ローラが∀に搭乗したわけであるが」
ハリー  「ロラン君もMSを持ち込んでいた事実は、この際置いておくとしても、だ……」

一同   「ロランを止めろおおおおおおおおおお」

月光蝶システムによって、白の宮殿は月の繭に封印された。
これにより政治の中枢が完全にマヒし、月は混乱の坩堝と化す。
 月のすべてが滅びずに済んだのは、御大将ギンガナムがターンXを起動させ、∀と相打ちになったからである。
だが、たくさんのマロニーが厨房の床に散乱した惨状が許せなかったロランは、宮殿ごと大勢のフッサーを封印した。
これが、ムーン・アタックと呼ばれる事件である。

アムロ  「で、莫大な請求書が届いたわけか」
ロラン  「すみません……」
トレーズ 「OZならびに、正体は明かせないが、ある組織からも義援金を送ることが決定している。
       どうかそれでエレガントに願いたい」
アムロ  「それで済むわけないでしょうっ」
アスラン 「申し訳ありませんでした。ザラ・カンパニーからも援助金を工面させますので、どうか……」
セレーネ 「ごめんごめん。笑って許してよ」
アムロ  「おまえはまたっ。……あぁ、胃が痛い」
ロラン  「それでですね」
アムロ  「まだ何かあるのか!?」

ディアナ 「家が無くなってしまいました。修復が完了するまで、よしなに」
アムロ  「……バタ」
ディアナ 「グラタンも作れるようになったんですよ(ニッコリ)」

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最終更新:2013年09月25日 19:22