566 名前:僕らの節分戦争・捌 1/4 :2009/02/12(木) 11:05:44 ID:???
398のつづきー。

アル「プルツー、アレの用意は?」
プルツー「うん、終わってる。 ただ…」
ミネバ「来るぞっ!」
 ザクマシンガンとビームライフル(型エアガン)が軽快な音を立てて
 煎り豆を撒き散らす。
アル「ミネバちゃん、鬼を二階の一番奥に誘き寄せるんだ」
ミネバ「そこに、仕掛けがあると言う訳か!」
アル「うん! アレを使えば、絶対倒せるはずだよ」
ミネバ「よし、プル、プルツーとアルは先にエントランスまで後退。
    あそこから私たちを支援してくれ」
プル「おっけー」
プルツー「了解です」
アル「気をつけてね!」
 一目散に駆け出す三人と、それを左右から援護するミネバとシュウト。

プル「アル、あたしにもバズーカ撃たせてよ」
アル「これ? いいよ」ハイ
プル「やた♪」
 プルが担ぎ上げたザクバズーカの尾栓を開き、背嚢から取り出した弾体をセット。
アル「装填完了。 水が後ろから噴き出すから、撃つときは―」
プル「はっしゃー!!」グイッ!
 ずぱん!
プルツー「きゃっ!」
プル「あ」
アル「―気をつけてって…」
プルツー「姉さん?」グッショリ
プル「あ、あはははは…ごめん!」
プルツー「ごめんで済むかーー!」ひしっ!
プル「冷たい冷たい!」
プルツー「こっちはもっと冷たいんだぞ!」

ミネバ「何を遊んでいる! シュウトの援護!」
 続いて駆け込んできたミネバが一喝。
 再びドズル(鬼)にまとわりついて足止めしていたシュウトを援護する。


567 名前:僕らの節分戦争・捌 2/4 :2009/02/12(木) 11:07:34 ID:???
 シュウトが後退、合流したところで再び三人が後退、
 エントランスホールの階段を駆け上がった。
アル「バズーカの弾はこれで最後!」ガチン
プルツー「わかった!」
プル「う~~~」←取り上げられて不満顔

ミネバ「シュウト、先に行け!」
シュウト「駄目だよ! ミネバちゃんじゃ鬼に追いつかれる!」
ミネバ「だが、ジェットローラーでは階段は上れまい!」
シュウト「大丈夫! 燃料もまだちょっとだけ残ってるし。
     先に行って!」
ミネバ「~~~~」
シュウト「早く!」
 撤退戦は時間との勝負でもある。 貴重な時間を浪費する愚は避けねばならない。
 唇を噛み、わき目も振らずにダッシュするミネバ。
 階段を駆け上がり、キャットウォークの手すりにザクマシンガンを据え付けて引き金を引く。
 それにあわせてシュウトも踵を返し、ダッシュした。
 最大目標としていたシュウトが逃げ出した(と見える)ために
 意気を挙げたドズル(鬼)は調子にのって走りだそうとしたが、
 その鼻先で最後のミサイルが炸裂、ドズル(鬼)の全身を打った。
ドズル(鬼)「ゴアアアア!!」
 その間にシュウトは階段に突進、ジェットのスイッチを押し込む。
ミネバ「シュウト!」
シュウト「よっ!」
 身軽に跳躍したシュウトは階段の手すりに降り立ち、ジェットの推力を使って
 わずか数cmの幅しかない斜面を駆け上がる。
ミネバ「なっ!?」
プル「すっごーい!」
 最後の最後でジェット燃料が底をつくが、それまでの勢いを使って、
 危なげなくキャットウォークに降り立つシュウト。
シュウト「ただいまっ!」
アル「お帰りっ」
プルツー「姉さん!」
 プルツーに促され、プルもアル、プルツーと並んで、階段に敷かれた絨毯に手をかける。


568 名前:僕らの節分戦争・捌 3/4 :2009/02/12(木) 11:09:03 ID:???
 ミネバとシュウトの十字砲火を受け、
 両手で頭をかばいつつ進むドズル(鬼)の足が階段にかかる。
アル「いい? 3…2…1っ!」
プルツー「っ!」
プル「たーーー!」
 ばさっ!
ドズル(鬼)「ガ・ガ・ガ」
 アルの合図で、絶妙なタイミングに足元を掬われたドズル(鬼)がバランスを崩し…
ドズル(鬼)「ンガッ!」
 どんがらがっしゃん!
 階段から転げ落ちる。
 そこへごろんごろんとクラッカーが転がり落ち、炸裂!
ドズル(鬼)「グ…グ…グ」
ミネバ「まだ立つのか、父上は…」
シュウト「でも、さすがに堪えてるみたいだね」
アル「う~ん、もう一押しいるかなー。 やーいやーい!」
 突然はやし立てるアルに、すかさずプルも同調する。
プル「おしーりぺんぺーん♪ あっかん…」
アル&プル「「べーーー!」」
ドズル(鬼)「グガーーー!!」ピーーーー!
 湯気でも噴きそうな形相で立ち上がったドズル(鬼)は猛烈なダッシュを見せる。
 が、プルツーが絨毯をめくり上げ、ドズル(鬼)に向かって投げつけた。
 摩擦を失った絨毯はドズル(鬼)の足元でたくし上げられて、推進力を奪う。
 体は前のめりになっているのに、前に進めないドズル(鬼)は再びバランスを崩し―
 ずしん!
ドズル(鬼)「ふぎゃっ!」
 階段に倒れこんだ。

シュウト「ないすこんびねーしょん…」パチパチ
 打ち合わせもせずに息の合ったその行動に、シュウトが感心して手を叩く。
ミネバ「いつの間にそんなに仲が良くなったんだ?」
アル「え?」
プル「…なんとなく?」
プルツー「でも、レディがおしりぺんぺんは無いと思う」
ミネバ「うむ。 それは言える」


569 名前:僕らの節分戦争・捌 4/4 :2009/02/12(木) 11:10:16 ID:???
シュウト「来るよっ!」
 シュウトの警告に、ドズル(鬼)に向き直る一同。
ドズル(鬼)「グルゥゥ…」
 体を起こしたその両腕に、力がこもる。
アル「飛ぶっ!」
ミネバ「えっ?」
 どん!
 四つん這いの状態から、ドズル(鬼)は両手両足を使って五人の頭上まで跳び上がった。
 ドズル邸はエントランスにホールがあるほどなだけはあり、一階層の天井が高い。
 一般家庭なら二階家の屋根にも匹敵しそうな高さのキャットウォークまで、
 助走もなしに飛び上がるのである。
ミネバ「散開!」
 ミネバがとっさに叫ばなければ、何人かは下敷きになっていたかもしれない。
アル「!」
 ポケットから一掴みの豆を取り出したアルは、
 大きく跳び退りながら、ドズル(鬼)の着地点にそれをばら撒く。
 ドン!と床を鳴らして着地するドズル(鬼)であったが、
 かろうじて砕けずに残った豆を踏みつけてしまい、三たび、バランスを失う。
 ガン!
ドズル(鬼)「ウガアアアア!」
シュウト「うわ、痛そう…」
 バランスを崩したドズル(鬼)は、軽金属製の手すりに後頭部をぶつけ、悶絶した。
 外見上でのダメージは明らかに手すりの方が重症だったが。
ミネバ「後退!」
 号令以下、奥へと続く廊下へ駆け込む子供たち。
アル「ザクマシンガンの弾もこれで最後」
ミネバ「そうか…」
 アルから弾倉を受け取り、交換するミネバ。
シュウト「こっちももうほとんど残弾なし。
     ガトーさんとかにずいぶんつかっちゃったからなぁ…」
アル「アレは誤算だったねぇ」
ミネバ「だが、もう少し誘導すれば最後の仕掛けなのだろう?
    あと一息だ。 がんばろう」
アル「うん」
シュウト「りょーかい」
プル「おー!」
プルツー「ん」コックリ


570 名前:僕らの節分戦争・捌 :2009/02/12(木) 11:11:09 ID:???
つづく。

続きは多分今晩にでも。

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最終更新:2013年10月13日 21:30