729 名前:刹那のバレンタイン マリナ編 1/2 :2009/02/14(土) 22:58:15 ID:???
カンカンカンカン(安アパートの鉄製の階段を上る音)
マリナ「今日は二月にしては暖かいと思ったけど流石に日が落ちると冷えてきますね…」
???「ブツブツブツブツ」
マリナ「?何方か部屋の前にいらっしゃるわ…あの~」
刹那「…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…」
マリナ「刹那?…そんな格好で…」
刹那「…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…」
マリナ「冷た!…体が冷え切って唇が紫色になってるじゃないの…どうしたの?」
刹那「…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…チョココワイ…ネーナコワイ…チョコアマイ…ネーナアマイ…」
マリナ「と、とりあえずココじゃ寒いから家の中に入って!直ぐ暖かいお茶を沸かすから…」
刹那「……コクン」

ピンポーン
ロラン「刹那?!…すいませんマリナさんでしたか。今刹那はちょっと…」
マリナ「その刹那の事なんですが…」
ロラン「あ!刹那…すいません!わざわざ連れてきてくれたんですね。ささ、どうぞお上がりください」
マリナ「お邪魔します」
刹那「…タダイマ」
アムロ「すいませんね、マリナさん。ウチの刹那をわざわざ届けていただいて」
マリナ「いえいえ」
ロラン「どこかの誰かさんのせいでマリナさんにまでご迷惑をおかけして…反省して貰いたいモノですね」
アムロ「…(目をそらす)」
ロラン「刹那にかけてくれた毛布は直ぐにクリーニングしてお返ししますね」
マリナ「助かります。ところで刹那はどうしてあんな事に…」
アムロ「まぁ、話すと長いことなんですが…かくかくしかじか…というような訳で」
マリナ「そうですか…ネーナちゃんがそんなことを…。彼女も情熱的な方ですよね」
ロラン「そんな言葉で片付けて良いのかはかなり疑問ですが…」
マリナ「いえいえ、本当に刹那の事が好きじゃないとなかなかそこまで出来ませんよ…」
アムロ「(ふむ…一寸煽ってみるかな)刹那も案外まんざらでもないようにも見えたかなぁ」
刹那「……いきなりチョコ人形が動き出して抱きついて来た時には心臓が止まるかと思ったぞ」
マリナ「あら刹那。肩まで浸かって良く暖まりましたか?」
刹那「ああ…ちゃんと100まで数えた」
マリナ「寒気がしたり熱っぽかったりしませんか?」
刹那「大丈夫だ」
ロラン「ほら刹那…マリナさんにちゃんとお礼を言っておきなさい」
刹那「ありがとうマリナ…この借りは必ず返す」
マリナ「うふふ…どういたしまして。刹那が大丈夫なら、それでいいのよ」
アムロ『刹那もマリナさんに安心しすぎなんだよな…異性としてのドキドキ感が足りないというか』


730 名前:刹那のバレンタイン マリナ編 2/2 :2009/02/14(土) 23:00:09 ID:???
ロラン「それじゃあお茶でも入れてきましょうか。お茶うけなにかあったかな…」
マリナ「あ!そうそう忘れてたわ。(ガサゴソ)…良かったらコレをお茶請けにどうぞ」
刹那「(顔を青ざめさせながら)マ、マリナ…まさかチョコレートじゃないだろうな?」
マリナ「えぇ?フフ…違うわよ刹那。今バイトしてるお煎餅屋さんで試作品を幾つか貰ってきたのよ」
アムロ「煎餅か…ちょうど甘いモノを食べ飽きてた所なので嬉しいね。ありがとう、マリナさん」
マリナ「こんどお店で銘入りやメッセージ入りのお煎餅を売り出すのでそのテストに色々作ってみたんですよ」
アムロ「へぇ~俺たちの名前入りの煎餅か…面白いね」
マリナ「ガンダム家皆さんの分作ってみました」
刹那(俺の名前入りのが…無い…)
アムロ(刹那のは無しか…これは焦らし高等戦術と見た!)
マリナ「実は…刹那のだけ特別に…(ゴソゴソ)はい、どうぞ」
刹那「!」
アムロ「良かったなぁ刹那。お前のだけ特別に大きい煎餅じゃないか」
マリナ「絵も頑張って描いてみたんだけど…どうかしら?」
刹那「エクシアが空を飛んでる…」
ロラン「どれどれ…うわぁ…けっこう細かい所まで良く描けてますね!」
アムロ「こんな細かい作業して元は取れるのかい?」
マリナ「どこまで細かく描けるかを追求した試作品ですから…作るのに時間がかかりすぎて
     店頭ではちょっと売れませんけどね」
刹那「俺は今猛烈に感動している!有り難うマリナ、貴女も真のガンダムだ!!」
マリナ「喜んで貰えて嬉しいわ、刹那。では召し上がれ」
刹那「え゛?」
マリナ「煎餅なんですから早く食べないと湿気ってしまいますよ?」
刹那「いや…俺にはエクシアを食べるなんて…」
アムロ「刹那、せっかくのマリナさんの心遣いを無駄にするのか?」
ロラン「そうですよ。今ここでマリナさんの前で頂くべきです」
刹那「いや…しかし…」
マリナ「じーっ…ネーナさんのチョコは口に出来ても私のお煎餅は食べられないというんですね?」
刹那「ち、ちがうんだマリナ。これは…」
アムロ(面白いから黙ってみていよう)
ロラン(面白いから黙ってみていましょう)
マリナ「そうですよね。刹那もこんなオバサンから貰ったしょっぱい煎餅よりも
    ピチピチギャルから貰ったあまーいチョコの方が嬉しいですよね」
刹那「違うんだマリナ!これは…ただ…」
マリナ「じゃあ食べてみてくださいな。今、ココで」
刹那「う…うう…」
マリナ「さぁさぁ」
刹那「う…うぅ…ガンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアム!!!!」
マリナ(ウフフ…ちょっとイジメ過ぎちゃったかしら?)

この後、涙を流しながら愛しのエクシア煎餅を食べる刹那の姿が有ったという。
結局その後チョコレートに加えて煎餅までトラウマになった刹那だった。


                                     END



733 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/02/14(土) 23:46:12 ID:???
731
ならばこうしましょうか。

アムロ「逆に考えるんだ刹那。煎餅を間食したあの瞬間、お前とガンダムは
    文字通り一体となり、真のガンダムへと一歩近づいたと考えるんだ」
刹那「はッ!?そ、そうか。ありがとうアムロ兄さん、流石は偉大なガンダム…」

シーブック(こういう時、丸め込むのが巧いなぁ兄さんは)
ロラン(しかし…こんなことどこで覚えたんでしょうか?)

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最終更新:2013年10月13日 22:12