ラーカイラム社会議室。最高幹部の2人、ブライトCEOとアムロCOOがいる。
ブライト「アムロ、最近の社長というのはクライン氏といいザンスカールのマリア社長といい、
娘を芸能界デビューさせるのが流行なのか?」
アムロ「らしいな。自分でプロモーションしなければいけないが、将来の金の卵になりえるからな。
クライン氏のご令嬢は知っての通りだ。ザンスカールは、「家族の絆」ってコピーで
娘さんを宣伝するそうだ。マリア社長はその子の母親が務まっていないというのにな」
ブライト「ふーむ。チェーミンがな、学校で友達に、お前も社長の娘だからデビューするのか?とか
言われたらしい。言われて娘は初めて気づいたようだがな」
アムロ「ブライトはチェーミンをデビューさせる気なのか?」
ブライト「…いや。私もミライも親としてはあの子には普通にまっすぐ育って欲しいと思っている。
芸能界入りというのはどうもな…」
アムロ「その方がいい。あれは生き馬の目を抜くような世界だ。チェーミンには過酷だろう。
それに芸能界に入ったら、あのラクス嬢がライバルになるんだぜ?」
ブライト「クライン氏の愛娘だな…」
アムロ「あの人は経営者としては超一流だけど、親としては親馬鹿を踏み越えて馬鹿親の域に足を踏み入れてる。
ラクス嬢の興味がザラ氏の息子で婚約者のアスランからうちの弟のキラに移った途端に
ザラカンパニーとの提携も子供同士の婚約も突然打ち切ったように、娘の気分で経営戦略さえコロコロ変える人だ」
ブライト「そして、敵になった相手は容赦なく叩き潰すお人だ。娘にとってチェーミンが芸能界での障害になると判断したら…」
アムロ「アウトだ。彼のやり方を見ればわかる。俺の弟との仲がこじれても同じ結末になると思う」
ブライト「我々はいまだにガラスのロープで綱渡りをしているようなものか…。会社経営というのは厄介だな」
ブライトはそうぼやいておかずをつまんだ。アムロの弁当箱の方からだが。
ブライト「ふむ、
ロラン君の料理はデザートも本当に美味いな」
アムロ「二個も取った!最後の楽しみに取っておいたのに!!」
ブライト「まぁ…それはそれとして…だ。アムロ、何故お前の弟をうちの社でバイトさせなかった?」
アムロ「…え?」
ブライト「お前は例の馬鹿親裁判の時のテレビを見ていないのか?いい。今見せる。」
録 画 テ ー プにて
記者「先程からつれている、この少年は誰です?」
ジーゲル「うちの社でバイトをしている、キラ=ヤマト君だ。高校生だから今はバイトでしか雇えないが、
大学まで卒業したら即座にかなりの地位を与える予定だ。それほどに優秀な人物だ。」
キラ「……(赤面)」
記者「キラ君…何か一言お願いします。」
キラ「…。」
記者「あがっちゃってるようですね…。」
アムロ「なんかの冗談だろう?」
ブライト「そうでもない。実際、提携を結んでから元々我が社と同格であったOS自体の性能が、
突然性能が飛躍的に上がった。」
アムロ「しかし、我が社のいざという時の隠し球のνOSには…。」
ブライト「ジーゲル氏本人が言及していたが、クラインカンパニーにも隠し球がある。その性能は恐らくν以上だろうな。」
アムロ「そこまで…。」
ブライト「お前の弟だ。それくらいの能力を持っていたとしても不思議ではない。
お前が経営戦略の能力に秀でているように、彼はその部門に秀でているのだろう。
所で、もう一つ聞いておきたい事がある。」
アムロ「なんでしょう?」
ブライト「何故、クライン氏はザラカンパニーに報復をしなかったか…だ。
ザラカンパニーとオーブの提携は知っての通りだが、準備開始は我が社と
クライン社の物より早かった。これの意味は分かるか?」
アムロ「ええ。アスハ氏も相当の馬鹿親です。…ってえ?」
ブライト「そうなのだよ。つまり、婚約解消前に既にザラ君はカガリ君に…。もちろん、ジーゲル氏が気がつかない訳は無い。」
アムロ「自分の娘のスキャンダルだけで相手の会社を潰す為にあそこまで工作する人物が、
袖にされて怒らない訳が…。」
ブライト「そうだ。しかも、それどころか先程、オーブ+ザラカンパニーとの提携に関して、
提言があった。もちろん承諾したがな。ただ不思議とは思わないか?」
アムロ「…考えられる事は一つ。ラクス嬢の感情がダイレクトに経営戦略に響くのでしょうね。
そうでなかったらアルスター社とかは即座に潰されている。間違いなく。
娘の彼氏を虐め、しかも恋敵な訳だからな。ただ何故かラクス嬢はある程度仲良くしようとしてるみたいだが。
最も弟はラクス一筋になりつつあるようだが。」
ブライト「なるほど…。所で、更なる提携にあたりこちらもいざという時の切り札を強化する必要がある。やってくれるな。アムロ。」
アムロ「分かった。ブライト。」
そして、アムロ帰宅直後
アムロ「キラはどこにいる?」
コウ「デート中ですけど。」
アムロ「そうか…。今日夜、
家族会議をやる。それまでに帰ってくるといいが…。」
シロー「何があったんですか?」
アムロ「今度、オーブ+ザラカンパニーとも提携する事になってな。切り札となる新OS等に関して、
他社に全く劣らない物を作る必要があるのだが、そこで障害になるのがキラなんだ。」
シロー「キラが?」
アムロ「そう。キラのバイト先がクラインカンパニーだったんだ。だからそのキラも交え、それ以上の物を作ろうと思う。
そのための家族会議だ。もちろん、ドモンは糞の役にも立たないだろうけどな。」
そして、夜…。
PCに関して多少は能力のありそうなメンバーを集め、談義が交わされるのだが何故かキラとガロード、カミーユがいない。
アムロ「キラとガロード、カミーユはどうしたぁぁぁぁ」
ジュドー「そろいも揃ってデート中。多分キラ兄さんは12時くらいで残りの2人は朝帰り。」
アムロ「で、ジュドーとウッソだけか…。」
コウ「…いるんですけど…。」
シーブック「ここにも…。」
ウッソ「3人じゃぁ…どうしようもないですね…せめてカミーユ兄さんかキラ兄さんが
来ない事にはどうにも…。」
アムロ「キラのパソコンのOSを覗くのが手っ取り早いんだけどな………俺は…。」
ウッソ「アムロ兄さん、なんか白いオーラが…。」
アムロ「俺は…仕事を弟に頼るなんて・…なんて馬鹿な…クッ…。」
アムロが突然凄まじい速度でタイピングを始める。
ウッソ「質量をもった指の残像とでもいうの?」
ジュドー「アムロ兄さん、まるでキラ兄さん並に早くなったな…タイピング。」
ウッソ(でも、キラ兄さんは言ってた…。あのOSにはまだ改良の余地が山ほどあるって…。
今の時点でここまで苦労するなら、いずれは…。)
アムロ「これ…で…良し…バタッ・・・。」
そこで、アムロが倒れる。
ウッソ「兄さん!!…どうしよう?僕達じゃこれを
どうすれば実験できるかは…。」
そこで鐘が鳴る。
キラ「ただいま…。」
ロラン「あれ…?ラクスさんは?」
キラ「酔って倒れちゃったからさっき家まで連れて行って…。」
ジュドー「あ、キラ兄ちゃん…。」
ウッソ「ちょっと、大変なんですよ、聞いて…。」
そして、キラが色々話を聞くと…。
キラ「なるほど。それで…。」
ウッソ「らしいですよ。」
キラ「向こうの内部に関して詳しい事は言えないけど、これだけは言えるよ。
あそこの切り札は今、機能を強化しすぎて初心者にはとてもじゃないけど使いこなせない
物になってるの。だから公表はされてない。アムロ兄さんが作ったのも同じ道を歩んでるみたいだけど
僕が作ったのより汎用化されてるみたいだね…。
ジーゲルさんは今は、4社合同でOSを作る事を目標にしているみたい。」
次の日、アムロは弟達からその話を聞き、新OSデータをブライトに提示する。
ブライト「なるほど…。」
アムロ「だから、νは汎用性もそれなりなので、十分対抗できると思います。
それに、これの汎用化も進めれば…。」
ブライト「よくやった。アムロ。」
家で
キラ「僕も兄さんには負けてられないな…。頑張らなきゃ。」
完
最終更新:2017年06月05日 09:52