ジュドー「コウ、シーブック兄さん、コレ行こうぜ」
コウ「『ホテル・エレガント主催大食い大会』? お前も参加するんじゃ勝ち目ないしなぁ。パスするよ」
ジュドー「よく読んでくれよ。『フルコース食べ切れたら100万円』。とにかく食いきればいいんだよ」
シーブック「そうか。なら我が家の参加者が多い方が……」
ジュドー「賞金ゲットの可能性がアップするってワケ」
コウ「よし、ヒイロも来いよ」
ヒイロ「…興味ない」
シーブック「これは任務だ」
ヒイロ「任務か…了解」
こうして、ジュドーたちはホテル・エレガントの大食い大会に出場することになった。
そして……。
ラル「ここがホテル・エクセレントか」
ハモン「あなた、勝ってくださいね」
ラル「ああ、賞金は部下たちの生活の安定につながる」
ハモン「兵たちのため?」
ラル「お前のためでもある。ザビ家に近い暮らしができる」
ハモン「私も参ります。2人で食べきれば200万円……」
ラル「お前が? ムリはするなよ」
ハモン「守ってくださいね。あなた」

大会が始まった。最初に出されたのは、ニンジンスティック(前菜)だ!
コウ「なぜニンジンだけなんだー」
ウェイター「『βカロチンは人をエレガントにする』がここのオーナーの持論でして」
シーブック「100万円のためだ! 食べるんだ、コウ兄さん!」
コウ「くそ(バリボリバリボ……)」
ジュドー「あ、コウ兄さん涙目になってる……」
コウ「やっぱりダメだ、賞金いらないよ」
一同「あ~ぁ」
コウ、1皿目にして早くもリタイア。

ジュドー「2皿目はまだー?」
ウェイター「お待たせしました。次はコッペパン10個です」
ジュドー「じゅ、10個ぉ?」
鉄仮面「ふははははは、凄かろう。私が焼いたパンだ。うまいぞ」
シーブック「なんとぉー!」
ヒイロ「落ち着け、シーブック」

ヒイロ「(パンだけでは喉に詰まる。だが、水分の取りすぎも危険だ…)」
ラル「おやじ、うまい水をくれ」
ヒイロ「水だ」
ラル、ヒイロ「(くっ、同じ作戦か……)」
ラルとヒイロは少しずつ水を含みながらパンを平らげていく。
シーブック「食いまくれば負けやしない!」
一方、シーブックはパンを無理やり口に押し込みながら、強引に飲み込もうとする。
シーブック「うご、うごにぐまっが」(うっ、喉に詰まった)
シーブック、2皿目でリタイア。
ヒイロ「うかつな動きは氏につながる」

こうして10皿目に突入。多くのリタイアを出す中、ジュドー、ヒイロ、ラル、ハモンの4人がまだ残っていた。
オーナー「見たまえ、あのご婦人を。何とエレガントな大食いではないか」
秘書「はい。それにひきかえ、赤いブルゾンの少年は酷いですね」
ジュドー「んなろ、こなくそ(ガツガツ、ムシャムシャ)」
フロアマネージャ「これでは人に品性を求めるなど絶望的だな!」
オーナー「客を非難するのはエレガントではないね。ことはエレガントに運ばねばならない」

ウェイター「アイツら、まだ食ってやがる。何とかしろ!」
シェフ「何だと? よし、油を大量に使って……これならどうだ!」
ウェイター「お待たせしました。11皿目、大盛スパゲティです」
ジュドー「何だか油っぽくない? ギトギトしてるよ」
ハモン「油がツヤツヤして食欲をそそりますね」
ウェイター「は?」
ハモン「ですから、食欲をそそります」
ウェイター「……」
ジュドー「くそー、食ってやる!」
一気にスパゲティをかきこむジュドーだが、急に動きが止まった。
ジュドー「うっ、ぐぼぉあ」
コウ「うわっ! スパゲティが鼻や耳から飛び出してる!」
シーブック「なんとぉー。大丈夫か? ジュドー」
ジュドー「僕は……すごいものを…見たんだ……」
コウ「ダメだ。壊れた」
ジュドー、11皿目でリタイア。
ラル「小僧とは違うのだよ、小僧とは」
ヒイロ「おっさん、顔が青いぞ」

ウェイター「15皿目、七面鳥の丸焼きです」
ラル「ほう、思いきりのいい料理だな、手ごわい」
ハモン「あなた!」
床に崩れ落ちるラル。口ひげがヒクヒク痙攣している。それをチラりと見るヒイロ。
ラル「見事だな。しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ。若さおかげだという事を忘れるな」
ヒイロ「負け惜しみだ」
15皿目にしてランバ・ラルがリタイア。残るはヒイロとハモン!

ウェイター「このままじゃ食い終わっちまうぞ」
シェフ「負けるもんか。これならどうだ!」
ウェイター「16皿目、豚の丸焼きです!」
シーブック「ヒイロの様子がおかしいぞ
コウ「顔が紫色だ……。しかし、相変わらず無表情だな」
ヒイロ「ゼロは何も答えてくれない……。教えてくれ五飛、俺は後何皿食べればいい?」ジュドー「うわっ、汗ダラダラじゃない。ヤバいんじゃないか?」
それでもモクモク食べるヒイロ。
ジュドー「ヤバいよ。顔が緑色だ」
シーブック「一体、どうやったらあんな色になるんだ?」
ウェイター「17皿目! 牛の丸焼きです!!!」
ヒイロ「ターゲット確認……排除する」
コウ「まだ食べてる……。って、あの女性も牛にとりかかったぞ!」
ジュドー「おえっ」
限界は突然やってきた。ナイフとフォークを取り落とすヒイロだった……。
ヒイロ「ここまでか……任務失敗。自爆する」
コウ、シーブック「なっ!?」
ジュドー「ば、バカ、やめ……」

ちゅど~ん

ロラン「アムロ兄さん、あっちで大きなきのこ雲が……」
アムロ「ヒイロのヤツ、また何か失敗したな。しょうがないヤツだな」

オーナー「国敗れて山河あり。エレガントな幕引きじゃないか」
秘書「ホテル・エレガントは完全に破壊されてしまいましたね」
オーナー「ホテル経営も飽きてきたし、ちょうどいい。また歯医者に戻るとしよう、レディ」
秘書「はい、トレーズ様」

数日後

ヒイロの自爆に巻き込まれたコウ、シーブック、ジュドー、ハモンが入院している病院にやってきたヒイロとラル。
ラル「具合はどうだ? ハモン」
ジュドー「何で2人だけピンピンしてるんだよ!?」
ハモン「冗談じゃありません。死ぬほど痛かったのですよ」

ヒイロ「慣れてるからな」
ラル「失敗したら自爆するのは当然だろう」

ほのかな友情を感じ始めるヒイロとラルだった……。



今度は長くなってしまった……。短編だからと褒めてくれた人、ゴメン。


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最終更新:2018年10月23日 10:34