856 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/02(土) 05:36:10 ID:???
「ふぁあぁぁ~……」
包丁を持っているというのに生あくびが出ます。それというのも寝不足だからでしょう。
イノベーターであるこの私が寝不足になるのは、過度のカフェイン摂取によるもの。
決してリジェネのように不健全な生活をしている訳ではありません。
「
トランザム!トランザム!!」
私の横で熱心にコーヒー豆を曳いているのが、我が家のコーヒー党・ブリング=スタビティ
町でケバブを食べていると、「貴様、チリソースと同じ髪の色をしているのにヨーグルトソースを選ぶとは何事か!」と
訳の分からない難癖を付けられた所を、助けて貰った縁でバルトフェルトという方のお店でアルバイトをするようになってから
妙にコーヒーに凝り始めた……いや、仕事熱心なのでしょう。
「トランザム」
問題は私に試飲と味の感想を訪ねてくるところですが。
ええ、バッチリ目が醒めました。昨日とは豆の配分が違うようですね。
「トランザム」
当然です。私はイノベーター。違いの分かる男です。
「やあ、リヴァイブ」
縞パンとシャツで降りてきたのは我が家の家長であるリボンズ=アルマーク
「お茶を貰えるかな」
彼は我が家に置ける緑茶党です。もっともお茶を淹れるのは私の役割ですが
「う~ん……やはりお茶はシズオカ産の茶葉に限るね。
ガンプラ工場の香りがするよ」
まあ、ある意味私達の聖地ですからね、シズオカ。
「ヒリングお姉ちゃんー。あーそーぼー」
シュウト君達のお迎えが来て、ヒリングが家を出て行きます。夕飯前には帰るのですよ。
「アニュー、迎えに来たぜ」
悪い虫がアニューを迎えに来ます。ちっ……門限までには帰るのですよ、アニュー。
なんですか、コレは。茶菓子?ふ……ライル=ディランディ、モノで私を懐柔しようなどと……あ、そうですか、お兄さんから
いや、これはこれはどうも。いや、弟さんと違って良くできたお兄さんだ。は?普通そういう事は本人の前で言わない?っていうか態度変えすぎ?
お兄さんのニール=ディランディと比べて随分と心が狭いですね、ライノレ=ディランディ……いやですね、ワザと間違ったに決まってるじゃないですか。
「お菓子!お菓子!」
リジェネ、恥ずかしいから止めなさい。
中身は……
「クッキーのようだな、オルバよ」
「そうだね、紅茶と合いそうだよ」
あなた方を呼んだ覚えがありませんが……
「ふ……我々は、いや正確にいうと弟のオルバは、君の家のデヴァイン=ノヴァに正式に招待されたのだよ」
「ふふふ。どうやら彼、ボクの煎れるブランデー入りの紅茶をマスターしたいようだよ」
「トランザム」
デヴァインが紅茶党になったのも訳があります。
というか、その原因は私も一端を噛んでいるといえばそうなのですが……
857 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/02(土) 05:39:06 ID:???
その日、デヴァイン=ノヴァは私に頼まれてお使いにでていました。安かったのですよ、ソファが。
リジェネがポテチを食べて汚すから、新しいのが丁度欲しかったのです。私達はMSですが
デヴァインはMA乗りなので荷台に余裕がありましたし。
無事、買い物を済ませ、運転中でデヴァインが音楽を聴こうとミュージックディスクを再生したときです
「アッガアッガイにしてやるよ~♪」と気の抜けた音楽が流れ(無論、リジェネの仕業です)、気の抜けたデヴァインは事故を起こしてしまいました。
まあ、事故自体は怪我人も出ずに済んだのですが、相手のマリーメイア=クシュリナーダ嬢が
「エンプラス……女王という名前のMAですか。気に入りました」
との事で、示談の条件として暫くクシュリナーダ邸に執事として務める事になったのです。
しかし……
「このローズティー、とてもではないがエレガントとは言い難いな」
「そうですね、お父様」
「ト…トランザム……」
と、まあそういう訳でイノベーターの意地をかけてデヴァインは紅茶を学んでいると言うわけです。
……いや、これ美味しいですね。侮り難し、フロスト兄弟。まさか貴方は執事の純粋種……には見えないですね。
「失礼だね、君は」
ちゃんとカップを温めてから紅茶を注いでいるようですね。……昨日河原でヨモギを引っこ抜いてた人物と同一人物とは思えません。
「ふ……敵役というものは様々な顔を持つものなのだよ、リヴァイヴ=リバイバル」
「トランザム」
「ふむ、中々オルバの煎れる紅茶に近づいたようだな」
「先生がいいからね」
「トランザム」
しかしお酒が入ったモノをマリーメイア嬢に出すのはどうかと思いますよ、デヴァイン。
「トランザム!?」
気付いてなかったようですね……
まあ、折角ですからさっきのクッキーでも……あひぃっ!
こ、こ、こ、このクッキー、ハロの形をしているじゃありませんか!お、恐ろしい……
このようなモノを口に含めというのですか!冗談ではありません!
こんなもの、こうして砕いてやる!!
………ふう、悪は滅びました。
「しまっちゃおうね~」
ハッ!?貴方は
ハロ長官。
「いけないなー。食べ物を粗末にしちゃ。そしてハロを粗末にしちゃ。白い部屋行きだねーー」
う、うわああああぁぁぁぁ。緑の、緑の悪魔が近づいて、私が、僕が、俺が………
ジークハロ!ジークハロ!!
ティエリア「ハッ!夢か……」
リボンズ「残念ながら、君達イノベイトは脳量子波で繋がっているんだよだから……」
リヴァイヴ「ジークハロ!ジークハロ!!」
アニュー「ジークハロ!ジークハロ!!」
ヒリング「ジークハロ!ジークハロ!!」
ブリング「トランザムハロ!トランザムハロ!!」
デヴァイン「ハロンザム!ハロンザム!!」
リジェネ「ゴロゴロ!ゴロゴロ!!」
リボンズ「……どうにかしてくれないかな」
ティエリア「絶望した!夢オチにならなないことに絶望した!!」
最終更新:2013年11月25日 19:16