ドモン「おいウッソ、さっきお前の友達の女の子が畑の大根ぶっこ抜いてたぞ。」
ウッソ「あぁ、シャクティだね、うちと同じで貧乏だから持って行けって言っといたんだ。」
シーブック「おいウッソ、そのシャクティがさっき川で野菜洗ってたぞ。」
ウッソ「貧乏だから水道代倹約してんだよ。」
コウ「おいウッソ、そのシャクティが・・・」
ウッソ「どうしたんですか、鼻血出して。」
コウ「公園の池で水浴びしてた。」
ウッソ「いくら貧しいからって・・・って子供の裸で逆上せないでくださいよ!」
コウ「違うよ、たまたま通りかかったら大根投げつけられたんだ、『見ないでください!』とか言って。」

その頃、公園を散歩していたジュドーも同じ光景を目撃したが、連れの双子が暴れるのを必死に押さえていた。
ジュドー「こらぁ、あの子の真似して池に入るの止めろって!ば、バカ、服脱ぐなって、人に見られたら恥ずかしいだろ、エ、俺やだよこんな寒いのにちょっと待て、あ、あぁ~!」

シャクティ「単なる水浴びではないわ、沐浴よ。」
ジュドー「ぶえーっくしょい!!見ろ、別に遊んでたわけじゃないだろっ!」
プル「だぁって~、おもしろそうにみえたも~ん。」
プルツー「ジュドー男の癖にだらしなぁーい!あたし達全然寒くないよ。」
池から上がって着替えを済ませて女の子達は実にケロッとしていた。着衣がびしょびしょのジュドーに吹く風は最早寒痛い。
ジュドー「ダアーっ、家帰って風呂入って寝る!もうさみーっ!」
プルとプルツー「わーいお風呂だお風呂ー!ジュドーと一緒にオフロー!」
ジュドー「なんでお前らも入るんだー!ブルブル」
シャクティ「私だけではもったいないわ。カルルも連れてこなきゃ。」
ジュドー「お前何言ってんだーっ!」

シャクティ「…と言うわけで、又来てしまったわ、ウッソ。」
ウッソ「・・・・とにかく中入って!」

ウッソ「なんでこんな時期に沐浴なんか・・・家の風呂場じゃ駄目なの?」
シャクティ「湯船が壊れてしまったの。私の祈りが届けば自ずから直るわ。」
ウッソ「・・・分かったシャクティ、後で直しに行くから。」
ドモン「(そんな祈り、どこに届くんだ?)」
アムロ「変わった子だな。」
ウッソ「いつもこんな感じですよ。学校の水道で洗濯するし屋上でカルルのオシメ干してるし。それとグランドに木植えようとしたりお祈りしながら中に浮いたり・・・」
カミーユ「(なんでこんな子と平然と付き合ってるんだ、ウッソは!?)」
ウッソ「時々見えなくなる位上に行っちゃうんで僕がVガンダムで迎えに行ったりしてるんですよ。」
シロー「なんともすごい子だな、その歳で自然破壊を懸念して自ら植樹を行うとは。」
シーブック「話が全然ずれてるよ。」

その頃風呂場のジュドー。
ジュドー「いやーっ生き返るーっ!寒中水泳の後の風呂は最高だなぁ。」
一人湯船で悦にいるジュドー。だがその時・・・
ドタドタドタ!!
プルs「ぷるぷるぷるー」
二階をけたたましい勢いで駆け下りてくる音とあの声が、徐々に風呂場に近づいてきた。
ロラン「駄目ですよ今ジュドーが入ってるんですから、あ、こんなところで服脱がないで、なんて格好してるんです女の子が!あ、いいところに来ましたコウ兄さん、2人を捕まえて・・って又鼻血吹いて倒れたぁっ!」
風呂場に響くロランの叫び声。ジュドーはがっかりした。
ジュドー「ハマーンのでーとにアルバイトもない久々の休みの日なのに・・せめて風呂くらい一人にさせてくれ・・・。」
プルs「ジュドー、一緒にお風呂はいろっ!」
じゃぼ~ん

アムロ「すまないね、シャクティちゃん。いつもはこんなにうるさくは・・・いや、毎度うるさいか。」
シャクティ「大丈夫です、見ての通りカルルはぐっすり眠っています。」
ロラン「どうでしょう、そろそろ5時ですし、今から帰って夕飯の準備も大変でしょうからうちであがっていってください。」
シャクティ「いいんですか、そこまで甘えて。」
ドモン「遠慮することはない。困っている者同士はお互い様というしな。今日はうちの米びつが空になるくらい食ってけ!」
アムロ、シロー「おまえが威張って言うな極潰しが!」

今日は鍋パーティ、白菜と豚肉たっぷりのキムチ鍋。お肉がないからウッソ買って来て。
なら私も一緒に・・・
ウッソ「カルルもいるんだし、家で待ってればいいのに・・・」
シャクティ「今日はお世話になってばかりで、悪いわ。」
ウッソ「うちは何もないようで何かある家だから、これからも頼っていいよ。」
シャクティ「兄弟って、家族っていいわね。私もウッソと同じようなところに生まれたかった。」
お母さんの事とか思い出させたかな、とふと思うウッソ。うちには兄や弟がいるけど、彼女はうちに帰れば話のできる家の人は、いない。
ウッソ「うちなんてやかましいばっかりでさ、見た目と中身は大違い。でも、それでも僕らといると気が晴れるンならいつでもくるといいよ。」
シャクティ「ウッソ・・・」
そう言うとウッソの手を優しく握るシャクティ。
シャクティ「ありがとう。」

ジュドー「あ~逆上せた~。あいつら風呂ン中で抱き着いて離れてくんないし、いつまでも恐竜ごっことかで湯の中に浸かりっぱなしで俺もうダシがらのコンブ状態。
今二階でくたばってるコウ兄貴をからかってるって?駄目だヨ又鼻血吹くかもしんないぜ。裸はどうだったって、ガロード。バカ、がきだぞ、変な気起こんねーよ。
まぁ、ちょっとは胸膨らんでたかなって・・違うよ、あんなのまだ女のうちに入んねーよ。あ、あれ、コウ兄貴の叫び声が。吹いてるかなー?どれ、救急箱持っていってやるか。」

シャクティ「今日は色々とありがとう。お鍋なんて本当に何年かぶり。」
ウッソ「うちも滅多にやらないからね、又鍋パーティする時は呼ぶから来てよね。」
シャクティ「ふふ、楽しみにしてるわ。見送りはここまででいいわ。おやすみなさい。」
ウッソ「うん、おやすみ。・・・ん?」
その時ウッソはシャクティが何か大きなものを引きずっているように見えたのだが、闇夜に溶け込んでいった姿と共にそれが何だったのかはわからなくなった。

そして翌朝。

ロラン「みんな!、大変です、米びつが空っぽなんです!昨日食事の後あるだけ全部入れておいてのに!」
ここでウッソは気づいた。シャクティが引きずっていたのは間違い無く我が家の米袋。
ウッソ「多分シャクティが持って行ったんですよ。だけどこの場合ドモン兄さんも悪いんです。」
ドモン「何故俺が!?」
ウッソ「米びつが空になるほど食えって昨日言いましたよね。それを真に受けて、家で全部食べるつもりなんですよ。シャクティにその手の冗談は通じないんです。」
シーブック「こんな時こそ使えるせりふ、『ナントーっ!』」
キラ「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ
ギンガナム「人の好意に着けこんで家の物を漁っていくとは不届き千万、浅ましき毒婦め許せん!!」
兄弟s「お前が言うかーっ!!!」

因みに、ジュドーはこの日病気でダウン。無理やりお泊り会を決め込んだプルsと川の字で就寝、2人に寝ながら掛け布団取られちゃって凍えて風邪引き。見舞いに来たハマーンとプルsが一悶着起こす、という話は、また別の講釈で。




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最終更新:2017年06月15日 20:01