627 名前:友達ネタに便乗1/2 :2009/05/17(日) 02:03:19 ID:???
ネーナ「ルイスのアホー!わからずやー!」ダーッ
ルイス「何よ!ネーナのバカーッ!」



シーマ「おやおや…珍しいね、お前達がケンカかい?」
ルイス「あ…シーマさん…いや!何でもないです!」
シーマ「今のが何でもないわけないさね。お前達は可愛い妹分だ。ほれ話してみな」
ルイス「……これです」

差し出されたのは片方が破れてしまった一組の手袋だった。

シーマ「おやまあ……ははーん…なるほどね。大事な人から貰った物かいそれは?
    それをネーナがあのMSで引っかけるかどうかして破れた…と?」
ルイス「そうです…沙慈から貰った物です。さっきネーナと待ち合わせしてたんですが…
    着地のバランス崩したらしくて倒れてきて…びっくりして転んで破っちゃったんです」
シーマ「…よくまあ手袋だけで済んだものだ。で、あとは売り言葉に買い言葉ってわけかい」
ルイス「当たりです…まあ私も言いすぎたと思いますけど…」
シーマ「ふふふ、そう思ってるんなら心配なさそうかねぇ。仲直りの手伝い…してやってもいいけどお望みかい?」
ルイス「いえ、聞いてもらっただけで十分です。あとは自分でやります」
シーマ「よーし、いい答えだ。あんたがそう思ってるんならあの子もきっとそうさね。まあ頑張りな」バシ!
ルイス「ゲホ…はい、ありがとうございます!」



ルイス「…とは言ったもののなー、どうやって切り出せばいいかなぁ…」
普段沙慈とはよくケンカしては仲直りを繰り返すルイスも、友達とのケンカには慣れていない。
取りあえず歩きながら最初の一言を考えてみる。

ルイス「…ネーナ~!さっきはごめんね~!……ダメだ、軽すぎるな…
    …その…私も悪かったから…許してやらなくもないんだから!……ツンデレかっての…
    …あはははは!とち狂ってお友達になりにきたのかい!……これは何もかも違う!ん~…」


???「…フフッ」
ルイス「だ、誰よ!?」
ヨハン「あ、いや、すまない。声をかけようと思ったのだが取り込み中だったようなので…」
ルイス「あ~、あなたは…ネーナのお兄さん」
ヨハン「ああ、久しぶりだね。ちょっといいかな…さっきネーナが泣きながら帰って来たんだが
    理由を聞いても教えてくれないんだ。普段はそうそう泣いたりする子じゃないからね…
    色々考えてみてひょっとしたらと思い探してたが、どうやら当たってたみたいだね」
ルイス「…そっかぁ…ネーナが…」
ヨハン「ケンカの原因はやっぱりネーナにあるのかな?あいつは少し世間知らずな所があるし…
    知らず知らずに他人に迷惑をかけてしまう事があるだろう。根は良い子なはずなのだが」
ルイス「いえ、いいんです。私も言いすぎたし、謝りに行こうと思ってたところだから」
ヨハン「そうか…そう言ってもらえると安心した。あいつは今まで同年代の友達がいなかったんだ。
    だから君達と仲良くなった時はすごく嬉しそうにしていた。これからもよろしくお願いしたい」
ルイス「えっと、それは私も同じだから…あ、ネーナには言わないでよ。自分で言いますから」
ヨハン「ああ、ありがとう」


ヨハン「………」
シーマ「まあそんなに心配しなさんなって」ぽんっ
背後からいきなり肩を叩かれ声をかけられる。
ヨハン「えっ?…ああ、シーマさんでしたか。いつも愚妹がお世話になってます」
シーマ「あの子らなら大丈夫。大事な事はわかってるだろうさ。信用してやりなよ。
    さて…こっちはお目付け役同士一杯やろうかい。奢ってやるよ、付き合いな」
ヨハン「はは、恐縮です」


628 名前:友達ネタに便乗2/2 :2009/05/17(日) 02:04:30 ID:???
ルイス「あ~あ…すっかり日暮れたよこれ…ごめんて言えば済むはずなのにこんなに難しかったかな…」
自宅のガーデンテーブルにぼーっと腰掛けながら独りごちていた。
恋人同士での痴話喧嘩とは少し勝手が違う。
慣れていないだけあってどうしても照れ臭さが先に立ってしまう。

(明日にしよっかな…)

少し気弱にそう考え始めた時だった。周囲から聞こえてくるMSの飛行音。
最近見慣れた機影に赤い粒子…スローネドライだ。

ルイス「なんだ…ちゃんと着地できるじゃないのよ」
ネーナ「だからあの時は手が滑ったんだって!」
コクピットから出てくるいつも通りの元気な姿。
向こうから来てくれた事で安堵し、軽口を叩いている自分が少し気恥ずかしい。

ルイス「えっと…あの…さっきはごめん」
ネーナ「いいの!ミスったあたしが悪かったんだから、ごめんね!はい、これ!」

大きなMSの指が掴んでいる片方だけの小さな手袋。

ルイス「これって…何これ?あんたが編んだの?」
ネーナ「同じように作ろうと思ったけど…ちゃんと見てなかったから少し変になったかも」
ルイス「へぇ…こんな特技あったんだ」

沙慈から貰った物は既製品だったがそれと比べてもあまり劣らない出来だ。
普段の振る舞いからは到底想像のつかない丁寧な作りをしている。
ディテールが多少違っているがそれは仕方ないだろう。

ネーナ「何よ…その意外そうな顔は?あたしらデザインベイビーはねぇ、手先も結構器用なの!」
ルイス「意外に決まってるでしょ。でもその…ありがとう」
ネーナ「よかった…今日は遅いからもう帰るね。また今度遊びに連れてってね!」
ルイス「今度はこけないでよ~!」
ネーナ「ルイスもしっかり避けてよね~!んじゃーねー!」

ルイス(なんか…結局私が助けられちゃったな…まあいっか)


植込みの蔭から
シーマ(ほらねぇ、何だかんだ言いながら仲良くやってるだろう)
ヨハン(ええ…安心しました)
シーマ(よ~し、じゃあ二軒目行くかねぇ)
ヨハン(はい、お供させていただきます!)


沙慈「あれ?ルイスどうしたのそれ?左右違う手袋…はっ!まさか誰か男から…!?」
ルイス「そんなんじゃないってバカ!あ…もしかして妬いてる?」
沙慈「いいっ!?い、いやそういうわけじゃ…」
ルイス「もう、こういう時は嘘でもそう言うの!…まあ安心して、これは大切な友達から貰った物だから」
沙慈「そっか…はは…よかった…」


ミハエル「ネーナが大事そうに手袋を編んでいた!どこの馬の骨にあげたんだ!
     まさかあのガンダム馬鹿じゃないだろうなぁぁぁ~!」

刹那「うっ…」
ロックオン「どうした刹那?」
刹那「いや…なんか物凄い殺気を感じた…」

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最終更新:2013年12月10日 20:37