そもそもの発端は金曜日の昼休みの事だった。キラがいつものように(本人の希望というものは全く考慮されず)フレイとラクスに囲まれて話をしていて今週の日曜日は空いているかという話になり、そしてそこからアスランとカガリがデートをするという話が出てきた。
フレイ「デート?アスランとカガリが!?」
キラ「うん、デートっていうかなんか買い物に付き合う事になったって…だから今週の日曜はちょっと無理みたい」
ラクス「あら…でしたら日曜に皆さんでお出かけするお話は無理ですわね…どうしましょう?」
フレイ「ふ~ん…ねえ、それじゃあ今度の日曜、二人のデートを付けてみない?」
キラ「ええっ?ダ、ダメだよそんな事…」
フレイ「いいじゃない。別に二人の邪魔をするとかそういう訳じゃないんだから。あくまで二人の様子を見るだけよ。ラクスは?あの二人がどんなデートするか興味が湧かない?」
ラクス「そうですわね…たしかに興味が無いといえば嘘になりますが…」


ヒイロ「それで二人の尾行をするのはわかった。……で、何故俺がここにいるんだ」
フレイ「いいじゃない。どうせすること無かったんでしょ?だったら運転手ぐらいやりなさい」
キラ「ごめんヒイロ。このお礼はいつかするから…」
ラクス「あ、アスラン様がいましたわ。カガリ様は…まだいらっしゃらないみたいですわね……」

カガリ「悪いアスラン。待ったか?」
アスラン「いや大丈夫。そんなには待ってないから。で、まずは何処に行く?」
カガリ「そうだな、それじゃあ…ん?」

キラ「あ、カガリも来たみたいだ」
フレイ「なんだか地味な格好ね、せっかくのデートなのに」
ラクス「目立つのがお嫌いなのでしょう。まあカガリさんらしいといえばらしいですが…」
ヒイロ「!」
キラ「ん?どうしたヒイ…うわっ!」
フレイ、ラクス「きゃっ!」

カガリ「?…気のせいか……」
アスラン「どうしたんだ、カガリ?いきなり車道のほうを向いてハンドバッグなんか抑えたりして」
カガリ「いや、なんだか誰かに見られてるような気がしたんだけど…気のせいらしい」
アスラン「考えすぎだろ、確かにあんなこと(>>197参照)があったばかりだけど、
だからってカガリが俺と付き合っているなんて記事書いて得する奴なんていないだろうし」
カガリ「そうだな…気にしすぎか……」

キラ「あいてて……二人とも、大丈夫?」
ラクス「はい、私は大丈夫です…」
フレイ「私も…それよりあんた!何でいきなり車を発進させるのよ!危ないじゃない!」
ヒイロ「最善の行動を取ったまでだ。もしあそこで車を出さなければ確実にこの車は攻撃されていた」
ラクス「まぁ、攻撃…ですか?」
ヒイロ「恐らくあのハンドバッグには銃器の類が内蔵されている。あの女がハンドバッグを左手で抑えたのを見ただろう。
あれは照準合わせだ。あの後肩紐を引けば発射される仕組みになっている。ゲリラのような街中での隠密活動を行う人間が良く使う武器だ。」
三人「…」


キラ「もう昼か…そろそろ二人も食事を取る頃だと思うけど…」
フレイ「あ、あのレストランに入るみたい」
ラクス「それでは私達も…あら?車の鍵が……?」
ヒイロ「止めろ、車の外に出るな」
フレイ「どうしてよ!?出なきゃ中に入った二人がどうしてるのか分からないじゃない!」
ヒイロ「あの二人が座った場所は店の一番奥、外からは最も見え難い場所だ。もし見えたとしても確実にあの女の視界に入る、よって店の外から気付かれずに中の二人を観察するのは不可能だ。
だからといって店に入るのは問題外。見つかりたくなければこのまま手を出さないのが最善だ」
フレイ「…」
キラ「二人が食べてる間に僕達も何処かにお昼食べに…行く?」

フレイ「それでその後二人は買い物とかに行ったわけだけど…」
ラクス「どれもあまり変わらない結果でしたわね…尾行がばれそうになって逃げたりヒイロ様の助言で無理と分かって諦めたりしてばかりで……」
キラ「ねえ、ふと思ったんだけどさ…僕達今日一日一体何やってたんだろう……」
フレイ「言わないで…考えたくも無いわ……」
「今日一日無駄な事をした」とフレイの口車に乗ったことを心底後悔している二人(フレイはカガリに対して「注意払いすぎ」と逆恨み)。それに対し黙々と車を運転していたヒイロは
ヒイロ(あの社長令嬢とは思えないまでに手馴れた対尾行術…カガリ=ユラ=アスハか……調査してみる必要があるな)
などと考え、カガリに対する身辺調査を開始したりするのだが、それはまた別のお話。


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最終更新:2017年06月16日 19:57