コウ「アル、これから模型屋行くけど付き合うか?」
アル「うん、いいけど行ったら何か買ってくれる?」
コウ「駄目だよ。俺だって塗料買いに行くだけなんだから」
アル「別にプラモ買えなんて言わないよ、欲しいのがあったら自分で買うし。紙ヤスリやパテでいいんだから」
コウ「う~ん、それなら俺も使えるから別にいいか。いいよ、それ位なら買ってやる。兄弟共用にさせてもらうけどな」
そんな訳で二人はバイクに乗って模型屋へと買い物に行った。因みにコウのヘルメットは自分で塗装した
ガンダムの頭部を模した配色。アルのはガロードとジュドーに誕生日プレゼントとして貰った二人の手製のフリッツヘルム型ヘルメット(ザク色)である。
コウ「さて、と…まずは切らしていた白とワインレッド、後はつや消しか…」
模型屋に着き、目的の物を探し始めるコウ。アルは目的のものは兄が先に揃えてから買えばいいと考え、安売りのプラモが積まれているワゴンの中を漁り、その中の一つに目を留めた。
コウ「ん~と、これで全部か。後サフもそろそろ切れかかってたから買っておこうかな…」
アル「ねえねえ、コウ兄ちゃん」
コウ「ん、どうした。欲しい奴揃えたか?」
アル「兄ちゃんさ、確かZガンダム持ってたよね。まだ作ってないヤツ」
コウ「ん?確か1/144のが一個あったと思ったけど…それがどうかしたか?」
アル「それ作らないなら僕にくれない?ちょっと作ってみたくなったんだ」
コウ(ガンダムを作る?アルが!?何だって急にそんな事を!?)
アル「ねえ、いいでしょ?途中で投げ出さないでちゃんと作るからさ」
コウ「……わかった、やるよ。けど、ちゃんと完成させろよ」
アル「勿論だよ!ありがとう、コウ兄ちゃん!」
コウ(そうか、アルがZガンダムを…とうとうアルもガンダムの魅力に気付いてくれたんだな…)
感慨に耽るコウだったが彼は気付いていなかった。レジに向かっていくアルの手にプラモの箱が一つ握られていた事を。
それから一週間ほど経った彼らの部屋。そこにはアルが作ったグフ(塗装、合わせ目消し、ヒートロッドのハンダ線巻き等の改修済み)の隣で圧倒的な自己主張をしているZザクの姿と、それを見て満足げな顔するアルの姿があったとか。
コウ「(´・ω・`)」
最終更新:2017年06月22日 14:44