672 名前:ギギをめぐる冒険 1/3 :2009/06/09(火) 21:29:10 ID:???
617-622の続き

「諸君らをミンチにまでしようとは思っていない!」
「我々の軍資金を手に入れる為の人質となっていただくだけだ!」
「……おいまずは例の女を捜せ」

ハイジャッカー3人がそれぞれ声を上げる。
最後の言葉については、乗客にではなく仲間内での確認のようで、こちらに聞かせるつもりはなかったようだが。

ハサウェイ(女……クェス、シャクティ……それと……)

ハサウェイは咄嗟に自分の周りの少女たちのことを気にかける。
ハイジャッカーは搭乗員の名簿を手に入れていたのか、乗客たちの名前を順番に読み上げていった。
名前を呼ばれた客が素直に挙手をしていく。

「ギギ・アンダルシア!」

ギギ「はい……」

ハイジャッカーはギギの顔を確認すると、名簿の読み上げを辞めた。
そして、ハサウェイの前まで近づいてくると、ギギに向かって言った。

「悪いが、君はこちらに来てもらう」

ケネス「何!?」
ハサウェイ「……まて、人質なら僕がなる」
クェス「何言ってんのさ!」

ギギを護るように二人がマシンガンを持っているハイジャッカーに声を上げる。

「動くな!こちらの指示に従っておけばいい!」
ケネス「くっ……!」
ハサウェイ(どうする……?)

何か、こいつの注意をそらすきっかけがあれば……!
その時。

ギギ「マフティーだなんて、ウソを言う連中なんか、やっつけちゃったら!?」

「なに!?」
ケネス「!?」


673 名前:ギギをめぐる冒険 2/3 :2009/06/09(火) 21:30:13 ID:???
突然上がったギギの声に、驚き硬直したのがハイジャッカーとケネス。
……とっさに動いたのがハサウェイだった。

ハサウェイ「ふん!」

齢たかだが13歳。だが、現役テロリストの渾身のアッパーが、ハイジャッカーの顎をとらえた。
バランスを崩したその男の足をすくい、倒したところで、顔面にもう一発いれた。
ブライト直伝の修正パンチだ。

しかし、騒ぎに気づいた他のハイジャッカーが近づいてくる。

「てめえ!」
ケネス「させるか!」

すでに硬直がとけていたケネスが思いっきり体当たりをぶちかます。

ハサウェイ(あと一人……!)
考えながら、ハサウェイは、倒したハイジャッカーが床に落としたであろうマシンガンを探した。
しかし、勢いでどこかに行ってしまったのか、見える範囲にはなかった。

「そこまでだ」

3人目のハイジャッカーがハサウェイたちにマシンガンを向ける。
が、しかし、その次の言葉を続けたのはその男ではなかった。

クェス「こっちのセリフ。手をあげろ」
「な……」

ハサウェイが倒したハイジャッカーのマシンガンを拾っていたのはクェスだった。
クェスはその銃口をしっかりと3人目の右胸に突き付けている。

ハサウェイ(ひとまず終わったか?)

シャクティ「後ろにいます!」
ケネス「何!?」
ハサウェイ「4人目!?」

674 名前:ギギをめぐる冒険 3/3 :2009/06/09(火) 21:31:09 ID:???
「うおおおおおおおおおおおおお!!」

どうやら4人目は後ろからこっそり近付いていたようだ。
シャクティの叫びに開き直ったように突進してくる!!

が、その勢いのまま、顔面から床に叩きつけられた。
ゴッ!鈍い音が響いた。

ウッソ「シャクティに手を出すな!」
シャクティ「ウッソ!」
ハサウェイ「今の技は……」
ケネス「すげえな」

クェス「で、終わりなの?」
「う……」

クェスが脅しをかけた時の、ハイジャッカーの悔しそうなうめき声が、こちらの勝利を示していた。

今度こそ、一息付けると、ハサウェイはギギの方をみた。
目が合うと、ギギは静かにほほ笑んだ。
顔が熱くなるのを感じて、ハサウェイは顔をそらして、未だに静かな友人の方を見た。

ギュネイ「……zzz」
ハサウェイ(この人は……)
(続)

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最終更新:2013年12月26日 21:31