730 名前:ギギをめぐる冒険 1/8 :2009/06/10(水) 23:48:49 ID:???
672-674続き
故郷の飛行場に戻ってきた。飛行場には警察隊がすでに待機しているようだった。
外にジムなどが数機居るのが見える。

ウッソ「なんで帰って早々こんなことになるの……」
ケネス「いや、お手柄だったな。君のさっきの技なんか、すごかったじゃないか」
ウッソ「技なんてそんな大層なものじゃありません。兄やそのお師匠さんにたまに鍛えられてるだけです」

ハサウェイ(東方不敗流なのか……さっきの)
ケネス「ハサウェイ。君もか?」
ハサウェイ「僕は無我夢中でやっただけだよ」

ギギ「フフフ……」
ハサウェイ「なに?」

シャクティ「でも、怖かったですね。まさかマフティーに襲われるなんて……」
ギュネイ「ああ、まさかそんなことになってたなんてな……」
クェス「…………」

警察隊員「すいませーん。事情聴取をさせていただきたいのですがー」

ケネス「うん?分かった。皆どうやらもう一仕事みたいだ」
ハサウェイ「その前にちょっとジュース買ってきていいかな?」
警察隊員「ああ、別にどうぞ」
ギギ「じゃあ、私も」
ハサウェイ「え?」

怪訝な顔をするハサウェイの後をついていくギギ。

ギュネイ「あの二人仲良いのか?」
クェス「知らない」

731 名前:ギギをめぐる冒険 2/8 :2009/06/10(水) 23:50:00 ID:???
自販機前
ギギ「ハサウェイ、どれ買うの?」
ハサウェイ「コーヒーだけど、自分でお金だすよ?」
ギギ「うん、私にボタン押させて」
ハサウェイ「?」

よく分からないまま、ハサウェイがお金を入れ、ギギがボタンを押す。すると。
ピピピピピピピピ……自販機のルーレットが回り、そして止まった。
パンパカパ~ン!!

ハサウェイ「あ、当たった」
ギギ「こういうの得意なんだ」
ハサウェイ「得意も何もあるの?これに?」
ギギ「なんとなくね、分かる時があるんだ」

「当たり」でもう一本選べるジュースを何にするか悩みながら、ギギは言った。

ハサウェイ「これもNT……なのかな?」
ギギ「よく分からないけど、ケネスはそう言うわ。でもただ運がいいだけかも」
ハサウェイ「うん……知り合いにも色んなNTがいるけど、ジュースのルーレットが分かる奴はいないなあ」
ギギ「そうなの?この町には色んなNTがいるって聞いて、それも楽しみだったんだけど」

ハサウェイ「それならクェスたちもNTだよ」
ギギ「え、そうなんだ……ハサウェイも?」
ハサウェイ「……僕はどうかな?勘がいいって褒めてくれる人もいるけど。ただ勘がいいだけかも」
ギギ「フフ」

そろそろ戻らないと、変に思われるかな、なんてことを思いながら
ハサウェイは一つ疑問に思っていたことを尋ねた。

ハサウェイ「……ハイジャッカーたちがマフティーの偽物だって言ったのも、ただ感じたから?」
ギギ「人は身体に現れるから……それとさっき思いついたんだけどね」

732 名前:ギギをめぐる冒険 3/8 :2009/06/10(水) 23:51:30 ID:???
ギギがハサウェイをじっと見つめた。
ハサウェイ「え……?」
ギギ「マフティー・ナビーユ・エリンはあなた、ハサウェイ・ノアだって気づいたってこと」

一瞬時間が止まり━━━━
ハサウェイ「ハッハハ……」
ギギ「…………」

ハサウェイ「そそそそそんなわけないじゃないかー」
ギギ「すごく動揺してるわよ」

化け物ぞろいのこの町で、修羅場をいくつもくぐってきたハサウェイだったが、意外にもこの手のピンチは初めてだった。

ハサウェイ(それは気付かないお約束だろ!?)

内心かなり慌てる13歳。
このイベントを乗り切るには、彼には人生経験が少し足りなかった。後12年ほど。

ハサウェイ「僕はごく普通の少年で……ギギ?」
ギギ「…………」

色々言い訳を考えてたハサウェイだったが、ギギの様子がおかしい事に気づいた。

ギギ「皆の所に戻りましょう……あたし、この場所、嫌いだな……」
ハサウェイ「え?いや、あ、ちょギギ!」

さっさと皆の所へ戻ろうとするギギの後を、慌てて付いていくしかなかった。

733 名前:ギギをめぐる冒険 4/8 :2009/06/10(水) 23:53:32 ID:???
クェス「遅かったね?」
ハサウェイ「うん、まぁ」

そう言うしかなかった。とりあえず、ギギは警察に話すような風ではないが……。

ギュネイ「あれ、君のおじさんとは会わなかったのか?」
ギギ「え?」
ウッソ「帰りが遅いって心配して、自販機の所まで見に行ったんですよ」
ハサウェイ「そうなんだ。人も多いし、行き違いになっちゃたのかな?」

なんて簡単に考えていたハサウェイだったが……。

ギギ「ケネス!!そこはダメ!」

ギギが突然走り出した!

ハサウェイ「え!ギギ!?」
追いかけようとするハサウェイ。だが、その腕が誰かに掴まれ、足が止まる。

クェス「ハサウェイ駄目よ!」
ハサウェイ「ええ!?」
ギュネイ「何だ!?」

シャクティ「ウッソ!あの人が!」
ウッソ「シャクティ?」

瞬間━━━━閃光。そして轟音。

734 名前:ギギをめぐる冒険 5/8 :2009/06/10(水) 23:55:43 ID:???
ハサウェイ「うわああああああああああああああ!?」

流石と言うべきなのか。
叫びながらハサウェイは、クェスの腕を振り払いギギの方へ走っていた。

轟音の正体は、詳しくは分からない。だが、屋根の一部が崩れているのを、ハサウェイの冷静な部分が理解していた。
そして、恐らくそこは、先ほどハサウェイたちがジュースを買った自販機のある辺りだった。
つまり……自分たちを迎えに行ったケネスが……。

ハサウェイ「ギギ!それ以上は危ない!」
ギギ「ケネスが……!ケネス!ケネスゥ!!」

ギギが涙を見せながら何度も叫んだ。

ハサウェイ(どうする!?)

考えをまとめよう努めるが、それを邪魔するかのように爆音が響く。
音のした方、ガラス張りの壁の外側を見る。
……ちょうど、一体のジムがバラバラになっていた。

ハサウェイ「ええ!?」

右手と右足がまるでカマイタチにスパッと斬られたようになって、ジムは動きを止めた。
「うわああああ!」
中にいたパイロットが慌てて脱出した瞬間、ジムは上半身と、下半身をキレイな切り口で強制分離させられた。当然爆発。

ハサウェイ「これは襲撃なのか!?さっきの奴らか!?」
窓の外の襲撃者を見つけようと目を凝らした時。

735 名前:ギギをめぐる冒険 6/8 :2009/06/10(水) 23:57:37 ID:???
「上だ!」
「マフティーだ!マフティーのΞガンダムだ!」

回りから聞こえる罵声とか怒鳴り声とかが、ハサウェイの耳に入った。
空を見上げると、そこには確かにMSが旋回していた。

ハサウェイ(Ξガンダム?違う……あれはペーネロペーとかいう!?)
ギギ「ケネス!」

ハサウェイがMSに気を取られた瞬間、ギギは再び駈け出した。

ハサウェイ「ギギ!……待っ……!!?」

しかし、再度ハサウェイとギギは動きを止めた。止めるしかなかった。
目の前にMSが降ってきたのだから。

ハサウェイ「!?」

それは見たことないMSだった。
細長い、手足と胴。そして全身がまぶしく感じられるほどの純白。ただ白一色。
それはがい骨を連想させた。

736 名前:ギギをめぐる冒険 7/8 :2009/06/10(水) 23:59:14 ID:???
がい骨は固まる二人にお構いなしに、その手をギギの方へ伸ばしてきた。

ギギ「きゃあああ!」
ハサウェイ「ギギ!」

叫ぶギギを手に収めた後、白いMSはガラス張りの壁をビームナイフで切り開いた。

ギギ「ハサウェイ!!助けて!!」
ハサウェイ「ぐ!」

追いかけようとするハサウェイだったが、ガラスの破片が飛んできて、顔をかすめた。
白いMSの動きは異常だった。手にいるギギの事を考えているのかいないのか
数歩の跳躍で建物からかなり離れた場所まで移動した。

そして、バラバラにされた警備隊のMSによって地獄絵図とかした飛行場で、全くの無傷だった艦に乗り込む。
合わせるように、上空からぺーネロぺーも着艦した。

もはや艦の発進を止めれる者は存在しなかった。

ギギを乗せて遠く離れていく艦が青空に消えていくのを、ハサウェイは見上げることしかできなかった。
(続)

737 名前:ギギをめぐる冒険 8/8 :2009/06/11(木) 00:00:57 ID:???
色々やっちまったが気にするな、俺は気にしない

ギギに「ハサウェェェイ!」と叫ばそうと思ったが
トェェェェイが連想されてやめました

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最終更新:2013年12月26日 21:35