知育ロボット「ハロ」で市場を席巻し、数々のヒット商品を作を生み出してきたラーカイラム社。
しかしそれらヒット商品の影で、市場に出せないという判断からお蔵入りした製品も少なくない。
例えばGPシリーズがそれだ。

Case1:GP01「ゼフィランサス」
ラーカイラム社会議室。開発部長(当時)のアムロ以下、開発部の面々が顔を揃える中で、
GPシリーズ開発スタッフのニナ・パープルトン主任(当時)が
新型ハロのサンプルのプレゼンテーションをしていた。
ニナ「AIの向上に加え運動力を極限まで高めたGP01です。
    ニックネームはゼフィランサス、花言葉で「清い愛」です」
アムロ「GP01の性能の実演テストをして見せてくれ」
ニナ「はい」
起動されたGP01は部屋中を飛び回り、会議室は暴風が吹き荒れたような有様になった。
ひとしきり飛び回るとGP01はアムロをカメラアイでとらえ、
「アムロゲンキカ?」と電子音声を発しながら猛スピードで突っ込んでくる。
間一髪GP01の突撃をかわしたアムロ。その背後で、GP01に衝突された強化窓は砕け散り、
衝突しても勢いを弱めずにGP01はまっすぐ飛び、隣のビルの壁にめり込んでやっと止まった。
アムロ「…冗談じゃない、避けなかったら頭蓋骨が粉砕されていたぞ!」
ニナ「高機動型に特化しましたから」
アムロ「何でこんな危険な物が作る?!確実に事故を起こして会社の責任問題になるぞ!却下だ」
ニナ「いやあぁぁぁ、私のハロがぁぁ!」

Case2:GP03「デンドロビウム」
次にルセット・オデビー主任が呼ばれた。ニナと同期でライバルだ。
彼女は二つの大きなコンテナの下にハロが埋もれた形のサンプルを乗せた台車を転がしてきた。
アストナージ「おいおい、随分大きいじゃないか」
ルセット「動くので問題ありません。これがGP03、別名デンドロビウムです」
アムロ「花の品種名か。それじゃ、早速動かしてくれ」
ルセット「はい」
しかしGP03は起動しなかった。
ルセット「すみません。バッテリーが切れていました。3分で充電します」
充電を始めると、ラーカイラムの本社ビルが全部停電してしまった。
ケーラ「ちょっと、まさか会社中の電気使ってるんじゃないでしょうね」
チェーン「一体どれだけの電気を使うのかしら」
GP03の充電が終わると、停電も止まった。
ルセット「GP03はユーザーのあらゆるニーズに応えるため、
      オプションユニット「オーキス」と一体化させて多機能を実現させました」
アムロ「具体的に何が出来るか見せてくれ」
ルセットはGP03の掃除機能や物干し竿機能やエアコン機能やそば粉ひきなどを実演して見せた。
クリス「それだけの機能を一台で全部やろうと言うのですか?」
アストナージ「他の家電で出来るようなことをハロにやらせる理由は?」
アムロ「これだけのオプションを全て乗せるのなら、とんでもない価格になる。買える人がいるのか?
     それにさっきの停電のように、消費する電力が大きすぎるとユーザーの電気代の負担も大きい。商品化は無理だな」
かくしてGP03もお蔵入りが決まった。

Case3:GP02「サイサリス」
ケーラ「GP02もニナ主任の担当だけど、GP01があんな物騒なシロモノだったからね…」
アストナージ「期待出来んな」
ニナはそれなりに技術はあるが常識が無く、良い商品を作るという発想もなかった。
ニナは新しいサンプルを持ってきていた。ハロの顔が凶悪な面構えののデザインになっていた。
ニナ「GP02、「サイサリス」です。GP01と比べるとスピードは出ませんが、
    代わりにボディを頑丈にしてみました」
アムロ「へえ。しかしこれじゃ弾力性が無くなって跳ねないじゃないか。転がってしか移動出来なくなる」
ニナ「…新機能はそれだけではありません。バズーカもつけました」
アムロ「…今なんて言った?」
ニナ「バズーカです。ユーザーが危険だとAIが判断した場合、バズーカで危害を加えそうな相手を撃ちます」
そう言ってニナはGP02を操作して折りたたんだバズーカを取り出させた。
アムロ「冗談じゃない。危険過ぎる。バズーカを直させろ」
ニナ「大丈夫です。安全装置がついてますから。ほら」
ニナが発射ボタンを押すとバズーカが火を噴いた。
ニナ「あれ??」
会議室のアムロたちがいる一角が破壊された。
チェーン「部長、大変です!ケーラさんがミンチになっちゃいました!」
アムロ「うわっ…アストナージ、見るんじゃない!」
アストナージ「ケーラが、ケーラがぁぁぁ!」
翌日にはケーラは何事もなかったかのように出社してきたが、もちろんGP02もお蔵入りになった。

ブライト「これがその様子の報告書か」
アムロ「ああ。面目ない。これでGPシリーズはGP04も含めて全部お蔵入りだ。代替案を明後日までに出す」
ブライト「わかった。しかしニナ・パープルトン、永遠に厄介者だな」



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最終更新:2017年07月06日 08:47