カイ「クライン社と関連のある企業は全て取材拒否…。でもせめて一矢報いたい…。」
フラン「ならクライン嬢の関連で…。」
カイ「そこも全て封殺されている。取材を受けたら干すぞ…とでも圧力をかけたんだろう。」
フラン「本人に付きまとえば…。」
カイ「それもいいのだが、常に周囲に警戒しておかないと危険な上、例の金髪少女もいるからな…。」
フラン「私なら警戒されないかもしれませんよ。」
カイ「分かった…頼む。こっちは例の家を張っておく。」
フラン「分かりました。」
フラガ「張り込むのもいいけどあんまり無茶はしないでくれよ。クライン社の報復はこ~わいから。」
カイ「分かりました。編集長。」

とある朝。クライン邸…。
ラクス「父が近頃忙しいようで、寂しいですわ…。あら、何時の間にか時間ですわ。
そろそろ支度をして学校へ行かないとなりませんのね…。」
適当に服を選び、バックを持って家を出る…が、敷地内から出るには後数分はかかる。
ゆっくり歩きながら…
ラクス(そう言えば…まだ家にキラ様を招いた事はありませんでしたわ。
それどころかスキャンダル回避の為に、一時婚約状態だったアスラン以外の方は…
今は仕方ないんですのね…。そのうち父上でもどうしようもない程に噂が広まるか、
よほど大きいスキャンダルの隠れ蓑になるか…しか手はありませんものね…。)
そして、門の遠方に車を止めてそれを望遠鏡等で見つめているフラン。
フラン「ラクス嬢の登校開始を確認…。何かを思い悩んでいる様子…ね。
彼女が人を警戒するようには見えないし、周りに気をつけるべきね…。」
ラクス(今日は少し暇がありますわ。それに、父の情報ではある大手食品会社の商品表示の嘘
を誰かがかぎつけて、昼のテレビでそれが放送されるらしいですの。今日ならキラ様に変装して頂かなくても大丈夫そうですわ。
私は一応フードを被って分からないようにしたほうが宜しそうですが。)
フラン「学校まで徒歩…ああいったタイプの金持ちにしては健康的ね…。もっと地道につけてみますか。」

フラニー「学校までの道のりの半分を通過…。たまに彼女は振り向いたりしてるけど語句自然、
何事もない…と。ここはガス管の工事現場…ね。」
ラクス(あの車…私を尾行してておりますわね…。気をつけませんと…。)

工事現場でヤザンは穴の上から下の三人に対し、道具を運んでいた。
ヤザン「こういうバイトはホント疲れるぜ…。これな。」
新たに差し込むガス管を加工していたのだが、振り向いてうっかり既存のガス管
を切断しようとしていることに本人は気がついていない。
ガイア「全くよのう…。助かった。」
オルテガ「ガイア、よそ見するな!そこは…」
ガイア「え…?」
ヤザン「元栓も閉じずにそこに穴あけたら中の油が噴出すだろうが!」
マッシュ「もう遅い、油が…。」
ヤザン「脇には溶接中に出る火花…にげろぉぉぉ」
結局、ヤザン以外はフラン達の目の前で大やけどをして、名実共に黒い三連星となる訳だが、
勿論それだけで終わる訳もなかった。

フランは付近で火柱が上がっているにもかかわらず、
その大スクープを完全無視してラクスの尾行、
そして尾行の間の常にまわしているビデオ撮影に専念する。
フラン「火柱?そんなものは放置して尾行続行…ね。」

ラクス(これは…事故ですわね…。連絡を…。)
ラクスは冷静に消防署に連絡をした上で、現場から1ブロック位距離を取る。
尚、ヤザンは既に周囲に避難を呼びかけている。

それとは全く関係のない位置で…アムロ邸前。
ドモン「一撃粉砕鍛錬之力の源也…最後に決めを…。
流派東方不敗は…全身系列…天破共乱…東方は………本当に燃えている?おい、皆!」
アムロ「…なんだ…って火事?」
ロラン「火事…ですか…?今やって…って燃えてるじゃないですか。」
ヒイロ「あの方角…商店街付近か。」
カミーユ「火事…!火の管理をずさんにするから!」
シーブック「あの方角は…とーなんとう!」
ウッソ「何で火事が…こんな事っておかしいですよ!」
キラ「火事?この地域はトラブルが絶えないなぁ…。」
ジュドー(火事?これは…)
ガロード「随分嬉しそうだな、兄貴。」
ジュドー「そんなこと無いって。(小声で)火事場泥棒のチャンスってだけだけどな。」
ガロード「そうか?じゃ俺の気のせいか。(その後小声で)同じこと考えていたようだな。」
アムロ「近所だし無視も出来んな。皆、消火を手伝いに行くぞ。」
皆「了解。」
アムロ「因みに火事場泥棒を企む奴は…キングオブハートの名にかけてドモンから粛正があるから留意するように。」
ジ+ガ「はぁぁーい。」

皆がガンダム迄運用して消火に向かうその最中、付近で…。
カイ(今日なら隙も多そうだ。いいスキャンダルが手に入るかもしれないな。)
そうこうしている間に商店街には人ごみが集まっていくのだった。

フラン「火事が酷い事になってきたわね…。でも、あくまで仕事優先ね。といっても
ラクス嬢のいる位置を撮影していれば自然に後での火事も撮影できるんだけどね。」
…あれは…ガンダム?しかもあんなに…。消火活動に協力する気かしら?
まぁ今の仕事には関係ないわね。集中集中…と。

カイ「現場は大混雑、もっと接近しないと見れないな…ん?ガンダムが二機ばかりビルに指を突っ込んで…
で二機とも他のガンダムに頭握られて爆発…なるほどな。これで一つ記事が出来た。撮影できたのは爆砕後だから
粛正した方のガンダムしか取れなかったが…。」
「MSを使って火事場泥棒、それを止める正義のガンダム…と。こんな感じだろうな。次々…。もう少し内部を調査しないと…。」

ジュドー「現場でなら兄さんもそんな暇は無いと思ったんだけどな…。」
ガロード「不意討ちなんて卑怯だぜ、全く…。」
ドモン「火事場泥棒はキングオブハートの名にかけて粛正する!!」

アムロ「…懲りない奴らだ。全く…。」

そうこうしているうちに、火はどんどん燃え広がっていた。
アムロ「拙いな…。こうも広がると…。」
カミーユ「付近に温水プールがあります。それを利用して…」
アムロ「分かった。」
しかし、そんな中でもカイはどんどん内部へ突き進んでいった。
カイ「こんな所で屈してちゃ、取材のチャンスは得られないんだよね。」
フラン「…仕事仕事……あそこ…ビルが崩れる?
したにはラクスさんが…危ない。でもジャーナリストとしてしっかり撮って置かなきゃ…え?」

いきなり、ガンダム一機が目の前に現れ、倒れつつあるビルを背で受け止める。
しかし、周囲のビルの重さもかかっている為かそのガンダムは動いたらビルが崩れガンダム事態も転倒する為、動けなくなってしまった。
そして外部スピーカーから声が聞こえる。「早く逃げて。ここは危険だから。」

フラン「運良くスクープゲットね。偶然とはいえ事件の発端からを撮影できた上、ラクスさんを守ったあのガンダム…。
何でラクスさんも逃げないの?何かに話し掛けているような…。こっち側のビルにも火が回り始めてる…限界ね。
できればパイロットも見極めたかったけど…無理ね。」

カイ「…あれは……ガンダム…。ビルを支えてるのか…。でもあの状態じゃ限界が…。
ガンダムのパイロットが降りてくる?乗り捨てたという訳か。インタビューしてみる価値はありそうだな…。」

カイは中心部に辿り着いた時に、偶然支えとなっている状態のGを放棄し降りるキラの姿を発見した。
キラ「何でこんな事に…一体なんで…。早く逃げないと…。流石に危険と見たのかラクスも途中で逃げてくれたからいいけど…。
あの状態で僕が動いてたら…ラクスは助かってはいなかっただろうからね…。とりあえず急いで脱出しないと…。」

カイはキラを追いつづけ、そしてジャーナリストにとっては滅多に出会うことのないチャンスに出会う。
カイ「これは…シャッターチャンスだな。撮影撮影…と。これは最大のスクープになるぞ…。そしてあの時の雪辱を晴らすことにも…。」

因みに、火は途中で月光蝶と謎の緑色の光によって消し止められたようだ。勿論これも取材されていた。
そしてその日の夕刊。他の記者はあくまで火事があったということしか報道できなかったが、
ごく一部の三流ゴシップ新聞社だけは例外であった。

とある新聞社の記事

 ガス管工事現場より発火、消し止めたのは民間人。

今日早朝、記者が偶然車に乗っていると、偶然ラクス=クライン嬢を発見。
何かスクープの気配を察したのか撮影を開始したその直後、彼女の目の前にあった
ガス工事現場から発火、火が燃え広がった。彼女が冷静に消防車を呼ぼうとしたが、
野次馬の存在も相成って、中々上手く消化ができない。実際消火したのは、
近所に住む、とある大家族である。その記者によると、なにやら翼のような物と緑色の光
が付近に広がった瞬間火が消えていたようだ。この事件の後、とある専門家に意見を聞いてみると、
ナノマシン関連であるという事のみしかわからないとのことらしい。
この事件により、消防署職員からは飛行性能を持ったMSの配備を上に要求する動きが見られているようだ。

因みに、裏にはこの火事の最中にあった出来事の記事もあります。

火災現場で火事場泥棒?

一部の人々が消火活動を行っていた最中に、まだ被害が来ていない部位のビルに指を突き立て、
中のものを盗み出そうとしていたMSが2体ばかり存在した。しかし、何者かのMSによって
その者の機体は破壊され、事無きを得たようだ。尚、この写真は火事場泥棒防止をしたMSである。

火災現場でついに発覚、ラクス=クライン嬢に彼氏が!!

前回、似たような記事を書いて名誉毀損で訴えられた者もいるが、今回は正真正銘事実である。
この四枚の写真を見て欲しい。因みに1枚目はこの事件の現場にいた記者が現場の撮影をしていた所、
ラクス=クライン嬢のいた場所の付近にあるビルが倒れかかってきたのを受け止める現場である。
勿論これだけでは何の意味もなさない。2枚目の写真はそのパイロットが機体を放棄する所。
この写真に写っている人物はこの写真では鮮明に撮りきれてはいないが、茶髪で美形の少年である事までは分かる。
これも勿論たいした意味はなさない。しかし3、4枚目は決定的である。
まず3枚目。これはラクス=クライン嬢が逃げる最中に、付近の電柱の倒壊に巻き込まれそうになった
所を身を挺して救う先程のパイロットである。
誰がどう見ても、赤の他人相手にここまでする物はいない。
この写真だけでも確実にこのパイロットとラクス嬢には何らかの関係があることが見て取れるだろう。
そして4枚目。身を挺して庇った結果、腕が下敷きになったパイロットを必死になって助ける
クライン嬢の写真である。目元に注目すると、うっすらと涙が浮かんでいる。
助け出す様子と平行してみてみると、明らかに彼氏であろうと思われる。
尚最終的にラクス嬢は近くの角材二本を使って電柱をどかし、その少年を抱えて病院へと向かった。

そして…社では…。
フラガ「あーらら、よくここまですごいスクープを手に入れちゃったねぇ…。」
カイ「ジャーナリストとして当然の努力をしただけです。」
フラン「これで三流から二流には昇格できた感じですね。」
フラガ「…それを言うなって…1流目指してるんだから。因みにビデオの方は
テレビ局に高額で売れたよ。」
フラン「本当ですか?」
フラガ「ああ。今夜は飲み会だな。」

病院内…。
ジーゲル「ラクス、気にはしていないのか?」
ラクス「ええ。いずれ分かってしまう事でしたもの。二度目では訴訟などでうやむやにも出来ませんわ。」
ジーゲル「そうか…。分かった。辛かったら何時でも言うんだ。私が何とかしよう。」
ラクス「分かりましたわ。父上。では…。」
ジーゲル「では又後で。」ツー・・・ツー・・・ツー・・・。
そこでキラが診察室から出てくる。
ラクス「キラ様…私が早く逃げなかったせいで…ごめんなさい。」
キラ「気にしないで、元々これは僕のミスが原因だから。あそこでストライクを
もっと早く乗り捨てていたらよかったんだからさ。」
ラクス「キラ様…。」
キラ「僕の方は大丈夫、只片腕骨折に火傷、それに頭を打って気絶してただけさ。
大丈夫だからそこまで気にしないでよ。後ここまで運んでくれてありがと。
入院の必要もないから明日から学校にもいけるしさ。後、心配かけて御免。」
ラクス「いえ、助けていただいたのは私も一緒ですわ。」

アムロ邸、次の日夜。テレビではキラとラクスの絡みが様々なチャンネルで
放送されていた。
アムロ「ついにキラとラクス嬢の件、広まっちゃったな…。名前が出ていないのが唯一の救いか・・・。」
ヒイロ「ファンを名乗るヲタクの集団に襲撃を受けないといいが…。」
キラ「撮られてたなんて…そんな…うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛」
ジュドー「ま、キラ兄さんなら大丈夫でしょ。それよりも…」
(今ならラクスさんの画像をうpしても大丈夫っぽいな…。流石に片手じゃ切れても俺たちには勝てないだろうし)
ガロード(今のキラ兄さんは怖く無さそうだな。)
アムロ「一応言っておくが、キラが怪我しているのをいい事にネット上で何かを企んでいるようだとキ(ry」
ドモン「次は前よりもきついぞ。」
ジュドー、ガロード「ちぇ。」
カミーユ「それはそうと…例の事件の原因の三人、見事黒焦げになっちゃったらしいですね。」
コウ「工事現場の黒い三連星が黒焦げか。」
ロラン「後キラ、腕が治るまでは色々と手伝いますから言ってくださいね。」
キラ「ありがと。兄さん。」

こうして、カイの命を賭けた努力の結果、実名こそ出なかったが
前回失敗したラクスの恋疑惑に関して突き止める事が出来た。
これにより、カイの所属する新聞社は名をあげ、二流クラスなることには成功し、
取材拒否の減少にもこぎつけた。カイのジャーナリストとしての活躍はこれからである。
(完)



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最終更新:2018年10月23日 10:16